ザ・グレート・展開予測ショー

ルシオラ2(仮)・その後


投稿者名:マリエンバート
投稿日時:(97/11/16)

 「ルシオラ2(仮)」のつづきから始めます。後半は思いっきり某漫画からパクっているように見えますが、気にしないでください(^^;)。かなり長くなってしまいましたが、待望の「あのキャラ」が登場するので最後まで読んでくださいね。m(__)m


 ルシオラの死を悲しむ間もなくアシュタロスと対峙する横島。怒りにまかせて攻撃するも、力の差は歴然で全く歯が立たない。だがここで横島の懸命な姿に心打たれたベスパとパピリオがアシュタロスに造反、自分たちの力を横島に与えて死んでいく。さらに他のGS達の援護も受け、一時的に霊力の増した横島は一個の文珠「爆」に全ての力を託し、アシュタロスに向かって投げつける。
 たかが人間の力とみくびっていたアシュタロスも、これで思いもかけない深手を負って撤退を決意。だが横島の力が予想以上に大きいことを知り、最後の力で手のひらから怪光線を発してその霊力を根こそぎ奪い取ってしまう。
「横島とか言ったな。貴様はただでは殺さん。わたしの傷が癒えるまで絶望と恐怖におびえて待つがいい」
 最後にそう言い残し、アシュタロスは飛び去った。こうして人類の危機はひとまず回避されたのであった。


 アシュタロスとの死闘から一週間が過ぎ、一時の平和を取り戻した美神除霊事務所。しかし例の怪光線を浴びてからというもの、横島は霊波刀も文珠も出せないただの煩悩少年に逆戻りしていた。数か月後に再び襲ってくるアシュタロスのことを考えると、それまでに失った霊力は取り戻しておかなければならない。そう考えた横島は基本に戻り、ひとまず煩悩エネルギーを充填することから始める。・・・要するに美神さんのシャワーシーンを覗こうとするわけです。(^^;)

「くおら、このエロガキは!! 成長しないわね!!」
 と、いつもの調子でどつく美神さん。しかし・・・
「だってだって!! アシュタロスと戦うためには俺の文珠が必要でしょ!? ちちやふともものひとつやふたつ触らせてくれたっていいじゃないスか・・・って、美神さん?」
「・・・・・・」
「あ、あれ? どうしちゃったの美神さん。急に黙りこんじゃって・・・はっ!そうか、俺の熱意を理解してくれたんですね!? 万事OKっスね? それじゃ遠慮なく・・・」
「・・・あんた、誰よ・・・」
「・・・・・・は?」
「わたしのシャワールームに勝手に入ってくるなんていい度胸してるじゃない!! とっとと出て行きなさいよ!! この痴漢!!」
 ものすごい剣幕でまくしたてる美神さんの瞳に尋常でない怒りを感じる横島。まさか・・・嫌な予感が横島の脳裏をよぎった。
「おキヌちゃん! 痴漢が入ったわ、すぐ警察を呼んで!」
「ちょ、ちょっと美神さん、俺が解らないんですか? もしかして記憶が・・・」
「いつまでここにいる気よ!! とっとと出て行け!!」
 容赦のない蹴りが横島を打ちのめす。間もなくおキヌちゃんに連れられて西条が到着。
「女性の部屋に無断で侵入するとは、不埒千万。強姦未遂でたっぷり三年はぶちこんでやるから覚悟したまえ!!」
「大丈夫ですか、美神さん?」
 西条もまた横島を覚えていなかった。おキヌちゃんまでが文字どおり汚いものを見るような目で横島を睨んでいる。
「ちょっと待ってくれ! きっとこれはアシュタロスの陰謀で・・・」
「アシュタロスだと!? なんだそれは? わけのわからんことを言ってないで、とっとと来たまえ!!」
「!!!!」

 こうして婦女暴行事件の現行犯として逮捕される横島。そして彼の推測した通り、この一件は全てアシュタロスの仕組んだものであった。彼は数ミクロン単位の使い魔に命じて、横島が接触したことのある全ての人間(含む妖怪)の脳から横島および自分に関する記憶を消去させたのだ。全ては自分を傷つけた横島への復讐と、彼に受けた傷を癒すための時間稼ぎであった。

 ともあれ、横島はオカルトGメンのビルの中の留置所に拘禁されることになる。頼みの霊力も使えず、深い孤独と絶望感にさいなまれる横島。だが死んでいったルシオラたちのことを想い、じっと耐える。いつまでも落ち込んでいては彼女たちに合わせる顔がない・・・。
 そして救助の手は意外なところからやってきた。ある夜、横島はルシオラの夢を見る。そして彼女を抱きしめようとしたところで突然目が覚め、気がつくと目の前には小さな妖精の姿が。そう、鈴女(すずめ)である。周囲の人間たちが横島を忘れているにも関わらず、彼女だけは横島を覚えていた。なぜか? あまりに出番が少ないため、記憶を消す必要がなかったからである(ってしゃれになってない・・・)。鈴女は横島に留置所の鍵を渡すと、しばらく身を隠すように忠告する。そしてどうせなら出番を増やしたいということで横島に同行(笑)、だが横島の脱走は直ちに西条の耳に入り、横島は警察に追われる身となる。ああ、救いのない展開。

