ザ・グレート・展開予測ショー

絶体絶命大ピンチ3 エピローグ


投稿者名:純米酒
投稿日時:(04/ 7/11)

横島は倒れていた

おキヌに後から刺された?
違う、血は一滴も流れていない

魔鈴に怪しい薬を飲まされたのか?
違う、倒れてはいるが横島の意識はハッキリしていた

冥子のプッツンに巻き込まれた?
これも違う、プッツンがあれば、冥子を中心とした半径約50m一円は荒野になるだろう
何より母親がいるのだから、たとえ冥子自身がプッツンを起こしそうになっても、式神のコントロールを奪えば済む事だ

では原因は何なのか?

「先生、大丈夫でござるか?」
倒れた横島の側らに座り込んでいるメイド姿のシロが覗き込む

「あ〜、なんとか・・・大丈夫だ・・・ウップ、フゥ・・・」
口を押さえてこみ上げて来るものを押しとどめる

「大丈夫ですか忠夫さん?胃薬飲みますか?」
水とたぶん手作りであろう胃薬をもって、心配そうな表情でたずねる魔鈴

「うん・・・でも、もうちょっと待ってお腹の具合が落ち着いてからじゃないとなぁ」
弱々しい笑顔をかえす横島

「いくらなんでも無茶しすぎですよ、横島さん。横島さんに何かあったら私・・・」
おキヌはたいして効果がないと判っていても、横島にヒーリングを続けている

ちなみに六道親子は「邪魔しちゃぁ悪いわね〜〜」等といって既にこの場にいなかった

そんな四人を一人離れた所で椅子にだらしなく腰掛け、呆れ顔で見つめるタマモ
(ふーん・・・結局アンタの答えってそういう事なのね)

出された料理を食べ終えたら、判定に入らなければいけない
しかし、横島はどちらか一方を選びたくなかった
そこで横島の取った行動とは「食べ続ける事」

二人共、えらく沢山作っていた 一品一品がボリュームたっぷりだった
そして横島がおかわりを要求すると、すぐに追加の料理を作って持ってきた

合計14人前はあっただろうか


六道邸の厨房から食材が無くなった所で、意地の張り合いをしていた二人が気が付く

((いくら横島さん(忠夫さん)でも食べすぎだ))

お互い料理に関しては譲る事の出来ない思いがある
だが、それで横島が迷惑を被っていると気が付いた時、二人の暴走は止まったのだ

横島の顔色が幾分か良くなってきたようだ
心配そうに見つめるシロと、ヒーリングを続けていたおキヌに礼を言い
魔鈴から水と胃薬を受け取る

三人の女性に囲まれている横島を見ていたタマモは
少し前に横島とした会話を思い出す


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「タマモ・・・そんなに俺が嫌いか?俺が困ってるのを見てそんなに楽しいか?」
もはや諦めたのだろうか、やけくそ気味の声だ

「・・・ま、楽しくない訳じゃ無いけど、横島の事は嫌いじゃないわ」
必死に料理を続ける二人を見ながら、落ち着いた声で答える

「じゃぁなんでこんな事したんだよ?」
嫌いじゃないと言われて、少し動揺しているようだ

「逆に聞くけどさぁ・・・横島にとって一番大事な人は誰なの?」

タマモの問いに横島は黙り込む

「横島ってさぁ、よくセクハラするじゃない?それも必ずバレて反撃くらうように。
 文珠使えばやりたい放題じゃない、でもそれはしない。なんかアンタのセクハラは本気じゃ無いような気がするのよ
 なんていうか・・・道化として振舞っているとしか思えないのよねぇ」

「そんなことはないさ・・・俺はただのスケベな男なんだよ」
小さな声で、否定するが

「嘘ね」
タマモにキッパリと言い切られる

「金毛白面九尾の狐を相手に嘘なんて意味無いわよ。
 横島、アンタ優しすぎるのよ。誰か一人を選ぶと必然的に選ばなかった方を傷つける、そんな事考えてるんじゃない?」

「・・・違うな。俺はただ両手に花が好みなんだ、ハーレムが夢なんだよ」
言葉は否定しているが、表情では肯定してしまっている

「ま・・・そういう事にしといてあげるわ。でもね、いくら横島でも全ては守れないわよ
 だから、本当に大事な人を守るためにも、大事な人を決めておきなさいよ。
 いい機会じゃない。おキヌちゃんも魔鈴も、ついでにバカ犬もアンタのことが好きなんだからさ、
 誰か一人に決めちゃいなさいよ」

「それはかいかぶりすぎだ、タマモ。俺なんかに惚れてるわけ無いよ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(来る者を拒まず、全て受け止める・・・か、横島らしいと言えば横島らしい答えね
 でも、本っっ当に鈍感な奴ね・・・見てるこっちがイライラしてくるわ)

おキヌ、魔鈴、シロの三人に囲まれ、甲斐甲斐しく看病を受けている横島に近づくタマモ
そしておもむろに座り込み、横島の顔を両手で掴んで強引に自分の方に向けさせると
横島の唇に自分の唇を押し付ける

唾液が溢れる位の激しいキスだった
慌てる横島をよそに、舌まで差し仕込んでいた

タマモの突然の行動に、横島はもちろんおキヌ達も固まる

心行くまで横島の唇を堪能したタマモが、手の甲で唇をぬぐいながら固まったままの三人に顔を向ける
その仕草は妖艶で、傾国の美女の名に恥じないものだった

「言い忘れてたけど、勝った方がご褒美に横島からキスしてもらえるはずだったのよね、
 引き分けになっちゃったから今回は私ということで、ねっ♪」

先ほどとはうって変わって可愛く笑って見せるタマモ
見た目の年齢相応の可愛い仕草だった

そんなタマモの笑顔は掛け値なしで可愛いものだが、横島には悪魔の笑顔にしか見えなかった

「先生っ!!拙者という者がありながら女狐なんかと・・・拙者にもして欲しいでござるーーーー!!」

「記憶を消す薬はどこにあったかしら?・・・忌まわしい記憶は一刻も早く忘れてもらわないと・・・ふふふ」

「横島さん・・・無理してまで引き分けにしたのは、
 タマモちゃんとキスしたかったからなんですか? そうなんですか? そうなんですね?」

血涙を流し、出力200%の霊波刀を二刀流で構えるシロ
犬飼ポチを倒した時より気合が入ってるようだ

魔鈴は小瓶をいくつか取り出すと、妖しく微笑みながら調合しはじめる
薬瓶には「キケン服用厳禁」「混ぜるなキケン」等と書かれたラベルがついている


横島の目にはスカートのスリットからみえる太腿が・・・ではなく、おキヌの手に握られたシメサバ丸が映っていた

「あ、いや・・・シロ、霊波刀を収めてくれ、魔鈴さんも危ない薬を調合してないで・・・
 おキヌちゃんシメサバ丸はヤバイって!!」

「「「覚悟はいいですか?(でござるか?)」」」

(俺が何をしたっていうんじゃぁーーー!!!タマモのバカーーー!!!神様のアホーーーーーー!!)










恋する乙女達の暴走はまだまだ続きそうだ・・・・・・・ 







〜 絶体絶命大ピンチ ひとまず終了? 〜






キスの余韻に浸りまだ顔を赤らめているタマモが、三人に追いかけられている横島を見て呟く

「自業自得よね」

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