ザ・グレート・展開予測ショー

チョコと煩悩とボディコンのダンス


投稿者名:矢美
投稿日時:(04/ 8/ 1)

二月のイベントといったら、やっぱりバレンタインデー。
え?節分もあるって?
何を言ってんの。節分なんて、せいぜい豆まいて、豆食べておしまい。年の数も食べたら、おなかが痛くなっちゃうこと請け合い


その点、バレンタインは、量より質!愛する人にチョコを贈るなんて、ロマンチックそのもの。
二月といったら、やっぱりバレンタインデー。





(・・・・・・・・・どーしたものかしら・・・・・・)

赤色の包装紙に包まれた小箱を眺めながら小さなため息をつく。

(ま・・・何も特別なことじゃないわよね・・・)

そう。特別なことなんかじゃない。考えてみれば、職場の部下に「義理」チョコを渡すのは自然なことで。変に意識するようなこ

とでもなくて。

(・・・・・気にしててもしょーがない。さっさと渡して終わりにしちゃお・・)

そう思って、席を立つ私。

特別なことじゃない。意識することじゃない・・・・

念仏のように、唱えながら。



「先生ーーー!今日はバレンタインという日なのでござろう!?拙者もチョコを渡すでござるー!」

「横島さん、はい、これ」

「今日はなんかチョコあげる日なんだって?バカ犬におくれをとるのもいやだから私もあげるわ」


(見事にモテモテね・・・・)

物の怪と、元物の怪だけど。

(何か、今渡すとみんなに誤解されそうだし・・)

とりあえず、後で渡そうかときびすを返す。




「あれ?美神さん?」

(おキヌちゃーん・・・・・・(泣)

「美神さんも、横島さんにチョコを?」

「え!?マヂですか!?」

な・・何よ。そんなに満面の笑顔みせちゃってサ。義理なのよ、義理。あくまで義理!?
あー・・でも、今渡すと絶対何か勘違いされる。。。。。

「え・・・?いや、そんなもの用意してるワケないじゃないの!?やだわぁ、おキヌちゃんったら。ホホホ・・・」

「でも、その手に持ってる赤い箱は・・?」


ギクッ!?

なんで手に持ってんの私――――!?(涙

「こ・・・これは・・・。そ、そう!西条さんに渡そうと思って・・・・・・」





          あー



         しまった。


そんな顔で私を見ないでよ、横島クン。ホントはあなたにあげるつもりだったのよ――――、ってそれじゃまるで私が彼にあげた

いみたいじゃない。あくまで義理よ!義理!

――――――― 一人問答。




「・・・・・はぁーーーー・・・」

結局、逃げるようにして去ってきた。

――――――最悪かも。

ま、でももともとこんな義理チョコなんて、あげてもあげなくても変わんないしねっ!きにすることも・・・・・

(な、わけないか・・・・・)

「・・・・・はぁーーーー・・・」

もう一回、長いため息がでた。


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


「ヒィィィィィッ!殺されるっ!殺されるっ!文殊文殊!」

―――キィィィン


    滅


ボガァァァン


「うきゅぅぅぅぅぅん」

派手な音と、意味不明な叫び声とともに、目の前の悪霊は消滅していった。

「ごくろうさま、横島クン」

「あんたなぁぁっ!おとりになれって、結局俺が全部やってんじゃないっすか!」

「まあ、結果的に倒せたんだからいいじゃない(にこっ」

「いや、よくない、よくないって!ていうかなんでおキヌちゃんとシロタマモ連れてこなかったんですか?」

「え!?い、いやー、今回の敵は楽勝だと思ったし、わざわざいらないかなーなんて」

「あんまり楽勝でもなかったんですが・・・・・」

(い・・言えない・・・・!まさか、チョコ渡すために二人になりたかったなんて・・って別に、二人になりたいとかそういうん

じゃなくって!ただ、みんながいると恥ずかしいじゃない?そう思うでしょ?思うわよね!)

「さて、まあ終わったし帰りますか」

「あー・・・・ちょっと待って横島クン」

「はい?」

「えー、今回はまあ、結構がんばってくれたしー・・ぇー・・そのー・・・」

「なんです?」

「つまり・・・・まあいつも未熟ながらも!・・まあ、がんばってる気もするので!労をねぎらう意味もこめてね」

何をのたまってるんだ私は・・・・

「はい」

そっぽ向きながら渡す私。

「・・・これ・・・?」

「義理よ!義理!あくまで義理だからねっ!間違っても勘違いしないでよねっ!」

「?これ西条さんのですよね?」

(・・・・・・そーいやそうだった・・・・)

適当なことをいって逃げを打った天罰ですか?

「あ、だからー・・・やっぱり、横島クンにあげないとかわいそうかなーなんてサ」

あー・・私今絶対情けない顔してる。やめときゃよかったこんなこと・・・。まあ、とりあえずこれで渡せば終わるんだし・・て

いうか早く受け取って終わりにして・・・・・。

「・・・・いりませんよそんなの」

「え・・・?」

彼の意外な回答に、困惑する私。

「俺だってヘラヘラしてますが、一応男ですよ?西条なんかに渡す予定だったチョコもらったって嬉しくありませんよ」

「あ・・で、でも、まああげるって言ってるんだからいいじゃない」

「そりゃほしいですけどね。くれるなら。でもそれは俺に渡そうと最初から思ってくれたチョコの話。ましてや西条のために買っ

たチョコなんて、もらえるわけないでしょう」

な、なによ。いつもヘラヘラしてるくせに・・っ!こんな時だけ落ち着いちゃってさ!
・・・・なんでチョコ渡すだけでこんなに;;

「とにかく!渡せば終わるんだからもらいなさいよっ!」

「なんですかそれは!?とにかくそれをもらうわけにはいきませんっ!」

・・・・・・・・・・・・ぷち


       あ、なんか切れた。


「あ、あんたねぇっ!私がね、あんたのためにわざわざ作ってやったチョコなのよっ!?それがなによ!さっきからもらえない、

もらえないって!ありがたくもらいなさいよっ!!」

・・・・・・・・・・・・・あれ?

「・・え?」

・・・もうヤケ・・・

「だから、あんたのために作ったのよ!わかる!?この私が、あんたのために、作ってあげたの!おとなしくもらっときなさいよ

!」

な・・なんで私が耳まで真っ赤にしなきゃいけないのよ!

「だって、さっき西条にって・・」

「あれは嘘!嘘なの!」

なんか、何か大事なものが失われてくような気がするんだけど・・・。あ、横島!そんなに瞳キラキラさせなくていいから!義理

なのよっ!義理なのよぉぉぉ!

「美神さんが、わざわざ俺のために手作りチョコを・・!?」

「さ・・さあ、そんなこと言ったかしら・・・」

今更取り繕っても・・・うぅ・・

「こ、これはもう、美神さんが誘ってるとしかっ!?(ガバッ」

「・・・・なんでそうなるっ!!?」



ドゲシッ





                      

                       あー








                    しまった・・・・









                  

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