ザ・グレート・展開予測ショー

GS新時代 【鉄】 其の参 前編


投稿者名:ヤタ烏
投稿日時:(04/10/ 1)



蛍花は血の海に沈んでる屍にヒーリングを掛け、その隣でひのめは優雅に朝食に有り付いている。
横島家の朝のセレモニー・・・・・・・・のどかな朝のセレモニーである。     



美神家の女の特徴である、紅い美しい髪その髪後ろで括ってポニーテールにしているのがひのめである。
姉の令子に負けず劣らずの美女でありスタイルもかなり良い、町に出れば誰もが振り返り、男達には声をかけられる

性格は、かなりの勝気で、気が強く取っ付きにきにくい印象をうけるが、基本的に面倒見が良く下級生には慕われている。
若いときの令子によく似ていると言われるが、姉ほどの性格破綻者ではない。
現在、六道学園高等部の三年生である。
霊力の才能は相当の物で、生れ付きの【念発火能力者】でありこの年で、霊力だけなら姉の令子に匹敵する。
彼女の母、美知恵曰く【才能の神様に最も愛された子】と贔屓目なしにそう言わしめる才女である。
ちなみに、彼女が横島家にいるのは、六道学園に通うためであり、別に親子間に問題がある有るわけではない
むしろその関係は他の家族と比べても良好とすら言える。

 
血の海に沈んでる屍にヒーリングを掛けているのが蛍花である。ボブカットに切りそろえられた美しい黒髪を弄りながら片手間でヒーリングをしている。ひのめとは違ったタイプの美少女であり、全体的に可愛らしいといった感じの子であり。
これまた、男によく声をかけられるのだが、ひのめと違いどうすれば良いのか
解らずよく困っている。

性格は父譲りの優しさと、母の譲りの芯の強さを併せ持つ。誰からも、好かれる良い子であるが、汰壱に関しては少し黒い。
家族関係は超の付くほどの良好で、父の忠夫が大好きであるゆえ、若干ファザコンの癖があるのはご愛嬌。
霊力の才能も超一流の両親の子供である事からかなり早い段階で目覚めている。【幻術】と【精神感応能力】が得意で【ヒーリング】まで、できる。
そこら辺の二流所のGSが聞けば裸足で逃げ出すほどの高い能力を有していて
六道学園内ではひのめと併せて【焔と陽炎の姫君】と呼ばれるほどであるが
本人事態、あまり争い事を好まない節がある。
現在、六道学園高等部一年生であるが目下最近の悩みは、叔母や母にスタイル負けしていることである。
                                              

最期に血の海に沈んでいるのが汰壱、容姿については、まあ先程も書いた通り
怖い顔である。
ちなみに、汰壱も二人と同じ様によく声をかけられる、
不良さん、893さんや(ヤクザ)、暴走族・・・・etc
言うまでも無く皆さん男で、最近は随分団体さんでいらっしゃるので、汰壱は常に一人一人丁寧にしっかり対応して後のケアもきちんと、
腕のいい心霊医師を紹介して立ち去っている。(氷室心霊医院)はおかげで常にご盛況で、そこの美人医師目当てで固定客まで付いたりしてるが。
・・・・・・・付いたあだ名が「黒ジャージの悪魔」

性格は誠実そのもので、売ってきた人には、無視したりせずきちんと買ってあげている。何人であろうが最後の一人まで
それはそれは、きちんと対応してくるので誰も逃がしません。
霊力に関してはひのめ蛍花と比べれば悲しくなるほど差がある、血の滲む様な猛特訓で昔に比べれば霊力も上がっているが
残念ながらいいとこ、中の下といったところだろう。 
       
彼の義理の祖母、美知恵曰く【才能の神様に総スカン食らった子】と贔屓目無しにそう言わせる。
ちなみに彼の技は【霊攻拳】と呼ばる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・勝手に呼んでいる
まあぶっちゃけた話、霊力を拳に集中してぶん殴るだけの単純の一言に尽きる技なのだが・・・・・
真呼吸を併用しての幼少からの猛特訓のおかげで体術、耐久力、体力に関しては凄まじいの一言に尽きるがいかんせん元が元なので未だに周りから
GSになる事を止められている。
ちなみに、ひのめとの対戦成績は1勝523敗6分けと凄まじい事になっていたりする。
現在、六道学園高等部一年で二人と同じ霊能科に在籍している。
しかし、入学出来たのは本当にギリギリであった。


