ザ・グレート・展開予測ショー

横島君の鬼退治みたいだったりなんだったり


投稿者名:鉄人
投稿日時:(04/ 9/13)

ぐぅるおおおおおー!!!
バリバリバリバリ!!!!

岩の中から異形の怪物が出現しようとしていた。
身長は3メートルを優に超す。筋骨隆々の逞しい肉体。
頭部には50センチはあろうかという二本の角。
その姿を見たものは全員がある妖怪を思い浮かべるだろう。
その妖怪とは、「鬼」
幾十にも張られた結界が破られて、1000年以上昔に封じ込められた人食いの大鬼がその恐ろしい姿を現す。
「く、なんということだ!再結界が間に合わなかったか。」
「どうする、神子柴どの!」
「うむ!ここはいったん引いて洞窟の出口に結界を張り鬼の足止めをするしかないだろう。」
「時間を少しでも稼いでオカルトGメンに応援を要請する。」

神子柴一族の長老、輝元の決断と指示は早かった。
だが、もう大鬼は最後の結界をも破ろうとしていた。
洞窟内には神子柴一族の神官と二十人の巫女、そして助っ人のGSなど四十人ほどがいた。
GSの中には神通棍などで鬼を攻撃する者もいたが、まるで刃が立たなかった。
この鬼が完全復活を遂げれば間違いなくここにいる者は皆殺しにされるだろう。
そして人里に現れたら・・・

神子柴輝元は結界から上半身を乗り出している鬼の正面に立つ。
「皆が脱出するまで、この場におとなしくしていてもらおう。」
輝元は胸の前で両手を会わせると呪文を呟く。
「喝ーーーー!!!!」
輝元は両手を鬼に向かって気合いとともに突き出すと光の奔流が鬼に向かって流れ出す。
その光を受け鬼は動きが鈍くなり、止まった。
輝元は叫ぶ!
「よいか、皆が脱出したら表に待機している者達と力を合わせ洞窟の出入り口に結界を張るんじゃ。しばらくは奴を足止めできるじゃろう。」
「そしてGメンが来るまで頑張るんじゃ!」
その時、一人の巫女が輝元の元に駆け寄ってきた。
「お祖父様、お祖父様も逃げてください!」
「駄目じゃ!今わしがこの術を解いたら鬼はまた動き出す。人間には奴をどうする事も出来ん。」
「でも、それではお祖父様が・・・」
「わしの事はよい。覚悟していた事じゃ。」
「お祖父様・・・私も残ります。お祖父様をおいて逃げる事など出来ません!」
「いかん春香!お前は若い。こんな所で死ぬ事はない。」
「いやです。お祖父様・・・」
「春香・・・」

「うがあああ!!!」
その時、鬼を拘束していた光が弱まってきた。鬼は再び動き出し二人めがけて右の拳を振るう。
輝元は孫娘春香をとっさに庇う。
数秒後、何の衝撃もないのを訝しんだ輝元は、目を開けた。
そして自分の目の前に鬼から庇うように立つ一人の少年の背中を見た。
ジーンズの上下に頭にバンダナを巻いたその少年を。
そして輝元は驚愕した。
なんと彼の左手は鬼の右拳を受け止めていた。鬼のパワーを、人間の数十倍数百倍はあるであろうパワーを少年は左手一本で止めているのだ。
「き、君は一体?・・・」
「あ、大丈夫ですか?怪我とかないですか?」
少年は鬼を油断なく見据えたまま返事をしてきた。
「いや、大丈夫だが」
「よかった・・・シロ、タマモ!この人達を安全な所へ連れて行ってくれ!」

「了解でござる先生!」
「任せてよ横島」

いつからそこにいたのか、髪の長い少女が輝元をおぶり、金髪ナインテールの少し幼い感じの少女が春香をおぶって駆け出す。
彼女たちは人一人おぶって薄暗く足場の悪い洞窟の中を出口に向かって文字通り疾駆していく。
「き、君たちは一体」
「質問は後々!ほら出口が見えてきたでござるよ。」

「長老ー!!」
「春香ちゃーん!」
「輝元様、春香様、よくご無事で・・・」
輝元と春香の無事な姿を見て皆から歓声が上がる。
「いかん、彼を助けないと!」
輝元は洞窟内に残り鬼と対峙している少年を助けるために皆に指示を出そうとする。
その輝元を制止するようにシロと名乗る少女は
「大丈夫でござるよ。あの程度の妖怪、先生の敵ではござらん。」
もう一人の金髪の少女タマモもシロの言葉に相槌を打つ。
「そうよ、横島は無敵なんだから。」
この二人の少女は横島というあの少年の事を心の底から信頼しているのがよくわかる。
「彼の名は横島というのか、[そ、そうか!彼は・・・]」


暫くすると横島が洞窟から出てきた。
「もう大丈夫っすよ。奴は文殊5個で封印かけてやったから、一週間ほどは身動きできないはずです。その間に再封印してください。」
輝元は驚く。
「文殊、君は文殊を使えるのかね?」
「使うどころか先生は文殊を作る事も出来るんでござるよ。」
シロは自慢げに輝元に答える。
輝元
《やはり、彼が今噂の・・・》
「いやー、ははは・・・」
横島は周りの尊敬の眼差しを一身に浴びて照れまくっているのだが・・・
「あの、お祖父様と私を助けていただいてありがとうございました。」
気を取り戻した春香が横島に礼を言った。

横島は春香を見た瞬間
「お会いする前から愛していましたー!!!!!」
見事なルパンダイブを敢行しながら春香を押し倒そうとする横島
「きゃー!!!!」
春香の悲鳴が上がる。
次の瞬間、タマモの狐火がシロの霊波刀が横島を焼き、頭を叩く。
横島、轟沈
シロ達によってロープでぐるぐる巻きにされた横島。皆あっけにとられて横島達の漫才を見ていた。
「全く先生は相変わらず美人を見ると理性がぶっ飛ぶんでござるからー!ぷりちーな拙者という者があるのに」
「ほんとーに見境ないんだからー、横島は!私たちには襲いかからないくせに!」
「あんな美少女の巫女さん姿に萌えない奴は男として問題があるんじゃい!俺は自分に正直なだけじゃ!」
さらに狐火にあぶられ、霊波刀でぐりぐりされる横島であった。
「いい加減にしないと美神さんにいいつけるからね。[でござる!]」
「タマモ!シロ!それだけはかんべん!美神さんに殺される!」
まったく情けない横島であった。
「さあ、もう帰るわよ。」
タマモは二個の文殊を取り出すと転移の念を込める。
「それじゃ、さようなら」
三人の姿が徐々に消える。
「おじょうさーん!またあいましょー!!ぶっ!!!」

あっけにとられて消える三人を見つめている一同!
輝元がまだ頬を真っ赤にしている春香に尋ねる。
「春香、惚れたか?彼に」
春香は無言で頷く。
「でも、横島様はどこにいるのかわかりませんし・・・」
「文殊の横島、美神除霊事務所の所属GSじゃ。有名じゃぞ彼は・・・」
「それにわしも惚れた。性格に一部難があるようじゃが、なーに英雄色を好むじゃ。問題ないわい!わはははは!」


一ヶ月後、美神除霊事務所にGS見習いの少女が入ってきた。名を神子柴春香という。



その後、横島が受けるいわれなき暴力が大幅に増えたのと、その不死身っぷりにますます磨きがかかった事をお伝えしておく。





すんません、すんません。こんな駄文を投稿しちまって。初めての投稿なもんで・・・
この場を汚して申し訳ありません。
もしよかったら感想なりいただけると嬉しかったりします。

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