ザ・グレート・展開予測ショー

彼だけは。彼こそは。(壱)


投稿者名:teto
投稿日時:(04/ 8/17)

「うさんくさ」

しばらくじっと資料を眺めていた横島の沈黙を破った言葉がそれだった。

「横島さん・・・たしかに怪しい感じしますけど・・・」
「おキヌちゃんは変態長髪の言うことを信じるのかい?」
「えっ!!私はその〜お仕事ですし・・・」
「ハイ!ハ〜イ!!拙者は先生の言うとおり怪しいと思うでござるよ」
「でも、Gメンが持ってきた仕事でしょ?本当じゃない?」

他の面々はとっくに資料を読み終えており、
横島の言葉に続いて各々の感想を言い出した。

「そうだな。ロンゲ中年さんも腐ってるが公務員だしな」
「本人がいる前でそんなことを言うのかい?横島君・・・ジャスティスの錆がひとつ増えることになるな・・・」
「やれるもんならやってみろよ、お・じ・さ・ん?」

横島は栄光の手をだし、西条はジャスティスを軽く振りかぶった。
二人の間に目に写るほどの殺気が生じ、その殺気が刃となりお互いの急所に向けて必殺の一撃をあびせようとした瞬間に、

「ああ、もう!!うるさいぃぃぃ!!」

美神の華麗なる一撃で二人は宙を舞った・・・。

(両手で器用に・・・世界、狙おうぜ)
(僕までかい?令子ちゃん。僕っていったい)

横島は余裕のようだが、西条は美神の一撃と横島の自分に対する暴言に誰もつっこんでくれなかったことが結構効いているようだった。

「金になればいいのよ。Gメンのまわしてくれる仕事で1億だなんて、
さすが不況に強い公務員様〜♪人民の血税ありがたくいただかなきゃね。
ほっほほほ!!」

近頃は、不況の煽りを受けて仕事も少なくなり、あったとしてもとても彼女の欲望を、担う額ではなかった。

「でも、美神さん。相手のことまったくわかんないじゃないですか?危険ですよ」
「これは、調査もかねているのよ。わからなく当然でしょおキヌちゃん?」
「それはそうですけど・・・。」

いつもはもっと冷静な彼女だが、お金が関われば人が変わる。わかりやすい人間だ

「シロもタマモも異存ないわね?」
「せんせぇが行くなら拙者はおーるおっけーでござるよ!!」
「私はめんどくさいけど、どーせ横島も行くでしょ…」

シロは横島が行くとこならばどこにでも行くようで、タマモも別に異存はないらしくまだ倒れて時々痙攣するふたりの男を白い目でみていた。

「ちょっとまった!!美神さん俺はまだ行くなんてひとっことも発してないすっよ」

超人的な動きで復活した横島。

「やっぱり人間じゃないわね・・・」
「人間の慣れをなめるな!!」

タマモの独り言に指をピシッと指してポーズを決める横島・・・律儀な奴だ

その頃、西条は痛みによる苦しみが誰にもかまってもらえない心の苦しみに変わり一人嗚咽を漏らしていた・・・。

「ほう?横島の分際で私に逆らうと?」

美しい微笑を浮かべる美神まさしく美の神のようだ、こめかみがぴくぴく動いていなければ、だが。

「はいはい、行きますよ。でも・・・」
「でも?」

「そんな調査より先に美神さんの体を…ぐふっっ」
(でたぁぁ!!必・・殺の・・ヒ・・・ザァ)←ちょっとヤバイらしい


「よ〜しみんな大丈夫みたいだから明日から行くことにするわ。
久しぶりの億の仕事よ、はりきっていきましょう!!」
にこやかに彼女はそう言った、ハイヒールの角で彼を踏みつけながら・・・


そのとき、窓から入った風が西条の持ってきた資料を飛ばした。
その紙にはこう書かれていた、

『不死の肉体を持った人間を崇める教団について』と



「誰も僕の名前を読ばないな・・・ははは、僕って」

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa