彼だけは。彼こそは。(三)
投稿者名:teto
投稿日時:(04/ 8/24)
「一般の方はこちらのほうにお名前をお書きくださ〜い」
受付の女の人が横島たちに声をかけた。
「あっ!はい、わかりました」
受付のほうに近づき、おキヌはそこに置いてあるペンで名前を書いていった。
横島 忠夫
キヌ
玉藻
おキヌが書き終わると、
「はい。この度は『アフ』の会合に参加いただき、誠にありがとうございます。
詳しい『アフ』の事はこのパンフレットに載っていますので・・・」
「いやーー!!ありがとう、きれいなおねぇさまぁ」
受付の人からパンフレットを受け取りながら手を握る横島、それでも彼女は笑顔をまったく崩さない・・・さすがアフだ(?)
「この会合が終わったら二人で語り合いませんか?愛とその他・・」
「ぱぁ〜ぱ?」
「冗談っすよ!!」
少し調子に乗った横島が言葉を言いきる前に、タマモが握っていた横島の手に爪 をたてた。
「すんません、きれいな人を見るとつい・・・」
「はぁ」
横島にしては珍しく謝っている。ついってなんだ・・・
「私なんかよりも、若くてきれいな奥様とかわいらしい娘さんがいらっしゃるじゃないですか。」
「あっ!やっぱりそう思います?嫁も娘も俺にはもったいないぐらいのかわいさですからねぇ!はっはは」
横島の顔を白い眼で見ていたおキヌの顔がいっきに赤くなる。
「ねぇぱぱ・・・そろそろ行こ」
タマモが横島の手を引っ張りながら言った、下を見ている所を見ると顔は赤いのかも知れない。
「えっと、では失礼します。おキヌちゃん行くよ!」
「へっ?はっ・・はい!横島さ・・あ、あなたぁ」
まだ顔の赤いおキヌとタマモを連れて、横島たちは会合の行われる場所へと歩を進めた。
「『おキヌちゃん』に真っ赤な顔して『あなた』か・・かわいらしい夫婦」
受付の女性がそんなことを漏らした。
横島、おキヌ、タマモという潜入メンバーを決めたのは美神だった。
美神は世界でも有数のGSのため、心霊系を扱う教団には知られている可能性があった。
それにくらべて、あまり知られてはいない横島とおキヌ。
おキヌはヒャクメに心眼の修行を受けていたため、ヒャクメの心眼を持っていなくても霊視能力が高く、教団が霊を使って何かしようとすれば見抜く事もでき、ネクロマンシーで逆にコントロールできる。
横島の文殊は霊能の域を超越している、本人もゴキブリ並みの生命力を持っているため危険な状況でも多分生き残れる!
それに仲間を決して見捨てない彼は自らの命を使っても絶対に仲間を守るだろう。
幻術のプロであるタマモは幻術にはかからないだろう。
と、いう考えから三人が選ばれたが、無論シロはこういうことには向かないと判断された。
三人バラバラよりもまとまっていた方が安全ということで、
どーせまとまんなら家族でいきましょう!!とかいう横島の意見があっさりと可決された。
タマモは5,6歳ぐらいに変化し、現役学生の横島とおキヌは・・・若く見える夫婦(やや妥協)ということで決定した。
ちなみにタマモに『ぱぱ』と教えたのは横島で、おキヌちゃんは自分から『あなた』と言っていた。
明るいホールのステージの上で女の人が『アフ』について語っていたが、横島には興味がわかなかった。
そして何かを思いだしたような顔をしていきなり、
「えーっと、こちら、Y。応答せよ、応答せよ」
「応答とゆーか、初めから全部聞こえてるでござるよ・・・」
シロはあきれた声で言った。
「なに!!つつぬけだと!!プライバシーの侵害だ!!私の人権はいづこに?」
「そんなもん無いわよ・・・横島君、もういいから」
美神もあきれた声で言った。
横島のバンダナには最新型の小型カメラが入っている(命名.心眼ツー)、そのおかげで外の車(ワゴン)の中で待っている美神とシロにも中の様子がわかるようになっている。
美神側の音声は横島が左耳にはめているイヤホンから流れるようになっていて、横島以外誰にも聞こえない。
下手をすると電波扱いだ・・・。
「はっ!!これが美神さんの策略なのかぁ!!そうなんだな!!あのアマァ俺の人権を奪うだけでは飽き足らず、世間体もぉズタズタニィィ!!」
パイプ椅子から立ち上がり叫ぶ彼、後ろのほうに座っていたのであまり注目はされてはいないが目立っている。
「あんた、何バカなこと言ってるのよ・・・」
「子供の状態で俺にバカというな!!新しい属性に目覚めてしま・・・」
「あの〜横島さん?そろそろ出てくるみたいですよ?」
ステージのほうを見ると長々と『アフ』のことについて語っていた女の人はいつの間にか消えて、司会者らしき女の人が立っていた。
「では、我が『アフ』の代表。ジュオン代表に登場していただきます」
その人はそういうとステージの隅に下がっていった。
「ふふ、鬼が出るか、蛇が出るか。どっちにしたって私にはかなわないわ・・・」
