ザ・グレート・展開予測ショー

現世覚醒伝ONI(第10章前編)朝に来る嵐其之一


投稿者名:Pr.K
投稿日時:(04/ 6/18)



 コケッコッココオォォ・・・・・・コッケコッコオォォォーー!!!!

 いやに馬鹿でかい鶏の声が静寂に茶々を入れる。朝だ、一応朝だ。

 昨日の夕飯は特に何も無かった。

 爺さんと眼鏡(文原だっけ?)が箸対箸の見事な演舞を繰り広げたり、
 マナーが悪いと言って秋場さんの鉄槌(内容は伏せる)が下ったり、
 K.Oされた2人がそのままにされてたりもしたが、
 それ以外特に何も無かった。

 ・・・・これを異常と感じれないオレって・・・・・・


 


 布団をたたみ廊下に出たら、朝独特の水と風が混じったような香りが鼻をくすぐった。
 「これがオレのアパートだったらなぁ〜〜」
 そう、ここは四国。地張りの里とか言う忍者の里。
 彩蔵とか言う黒ずくめに拉致られて、地下ダンジョン攻略までやらされ・・・・ありえねえ!

 何でだ?これはあれか、美神さんの裏帳簿を手違いで結果的にマルサ連中に渡したことで呪いでもかけてきたか!?
 それともタマモの油揚げを勝手に食っちまった件に関する嫌がらせの幻術か?
 おキヌちゃんの包丁(シメサバ丸)をあまりにも不気味だからって厄珍にあずけちまった罰か?
 シロとの散歩すっぽかしたことか!?

 ・・・・いや、全員から後日きっちりとお返しは受けたな。

 「何やってんですか?もうそろそろ朝飯の時間っスよ?ファアア・・・」

 現実逃避ぐらいさせろってんだコンチクショウ。
 「ヤアフミハラクンイイアサダネ、思わず東京に帰りたくなるほどに」
 「警戒してますね攻撃してきてますねあんた、あんだけ爆睡して地下破壊して飯まで食ったのに」
 いや、それを言われると・・・
 「まあ、いいんっスけどね。とりあえず食堂行きましょーよ、飯の時間ですしね」
 なんつーか、なんだかんだいって面倒見いいんだなここの人たち。

 秋場さんの飯は魅力的だ、でも・・・
 でもその前に聞かなきゃいけないことが有る。
 昨日はゴタゴタしてて、自分のことでいっぱいだった。
 今なら聞ける!

 「なあ、みんなは、雪之丞やシロタマはどうなったんだ?」
 彩蔵が変な丸薬呑んで、いきなり強くなって、気絶させられたとこまでは思い出せた。
 アイツは無事だって言ってたけど、はっきしいって信用できない。
 いや、信用できないんじゃない。
何でかは分からない。でも、信じたくないんだ、アイツだけは。

 始めて会ったあの時から、頭に引っかかっている。

 この奇妙な悲しさと憎しみ、アイツを見るたびにたぎるこの魂は、

 何なのだろう。

 「大丈夫ッスよ、絶対」
 文原がオレの不安を払拭するように言ってくる。
 「あの人は本当はアンタが思ってるほど酷い性格じゃないッスよ。ま、いい性格ってわけでもないんですけどね」
 言葉の一つ一つに彩蔵への信頼がある。でも
 「どうしてそんなに彩蔵のことを信頼してるんだ?」

 「どうしてってアンタ、そりゃー付き合ってる年月が違いますって」
 「確かに、書類整理は押し付けるし報告もたまに遅れる、任務のための必要経費を節約してくれない。
 事務方の人間としてはやな人ッス。でも、それでもですね」
 そこまで一気に言い切って一呼吸。
 「確信があります、理由もあります。あの人は、彩蔵さんは悪い人じゃないッス。彩蔵さんが言ってたんでしょ、無事だって」
 無事だって言ってたというか・・・
 「殺し損ねたとか言ってたぞ」
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 このイタイ沈黙は?
 「ま、まあ大丈夫ですって。あは、アハハハハハハ」
 ・・・後ろに回りこんで美神さん直伝のチョークスリーパーホールドを決める、生かさず殺さずを追求した一品だ。
 「なら、乾いた笑みをうかべてんじゃねーーーー!!!」
 「ギ、ギブ、ギブアップ!!頚動脈しまってますって!!?」



