ザ・グレート・展開予測ショー

奥様は経済アナリスト真っ青のやり手


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(04/ 7/28)

 旦那様の名は、大樹。

 奥様の名は、百合子。

 ごく普通の二人が、

 ごく普通に恋をし、

 ごく普通に結婚しました。

 ―――――……が

 唯一つ違ったのは、奥様は

 『経済アナリスト真っ青のやり手』

 だったのです。

(ま、そんな所ね)

電気ガス水道、そんなものは一切無いナルニアでの休日。
「さっ、貴方朝ごはん取ってきて」
「判った、弓矢をくれ」
「はーい」
私はこの前、原住民との戦いに勝って強者の証として手に入れた弓を夫に渡す。
「ふむ、張りがちょっと甘いな」
「何行ってるの貴方なら問題ないでしょ?じゃあ、私は川へ洗濯に行って来ますからね」
そういって私は川へ向かう。
冷蔵庫の無いナルニアでの暮らしは先ず食糧確保から始まるのよね。まったく、
なんであんな奴についてきたのかしら。

そんな愚痴をこぼしつつ付いたのは大きな河川。
「さてと、旦那のワイシャツから洗おうかしらね」
今時洗濯板なんて使ってるのわたしぐらいな物よ。といいながら手馴れた手付きで
事を始める。
「あー、もう夏ね、トリケラトプスが繁殖を始めてるわ」
そう、ナルニアには恐竜が一部生息しているのだ。
・・マジかよ・・
「嘘よ」
・・・くだらない冗談はやめましょうよ、百合子さん・・
そんな事をいいつつ、お洗濯を続ける百合子さんの前にどんぶらこっこ、どんぶらこっこと、原住民君が流れてきました。
「あらやだ。おぼれてるの?」
そこは百合子さん、さっと河に入りおぼれている子を助け出します。
「どうしたの?遊んでてこうなったの?」
幸い息がある原住民さん。年は10代の男の子です。
「お、おばさん!」
「誰がおばさんよっ!」
ぽか、と軽く頭を殴ります。
・・ちょっと待て、子供が高校生ならもう十分におば・・
「なんですって!」
・・いえ、綺麗なおねーさま・・・
「よろしい。で、どうしたの?僕」
「あ、あの!助けてください!僕の村にテロリストが!」
「なんですって、またあいつらなの?」
ナルニアにはテロリスト「ナルニア解放戦線」と名乗る時代錯誤な連中がいるのです。
「しょうがないわね。僕の村は?あっそ、すぐそこなのね」
場所を聞くや直ぐに河を遡って村へ向かいます。
途中。
「フリーズ!」
カタコトの英語で銃を構えるテロリストが立ちはだかります。
ところが百合子さん恐れるどころか、
「ったく、またアンタたちなのね、戦争ごっこはやめろつってんのに」
つかつかと、銃口に向かってくるからテロリストさんもびっくりです。
「す、すとっぷ!あいふぁいあー!あいふぁいあ!」
それを無視して銃身に手をかけ、
「とおっ!」
お見事!背負い投げ一本です。
「これで武器が手に入ったわね、ほらいくよ僕」
「う、うん!おねーさん強いですねっ!」
「そう?私の旦那はもっと強いわ、私以外ならねっ」
そうなんです。旦那様の大樹さんは大抵の人間には強いのですが、奥様には頭があがりません。
さて、村へ向かってあるく二人の前に今度は村人Aがやってきました。
「あっAさん、どうしたんですか?」
「おぉ、僕。実はな村に入ったテロリストなんだが・・」
なんでも一人の男にきりきり舞い状態とか。
「で、どんな男なの?村人Aさん?」
「はい、ヒゲ面の日本人なんですよ」
おやおや、どうやら百合子さんの旦那様のようです。
「貴方!一人でテロリストにはむかうのは危ないわ。妻として駆けつけます!」
拳銃のセーフティーガードをはずして、一目散に村へ向かいました。

