ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その34)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(04/10/10)

ガキンッ!!ガキンッ!!
「このやろっ!!」
霊波刀で必死に攻撃を加える横島。
しかしバルドルフはそれを短剣で防ぐ。
「いつまで続けるつもりだ?こんな攻撃で私を倒せると思っているのか?」
「うるせぇ!!」
横島は霊波刀を振り下ろす。
「遅い。」
バルドルフは霊波刀を避け、短剣で横島を斬る。
ズバッ!!
「ぐぁぁ!!」
体に出来た傷口から血が噴出す。
「さてと。」
バルドルフは、横島の首を掴み、持ち上げる。
「ぐぁぁぁぁぁ・・・・。」
「さて、どうしてほしい?」
ニヤリと笑い、バルドルフは横島の顔を見る。
「が、あ、あぁぁぁ・・・・・。」
「・・・・・そうだな。」
左手に持った短剣がキラリと光る。
「喉を刺し、悲鳴が上がらないようにするか。」
首を持った右手をずらし、喉仏が見えるようにする。
ギランッ
バルドルフの長剣が光る。
「死ね。」
ヒュッ
短剣が、横島の喉笛に向かっていく。




ガキンッ!!
「!!」
「そこまでだ、バルドルフ!」
ガルファからもらった魔剣「ホワイトローズ」で、バルドルフの短剣を防いだ西条が叫ぶ。
「ほぉ・・・、生きていたか。」
ニヤリと笑うバルドルフ。
「横島クンと同じで、しぶといからね。」
西条は、右足でバルドルフの胸を蹴る。
「ぐっ!」
蹴りを喰らったバルドルフの右手から、横島が開放される。
そして、体を回転させ、バルドルフの頭に回し蹴りを喰らわす。
「ぐぁっ!」
回し蹴りを喰らい、バルドルフは数メートルの所まで蹴り飛ばされた。
「げほっ!げほっ!」
「大丈夫か、横島クン。」
「さ、西条・・・。」
「君は休んでいろ。奴は僕が引き受ける。」
「な、何言ってやがる!俺達じゃ勝てないことが分かっているのか!?」
「分かっているさ。」
西条は言った。
「だが、君の体力が回復するまでの時間ぐらいは稼げる。」
「!!」
「君の足手まといには、なりたくないからな。」
西条は剣を構え、起き上がるバルドルフを見る。
起き上がったバルドルフは、左手を当てながら首をコキコキ鳴らす。
「今のは効いたぞ。普通の人間なら、下手をすれば頭蓋骨が割れていたかもしれないな。」
バルドルフは、ゆっくりと長剣を抜く。
「さて、ゆくぞ・・・。」
「・・・・・来い!」
ダッ!
2人は同時に駆け出した。





ガキンッ!!
大きな金属音が辺りに響く。
「どこで手に入れたかは知らないが、なかなかの剣だな。」
鍔迫り合いをしながら、バルドルフは言う。
「友からもらった大事な剣でね!」
「ならば、その大事な剣、叩き折ってくれる!」
ガキャンッ!!
バルドルフの振り下ろした長剣を、西条は剣で防ぐ。
ガキャンッ!ギィンッ!!
バルドルフの剣撃を、西条は後ろに下がりながらも、それを防いでいた。
「どうした?なぜ攻撃してこぬ。この腰抜けが。」
西条を挑発するバルドルフ。
しかし西条は、顔色一つ変えなかった。
(下手に挑発に乗り、攻撃をしかけてもやられるのがオチだ。)
西条は思った。
(僕1人でどうこうできる相手では無い事は、ずっと前から分かりきっている。
だったら、横島クンが体力を回復するまで、時間稼ぎをするしかない。)
西条はホルスターから拳銃を抜き、引き金を引く。
バンッ!バンッ!
脚に狙いを定めていることに気付いたバルドルフは、後ろに跳び、それを避ける。
「飛び道具を使うとはな・・・。」
ヒュッ!
「!!」
バルドルフは、西条との間合いを一気に詰める。
「死ねっ!」
ヴォンッ!!
西条は後ろに跳び、バルドルフの剣を避ける。
(これでは、いくら銃で間合いを作っても、意味が無いな・・・。)
西条はホルスターに拳銃を納め、剣を構える。
(やはり、防戦にまわるしかないか・・・・。)
西条がそう考えていた時だった。
ヒュッ!
「!?」
何かが投げられた音がした。
そして、
ザクゥ!!
「ぐぅっ!!」
突然、右脚に激痛が走る。
西条は自分の右脚を見た。
右脚には、バルドルフの使っていた短剣が刺さっていた。
「くっ!」
西条は、柄を持ち、短剣を抜く。
ズボォッ
「ぐあぁぁ!!」
抜いた瞬間、激痛が走り、西条は片膝をつく。
「こちらも飛び道具を使わせてもらった。」
冷酷な笑みを浮かべながらバルドルフは言った。
「さて・・・。」
バルドルフはゆっくり、西条に近付いた。
そして、首筋に長剣の刃を当てる。
「時間稼ぎでもしていたつもりだろうが、そうはいかん。」
「・・・・・。」
「もはや貴様らに戦える力などない。」
「・・・・・。」
プツッ
刃が、西条の首筋の皮膚を斬る。
ツゥッ・・・
そこから血が垂れていく。
「そろそろ、この下らん戦いを終わらせることにしよう・・・・。」
ニヤリと、バルドルフは笑った。