 「朝から五月蝿いぞ」
 ゲシッ!!
 「ハブゥッ!?」
 後ろから手加減のないヤクザキックがオレ達を庭に吹っ飛ばす。
 ゴンッ
 受身も取れず、二人して庭に頭からダイブした。

 「いって〜、誰だいきなり蹴り入れたやつは!」
 体を起こしてそう言って後ろに振り向く。

 短く切りそろえた黒い髪
 意志の固そうな鋭い目
 全身からは覇気を感じる
 年齢はぱっと見た感じ同い年・・・かな?
 着ている紺のワンピースと中の下並みのスタイルからは女性と判別できるけど・・・・なぜか全く飛びつく気になれない。
 どっかで見たような気がしなくもないが

 「え〜〜っと、誰?」
 絶対みた事あんだけど
 「フン、分からないか?だろうな」
 ・・・なんかすっげー腹立つ
 「いっ痛ぅ〜〜、のーみそゆれたぁ〜」
 隣で目を回しながら文原が上半身を起こす。チョークスリーパーは庭に落ちたときに解かれた。

 「何すんですか彩蔵さん!!ボクまで蹴るこたぁないでしょう!!」
 ・・・・・・・・え?
 「組み合った状態で分けて蹴れると思うか?それにオマエの声も静かな朝には不釣合いだ」
 え?
 「あのー」
 「何だその呆けきった馬鹿面は?昨日の貴様の殺気はどうした?オレを見たとたん戦闘態勢にはいっただろうが」
 認めたくない、認めたくない、だが、

 「なあ文原、コイツの名前は?」
 「へ?ああ、知りませんでしたね。静葉夏乃彩蔵(しずは なつの さいぞう)さんです、やっぱ女性って気づかなかったか」
 ・・・・・・ここはやっぱ叫ぶところか

 「女ぁぁぁーーーーーーー!?!!!?!!?!」

 「だから五月蝿い」
 ガシッ ゴッ
「アブァッ!?」
 またも文原を巻き込んで蹴りで吹っ飛ばされる。
 「だ・か・ら、ボクを巻き込まないでくださいってば・・・・」
 「不可抗力だ、諦めたほうが長生きできるぞ。・・・む、そろそろ朝飯の時間だな、先に食堂に行ってるぞ」
 何事も無かったかのように廊下を歩いていく。

 「・・・・何が起こったんだ?」
 「台風一過みたいなもんだと思ってください」
 それでいいのか!?
 「じゃあボクたちも向かいましょーか、御館様ももう起きてくるだろうし」
 もう起きてくるって、
 「老人の朝は早いもんだろ?」
 「・・・あの人が飯もできてないのに起きたとこ見たことないッス」
 ああ、なんつーか、全員の第一印象がおもいっきし崩壊してくな。
 「何してんスか?食堂行きましょーよ」
 「ん、そだな」
 もういい、食う、食ってその後はこのまま流されてやる!!
 そんでもって、どうにかして東京に戻らねーとな!


 後書き

〜数日前〜

 医者「持病、もうちょっとで治りますね、おめでとうさん」

 オレ「はあ、何か実感ないんですが」

 医者「ここらで大事をとって入院しておくべきなんですが・・・ベッド一個も開いてないんですよね」

 オレ「中間テスト前だしそれは流石に」

 医者「それはざんね・・・ん?・・・・・・・・・きみは運がいい」

 オレ「は?」

 医者「ちょうど今個室が一つ開いた、負けておくから入院しなさい。な〜〜に、ほんの二〜三日だ」

 いや、あの?

 医者「拒否権なしね」

 オウ、シット!!

 なおこれマジな話だったりする。てなわけで病院からの更新。更新しなかった理由?
 いや、あの、書き直したい病がつい・・・・掲載した文を加筆・削除・修正してました。
 けしてFA○Eとデモ○ベ○ンと夏○楽にはまってたんじゃないですよ、ええ、HAHAHA・・・すいません

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