ザ・グレート・展開予測ショー

戻らない日々


投稿者名:黒夢
投稿日時:(04/ 7/ 5)





そこには、一人の青年がいた。


年は二十代前半、漆黒のマントで身を包み、眼前に広がる光景を虚ろな瞳でただ 何をするわけでもなく眺めている。


「どこから、間違ってたんだ・・・」


青年は自分に問いかけるようにつぶやく。


かつて、東京タワーと呼ばれた建造物から見える光景は、生命がまったくと言って良いほどに存在しない、ただ死の世界を思わせる廃墟が続いている。


そう、かつては東京と呼ばれた都市が青年の前に広がっている。


「どこから、間違ってたんだ・・・」


もう一度、青年は自分に、いや、世界そのものに問う


あの時、神界が魔界を攻撃して、ハルマゲドンが始まったからか?


あの時、俺の中の魔族因子が活発になってきたからか?


あの時、アイツじゃなく世界を選んだからか?


あの時、アイツと夕焼けを見たからか?


あの時、俺があの人に出会ったからか?


あの時・・・俺が生まれてきたからか?


青年は問うが、それに答えてくれる者はすでに存在していない。


ハルマゲドンが始まり、この世界が巻き込まれた早い段階で、魔族、神族が彼の目の前で大切な人たちの命を奪った。


そして、その時、彼は人魔として目覚めた。


いく日もいく日も復讐と言う名の殺戮に明け暮れ、気が付いた時には、すでに彼以外の生命はほとんど存在していなかった。


ハルマゲドンの始まりから、数万年もの月日が過ぎていた。


すべてが終わった世界で、彼は一人考え続ける。


「俺は・・・・どうすればいいんだ・・・・・・誰か・・・・教えてくれ・・・・ルシオラ・・・・・」





終わりのない答えを求めて・・・・・・・・。









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