試験の実技で、身体能力と霊力を見る物があり、身体能力テストでは試験管全員の度肝を抜いたが、霊力テストで別の度肝を抜いてしまった。
なんと最低規定値まで届かなかったのだ。

「ぬおおおおおおおおおおお」
汰壱の体から白い靄の様なものが出ている。
「うーん確かに肉眼で確認できますが・・・ちょっと力がねぇ・・・・・それになんかスッパイ?匂いが・・・」
 例によって汰壱は【真呼吸】で異常に汗を書いているが霊力負荷の軽減が全く出来ていない状態である。
「ぬっううううううううううう」
「うむ確かに確認できるんだが、いかんせん、このスッパイ香りは?」
 皆さんは記憶に無いだろうか?冬のやたら寒い日に汗を大量に掻くと、これに極めてよく似た現象が起こります。
 「「「「「「おいいいい!! 汗かよ!!!!!」」」」」               
「霊力出せってナニ出してんだコラ!!馬鹿かお前は」
「やかましい!、人間気合が入るとこんなもんだよ」
「人間からそんな機関車トーマスみたいな湯気が出るかボケ!お前は列 ○王か!!」
「うるさい!モアイ像みたいな顔しやがってイースター島に帰れ」
「この糞ガキャ!こーなりゃ全面戦争じゃ!!!」
「かかってこいやー!

ちなみに霊能科における入試は筆記と実技があるが
汰壱は筆記も何とか通ったが一番のメインである霊力テストでけつまずいた。
当然霊能科で霊力が足りない無いなんぞ笑い話にもならない、
しかし身体能力テストでは歴代最高記録を出している者をすぐには落とせない。
試験管達は散々議論した挙句、汰壱を補欠入学と言う形で入学を許可したのだ。

「いやーあん時はどうなる事かと思ったわ」
    
「あんた気絶から回復するなり、何寝ぼけた事言ってんの?」

「走馬灯を見るほどにぶちのめしといて、そういう言う事いいますか・・・」

「ごめんね・・・あんたがそこまで弱いと思わなかったから(にっこり)」
 カッチーンと来たとばかりに汰壱
「このアマ一回殺してやろうか(青筋)」
 ブチィ!
いいかげに終わりそうに無い喧嘩に蛍花がキレた。

「うるさいんだよ!この馬鹿共が!さっさと飯を食ええええええええ!!!!!」

霊力を最大開放して殺気まで込めて町中に響き渡る大声で叫んだ。
その余りの衝撃に人口幽霊壱号は外に音を漏らさないように最大級の
防音結界を即座に展開した。
外に漏らせばいろんな意味で致命傷である。
「「はい すいませんでした(泣)」」
ガタガタブルブル    
 余りの恐怖に二人とも声をそろえて謝った。
    
今日の朝食はいつもより静かだった。

     

        
                
六道学園 霊能力者を目指す学生等が多く集う、霊能のエリート校である。多くの者が選らばた能力者であり、
GSの次世代を担うに相応しい教育を受けている。そのいずれもが高い霊力を持っていおり、毎年のGS資格試験でも数多くの合格者を輩出している。
その中でエリート達の中でも 古牙 汰壱の存在は異質であった。
霊力が最低規定値以下の入学者・・・・・筆記の点数が足りなくても受かった者はいる、身体能力テストの点が悪くても合格した者もいる。
しかしこの六道学園が創設されて以来、霊力が足りずに入ったものは
一人たりともいなかった。
だが、汰壱は入学した。六道学園史上初めての霊力が足りずに合格した・・・・なぜか?
身体能力テスト歴代記録全種目塗り替え・・・・・・・・・・。これは十年前に人狼族の少女犬塚 シロが記録してから誰にも破られる事無かった記録である。
まあ記録と言ってもシロは人間では無く、妖怪なのでこれは殆どテストケースの様な物 であり、ある種の冗談のような記録であった。
この年の人間の子供が人狼の記録を破る、おおよそ人間の限界を超えた身体能力であった。

