私の骸骨さん
投稿者名:777
投稿日時:(04/ 7/10)
骨がほしい。
狂おしいほど。
骨がほしい。
人の骨が。
ほしい。
きっかけは。
理科室の骸骨だった。
初めて骸骨を見たとき。
私は。
その美しさに魅せられた。
なんて。
綺麗なんだろう。
その。
白さが。
触れれば。
折れそうなほどの。
細さが。
私には。
信じられなかった。
人間の中に。
こんなに。
綺麗なものがあるなんて。
すごく。
ほしくなった。
私のものにしたい。
私だけの。
骸骨がほしい。
毎日。
私は骨を見続けた。
ずっと。
ずっと。
それは。
まるで。
恋。
ああ。
きれいな。
きれいな。
私の。
骸骨さん。
私は。
あなたが。
ほしい。
とても。
とても。
ある日。
私は。
変なお姉ちゃんと出会った。
骨みたいに。
白い髪。
ちょっとだけ。
血みたいに。
赤く染まってる。
お姉ちゃんは。
骨を。
くわえていた。
ねえ。
それ。
何の骨?
む。
これでござるか。
これは。
鳥の骨でござる。
なんだ。
つまんない。
人の。
骨だったらいいのに。
む。
おぬし。
子供のくせに。
なかなか怖いことを言うでござるな。
え。
だって。
きれいじゃない。
人の骨。
む。
実は。
拙者も。
骨は好きでござる。
だって。
美味しいから。
え。
骨って。
美味しいの?
うん。
美味いでござるよ。
疑うなら。
舐めてみればいい。
でも。
人の骨なんて。
手に入らないもの。
はっはっは。
何を言う。
おぬしの中にも。
あるではござらんか。
ええ。
だって。
私の骨。
どうやって。
とればいいの。
む。
それは。
考えていなかった。
だって。
拙者。
狼でござるから。
ぜんぜん。
関係ないよ。
それ。
ほーっほっほっほっ。
語るに落ちるとは。
このことね。
馬鹿犬!
む!
女狐!
え?
きつねさん?
ちがうわ。
私は。
妖狐。
え。
ようこさん?
ううん。
たまもさん。
たまもさん?
そう。
お姉ちゃんは?
拙者は。
しろ。
しろさん。
うむ。
あのね。
私。
骨がほしいの。
あら。
私は。
油揚げがほしいわ。
何で?
美味しいから。
骨も?
美味いでござるよ。
ふーん。
そうなんだ。
骨と。
油揚げって。
一緒なんだ。
じゃあ。
私。
骸骨は。
あきらめて。
油揚げ買うね。
じゃあね。
お姉ちゃんたち。
ばいばい。
今までの
コメント:
- ポエムです。
骨と油揚げなんて所詮同じものなんです。
ほんとだよ? (777)
- なんか
こう
ぞわぞわします
ぞわぞわっと
うん
すごくいい
こういうの大好きです(笑 (紫)
- たまもさんって呼ばせるたまもさんが好きだ!
てか、777さんの書くシロって好き(笑)
お揚げ=骨 の方程式の証明は見事ですよねぇ。
気の利いたコメント何も書けません。
ただ、面白かったぞ、と(笑) (veld)
- >骨がほしい。
最初の
インパクトが
凄すぎます……
……こう
背筋に何か冷たいものが。
でも
最後の方が
子供っぽくて
微笑ましく
思えました(笑 (BOM(まねっこ(ぉ)
- なんだろ・・・なんか笑えます。
シュールな笑いというか、この異質な空気。
テンポ良く気が付きゃラストまで。
おかしい。
おかしい。
おかしい。
しんばるでした。 (cymbal)
- 独特の雰囲気に身を任せ、最後まで読まされたという感じがします(嫌な読まされ方ではないです)
こういう雰囲気は好きですね (純米酒)
- シロの不用意な発言で、もしや・・・とも思いましたが、そうはならずにちょっと残念(オイ)
お揚げ=骨の方程式が成り立つのならば、きつねうどんと豚骨うどんは等価なのであろうか?
・・・あ、鶏か。 (赤蛇)
- はじめの背筋が凍るような冷たさと終盤のほのぼのとした暖かさの温度差が心地よかったです(笑
そんでもってテンポがよくて、読みやすく、面白かったデス。 (殿下)
- >骨と油揚げなんて所詮同じものなんです。
>ほんとだよ?
え!?(@ ̄□ ̄@;)!!マジで!?...ψ(。。)メモメモ...w
子供って結構怖い発想しますよね‥‥。 (紅蓮)
- タマモが少し令子化が進行しているようで。(そうゆうものになってしまった?)
やはり、あの事務所に住むと普通の社会勉強にはならないのでは???
>骨が欲しい。。。。うちのガキもたまにそれらしいこと言ってびびらせてくれます。 (ん・ばぎ)
- これは多分実際に子供の言葉から得た
作品だと個人的に思います。 (トンプソン)
- 肉食動物らしい無邪気な冷酷さを感じました。
人骨欲しさに人を襲うのかとドキドキして読んでしまいました(^^ゞ
せめて牛や鳥で我慢してもらいたいものです。 (綾香)
- |д゚).oO(うちも油揚げがよいです(ぇ?
油あげをおいなりさんにしてまた食べるのがよいですよねっ><
………ひやりと背筋を走るものがありますけどいいなあと思います。 (hazuki)
- 一瞬、新宿少年探偵団の髑髏王を思い出しました。何というか、うすら寒いものをかんじますな。 (法師陰陽師)
- ↑×5 お、『オンゴロの仮面』ですか!?
正味な話、「人の死体」として見なければ骨は美しい物だと思います。
そのフォルムの一つ一つに意味があり、役割がある。機能美とでも言うべき美がそこに。
ネクロな感覚と云うものは分かりませんが、生命と云うものを支える「肉体」のシステムには、すべからく美しさがあるのかも知れませんね。 (黒犬)
- 骨に魅せられる人の多くは、その裏側にある「死」にも魅せられている様に思えます。この少女の場合も。
病んだ願望への一つの折り合いの付け方、だなと思いました。
日常的な欲求(つまり食欲)で骨が好きだと言うシロを通して、骸骨が油揚げと並ぶイメージのトリック。
狂気の手前の迷宮にぽっかり勝手口のドアが開いた感じです。
シロとタマモのとぼけた語り口も良かったです。 (フル・サークル)
- 凄いです。こういうお話って、大好きですよ〜
な・・なんだろう・・。うまいコメントが・・でも非常にこう・・何というか来るものがありました(笑
シュール・・・と分類していいのか悪いのか・・・
何だか「怖いもの」と「面白いもの」って紙一重の部分があるんだな〜と、実感してしまいました。
本当に絶妙のテンポですね。777さんお疲れさまでした〜 (かぜあめ)
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