(西条がやべぇ!た、助けに・・・・!)
横島は立ち上がろうとする。
ズキィッ!
「ぐぁっ!」
バルドルフにつけられた傷から、痛みが走る。
出血は止まっていたが、すでに体力は限界にきていた。
(せめて援護でも・・・・。)
横島は右手に霊気を集中させる。
「サイキック・ソーサー・・・・。」
しかし、右手には何も出ない。
すでに、横島の霊力も限界だった。
「ここまでなのかよ・・・・。」
(ったく、さんざん好き勝手やっていやがるな。)
「?」
横島の耳に、何者かの声が聞こえる。
その声は、どこか横島の声に似ていた。
(キーさんに頼まれてきてみれば、こういうことだったか。)
「誰だ・・・?」
(おい、お前!)
「?」
(お前、アイツを助けたいか?)
「アイツ・・・・?」
横島の目に、追い詰められた西条が映る。
「西条・・・・。」
(どうなんだ、アイツを助けたいのか?)
「・・・・俺は、アイツを、アイツを助けたい!」
(よし!じゃ、しばらくお前の体を借りるぜ!)
「なっ!?」
(あらよっと。)
その瞬間、横島は意識を失った。





「ん?」
バルドルフは向こうを見た。
向こうで、横島がゆっくりと立ち上がっていた。
「しぶとい輩だ。しかし、一足遅かったな。」
バルドルフは剣を振り上げる。
「この男の首が飛ぶ様、その目に焼き付けるがいい。」
バルドルフはニヤリと笑う。
「死ねっ。」
その時、
ヒュッ
「ん?」
ドバキィッ!!!
「グブゥア!!!!!」
横島の拳が、バルドルフの顔に当たった。
そのパンチで、バルドルフは数メートル飛ばされる。
「よ、横島クン・・・?」
西条は、自分の目の前に立っている横島の後姿を見る。
Gジャンにジーンズ、いつもの横島の姿だ。
ただ、髪は銀色になっていた。
「大丈夫か?」
西条の方に首を向ける横島。
顔は横島だが、瞳の色がスカイ・ブルーに変わっていた。
「誰だ、お前は?」
「横島・・・、っていうか横島を体を借りてるって言った方が正しいか。」
「借りてる?」
「おっと、話はここまでだ。」
そう言って、横島はバルドルフの方を見る。





「ぐっ・・・・。」
長剣を杖代わりに、ゆっくりと立ち上がるバルドルフ。
口の端からは、赤い血が垂れていた。
「き、貴様、よくも・・・・・。」
バルドルフは、横島の顔を見る。
「!!」
バルドルフは驚愕した。
「久しぶりだなぁ、バルドルフ。千年ぶりか?」
ニヒヒと笑いながら、横島は言った。
「ば、馬鹿な!何故、何故貴様がここにいる!!」



「ハロルド・ギア・メタリア!!!」


続く

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa