ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫・修行の日々 3


投稿者名:純米酒
投稿日時:(04/ 6/22)

軍隊の生活は規則正しい

5:30〜起床・点呼

着替えとベットメイクを済ませたら駆け足で屋外運動場に集合する

朝礼と共に本日のスクランブルチームが割り当てられる
スクランブルチームは、まさに緊急出動の際にいち早く出動して他の隊員の為に時間を稼がなくてはならない
故に、装備を整えいつでも出動できるように、その日一日は出動に備えて待機状態となる

スクランブルに割り当てられたチームは駆け足で宿舎に向う
残りの隊員はそのまま早朝の訓練に入る

早朝の訓練はランニングを主軸に置いた体力強化訓練で、もっとも基本的な訓練となる

7:00に早朝の訓練は終了し解散となる
7:00〜8:00までの一時間はしばしの憩いの時間となる
大概はシャワーで早朝の訓練でかいた汗を流した後、朝食をとりつつ本日の訓練についてあーだこーだ益体の無い会話に
花を咲かせる

8:00
チーム別による訓練開始

午前中は基本的に『軍人としての基礎訓練』という事で、行動訓練や銃器の取り扱いや射撃訓練など、
軍人としての必要最低限のスキルを習得、かつ身体に覚え込ませる為に何度も繰り返し訓練する

11:30チーム別訓練終了、13:00までの間の自由時間となる
自由時間は昼食の他に、他チームとのコミュニケーションの時間ともなる

13:00〜15:30まで、実戦を想定した演習の時間になる

各チームごとに、護衛側と強襲側と別れて演習を開始する
護衛側は制限時間一杯まで目標を死守出来ればポイントが与えられ、
強襲側は制限時間内に目標の奪取、もしくは殲滅出来ればポイントが与えられる
チームが得たポイントは、成績をつける際の重要な判断材料になる為、皆が必死になる時間でもある

30分の小休憩を挟み、16:00から神魔界の歴史とデタントについての講義が始まる

が・・・・・・

訓練による疲労と、恐らく何千万、いや何億回も同じ講義が繰り返されている事から
大半の隊員には居眠りの時間となってしまっている
時には指導教官までもが自習を言い渡し、眠りこけてしまう

18:00
居眠り・・・もとい、講義の時間が終わると夕食の時間になる
朝昼同様の短い憩いのひと時が隊員の精神をリラックスさせる

19:00
ミーティング開始
本日の訓練についてチーム内での反省、および明日の訓練のプランをたてる時間となる
よりよい訓練を行うためには欠かせない作業である

ミーティング終了後、消灯時間である22:00まで自由時間となる
大抵は明日の準備等で時間が費やされるが、時間の余った者は思い思いの余暇を過ごす

22:00 就寝

稀に就寝中にたたき起こされて夜間訓練も行われるが、そういった場合は起床時間が後にずれる為
十分な睡眠時間は割りあてられてる


以上が『第9特殊部隊』通称アマゾネス部隊の大まかな一日の流れになる



これが訓練生 横島忠夫の場合こうなるようだ

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5:28 起床

寝ぼけ眼のまま上半身を起こすと、すでに起きていた同室のワルキューレとベスパがベッドメイクを終わらせるところであった
当初は着替えを済ませてからベッドメイクをしていた二人だが
最近は横島が目を覚ましたのを確認してから、おもむろに着替え始める

(い、いかーーーん!!朝っぱらから『ちち』や『しり』や『ふともも』なんぞ見た日には・・・
 か、仮にも上官と義妹なんだ。おちつけ俺ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)

横島は二人を『なるべく』見ないようにベッドメイクと着替えを高速で済まし
全速力で屋外運動場に走ってゆく

「義兄さんは今日も元気だねぇ・・・(ポッ)」
「なぜ顔が赤いのだ?(私も『つい』見てしまったがな・・・あれはなかなか・・・って、何を考えているのだ私は!)」

5:42

「・・・・以上、解散!」
隊長の言葉が朝礼の終わりを告げると、横島はまたもや全速力で走り出す
捕まってしまうと、大岡裁きよろしく自分の体で綱引きされてしまうからだ

