ザ・グレート・展開予測ショー

〜不断の想い 0話〜


投稿者名:トト
投稿日時:(04/ 7/27)

突然だが俺、横島忠夫は今、訳のわからん妙な空間にいる。
「どこだ? ここ」
そう言って辺りを見回すがその景色はあたかも色彩検査の時に使う紙のような色をし、更にこの空間自体がねじれている。
「まったく、訳がわからん」
そんなことを呟いていると何処からか俺のことを呼ぶ声が聞こえた。
「お〜い、そこのキミッ!!」
「!? だれだっ!!」
そう叫びつつ辺りを見るが誰もいない。
「?」
気のせいかと思っていると今度は真後ろから声をかけられた。
「やぁ」
「どわっ!!」
「そんなに驚くことは無いでしょうに」
俺は振り向きざまに飛び退いた。
そこには二十歳くらいで身長、約175cmくらいの男がいた。
「な、なんだ? あんた?」
そう聞いた俺にその男は素直に名前を名乗った。
「オレ? オレはナコト、彩峰ナコトって言うんだ。」
「彩峰ナコト?」
「そっ、ナコトでいいよ。っと今はそんなことはどうでもいいんだった」
「どうでもって・・・・・・・・・」
「今はキミのことだ」
ナコトは俺に向かってそう言った。
「俺?」
俺は自分を指差してそう言った。
「そうキミ、え〜と・・・・・・・・・」
「あ、俺は横島忠夫ってんだ、呼び方はどうでもいいぞ」
ナコトが言葉を詰まらせたのを見て俺は自己紹介をした。
「わかった、じゃあ忠夫、理解できていないみたいだから単刀直入にに言うけどキミは今時間を遡っているんだ」
「ふーん、時間を・・・・・・・・・ってなにぃ!!」
時間を遡るその言葉に俺は耳を疑った。
「はははっ、普通のリアクションありがとう」
ナコトは笑っているが俺にとっては笑い事じゃない。
「ど、どういうことだよ!?」
「どういうって言われてもなぁ、オレも久しぶりに此処に来たんだ。そしたら忠夫の気配があったからここまで来たんだ」
そういったナコトに詰め寄る。
「だったら元の場所に戻してくれ」
そういうが、
「無理」
一言で言い切りやがった。
「何でだぁ!!」
「おい、顔を近づけて叫ばないでくれ」
こちとらそんなことを言っとるばあいじゃねぇ!!
「何とか元の場所に戻る方法はないのか!?」
「ない」
ギャアアアッ
また、言い切りやがった!!
「そもそも此処は何処なんだ!?」
最初に聞くべきことを忘れていた。
「此処は異空の狭間言うんだけど、この空間はありとあらゆる世界につながっているんだ」
「は?」
ナコトの答えに素っ頓狂な声を上げる。
「だから、此処は異世界やら過去やら全ての世界につながっているんだよ」
「な、なるほど、それは解った。じゃあ何で戻れないんだ?」
此処が何処かなのかは解ったがなぜ戻れないのか今度はそれを聞いた。
「それはキミが既に時間逆行の流れに乗ってしまっているからなんだ」
「流れ?」
「そう、この空間は常に流動していてその流れに乗ってしまったら行き着く先まで止まらない。流れに逆らうのは無理なんだ」
んなアホな。
「マジ?」
「マジ」
俺は目に見えるほどに肩を落とした。
「まぁ、諦めるしかないね。この際開き直って嫌な過去をやり直してみるのもいいかもな」
「え?」
その時俺の頭にルシオラの顔がよぎった。
「なにかやり直したいことがあるみたいだな」
「ああ、だけど俺には力が無い。力が無ければ何も変わらない・・・・・・・・・」
顔を伏せてそう言った。
「だったら逆行した世界で修行すればいいじゃないか」
「そんなんじゃ全然足りないんだ!!」
俺は血が出るほどに強く手を握っていた。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・くそっ!!」
「ふむ、ならコレをあげよう」
そう言ってナコトは鍔に程近い部分に赤い珠のついた黒い剣と銃身の装飾が見事な銀の銃を差し出した。
「これは?」
俺の問いに
「これはオレのいた世界で神器と呼ばれているものだ」
と答えた
「神器!?」
かなり驚いた。
神器に対してもだがそれをやるなんていうナコトにも。
「そう、この銃は破神銃『神砕雷(ケラヴィノス)』、そしてこの剣が神剣『フツノミタマの剣』」
「神剣・・・・・・・・・」
あまりの驚きにそんな言葉しか出ない。
「神砕雷はその名の通り神や魔神、魔王を相手にするために創られた銃だ」
「神砕雷・・・・・・・・・」
「まぁ、こいつは普段普通に使っても問題ない、だがフツノミタマの剣はそういうわけにはいかない」
「? どういうことだ?」
やっと普通にしゃべれるようになった。
「フツノミタマの剣はこの世にあるありとあらゆるものを『断(き)る』ことが出来る」
「ありとあらゆる?」
「そう、物理的なものじゃなくても断ることが出来る。霊だろうが火だろうが果ては神や魔王で断ることが出来る」
魔王!?
「マジかよ・・・・・・・・・」
「ああ、だから危険視されたくなかったら余程のことがない限りフツノミタマの剣は使わない方がいい」
「あ、ああ」
ナコトの忠告に素直に頷く。
「でもホントにこんな物もらっていいのか?」
「ああ、かまわない、ただフツノミタマの剣は後で返してもらうよ?」
「わかった。」
「じゃあ、行ってらっしゃ〜い」
ナコトが言うと急に意識が薄れていった。

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