ザ・グレート・展開予測ショー

狐と狼の関係


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 6/25)



ここは美神除霊事務所の屋根裏部屋。この部屋に住む二人(二匹?)の美少女は、それぞれ自分のベッドで自分の時間を満喫しているところだった。

「ねえ、シロ」
「ん〜、何でござるか?」
タマモの呼び掛けに料理の本を読みながら応えるシロ

シロは暇な時は散歩をするか料理の本を読んでいるのである。料理の本を読んではいるが、別にシロが料理を作るために読んでいるワケではない。
例え本でもおいしそうな料理を見ると(特に肉の料理)、何故か幸せな気分になるからだそうだ。

「あのさ、私思ったんだけど・・・、私達ってヨコシマに女として見られてないような気がするんだけど・・」

その言葉を聞いた瞬間、持っていた料理の本をバンッと置く・・・前にお気に入りの肉料理の所にしおりを挟んでからバンッと本を置きタマモに言い放つ。

「何を言ってるでござるか!タマモはともかく拙者はぷりちーな女として見られてるでござるよ」
「そうかしら?」
「そうでござる」

「それじゃあ、ヨコシマにセクハラされた事ある?」
「セクハラでござるか?えっと・・・・う〜ん・・・・む〜〜・・・・うきゅ〜〜・・」
腕を組んで唸りながら考えるシロ
しかし自分の記憶の中には着替えやお風呂を覗かれたり、急に抱きつかれたりという様なセクハラは思い出せない。

「ないでしょ?ヨコシマは必ずと言っていいほど美人の女性にはセクハラをする。なのに何故シロにセクハラしないか?シロは女として見られてないか、もしくはヨコシマの範囲外かのどちらよ」
「ううぅ、拙者は先生の好みに合わないのでござろうか・・」

「ううん、多分そうじゃないと思うわ。やっぱり私達は見た目が子供っぽいから女として見られてないのよ」
「ど、どうすればいいのでござろうか?」

「簡単よ。ヨコシマに私達の女としての魅力をたっぷりと見せつけて立派な女だってことを認識させるのよ」
「なんか難しくてわからんでござるが、結局どうすればいいでござるか?」

「要するにヨコシマを誘惑するのよ。幸い明日は仕事がないから明日にでも決行するわ!その用意のために出掛けるわよ!シロ」
「わ、わかったでござる」



  〜そして次の日〜

ここは今回の作戦のターゲットである横島の住む貧乏アパート
そこに二人の美少女が訪れる。

ドンドンドン   ドンドンドン

「ん?なんだぁ?」
久々の休みなので昼寝をしていた横島は、ドアを叩く音によって起こされる。

「ふわぁ、いったい誰だ?」
のそのそとドアの方へ行き、ドアを開ける。

ガチャ
「ん?シロとタマモが一緒に来るなんて珍しいな。どうしたんだ?」

「先生!散歩に・・もがもがもが」
いつものように元気良く横島を散歩に誘うシロの口を塞ぐタマモ

「(違うでしょーが!散歩でどうやって女って意識させるつもりよ)」
「(す、すまんでござる。ついいつもの癖で・・)」

「何二人でコソコソ内緒話してるんだよ?」
「ううん、何でもないの。それより上がってもいい?」
「ああ、別にいいけど何にもないぞ」

「それじゃあ、お邪魔しま〜す」
「お邪魔するでござる」

早速部屋へと入ったのだが、すぐに横島は布団に入り込み昼寝の続きをしようとする。

「ちょっと横島・・・・・・・何してんの?」
「ん?昼寝の続きをしようと・・」
「そんなのわかってるわよ。何で私達が来たのに寝るのよ」
「久々の休みだからゆっくり休みたいんだよ。それにする事もないからさ、二人で遊んでてくれよ」
「そんな事言わないで起きて下され」

シロが懸命に横島の昼寝を妨害する。
ゆさゆさゆさ
体を揺さぶられるが何とかして寝ようとする横島

ゆさゆさゆさ  ゆさゆさゆさ
そこにタマモが加わり一緒に横島の体を揺らして妨害する。

ゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさ
「ああ、もうっ!わかったわかった。起きるからやめてくれ」
二人の執拗な妨害に観念し起きあがる横島

「それでどうするんだよ?」
「・・・そうね、きつねうどん買ってきて」

「・・・・はっ?」
「だからきつねうどん買ってきてって言ったの」
「あっ、拙者はお肉が欲しいでござるぅ」

「いや、そうじゃなくてだな、何で無理矢理起こされた俺がお前達の食い物を買って来なけりゃならんのだ?」
「実は横島と一緒に三人でパーティーをしようと思って飲み物は買ってきたんだけど、食べ物買ってくるの忘れちゃったの。だから買ってきて」
そう言ってたくさん飲み物が入った袋を横島に見せる。

「パーティーって何の祝いだよ?」
「とにかく買ってきてよ」

「わかったよ。・・・ったく急に来てこき使いやがって・・」
ぶつぶつ言いながら食べ物を買いに行くため部屋を出ていった横島
バタンッ


「それでこれからどうするでござるか?」
「横島が買い物に行っている内に昨日買った水着に着替えるのよ」
袋の中から昨日シロと一緒に買った水着を出して説明する。
一つは紐かと思うほど細く薄い布地の露出が高いビキニ。そしてもう一つは反対に露出が少ないスクール水着である。