「まって下さい横島さぁ〜ん」
「今日はわたしと一緒に訓練しましょーね♪」
「ふしゅるる〜にーがーさーんー」

黄色い声と一部不気味な声の上がる集団から必死で逃げる横島

「ワルキューレッ、ベスパッ。呑気に走ってないで助けてくれーーーー!」

「馬鹿者!上官に向ってその口に効き方はなんだっ!(・・・まぁイザとなったら助けてやらんでもないさ)」
「頑張ってね義兄さん♪でも、イザとなったら私が助けてあげるから心配しないで訓練してね」

「コレのどこが訓練じゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

横島とアマゾネス部隊隊員の鬼ごっこは続く・・・

7:06

「はぁはぁ・・・あ〜死ぬかと思った」
シャワーを浴びながら一息ついていると、突然シャワー室のドアが開いた
いや『蹴破られた』といった方が正しいか・・・

壊れたドアを乗り越えてシャワー室に乱入してきた隊員は、横島に向ってまっすぐと足を進める

「『男子使用中、入るな!』って札掛けといただろ!なんで入ってくるんじゃぁー」

「ん〜〜♪横島さんのい・け・ず。それよりも・・・ねぇ・・・」

「や、やめろこれ以上近づく・・・あぁ背中におっぱいが・・・いや耳に息・・・(は〜ん)」

思わず表情に出てしまう横島であったが

(忠夫さん、浮気をすると仏罰がくだりますよ♪)
(強くなって帰ってこないと、承知しないゾ♪)

脳裏に浮かぶ愛妻の怒りの言葉と、愛娘の期待に満ちた言葉に正気に返る

「ドチクショォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

背中に張り付く隊員を振りほどき、一瞬で服を着るとシャワー室から逃げ出す

「チッ・・・また駄目だったか・・・でもまだチャンスはある・・・ウフフフフフ」

残念そうな表情の隊員は舌打ちをしつつシャワー室を後にした

7:34

食堂では異様な光景が繰り広げられていた
六人がけのテーブルに部隊の隊員の過半数が集結しているのだ

真ん中の席に座る横島をガードするように、両隣にはワルキューレとベスパが座っているものの
向かいの席には

「はい、横島さん♪たくさん食べてね」
「喉につまるといけないな、私の分のジュースをやろう、なに遠慮するな」
「何か嫌いな食べ物はない?ヤモリとたまねぎね、引き受けるわ♪」

などなど・・・甲斐甲斐しく横島の世話を焼こうと必死である
中には「はい、あーん♪」など言いだす者まで出る始末だ

(いくらなんでもこんなに喰えるかボケーーーーー!)

横島の目の前には軽く10人前を越える量の料理が置かれていた

「健啖なのは良いが・・・体調管理も任務の内だぞ・・・」
「義兄さん、太らないでよ・・・」

ワルキューレとベスパは我関せずという態度だが、心の奥では

((横島が(義兄さんが)体調を崩して寝込めば、看病という名目で二人っきりになれる!!))

という、愚にもつかない事を思い描いていた

8:20

チーム別訓練の為、三人だけという貴重な時間だが・・・

「今日は射撃訓練だ!!射撃は毎日行わないと衰える物だというの知っているだろう!」
「いーや、今日は銃のメンテと分解、組み立てだよ。反復練習が大事な基礎の基礎じゃないか!」

ワルキューレとベスパが喧嘩をして時間をくってしまう

「上官命令に逆らうのかべスパ?お前は私より位が低いのだぞ」
「ハンッ、『万年大尉』がエラソーに!私は入隊50年で中尉まで昇進してきたんだよっ!」

今にも掴みかからんとする二人の間にはいって、なんとか喧嘩を止めようとする横島だが・・・

「どけ横島!身の程を教えてやるのも上官の務め!」
「お義兄さんどいて!そいつ殺せない!」

結局喧嘩になり、今回もまともな訓練は出来なかった

(いつになったらまともに訓練できるんじゃぁ〜!)
巻き添えを喰らいボロボロになる横島
だが、もともと持っていた人並み外れた打たれ強さと、脅威の回復力は確実に強化されてきているのがせめてもの救いだろうか

12:21

朝食同様、アレコレと世話を焼かれながらも、10人前の食事を食べきった横島が
キツイ胃を押さえて『談話室』でテレビを見ていると
両脇に座っていたワルキューレとベスパが心配そうに横島の顔を覗き込む

「大丈夫か?午後の訓練は休むか?」
「義兄さん大丈夫?辛いなら横になりなよ、あたしが膝枕してあげるからさ♪」

「あ、いや大丈夫だよ、午前の訓練はまともに出来なかったから午後こそは・・・」
そこまで言って横島は口を押さえた
午前の訓練は二人の喧嘩によって潰れた様なものだったからだ
見る見るうちに沈んだ表情になる二人を見て内心後悔している横島