 横島は鈴女とともに警察の目を逃れつつ、あてのない旅を続ける。しかし、東京に戻っていたところをとうとう西条に見つかり、包囲される。絶体絶命の横島。

「ここまでだな、連続強姦魔!!」
 高らかに宣言する西条。いつのまにか不名誉なニックネームまでつけられている。
「鈴女・・・世話になったな。おまえだけは逃げ延びるんだぞ」
「横島・・・!」
「さあ、観念してお縄につきたまえ」
 西条が横島に歩み寄り、その手に手錠をかける。だが次の瞬間・・・

「そうはいかんでござるよっっ!!!!」
 一陣の風と共に一匹の犬、もとい狼が現れて横島にかけられた手錠を両断、唖然とする一同の前で狼は少女へと変化する。

「おまえ・・・シロかっ!?」
「はい、横島先生! 助けに来ました!」
「俺のことを覚えているのか?」
「シロが先生のことを忘れるはずありません!! さあ、こっちへ!!」

 シロは霊波刀で警官達を威嚇しながら包囲を突破しようとする。だが、その前に霊刀・ジャスティスを構えた西条が立ちふさがる。
「人狼の娘か・・・だが、犯罪者の逃亡を助けるのであれば何者であろうと容赦はしない。かかってきたまえ!!」
「先生をいじめるやつは・・・許さない!!」
「シローーーーーー!!!!」

 西条が相手ではさすがのシロも分が悪い。横島はなんとか加勢しようとするが、いかんせん霊力は使えない。そして何度目かの激突の後、とうとうジャスティスの刃がシロをとらえる。その場に崩れ落ちるシロ。

「さ、西条ーーーーーーー!!!!」
 倒れたシロの姿にかつてのルシオラの姿を重ねあわせる横島。限界を超えた怒りと悲しみが全身をかけめぐり、横島の魂を突き動かす。そして西条に向かって突進する横島の手には以前とは比較にならない大きさの霊波刀が握られていた。
「霊波刀が・・・出た!?」
「こ、こいつ・・・ただの変質者ではなかったのか!?」
 霊波刀の切っ先がジャスティスをとらえ、閃光を発する。そしてそれが収まったとき、 ジャスティスは真っ二つに折れ、あとには呆然とした西条だけが残されていた。
「なんだ、この感覚は・・・以前にもこんなことがあったというのか・・・」
 だがその西条の問いに答える者はいなかった。

 懸命に走る横島の背におぶられながら、シロはこれまでの事情をかいつまんで話した。三日前久しぶりに事務所を訪ねたところ、横島はいないしなぜか美神たちの様子がおかしかったこと、横島が警察に追われていることを知り、密かに動向をうかがっていたこと、どうやら自分が犬神族の結界の中にいたために記憶を失わずにすんだらしいこと、などなど・・・。

「でも間にあって良かったでござる。あやうくシロの先生が前科者になってしまうところでござるよ」
「おまえにはいつも助けられてばっかりだな。でも、もういいからしゃべるな。傷が広がるからな」
「はーい。今日の先生はやけに優しいでござるなあ」
「・・・ねえ、横島。これからどうするの? もうこっちには戻って来れないよ?」
 鈴女が不安そうに尋ねた。
「ああ、とりあえずシロの故郷の村までいってみよう。あそこの長老なら顔見知りだし、なにかいい知恵を出してくれるかもしれない。それに美神さんたちがあてにならない今となっては俺たちだけでも修行してアシュタロスの攻撃にそなえなくちゃならんからな」
「そうしなければ人間もあたしたちも滅びる、か・・・なんだか大変なことになっちゃったわね」
「なんとかするさ。そうでなきゃ・・・」

 ルシオラたちも浮かばれない、と続けようとして横島は口をつぐんだ。過去のことを振り返ってくよくよするよりも、今は目の前の大事な仲間を守りたい。そう思ったからだ。

「・・・おまえたちの苦労も水の泡だからな」
「ふん、わたしは別にあんたのためにやってるわけじゃないけどね。まあ、毒食えば皿までってこの国のことわざにもあるしね・・・つきあってやるわよ」
「もちろんシロは先生に従うでござるよ」
「よし、そうと決まったらさっそく出発するぞ。強くなるんだ、俺も・・・お前もな」

 初めて聞く横島の力強い言葉に、シロは思った。ああ、先生もこうして強くなっていくんだな。その幾分広くなった背中にもたれながらシロは心地よい眠りに落ちていった。


 こうして主要メンバーをごっそり入れ替えた新・美神除霊事務所の面々、新リーダー横島のもとで打倒アシュタロスなるか!? その結末は・・・またいつか別の講釈で。


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