ザ・グレート・展開予測ショー

横島とおキヌ[2]


投稿者名:NEWTYPE
投稿日時:(00/ 4/ 6)

おキヌの電話に設置しておいた盗聴器によって美神は話の一部始終を聞いていた。
「ぐぬぬ・・・読みは当たったけどあれは何を意味してるの!」
美神の額には人という字の血管があちこちに浮き出ていた。


今朝・・場所は美神徐霊事務所。
ピンポーン・・ピンポーン。
チャイムの音が事務所内に響き渡る。
「は〜い!」
おキヌの明るい返事が聞こえまもなくしてドアが開いた。
「どなたですかぁ〜?」
「!」
そこには横島のひどくやつれた姿があった。
足は既に痙攣を起こしており、顔を見てみると目は血走っていて頬骨がくっきりと浮き出ている。
「よ、横島さんどうしたんですかっ!?」
横島を見るやおキヌの顔が一気に青ざめた。
「ああ、おキヌちゃんか・・め、飯食わせて・・・」
「ご飯ですね!ちょっと待ってて下さい。っとその前に横島さん、顔ヒーリングしませんか?その顔は危ないです!」
「・・飯食えば直るから・・それより早く・・・。」
「そ、そうですか、ちょっと待ってて下さい・・今・・・え?」
ドサッ
横島が意識を失っておキヌに倒れこんできたのだ。
「ちょっ、ちょっと横島さん!?」
おキヌはタジタジになったが事態が深刻なだけに気を取り直してなんとか横島を椅子に座らせた。
「今ご飯作ってきますからちょっと待ってて下さい!」
いうが早いかおキヌはダッシュで台所に戻っていった。
シュタタタ、サクサクサク、ジュボァァァ・・・。
「・・・できた!」
「横島さ〜んお待たせしましたー!」
だが横島の返事がない。
まだ横島の意識は遥か遠くにあった。
「横島さん!・・しっかりしてください横島さん!」
おキヌは必死になって横島を抱きかかえると、持ってきた料理を無理やり横島の口に詰め込み始めた。
最初は意識が無かった横島だったが、飯のにおいに反応した途端、口元が動き出しどんどん飯を平らげていった。
「良かった・・横島さん!」
おキヌは横島の顔色が徐々に良くなっていくのを確認してほっと息をついた。
「ん・・・うまい、うまいぞぉぉぉぉーーーーーっってあれ、おキヌちゃん・・・そうか飯食わしてくれたのかサンキュー!」
「そんな・・・私はただ横島さんが今にも成仏してしまいそうだったからまだ早いと思っただけで・・。」
(・・・相変わらずすげー表現つかうなぁこの娘は。)
「ところでおキヌちゃん、美神さんは?」
「まだ寝てますよ。美神さんは朝寝坊ですから。」
「くそ〜〜あの女、大事な助手がこんな状態だっつうのにのうのうと寝やがって!大体誰のせいでこんな惨めな生活送ってると思っとるんだ!これであのボインがなけりゃ文珠で百回は地獄に落としてんぞ。だいたいさぁおキヌちゃん・・・・・・。
「よ、横島さん・・も、もうその辺で止めたほうが・・・」
おキヌの顔が別の意味で青ざめていた。
「気にすることないぜおキヌちゃん、おキヌちゃんだってあの女に腹立てることだってあるだろ?美神さんがいない今こそ言いたいこといわなくちゃ!」
「ふ〜〜〜〜〜ん、何を言うの?」
穏やかで優しい声が横島の背中に突き刺さった。
「な、何をってそりゃなぁ・・お、おキヌちゃん!」
おキヌはただ下を向くばかりだ。
「横島ぁぁ〜〜〜〜!」
美神は右手に怒気を溜め始めた。
だが、次の瞬間美神は唖然としてしまった。
なんと二人の霊力が共鳴しているではないか!
GSは上級者になると普段でも人の僅かに発している霊力(オーラ)を確認することができる。(らしい)
美神にはいつも二人のオーラが常に見えているわけだがこんな現象は始めてだった。
「な、なな・・・。」
オーラは眩いばかりの光を放ちふたりを優しく包みこんでいる。
もちろん横島やおキヌには見えていない。
「な、なあ美神さん一体どうしたんだろーな?」
「さ、さぁ?」
ギロッ・・・二人の会話で美神は正気に戻った。
(そうだわ、今はあの逆賊を討つことをかんがえなきゃ!この問題はその後ね。)
「さてと・・・」
頭を完全にリセットした美神は横島を見てにやりと笑った。
まだ右手に溜めたパワーが残っているようだ。
横島の体から血の気が引いていく。
そして5秒後・・・。
「行ってぎぼぇぇーーー」
奇怪な声と共に横島は窓ガラスをぶち壊し星の屑となって飛んで行った。
「横島く〜ん!窓の修理代アンタの給料から差し引いておくわね。」
一瞬笑顔に戻った美神であったがすぐに気を引き締めなおした。
席に着いた美神はじっとおキヌを見つめた。
(わ、私何か悪いことしたのかなぁ・・。そういえば昨日バイトしたいって来た人のこと幽体離脱して驚かせちゃったっけ、そのことかなぁ・・。う〜ん・・。)
(あの現象一体何だったの!?まさかあのバカとおキヌちゃんとの間に何か起こるっていう前兆なのかしら。横島君がおキヌちゃんをどう思っているか知らないけどおキヌちゃん結構その気あるみたいだしね〜。でもアイツのセクハラだけは防がないとね!そう、おキヌちゃんは私が守るのよ!)
美神は自分にそう言い聞かせると軽く朝食を取って自室に戻った。
「一体なんだったのかしら?変な美神さん。ああ〜もうこんな時間!早くご飯食べて行かなくちゃ!」
おキヌは急いで朝食を済ませると身支度を整え学校へ駆け出した。
一方こちらは美神の部屋・・・。
「・・どうやってあの逆賊からおキヌちゃん守ろうかしら。・・おキヌちゃんの電話に盗聴器でも仕込んで・・・いやそれは失礼よねぇ・・しかし!おキヌちゃんの安全を考えるならそれが一番よ。そう、そうに決まってるわ。おキヌちゃんごめんね、あなたを守るにはこれしか方法がないの!ああ・・・私ってなんてこんなに優しいのかしら・・。」
美神は自分勝手なことを言いながらも着々と準備を進めていった。
そして夕刻・・・
電話をすべて聞いた後、美神は何かの準備に勤しんでいた。
「ふ・・ふふ。横島君明日は覚悟しておきなさい。一歩でもセクハラ的行動をとった時は・・この240mmバズーカが火を吹くわ!ああ〜早く明日がこないかしら!」(リO−O風)
美神は少し壊れていた・・。
「ふふ・・デートかぁ〜楽しみだなぁ!」
「明日どうする?漢になる、暖かい兄さん的存在でいる、野獣と化す、漢になる・・ぶつぶつ・・。」
こうして思い思いの夜は深けていった。
そして翌日・・・

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