「まあ霊力が低い事には変わりないんだけどよ・・・・・」
 誰に突っ込むでもなく汰壱はぼやいた。
入学する事はできた、だが補欠入学だ。当然待ってるものは補習・補習・補習の山だ。
おかけで本来休みの日曜日にまでこうやって呼び出しを食らうことになっているが汰壱の足取りは軽かった。
「日曜日にまでわざわざ訓練できるなんて有り難いかぎりだね」
そう、人は彼のことをこう呼ぶ訓練オタクと・・・    
   
校門を潜ると教室ではなく体育館に真っ直ぐ向かった、さすがに日曜だけに生徒の数は少なくがらんとしている。
何人かの生徒は部活やら汰壱と同じく補習で来ている者もいる。
静かな校舎というのもなかなか悪くない。
   
更衣室に入り学校指定のジャージに着替える。
どうでもいいことだが、学校指定のジャージというのはどうしてこんなにもダサいのだろう?
『ミスタージャージ』という二つ名を持つ汰壱としては許せん限りである。
「赤ってどうよ?赤って、シ○アかシ○アなのか?」
性能は三倍である。・・・・・・・・・・・・・・・嘘だ。
 

着替えて体育館の中に入ると、すでに彼の顧問の鬼道が待っていた。

「おはようさん古牙」

「おはようっす先生」

鬼道と汰壱は教師と生徒の間柄ではあるが、気が合った。
鬼道自身も幼いころから、厳しい訓練を親から課せられた経験があり、
汰壱と通じるものも少なからず有った。
汰壱の、この補習授業も鬼道が自ら駆って出た。


汰壱は他の生徒と比べても、飲み込みも、覚えもお世辞に良いとは言い難いが、
唯ひたすらに熱心だった。
出来ぬ事があれば出来るまで何十回でも何百回でも何千回でも繰り返す。
周りが何と言おうが気にも留めずに、まさしく一心不乱に練習を繰り返す、そうして最終的にそれらを習得している。
覚えこそ悪いが、この熱心さに他の教師達も汰壱のことをそれなりにであるが評価している。


「ほな今日は、式神レベル50・三体からいくで・・・準備ええか?」
特殊方陣のリングに入りながら汰壱が答えた。
「うっす!お願いします。」
「よし、ほな行くで」


式神ケント紙レベル50から三鬼の式神が現れた。
三鬼とも全身を黒タイツの様なもので身を覆い、顔は銀色の仮面に覆われており表情は汰壱からはわからない。
汰壱は静かに構えたいつもと同じ構えだ。
「キィー!!」
三鬼の式神は同時に右・左・真ん中の三方向から突進してきた。
「だぁー!!」
汰壱も同時に真ん中の式神目指して突進していった。
三鬼が迎撃に入るよりも素早く汰壱が中央の一鬼に接近、刹那タックルをかまして一鬼をすっ転ばし、馬乗りになり霊功拳をぶち込んだが一撃では仕留めきれない、霊力の出力が足りていないのだ。
「ちっ」
馬乗りなっている背後から他の二鬼が突きと蹴りを繰り出してくる。当たる寸前で半身捻って避けそのままの体制で右にいる一鬼に足払いを食らわし、これまた転ばせる、その時になって馬乗りになっていた一鬼が起き上がろうとしてきた。
「寝てろコラ!」
ドゴッ
顔面に肘鉄をぶち込み、もう一度地面に帰っていただいた。
跳ね上がるように飛び起き、左の一鬼と間合いを詰めた。
上段回し蹴り放ってくるが、汰壱にそれがとどくより、遥かに速く汰壱の拳が相手にめり込んだ。
「ぜいっ!」
瞬間的に霊力を最大開放して相手の急所を穿った。
ボシュー
少し間抜けな音を立てて一鬼がもとのケント紙に返った。
「一」
「ギィー」
「キィー、キィー喚くな!!どっかの戦闘員かおまえらは」
先程足払いを掻けた一鬼が起き上がり霊波を放ってきた。
「遅い!」
霊破をかわして一歩踏み込む・・・次の瞬間には二鬼目に接近した。
「破ぁ」
慌てて防御しようとするが間に合わず、霊攻拳を急所に受け、元の紙に返った。
「二」
三鬼目がようやく起きあがろうとすると・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドゴシャ
「寝てろつってんだろが!」
もっかい踏まれました。
「キー(泣き)」
悲しそうな声を上げて三鬼目が元の紙に返った。
「・・・・・三」