「すまない横島・・・私ともあろうものがムキになってしまって」
「ごめんね義兄さん・・・ワルキューレが頑固だからつい・・・」

ベスパの一言にワルキューレはキレてしまった

「ベスパ・・・命乞いをするなら今のうちだぞ」
「あんたこそ弟に残す遺言は無いのかい?パピリオに会いに行くついででよけりゃ伝えてやるよ」

二人の間に火花が飛び散る

危険をいち早く察した横島は部屋の隅に逃げていた

(なんで喧嘩になるんじゃー!みんな仲良くしようよーーー!)

自分がモテていることに気が付かない朴念仁は涙を流しながら、にらみ合うワルキューレとベスパを見ている

二人の喧嘩に興味を持った隊員達が煽るようにヤジを飛ばしている
中には「どっちに賭ける?」「ベスパに2000」「私ワルキューレに3000」等、不謹慎な声も上がっている

「さらばだ愚かなる部下よ!あの世で上官を敬え!!!」
「静かに眠りな!ワルキューレ!!」

本気と書いて『マジ』と読む
そんな二人の喧嘩は止まらなかった・・・午後の訓練の時間を過ぎても・・・



19:48

13:00からタップリ六時間、隊長から説教を喰らったワルキューレ、ベスパ、横島の三人と喧嘩の現場を見ていた隊員は
ミーティング+今回の一件についての反省を兼ねての話し合いの場が設けられていた

ワルキューレとベスパを筆頭に、談話室に居た隊員達は自分が悪いという慙愧の念にかられていた
そんな皆の表情を見ていた横島が呟くように話し始める

「元はと言えば俺が優柔不断なのがいけなかったんだよ。午前の訓練の時も昼飯の後の時も・・・
 どっちにも良いように・・・そう考える癖が抜けきらなくって、結局皆を巻き込んで・・・
 だから皆が落ち込む必要は無いんだ」

独白する横島の何処か寂しそうな表情に全員が魅入っていた
特にワルキューレ、ベスパの二人は強く惹かれていた

しばしの沈黙の後、カーリー隊長がやって来た

「フム・・・結論は出たようだね、今回の騒動は褒められた物じゃないけど、いい経験になったろう。 
 経験を活かせず、二度同じ失敗を繰り返すやつは戦場では生きていけない。
 何回も言ってきた事だけど、しっかり頭に叩き込んでおきな。じゃ、解散していいよ」

隊長の合図と共にミーティングが終了した


21:55

就寝準備がほぼ終わり、明日の日程について思いをめぐらせているその時
横島はカーリーに呼ばれていた

「正直な話、今回の一件は私にも責任がある」
「監督不行き届きって所ですか?」
「まぁそんなところだな、今まで任務らしい任務が無いことも要因の一つであるが、
 私自身、この部隊の存在を軽んじていたのだ。それに・・・」
「それに?」
「こんな修羅場が起こったら面白そうだと思って、君とワルキューレとベスパの三人を同じチームにしたのだからな」
「あ、あのですね・・・」
「君が希望するのなら訓練先の変更も出来るのだ。どうするかね?」
「・・・このままここで続けさせてください。俺自身がこういう問題を起こさないようにならなきゃいけないんで・・・」
「そうか・・・君は強いのだな」
「いや・・・弱いですよ」
「時間をとらせて済まなかったな。明日の訓練もがんばれよ」
「イエス・サー!」


こうして訓練生 横島忠夫のとある一日が過ぎて行く・・・



一方その頃

「あの・・・小竜姫様、正気ですか?軍のコンピュータにハッキング掛けて、横島さんの居場所を突き止めようって・・・」
「どこの部隊で訓練しているのか解らない以上、そうするしかないでしょう!情報仕官の腕の見せ所ですよ!」
「ソレよりも・・・ワルキューレのおばさんに聞けばわかるんじゃないでちゅか?」
「姉上が教えてくれるとは思いませんが・・・やるだけやってみましょう」
(とりあえずハッキングを後回しにできる、助かったよパピリオちゃん!!)

ひとまずデタント崩壊を先送り(?)できて喜ぶ魔族と
横島とスキンシップが取れなくて、アルコール中毒患者のように震えだす竜神と魔族の幼女が居た

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