ザ・グレート・展開予測ショー

横島君の受(女)難   帰還編


投稿者名:ほんだら参世
投稿日時:(04/ 7/30)

『拝啓 おふくろ様

・・・・・・・・思い返せば、自分は今までに様々な事をしました。 いい事も、悪い事も、色々やりました。 その中には、罰せられるような事もあったかもしれません。 ・・・・・・しかし、しかし、だからと言って、そこまで悪い事したんすか! 俺がなにやったっつーんや! い、いいいいいいいいいいいいいいやーーーーーーー! 縄はイヤーーー、縛られるんはイヤやーーーーーーーー! なんでそんなに良い笑顔なんですかーーーーー! つーか、その怪しい色した中身の注射器は、なんなんですかーーーーー! ひ、ひ、ひ、ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい@@#&¢●★&¢$〒※⊆∀⊃∨∨♪♯ņ∽・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・人生ってなんなんでしょう?


愚息  横島忠夫より』



横島君の受(女)難   

帰還編

横島忠夫は疲れていた。
自宅に帰るまでの道筋での、その幽鬼の如き歩みからもその事はうかがえる。
自宅に帰った後も、布団にもぐりこむと泥のように眠りについた。
だから、朝方に部屋の中に人影が潜り込んできたのにも気がつかなかった・・・



  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


「う、う〜〜〜ん。」

窓からさす日差しと鳥の囀り、そして味噌汁の香で、横島は目を覚ました。

「んん、あ〜〜〜〜〜〜。 良い匂いだな〜〜〜。 ・・・・・って、なんで味噌汁の匂いがするんだ!!」

寝起きでボケていた頭を再起動させた横島は、飛び起きて匂いの発生源を確認した。
すると、そこには・・・

「あ、横島さん。 おはようございます。」

エプロンを身につけて朝食の準備をする、隣の部屋の住人、花戸小鳩の姿があった。

「こ、小鳩ちゃん。 なんで、俺の部屋で?」

「私、最近横島さんが全然帰ってこないのを、取っても心配してたんです。 それで今朝部屋のドアが開いてたのを見て、横島さんが帰ってきたんだって思って、部屋の中を除いちゃったんですけど。 そしたら、横島さんが死んだように眠ってて。 とっても疲れてるんだって思って、余計なお世話だったかもしれませんけど、朝食の準備をさせてもらったんです。」

その小鳩の言葉を聞き、横島は目の幅涙を盛大に流した。
肉体的にも精神的にも疲れきっていた(特に精神的)横島にとって、彼女のそのやさしさは涙がちょちょぎれる位に感動的なものであったのだ。

「よ、横島さん!? どうしたんですか!?」

「い、いや、なんでもないんだよ。 ただ、荒んだ心に涼風がそよいだっつーか、東京砂漠の中で小さなオアシス見ーつけたっつーか。 まあ、とにかく嬉しいっつー事だから。」

横島は、うつろな笑顔を浮かべつつ、涙を流してそう言った

「は、はあ。」

その言葉を聞いた小鳩は、理解は出来ていないようだが一応は納得した様子だ。

「あ、横島さん。 良かったら、夜ご飯も作りに来ていいですか?」

「えっ、・・・・えっと、すごくありがたい事なんだけど、迷惑じゃないのかな?」

横島は恐縮そうにしたが、小鳩はそんな事は無いと言わんばかりの笑顔を見せた。

「そんな事ありません、私がしたいからするんです。 気にしないで下さい。」

小鳩のこの言葉に、横島は再び目の幅涙を流し始めた。

「う、うううううううううううう。 あじがど〜〜〜〜、ごばとちゃん〜〜〜〜〜。」

そんな横島の様子を、小鳩は苦笑しながら見ていた。

「それじゃあ、横島さん。 私、学校に行ってきますから、ゆっくり休んでてくださいね。」

そう言って出て行く小鳩を、横島は涙を流しながら手を振って見送った。
出て行った小鳩は、学校に行こうとする前に物陰にかくれて、無線機のようなもので何処かに連絡を取っていた。

