ザ・グレート・展開予測ショー

スーパー・こんな日常・X


投稿者名:ほんだら参世
投稿日時:(04/ 7/16)



CASE1 朝の場合

令子の場合

「ん〜〜〜〜〜〜っ! はふぁ〜。」

窓から降り注ぐ日の光りを浴びて、美神令子は目を覚ました。

『おはようございます、美神オーナー。』

令子が起きたのを見て、人口幽霊壱号が声をかけた。
ここ最近、書類仕事があまりにも溜まったので事務所で寝泊りしているのであった。

『朝のコーヒーを、テーブルに用意しておきました。 どうぞ、召し上がってください。』

「ありがとう、人工幽霊壱号。」

人口幽霊壱号の言葉に、令子は微笑んで答えた。
そして、ベッドから起き上がり、テーブルの上で湯気を上げているコーヒーに口をつけた。


【私の一日は一杯のコーヒーから始まる】


「ところで、人工幽霊壱号。 この前の件、考えてくれた?」

コーヒーを一口飲んだ令子は、顔を上げてそう尋ねた。

『・・・・あの件ですか。 すみませんが、お断りさせてもらいます。』

「そう、残念ね。」

人口幽霊壱号の答えを聞いた令子は、本当に残念そうにしていた。
そして、もう一度コーヒーに口をつけた後に、こう言った。

「本当に残念。 良いと思ったのにな。・・・・・・










セバスチャンへの改名。」

『お願いですから、勘弁してください。』

人口幽霊壱号の答える声には、そこはかとない哀愁が漂っていた。



いんた〜みっしょん

居酒屋にて

「おっちゃーん、生中二つに枝豆、串セットにほっけ。」

「あと、まぐろ納豆にいかの一夜干しにキムチを頼む。」

「しかし、まあ。 久しぶりだな、マジで。」

「俺達がなぜまたこんな事をしなければならん、というツッコミはもういれる気がせんが、なぜこうも時間が空いたんだ?」

「まあ、実生活のほうがかなり忙しかったらしいからな。 ・・・・ちなみにこれは極秘なんだがな、忙しかったくせに、『スパロボMX』や『機神咆哮 デモンベイン』はちゃっかり購入してたらしいぜ。」

「・・・・マジか?」

「おーまじだ。 しかもな、プレイ時間のほうは  ドゴン  ふべらっ!」

「よ、横島! ま、まってくれ。 俺は何も言ってない、言ってないぞ! た、頼む、まって  グシャ  うぞら!」

・・・・
・・・


失礼しました



シロの場合

「はっはっはっはっはっ」

まだ朝日も昇らぬ早朝の道路を、シロは走っていた。
だが、全力ではない。
今はまだ足りないものが有るから、全力で走り出すなんてもったいない。
足りないワンピースがそろった時、その時により長く全力で走るために、今は最低限の力で走るのだ。
だけど、少しでも早く行きたい、そのためには全力で走るべきだ。
でも、やはりあの人と一緒に、より長く全力で走りたいから、今は我慢するべきだ。
しかし、・・・・・・・・
そういったジレンマを胸に、どんどんと欲求を高め、シロは目的地に到達する。

「せんせーーーーーーーーーーーー、散歩、散歩!! 散歩に行くでござるよーーーーーーーーー!!!」

【拙者の一日は先生との散歩から始まるでござる】

「うるせーーーーーー! てめえ、シロ!! まだ、お天道様も出てねえような時間から騒ぐんじゃねえ!! つーか、まだ眠いんだから寝かせろ! お願いします!!」

いつもの事と慣れ始めてはいたが、やはりこれほど朝早くは眠いらしく、横島は不機嫌そうに言った。

「でも、先生。 朝日がとても綺麗に見える穴場を見つけたんでござるよ。 だから、ね、ね。」

横島の怒鳴り声も何処吹く風、シロは横島の手を取って散歩をせがみ続けた。
いつもなら、このまま散歩に引きずられて行くが、今日の横島には秘策が有った。

「シロ! これを見ろ!!」

「そ、それは!」

そう言って取り出したのは、一本の白い骨。
そして横島はそれを・・・・・・

「ほうれ、シロ。 取って来いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

文珠まで使って、空のかなたに投げ飛ばした。

「わん!」

シロがそれを追って走って行ったのを確認した後に、横島はまた布団に入っていった。

「はーーー、成功成功っと。」

こうして、横島は平和な朝を勝ち取ったのだった。
まあ、今回だけだろうけど・・・・



いんた〜みっしょん2

「ふう、さっきは酷い目にあったな。 あ、おじちゃん、生中追加ねー。」

「ああ、川の向こうでママが手を振っているのが見えたぜ。 こっちも、生中追加だ。」

「ところで、雪之丞。 前から聞きたかった事が有ったんだがな。」

「ん、なんだ。」

「GS試験の時、陰念ってやつがいたよな。 あいつってどうしてるか知らないか?」

「ああ、俺も前に気になって調べた事があったんだが。 あいつは、試験の後に勘九朗に回収されてたらしいんだよ。」

「へー、それで今はどうしてるんだ?」

「・・・・・・・・・・歌舞伎町のオカマバーで、店員兼バーのママの愛人をやってたよ。」

「・・・」

「・・・」



CASE2 夜の場合

おキヌちゃんの場合

「ん〜〜〜っ。 今日も、大変だった〜。」

自室で寝巻きに着替えたおキヌちゃんは、背伸びをしながらそう言った。
そして、カバンの中からネクロマンサーの笛を取り出すと、窓を開けて笛を吹き出した。
その音に呼ばれて霊達が集まってきたのを見て、おキヌちゃんは笛を吹くのをやめて、笑顔を見せた。