画面を見ながら、美神が笑みを浮かべ、そう言った。
それを聞いた横島が、
「ふふふ・・・美神さん以上が出てきたら俺なんか瞬殺さ」
と自信たっぷりに言った、さすがは彼と言ったところだろうか。
今までの
コメント:
- 三話目書きました。
いろいろつっこんでくれるとうれしいです。
みなさんのつっこみを受けて少しづついい分が書けるようになりたいです。 (teto)
- ん・ばぎさん、ご指摘ありがとうございます。
僕の中おキヌちゃんは逃げてしまいました・・・
たしかにおキヌちゃんみんなのストッパー役だけど、しっかり強さを持っている子ですよね。これからがんばります。
九尾さん、ご指摘ありがとうございます。
ぜんぜん進みませんが、暖かく見守っていてください。 (teto)
- MAGIふぁさん、感想ありがとうございます。
教団の怪しさが少しでも伝わったのならうれしいです。
もっと怪しくなるハズなんで、もうすこしだけお付き合いください。
純米酒さん、感想ありがとうございます。
西条はギャグ係です。シリアスも似合ういい男ですよね、かれは。
後輩はM,Mさんです。下の名前知らなかったんですけど、コミック読んで調べました。 (teto)
- 誤字ちぇっかさん、ご指摘ありがとうございます。
活動再開(?)おめでとうございます。
私の作品で復活とは少しうれしいです。これからも精進しますので、どうか易しめに見守ってください。
だてさん、感想ありがとうございます。
なぞの存在さんは次に出てきます。セリフには一応意味があるんですけど、
それはまた今度、少しづつ・・・
まだ続くのでもう少しお付き合いください。 (teto)
- ・・・擬似家族・・・・・・・・良いですねぇ。
人選も結構納得できる物がありますし。ベストですなw
>「あんた、何バカなこと言ってるのよ・・・」
>「子供の状態で俺にバカというな!!新しい属性に目覚めてしま・・・」
この会話がとってもよいですねw (純米酒)
- >「あっ!やっぱりそう思います?嫁も娘も俺にはもったいないぐらいのかわいさですからねぇ!はっはは」
さらっと言える横島君。やはり凄い! (紅蓮)
- tetoさん、初めまして。
中々にミステリアスで、続きを楽しみにさせてくれるSSですね。
是非とも簡潔まで頑張って下さい。
さて、「つっこんでくれるとうれしい」との事ですので、いくつかツッコミを(笑)
1.「オカGが教団に目を付け、神崎事務所のGSを送り込んだ理由」が説明されていません。オカルト事件と関連付けられたのは、神崎事務所の者が変死体になってからですよね? 新興宗教の教祖やら神体が「生き神」だったり「奇跡の肉体の持ち主」と触れ込まれるのはごく当たり前の事なので、噂だけでオカGが出張ってくるのはおかしいですよね。 (黒犬)
- 2.タマモの姿が5〜6歳だと、高校生の二人が「若く見える夫婦」を演じるのは無茶な気がします。見た目高校生の二人にそんな娘が居た日には、本気で何歳ですかあんたら、と(笑) 有り得ないとまでは言いませんが、潜入するのに怪しまれたり目立ったりするのはあかんのでは? ここはやはり、Gメンの協力で特殊メイクを施したとか、エクトプラズム・スーツ(ユニコーン捕縛の時に、横島が女に化けたヤツです)を使うとか、何らかの工夫をした方が良かったのではないでしょうか。 (黒犬)
- 3.横島とおキヌ、基本的には除霊を学んだだけの普通人ですよね。まぁ、実戦経験は嫌ほど積んでいそうですが。アシュ戦の時の横島のようにその立場がたまたま利用できると云う理屈ならともかく、普通は素人に潜入調査はさせませんよね? 加えてタマモには経験不足に拠る常識欠如な所がありますし、美神が無線で指示出来るとはいえ、このメンバーではボロを出す確立はかなり高いと思われます。これも「Gメンの専門家に最低限のレクチャーを受けて来た」とでもしておけば、説得力がグンと上がるのではないでしょうか。 (黒犬)
- 他にも細かい所(ミカ・レイの例があるように、美神が変装する方が成功率が高いんじゃ?等)は色々とあったのですけれど、とりあえず気になった所はこのくらいで。
どれもこれも一行ほど書き足せばカバー出来るようなものなので、投稿の前に誰かに試し読みして貰うと良いかも知れません。
SSとしては期待出来る面白さなので、細かい所に気を払えば一気にレベルが上げられると思います。
では、長文失礼致しました。 (黒犬)
- いや、前話より大きな進歩です。この調子で頑張って下さい。 (自分は書けない) (ん・ばぎ)
- tetoさま あんまり、おっちゃんのコメントを真に受けないように。
私はおキヌちゃんしかチェックしてませんのでw (ん・ばぎ)
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