「こちらリトルピジョンからシルクへ。 予約していたストライプの品が入りました。 今夜、試着の用意が出来ています。」

無線機の向こうの相手の返事を聞いた小鳩は、無線機の電源を切ってかばんに戻し、学校への道を歩き出した。

「・・・・・許してください横島さん、あなたをだますような事をする小鳩を。 でも、でも、わかって下さい! 小鳩は、小鳩はーーーー!!」

そうして、小鳩は道の隅で悶え出した、  ・・・・・遅刻決定であろう。



*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *





「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ううっ。」

横島は苦しんでいた。
目の前のテーブルには、手間暇をかけて作られたであろう美味しそうな料理が並んでいる。
そしてそのテーブルを挟んだ向こう側には、申し訳なさそうな顔をした小鳩と、・・・・・・








壮絶なまでのプレッシャーを湛えた笑顔を浮かべるおキヌちゃんがいた。

「どうしたんですか、横島さん? お腹の具合でも悪いんですか? ・・・・・・・・それとも、私達の作った料理は食べれないとでも?」

プレッシャー×1,5、されど笑顔は極上に。

「い、いいいいいいいい、い、い、いただきます。」

横島は、ぶるぶると震えながら箸をつかみ、目の前の料理をつまみ出した。

「おいしいですか?」

「は、はい! 美味しゅうございます。」

そう答えはしたが、実は味などわかっていない。
もはや、半ば脊髄反射のようなもので返答している状態である。

「ふふ、小鳩さんと二人で頑張って作ったんですから、一杯食べてくださいね。」

「は、はい。」

「いきなり居なくなって、心配してたんですよ。 何処へ行ってたんですか?」

「み、妙神山に行っていました。」

「なんで連絡をしてくれなかったんですか? 妙神山にいると言ってくれれば、私達も少しは安心できたんですよ。」

「す、すいませんです。」

最初のうちは壮絶なプレッシャーを纏い、尋問の如き会話をしていたが、しばらく会話を続けるとそのプレッシャーが緩み、口調も柔らかくなってきていた。
それを感じ取った横島は、安堵と共に思考能力を低下させ、完全に何も考えずに答えるようになっていた。
・・・・・それが彼女の狙いであると知らずに。

「そういえば、小竜姫様達は元気でしたか?」

「ははははは、・・ああ。 元気過ぎるくらいに元気だったよ。」

「そうですか、・・・・・で、小竜姫様もタマモちゃんと同じように押し倒したんですか?」

「いや、あれは俺が押し倒され・・・・・・・・・・・・・・・・・はうあ!!!」

迂闊と言ってやるな、愚かと言ってやるな、彼は限界だったのだ。
今までの精神的、かつ肉体的な疲労は尋常なものではないのだ。
彼をののしる事などせずに、今は祈ろうではないか。
・・・・・・・今回も彼が生き残り、次回もまた彼が私達を楽しませてくれる事を。

「ちょっと待てーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!! そんな祈りはいらーーーーーーーーーーーーん!!!」

「なんに向かって叫んでいるんですか、横島さん?」

「はっ (いかん、天の声なんぞに突込みをいれている暇など無い。 幸い、おキヌちゃんはテーブルを挟んで向こう側、即時撤退を・・って) なんで縛られてますか、自分ーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

いつのまにか横島は縛られていた、その横を見るとそこには・・・

「すいません、すいません、横島さん。 でも、小鳩は、小鳩はーーー!」

叫びながらもロープの端をしっかりと持った、小鳩の姿があった。
どうやら、二人が話している時に作業を進めていたようだ。
それに気付かなかった彼は迂闊であろう、愚かであろう、だがそれを言ってやるな、彼は・・「もうええっちゅーーねん!!!!」

「何叫んでるんですか、横島さん。 さあ、・・・」 「ごめんなさい、横島さん。 でも、横島さんが悪いんですよ。 だから、・・・」

「「お仕置きです。」」

「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

・・・合掌。











ども、ほんだら参世です、なんとか2週間には間に合いましたよ。
忙しかったとはいえ、本当に遅筆になってきてるな、何とかせんと。
さて、横島君の受(女)難もあと2回で終わりです、これ以上続けるネタじゃないっすからね。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa