ザ・グレート・展開予測ショー

横島君、嵐にあうとかなんとか その五


投稿者名:鉄人
投稿日時:(04/ 9/21)

『ん・・・ここはどこだ?俺は一体?』
『あの、三人は・・・』
先ほどまで、横島に抱きついていた三人の美少女はいなかった。
『暗くて何もない所だなー・・・』
『ところで、ここは天国なのか?・・・地獄なのか?・・・』

媚香と魔薬の影響で、横島の意識はまだ朦朧としていた。
『でも、さっきはよかったー、まさにパライソだったなー。』

突然、あたりが明るくなった。
『え、眩しい。』

明るさに慣れた横島が目にした光景は破壊された東京、新宿だった。
空には空を覆いつくす無数の魔族の群れ、また群れ。

そして地上では魔族による人間への一方的な虐殺が行われていた。

それが俺の見た光景だった。
『なんだよ・・・これは、まさか、嘘だろ・・・こ、こんな事があるわけがない。あるわけないだろ・・・』
『そうか、これはゆめなのか?・・・そうだよ、これは奴らの見せている幻覚だ。』
俺はその地獄のような光景を見て気が狂いそうだった。

しばらくして俺は瓦礫となったビルの側に美神さんを見つけた。
『あ、あれは美神さん。お、俺もいる?』

美神さんは負傷して倒れているようだった。

『美神さん、ひでえ!あ、あんな大けがをして・・・』
大怪我をした美神さんは横島に介抱されていた。

「大丈夫ですか?美神さん!傷は浅い!しっかりしてくれ!」
「ごめん・・・横島くん・・・ドジ踏んじゃった・・・」
「しゃべっちゃ駄目だ。こんな怪我、すぐに治るから。」
「くそ、治れ治れ・・・」
治癒の文殊を作っては美神の治療を続ける横島。
しかし、肉体だけでなく霊体にまで致命傷を負っている令子の怪我は文殊でも治らない。

「横島くん、ありがとう・・ごめん・・・わたし、もう駄目みたい・・・」
「何言ってるんですか!美神さんらしくないですよ!簡単に諦めないでください!」
「横嶋くん、お願い・・・あなたは生きて・・・生き延びて・・・お願い・・・」
「美神さんも生きるんです。美神さんも俺と一緒に・・・」

「ごめんね忠夫、もう約束果たせそうもない・・・この戦いが終わったら・・・」

「そうだよ美神さん!俺たちは結婚するんだ!約束したじゃないか・・・だから、だから死ぬな!令子!れいこー!!」

横島の手から令子の手が落ちて垂れ下がる。

令子を見る横島の顔がみるみる涙でぐしゃぐしゃになっていった。

「うぐ、令子、令子ーー!!!」
令子の胸に顔を埋め横島は泣いた。

『う、うそだろ・・・美神さんが、美神さんが死ぬなんて・・・そんな馬鹿な事が・・・』
この光景を見ていた俺はうなだれて床に両手を付いた。

その時、一人の魔族が美神の亡骸を抱いて泣いている横島の後ろに立った。
魔族は身長3メートル、亀のような顔に亀のような甲羅を持っていた。

「ゲハハハハハ、美神令子は死んだようだな。ふん、手こずらせおって」
「だが、一流のGSというのは伊達じゃないようだな。たしかに人間にしてはよくやったと褒めてやるわ!ゲハハハハハ!」

さらに魔族は手に持っていた人間を横島の目の前に投げた。
「シ、シロ!」
シロは左手をちぎり取られていた。。
「よ、横島せんせい・・・申し分けないでござる・・・拙者が付いていながら美神殿をむざむざ・・・、美神殿のお腹には先生の子供もいたのに・・・」
虫の息のシロが横島にわびた。
そしてシロは気を失った。