「一部の男は露出が少ないのにスクール水着が好きっていう人がいるっていうから買ったけど、横島はいったいどっちが好みなのかな?とりあえずビキニとスクール水着と両方買ったけど・・・・・シロはどっち着る?」
「う〜〜ん、そうでござるなぁ。あまり肌を見せるとはしたないと思われるかもしれんでござるし、でも先生の為なら大胆なビキニの方が・・・・・・う〜〜む、ビキニに挑戦でござる!」
タマモの手からビキニを奪い取り、電光石火のスピードでビキニに着替えたシロ

「次はどうするでござるか?」

「この私達の水着姿で誘惑しつつ、お酒を飲ませて酔わせて思わず私達にセクハラしちゃうくらい魅力的な所を見せるのよ。そうすれば、私達の魅力に気付いて今度からは私達も女として見られるはずよ」
「なるほどなるほど」

「私も着替えるからシロはお酒の用意をしておいて」
「わかったでござる」

袋の中から次々と酒を取り出すシロ
(これがお酒でござるか・・・・・喉も渇いたし、一つ貰うでござる)
ぐびぐびぐび
着替えているタマモに内緒で一つ飲み干すシロ




服を全て脱いで水着に着替えようとするタマモの背中に冷たい物が当てられる。
「うひゃぅっ!?」
慌てて後ろを振り向くと顔を赤くしたシロが缶を片手に立っていた。
「いきなり何するのよ。ビックリするじゃない」

「えへへへへ〜、タ〜マモン♪キッスしようでござる」
いきなりシロがそう言って口をつぼめてタマモにキスをせがむ。

「は?あんた何言ってんの?っていうかタマモンって誰よ?」
何を馬鹿なこと言ってんの?という感じでシロに背を向け、横島を誘惑するための準備として、スクール水着に着替えようとする。

すると急に頭を持たれシロの方を強制的に向かされ、そして・・・・
「んんっ・・!?」
ブチュ〜〜〜〜〜〜!!

(★▽◎■◇▲☆◆●◎▽〇▲!?)
自分の身に何が起こってるのか全くわからないタマモ

今タマモとシロはかつて横島とメドーサが交わした様な熱烈なくちづけを交わしている。

タマモは未だに状況が飲み込めていない。

(えっと、私の目の前にシロの顔があって・・・・・・私の唇辺りに柔らかいものが当たってて・・・・!?)
「・・・ぷはっ!シロ、あんた何してんのよ!」

「何って・・・・・タマモンとキッスをしたのでござるよ」
「だから誰がタマモンよ!そんな事よりいきなり私にキ、キスするなんて・・・・・私のファーストキスだったんだからね!どうしてくれるのよ!」

「えへへ、拙者もでござるよ。お揃いでござるな」
「お揃いとかじゃなくて何であんな事したのか聞いてるのよ!」

「だって・・・拙者、タマモンが大好きでござるから」
「えっ!?」
いつも喧嘩ばかりしているシロの衝撃発言にまだタマモンと呼んでいることに注意することも忘れ驚くタマモ

「いつも喧嘩ばかりしてるでござるが、拙者は先生と同じくらいタマモンのことが大好きなんでござるよ」
「い・・いきなりそんなこと言われても・・」
急なシロの告白にどうしていいかわからない。

「タマモンは拙者のこと嫌いでござるか?」
上目遣いで目をうるうるとさせながらタマモに聞くシロ
普段では自分には決して見せない表情にタマモ動揺してしまう。

「べ、別に嫌いじゃないけど・・・・」
「じゃあ、好きでござるか?」

「ま、まあ、好きといえば好きかな」
「嬉しいでござるぅ〜。両思いでござるな。というワケでキスするでござるぅ」

「ちょっ・・どういうワケ・・ん〜〜〜〜〜!?」
先ほどよりも熱烈な口づけが二人の間で交わされる。
タマモは手足をばたつかせて抵抗するが、力はシロの方があるため思うように抵抗出来ない。

ガチャッ
―――――――その時、部屋のドアが開いた。




「ただい・・・・・・ま・・!?」

帰宅した横島忠夫の目の前には裸のタマモとほとんど裸のようなビキニの格好で抱き合いながら熱烈なキスを交わしている二人の美少女
その時確かに三人の時間は止まっていた――――――――――そして時は動き出す。



「ちちちちちちち違うのよ!ヨコシマ。これには深〜〜いワケが・・」
必死に誤解を解こうとする。焦りのため上手く喋ることが出来ない。その反応がさらに疑惑を深めていく。


「大丈夫だよ。俺はお前達の味方だ」
今まで見たこともないような優しい笑顔で答える横島

(いやぁぁ!そんな笑顔見せないで!!)

「恋愛の形は人それぞれだからな。それにお前達は人じゃないんだから人間のルールに縛られる必要はない。そういえば、店に忘れ物したんで取りに帰るわ。1時間くらいかかると思うからごゆっくり」
そう言い残し横島は部屋を出ていってしまった。
抱き合う二人を残して・・・・・・・











そう、ある日突然友達が恋人になるというのは決して珍しいことではないのである。
そしてそれがたまたま同性の友達だった・・・・・ただそれだけである。こんな二人を誰が攻めることができようか?
我々がこの二人ために出来る事は、温かく見守ること――――――それだけではないだろうか?


こうして美少女カップルが誕生し「だからぁ、違うの!誤解「タ・マ・モ〜ン♪キスしようでござるよぉ〜」
「だからしないって!いい加減正気に・・んん〜〜〜〜!?」



       【おしまい】



   《あとがき》
どうも、殿下でございます。
横タマではなくシロタマを書かせて頂きました。仲の良い感じの二人を書こうと思ったらこんなもんが出来ちゃいました(汗
連載の更新の方はもうちょい待って下さいませ

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