「こんばんは、皆さん。 じゃあ、今日もお話をしましょうか。」

おキヌちゃんは、毎晩こうやって知り合いの浮遊霊達のと会話をしているのだった。
さっきの笛を集合の合図として、霊達を呼んで今日一日あったことなどを話したりしているのだ。
霊達はこうやって楽しく会話できる人など他にはいないので、この時間を楽しみにしているらしく、全員がうれしそうにしていた。

「ふふ、そんなことがあったんですか。」

「へー、それはすごいですね。」

「だめですよ、いたずらなんかしちゃあ。」

おキヌちゃんの方も、楽しそうに微笑みながら会話をしていた。
30分ほどたった後、奇妙な霊達がその中に現れていた。
全員が同じ鉢巻のようなものを額につけていて、しかも存在感が薄く、一流の霊能力者であっても注意しなければ見つけられないだろうというほどだった。

「あ、ご苦労様です。 それじゃあ、今日の報告をお願いします。」

そのおキヌちゃんの言葉を聞き、その集団の先頭にいた霊が懐から巻物のようなものを取り出し、何かをしゃべりだした。
それを聞いたおキヌちゃんは、笑顔はそのままだが、なぜか極寒の凍気を纏いだした。
ちなみに、さっきまでいた霊達はこの時点で全員逃げ出していたりする。

「ふふふ、そうですか。 今日、あんなにもうれしそうだったのには、そんな訳があったんですか。 ふふふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ・・・・・・・・・







横島さん。 明日、お仕置きですよ♪」

ちなみに、前述した霊達の額の鉢巻には《おキヌちゃん親衛隊》と書いてあり、その報告内容は『本日横島忠夫がナンパニ成功せり。 住所と電話番号まで聞き出した模様』であったりする。

明日の横島の運命に合掌・・・



いんた〜みっしょん3

「・・・・おっちゃ〜〜ん、うーろんはいついか〜」

「・・・・こっちはうめさわーたのむ〜。」

「・・・・そういやあよ、ゆきのりょう。」

「・・・・なんでゃ、よこしま。」

「・・・・いましゃらだが、おりぇたちってのんでいいとしだったきゃ?」

「・・・・きにしゅんな、きにしたりゃまきぇだ。」

「・・・・そうきゃ。」

「・・・・しょうだ。」

「・・・ひっく」

「・・・うぃー。」



横島の場合

「あー、今日は平和だったなー」

そう、今日は本当に平和だった。
朝のシロの散歩からエスケープできたし、美神さんにはしばかれんかったし、タマモには燃やされんかったし、おキヌちゃんは黒くならんかったし(笑)。
横島が脳裏にそんな事を浮かべて、眠りにつこうとしていると、いきなりドアがすっ飛んだ。

「な、なんだ!」

いきなりの事に驚きながら、栄光の手を展開して警戒していた横島の前に現れたのは、

「せんせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

「し、シロ!?」

髪の毛に葉っぱのついた枝をつけ、絶妙なチラリズムを醸し出す破れ方をした服を身に付け、口に骨を咥えたシロだった。

「ふっふっふっ、かなり苦労しましたが、取ってきたでござるよ。 さあ、ごほうびの散歩に逝くでござるよ♪」

「ちょっと待てーーーーー! 今、『いく』の字が違っただろーーー!!」

横島は叫びながら後ろに引いたが、いかんせん、部屋が狭すぎる上にすでに座っていたので、その動きは制限されてしまっている。
文珠も投げた骨にした細工に全て使っており、今日出来た分も全て美神に持ってかれているので、逃走手段はすでに無い。
まさに、まな板の上の鯉、どうぞおいしく召し上がってくださいってやつである。

「なに変な事を言ってるんでござるか、先生♪ さあ、早く逝くでござるよ♪」

かなり鬱憤が溜まってしまっていたのか、すでにかなりのハイテンションになっている。
例えていうなら、発情期の犬「犬ではないでござる!!」とでも言おうか。
まあ、兎にも角にも横島に逃げ場が無い事だけは確かである。

「ほら、今。 また、違う字使っただろーーーー!! ・・・あ、ちょっと待て。 落ちつけ、話せばわかる。 だから待って、お願い、見逃して、助けて、許して、止めてください・・・・いやーーーーー、人攫いーーーーーーーーーーー!!!!!」

「ははははははははははははははははははーーーーーーでござるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

【俺の一日はシロに連れまわされて終わる】

「前前前前前前ーーーーー、ぶつかるぶつかる、ぶつかるってーーーーーーーーーーー!!」

「当たる当たる当たるーーーー、トラックがーーーーーーーーーーーー!!」

「危ないーーーーーーーー、おじいちゃん避けてーーーーーーーーーーーーー!!」

「せめて人間が通る道を使ってくれーーーーーーーーーーーーー!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・



「い、いっそ、殺せ〜〜〜」

一日ではなく、一生が終わりそうである。









・・・・・え〜〜〜〜っと、とりあえずお久しぶりです、ほんだら参世です。
実生活で色々忙しかった上に、厄介事まで転がり込んでいたもので、執筆活動から遠ざかっておりました。
新ネタを思いついたとか言った舌の根が乾かぬうちにこんな事になってしまって、すまんかったです。
これからは、一応1〜2週間に一本のぺースで行きたいな、と思ってます。
とりあえず新ネタは、『横島君の受(女)難』の残り3本を終わらせてから出しますんで。
それでは、次回はなるべく早い内に出せるように頑張ります。
ほんだら参世でしたー。

・・・ちなみに、いんた〜みっしょんで横島と雪之丞が言ってたのはフィクションですよ、ホントですよ、シンジテクダサイヨ。

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