ザ・グレート・展開予測ショー

タイガー、失恋する


投稿者名:鉄人
投稿日時:(04/ 9/17)


今日は日曜日、天気はいいし仕事も学校も休み。

横島はアパートの自室で一人悶々としていた。
「ちくしょー!こんな日に遊びに行けないなんてー!みんなビンボが悪いんやー!」
ごろごろと転がってふてくされている。

とんとん
そんな時、ドアがノックされた。
「ん、誰だ?」
ドアを開けるとそこにはタイガーがうなだれて立っていた。
「ん、どうしたんだ?タイガー、珍しいな。」

タイガーが横島の部屋を尋ねてくる事は珍しい。
「横島さん、わっしは、わっしは、」
「だから、どうしたんだ?」
「真理さんに捨てられたんじゃー!」

泣きながら叫ぶタイガーの巨体に抱きつかれ、ベアハッグされる横島。
バキバキバキ!
「のおおおお!背骨が、背骨が砕けるー!ギブ、ギブアッープ!!」
ほどなく、失神する横島。

「しっかり、しっかりしてつかあさーい。よこしまさーん!」
完全に失神した横島を揺さぶるタイガー。

「てめえタイガー、俺を殺す気かー!ごほっごほっ」
どうやら息を吹き返した横島。

「で、どうしたって?」
座り込んで小さくなっているタイガーに尋ねる横島。

「実は今日、真理さんのショッピングに付き合ったんじゃ。」
「それは真理さんとデートしたという事だな。」

「ちがうけん!真理さんに買い物に付き合ってくれと言われて付き合っただけじゃ。」
「ばかやろー!それを世間一般じゃデートというんじゃい!」
「ちくしゃー!なんだかとってもちくしょー!タイガーすらデートしてんのに・・・それに引き替え俺は・・・」
「こんないい天気なのに、金もねえからナンパにもいけねえ。ビンボー人はデートはおろかナンパすらしちゃいけねってのかよー!」
「神様の馬鹿ヤロー!!!」
一人、夕日に向かって叫ぶ横島だった。

「あのー、そろそろわっしの話を聞いてほしいんですけんど・・・」
「あ、真理さんに捨てられたって。どうしたんだ一体。」
「・・・・・」

タイガーの話はこうだった。
真理と歩くときは、いつも彼女がタイガーの前に立ちタイガーを引っ張っていた。
会話も真理の方から積極的に話しかけ、タイガーが相槌を打つという、そんな感じだったという。

「そうだな、真理さんの方がお前より積極的だからな。」
日頃の真理の行動を思い出し、横島が頷く。

ところが、今日のデートでは真理の様子が変わったという。
「それが、いつなら先頭を切って歩くのに、きょうはわっしの後を黙ってついてくるじゃ。」
「どこに行くんじゃと行き先を聞くと、「行き先はタイガーに任せるよ。」というんじゃー。」
「さらに、いつもなら真理さんの方から話しかけてきてくれるのに、今日はわしがしゃべるまでが一言もしゃべってくれないんじゃー!」

「わっしは、わっしは、真理さんに嫌われたんじゃー!!」
「うぐ、うぐ、」
巨体を振るわせ泣き出すタイガー。

「・・・・・・」
「あのなタイガー、真理さんがお前を嫌いだとはっきり言ったのか?」
「いや、真理さんは優しいからはっきりいわんけんど、態度でわかるんじゃー!!」

『ふー、こいつはどこまでも鈍感な奴だな・・・』
自分の事を棚に上げ、実直で、鈍感で、気のやさしい愛すべき友を見てため息をつく横島。

「ばかやろ、真理さんはお前を嫌いになったんじゃない。その逆だ。」
タイガーに告げる横島の顔は優しかった。

「ところで、真理さんとデート中じゃなかったのか?タイガー」
小さく頷くタイガー。
「なら、さっさともどれ!四の五の言わずもどれ!真理さんをこれ以上待たせるなー!この果報者がー!!」
横島は渋るタイガーを部屋から追い出した。

「がんばれよ!タイガー!!」
横島は走り去っていくタイガーの背中にエールを送る。







なんか、変な話になりました。
駄文ですが読んでいただけると幸いです。

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