シロの言葉に美神の胸に顔を埋めて泣いていた横島の肩が一瞬ぴくっと震えた。

「ふん、人狼の小娘ごときが・・・この俺に勝てるとでも思っていたのか?ゲハハハハ」

『このやろー、よくも美神さんを、シロをー!』
この凄惨な光景を見ていた俺は魔族に殴りかかった。だが
『な、素通りした・・』
俺は魔族の体を素通りしてしまった。

魔族は殴りかかった俺に気付かず何事もなかったように
「それに、あの魔装術を使う雪之丞という小僧も炭になって死んだわ。ゲハハハハハ!」

『え、雪之丞が・・・あいつもやられただって?うそだろ・・・あいつがそんなに簡単にやられるわけが・・・』
俺は魔族の言葉を震えながら聞くしかなかった。

「安心しろ!横島忠夫。貴様もすぐに美神令子の後を追わせてやるわ。あの世で二人仲良く暮らすがいい。」
魔族は右手を横島に向けた。右手が徐々に光り出す。

『やめろー、このやろー!やめろー!!!!』
俺は魔族の右手の前に立った。

そして、魔族の右手から光が放たれた。
その光は立ちはだかる俺の体を素通りした。

美神を抱いていた横島に光が直撃する。
ドオオオオオオーンン!!!
横島の体が閃光に包まれ大爆発が起こる。巨大な火の玉が横島と美神、シロを包んだ。

「ゲハハハハハ!何も残さず燃え尽きるがいい。ゲハハハハハハ」
魔族は燃えさかる炎を見ながら大笑いしていた。

『ちくしょー!ちくしょー!ちくしょー!』
手を出す事も何も出来ない。傍観するしかない俺は床を何度も叩いた。

炎が徐々に消えていく。

「げはははは!ん、何、なんだと!?」
勝ち誇り高笑いしていた魔族の笑い声が止まった。

横島、シロは無傷でその場にいた。
横島はバリアーを、強力な結界を張っていたのだ。
美神の亡骸を床に寝かせ立ち上がる横島。

『なんだ、どうしたんだ?俺の様子が変だぞ?』
俺は横島の様子が変なのに気が付いた。

立ち上がった横島は全くの無表情だった。

そして魔族に向かって左手を左から右に水平にゆっくり振った。
ボギャッ!!
次の瞬間、魔族の体は衝撃波を受け悲鳴すらあげず粉々になって吹き飛んだ。

『な!なんだって』
俺はその横島の力に驚いた。
『ば、ばかな!こんな力、俺は持っていないぞ。』

次に横島は上空に右手をかざした。
そして振る。

雲がまっぷたつに割れた。
上空にいる無数の魔族が次々に木っ端微塵になって、そして消えていった。
横島は、空を飛んでいたすべての魔族を消滅させると

横島はまたも右手を水平に振った。
今度のその一振りは、地上にあるものすべてを木っ端微塵にしていった。。
そこにあるものすべてを、魔族も、人も、建造物も、すべてが消えていった。・・・・そして暴力的な破壊の後には巨大なクレーターのみが出来ていた。
そして無表情の横島がそこにいた。

『あ、あ、あ、あ、あ、わあーーー!!』
俺はあまりの事に叫び声を上げた。

また闇が訪れた。

俺は頭を抱えた。
今にも気が狂わんばかりだった。
『なんだったんだ?あれは本当に現実か?美神さんが死んで、雪之丞が死んで、シロが手を失って、美神さんが俺の子を身籠もっていたって・・・どういうことなんだ?』
『それにあれは、本当に俺か?俺はあんな化け物になっちまうのかよ?』
『嘘だよな、これは幻覚なんだよ、あの女達が俺に見せた幻覚だ。幻覚なんだ!』


「今のは幻覚じゃない。あなたの見た事はこれから起こる紛れもない現実よ。」
俺が悶えていると、どこからともなく女の声が聞こえてきた。

「だ、誰だ?」

「私よルシオラよ。ヨコシマ。」
「ル、ルシオラーーーー?」
「そう、未来から来たルシオラよ。会いたかったわヨコシマ。」

「その声は、確かにルシオラだ。でも、未来から来たって?」
「ええ、そうよ。そして今、あなたが見たビジョン(映像)は未来のあなたの記憶よ。」
「・・・・・・!」

「詳しい事は後で説明するから、それにさっきの三人の女の事でも話したい事があります。」
「さっきの三人の女の事でも」のところのルシオラの口調は氷よりも冷たかった。
「ひ、ひえー!!!ルシオラに殺される!」」

「でも今は早く起きてよ。本当にヨコシマの体を操るのは大変なんだからー!」


で、ここからちょっと時間を巻き戻します。

メギドの大鎌は横島の首めがけて振り下ろされた。
ザシャ!
横島の首が鎌の刃に切断されて頭が吹き飛んだ。

「ふはははは!横島忠夫の最後だ。これで未来の我々に立ちはだかるものはいない!」

「んん、なに!なんだと?」
メギドは次の瞬間我が目を疑った。

首を切断された横島の体が一瞬光った。そして消えた。
「横島が消えた!まさか!」

「くそ!どこだ、どこにいる!横島忠夫!」
周りを探すメギドと三人の娘達。

「私を捜しているのかしら?ふふふっ、私ならここにいるわよ」
大木の枝の上に横島はいた。
横島の周りには無数の蛍が光っていた。



続きます。




いいのかこんな作品投稿して
はい、今回は非常にDARKです。
唐突にルシオラも登場です。
こういうの嫌いな人は読まない方がいいです。
これを読む前にその四を読む事をお勧めします。
でないと何書いてるのか全然わからないと思います。
二人の横島の書き分け上手くできてませんので、混乱しないようお願いします。
みなさん石を投げないでください。
こんな駄文でも、読んでいただければ嬉しいです。
鉄人

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