すぐに村へ付きました。すでに村の入り口には縛られたテロリストがいます。
「なんだ、旦那が全部捕まえたのね、であと何人村にいるの?」
当然テロリストは答えません。中にはつばを吐きかける暴漢もいます。
「へぇ、勇気があるわね」
まるで鬼の形相です。それだけでビビるテロリスト、ついと近寄って。
=にぎっ=
あぁ、男なら悲鳴を上げる珍プレー、を握り締めます。
「も・う・い・ち・ど・き・く・わ・あ・と・何・人?」
「さ、さんにん・・げふっ!」
気絶した暴漢ですか、顔はどことなく恍惚の表情でした。
さ、流石は人妻のハンド・テクニックです。

この人数なら旦那だけでも十分なはずですが、そこは良人を心配する妻です。
「貴方っ!」
旦那様を探していると、後ろの家から物音がします。
「そこかっ!」
自動小銃が火を噴きます。
「出て来い!」
観念したのか、テロリストの一人が白旗をあげてやってきました。
それをきつーく縛り上げて、
「さてと、あと二人」
気配をかんじてみます。
「出来るかっ、そんな事っ!漫画じゃあるまいしっ」
・・いいえ、百合子さんならきっと出来ます・・

おや、村の広場から女の悲鳴があがりました。
「・・・あの馬鹿亭主っ!」
急いで駆けつけますと、案の定。
「へへへ。戦利品だな、こりゃ」
女テロリストを縛り上げていたづらしている大樹さんではありませんか。
「あ・な・た!」
簡抜を入れず拳骨の射程距離に入る百合子さんです。
「ゆ、百合子、来ていたのか?」
一発一発が、会心の一撃です。これを食らったら気絶は保障されてます。
それを見ていた女テロリスト、あまりの恐ろしさに気絶してしまいました。
おやおや、何時見ても愉快な夫婦喧嘩です。
今度は無我夢中で手に取った手榴弾が炸裂しました。
どかーん
しかし、敵はあと一人いたのです。この夫婦から逃れているだけで超一流です。
チャンスを狙っていた超一流テロリスト、ついに後ろから百合子さんを羽交い絞めにします。
「し、しまった!」
「茶番は終わりだ。その男、この女がどうなってもいいのかっ!」
おとなしくする大樹さん、それはテロリストから言われたからでしょうか。
おそらくは喧嘩がひと段落できてほっとしたからではないでしょうか?
一流テロリスト、百合子さんの体を盾にするかたちでじりじりと下がります。
「よーし、そうだ、おとなしくしろ、にしても、トウはたってるが、いい女だ」
やらなけりゃいいのに、ぺろっと、首筋を舐め、手を胸にもっていくから馬鹿です。
「人の女房を何しやがる、
オラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラ〜〜〜」
あぁ、怒りの北斗神拳、炸裂です。えっ?違う?

討伐は無事終わりました。村からお礼にと、豚1頭もらえました。
「ほら、食料も調達出来たし、ゆるして、ね。百合子さん」
「ふんだ!あんたは若い子の方がいいんでしょ?」
・・・そりゃそうです・・(げふっ!)
「そんなこと無いですよ!奥さんは百合子さんだけっ!」
おや、抱きついてますよ。いい年して、
でもまんざらじゃないみたいですよ、奥さんも。
「でも、私のほうが年が上だしぃ」
「何をすねてるんだい?百合子さーん」
甘え声をだしながらお尻を撫でたからバランスを崩して河に落ちてしまいました。
ばっしゃーん。
「もぅ、何するのよ!貴方」
水に入って洋服が濡れます。重くなるので洋服を脱いだところ。
「も、もう我慢できん!」
ルパンダイブ水中バージョン、発動

あとは夫婦ごゆっくり。

FIN
息子より一言。
 タイトルと内容があっとらんわ。ナルニアにゃ絶対いかん!

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