一息つきながら汰壱は尋ねた
「どんぐらいでしたか」
「二分五十三秒やな・・・たしかに動きはええし攻撃方法も悪うないせやけど」
「やっぱ霊力・・・っすか」
途中で遮るように言った。
「そやな、解っとるみたいやな、一鬼目最初の一撃で仕留められんかったやろ」
「ええ急所外してしまったんで」
「普通ならあそこで仕留められる、急所に当たらんでもな」

少し間を置き汰壱の行動に気付いた点を上げていく、細かく正確にのべて良い点・悪い点を汰壱に理解させた。
それ全てを一言も聞き漏らすまいと耳を傾け詳細をノートに書き込んでいく。
最初に実戦訓練を行い自分が不足している点を明確に理解させ、座学へと移る。こうする事により汰壱はより深く学ぶ事が出来た。

「しっかし、あれやなお前の突き・・連突きゆうんか?えらい速さやな、並みの練度や無いな」
そうなのだ汰壱の体術・身体能力は確かに高い練度を誇っているが、まだまだ雑な動きが多く、荒削りなところが多い。
しかし汰壱が毎日欠かさずにやっているあの連突きだけは別格であった。
それは一流所の者と比べても十二分奔く・重く・正確であった。
事実初め鬼道は汰壱の連突きを視認できなかったそれほどに奔かったのだ。
「まあ、けっこうやってますから・・・」
「どんぐらいや?」
「六年間毎日一万回以上はやりましたよ」
「納得やな、でもようそない続けたな?」
「そりゃ・・最・・強のGS目指してますから」
「その前にGSになれるんかいな?」
「うぐっ・・痛いとこ付きますね」
「ほーれがんばれ、出力落ちとるぞ気張って搾り出さんかい」
「ぐぬぅぅぅ」
「次、足に七割・両手一割づつ胴に残り一割」
霊力のエネルギーを体に振り分けていく。元より霊力操作が下手な汰壱はこうしたエネルギー移動が苦手である。
しかしこれがまともに、出来なければ満足に戦うことが出来ない。
地味な練習だが地道に繰り返すしかない。
才能の無い汰壱にはこうして何度も何度も繰り返すしかないのだ。

「ほれ集中、集中、次、右手に全力集中」
「うっす」
全体の霊気を全て、右手に集中そこから全力開放で維持するが、右手に集めたはずの霊気がどんどん流れて行く。
「き〜つ〜い」
「それやったらただ垂れ流しとるだけや、もっと纏めるイメージでや」
「くっっそ」
必死に霊気を纏める様にするが、なかなか旨くいか無い、全身で維持することは出来るが体の一部に全て集中するにはかなりの集中力を要する。
どんどん、なけなしの霊気が流れていく
「古牙お前、グローブとかはよう着けるか?」
「着け・・ますけどそれが?」
体力消費が著しいので息も絶え絶えに答えた。
「拳にそれが有るイメージをしてみ」
そう言われて、しばらく自分がよく着ける喧嘩用フィンガーオープングロ―ブを強く明確に意識した。
シュッウウウン
霊気が収束し固められ拳の周りを覆っている。成功したのだ。
いつもの陽炎のような霊気よりもずいぶんハッキリしているそれは、鈍色の光を放ちながら確かにあった。

「ようやっと出来たな・・・やっぱり普段から身に着けるものとかには意識がしやすいからな、お前の少ない霊気でも全身から掻き集めて極点集中すればそれなりの威力になる。せやけどこれは、ほかの部分の霊力保護まで無くなるさかい実戦には向かんな、そこんとこ、よー気い付けぇ」

「ぜーはぁーぜーはぁー、とっところでいつ・・まで維持したらいいんすか?もういい加減無理・・」
「あほ!!急にを気を抜く奴が」

あわてて鬼道がとめるが若干遅かった。行き場を失って固めたままの霊気は・・・爆発した














ブォゴン!!

















「・・・・・・・とまあこの様に急に霊力を落としたりすれば行き場を失った力が暴発するわけや(青筋)」
「ハイすんません・・・・ゲホッ」
幸い汰壱の霊力が少ないのが幸いして二人共アフロとパンチパーマに成っただけですんだのだが

汰壱は・・・・・
焦げて眉が薄く
髪の毛はパンチパーマ
元からの厳つい顔
ジャージ

下っ端ヤクザの出来上がりである。   


なんか俺の扱いひどくない?
人生そんなもんだ。


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