ザ・グレート・展開予測ショー

「竹千代」(その3)ジパング:ネタバレ注意


投稿者名:まきしゃ
投稿日時:(00/ 3/27)

林の木の上から、竹千代がさらわれるのを見ていた日吉とヒナタ
「と、とんでもない事になっちゃったっ!」
「え、ええ… どうなっちゃうのかしら……」
「とにかく、竹千代さまを助けなきゃっ!」
「でも、危ないわよっ?」

「そ、そうだけどさっ、さっきまで一緒にメシ食ってたんだぜっ!?
そんな、ほっとけないよっ!」
「(クスッ) そうね、じゃあ、急いで準備しなきゃっ!」
「えっ? なんのっ?」

「ほら、ここでの戦い方は、さっき信長さまが解説してくれたじゃない。」
「あっ、そうかっ! そこの隘路で敵をくぎ付けにして、
後ろからの援軍と挟み撃ちにするんだったなっ!」


日吉たちのいた林のそばまで駆け戻ってきた竹千代たち
「な、な、な、なんだ〜、これは〜〜〜っ!?」
来たときは何も無かった街道の隘路には、馬で駆けぬけるには危険なほどの
雑木や石ころが、雑然と撒き散らかされている

「き、きさまかぁ〜! このガキはっ!!」
「ど、どうも〜〜っ。」
岩松に怒鳴られながらも、せっせと雑木を撒き散らしている日吉
ヒナタは崖の端を削って、街道に土石を落とし続けている

「おに〜ちゃん、おね〜ちゃん、やめてやっ!!」
「えっ?」
「このおっちゃんは、ボクのおと〜ちゃんの家臣なんやっ!
ボクを、おと〜ちゃんの所に連れてってくれてるんやっ!!」

「そ、そうだったのか…  でも、もう…」
岩松が馬を進めるのに苦労してる間に、追いついてきた信長と一益
パァ〜〜ンッ!!
一益の放った銃弾は、狙い違わず岩松の頭に命中…

「い、岩松っ!?」
「の、信長さまっ!? ひどいじゃないですかっ! なにも殺さなくてもっ!
竹千代さまの家臣だと、知ってたんでしょっ!?」
「黙れっ! サルっ! 俺は、竹千代に話があるっ!」
「ぐっ…」

「竹千代っ! 一度しか言わんっ! よく聞けっ!
本日、松平広忠、家臣の岩松一族の手によって、殺害されたっ! 以上だっ!!」

「松平広忠って、竹千代さまのおとうさん…」
「岩松一族って、いま殺された人の苗字も…」

「そやったんか… おと〜ちゃん、家臣に殺されよったんか…
それやったら、しゃ〜ないな……
そんなみっともない死に方するなんて、戦国大名やと言われへん…
情けないな〜…
信長のに〜ちゃん、に〜ちゃんのお城に帰ろっ。 連れてってやっ。」
「竹千代さま…」
信長の馬に乗っかる竹千代

日吉たちに声をかける一益
「日吉、ヒナタ、よくやった。 褒美を遣わすので、城まで一緒についてこいっ!」
「俺、褒美を貰うためにやったんじゃない…」
「日吉さん、信長さまたちと一緒に城のほうまで行きましょう。
まだ、このへんには様子を見に来た今川方の物見がいるはずよ。
私たちから信長さまの情報を聞き出そうとするはずだから、ここにいては危険だわ。」
「そうか……」


黙々と城に向かう信長たち…
「に〜ちゃん、おしっこ。」
そう言って信長の馬から降り、近くの林の中に入っていく竹千代
「今、一人になったら危ないんじゃ… えっ?」
竹千代についていこうとした日吉をおしとどめる信長
何も言わず、厳しい顔をして…

竹千代の姿が見えなくなったころ、林の中から聞こえてくる嗚咽…
「うわぉっ!  うぉっ! うっ!
うわああああぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」


天文18年 松平広忠 家臣岩松八弥により殺害される  享年24歳


「あんた〜、何やってんだぁ〜?」
「見てないで、助けろっ!」
深田にはまって身動きの取れないまま、信長たちに見捨てられた犬千代…

* END *

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