ザ・グレート・展開予測ショー

「竹千代」(その2)ジパング:ネタバレ注意


投稿者名:まきしゃ
投稿日時:(00/ 3/27)

「こうするのっ!」
といた帯の先端に鉤をくくりつけ、手頃な木の枝に投げつけて、
それをたよりに木に登っていくヒナタ
どうやら服は細い紐で止められているようだ
「日吉も、私みたいに登ってきてっ!」
「あっ、ああ。」
ちょっぴり残念な気分の日吉…

木のかなり上のほうまで登ってきた二人
さっきまでいた河原や街道、遠くのお城まで、よく見える…

「ヒナタちゃん、なにを見るの?」
「うん、なんだか怪しい馬喰が、信長さまと別れる前に、城下に向かって歩いてたの。
信長さまのスピードだと、追いついちゃうかもしれないと思って…」
「えっ!? そんな大事なこと、なんで信長さまに言わなかったんだっ!?」

「その人も、信長さまに気付いていなかったみたいだし、
下手に伝えると、かえって大騒ぎになるような気がして…」
「たしかに…。 お供が、へろへろの犬千代さんだけなのに、
無茶しそうだもんな〜、あの人…」


街道を城に向かって馬で駆けて行く信長たち
「おらおら、危ねえぞっ! どけどけどけ〜〜っ!! 」
カンカンカンカンッ! 鐘を打ち鳴らす竹千代

鐘の音に気付いて馬を避ける旅人達
旅の馬喰も、無意味な争いは避けよとばかりに、道端に自分の馬を寄せ、
早馬が通りすぎるのを待っている

(気の荒い若者だな。 いったいどこの家のうつけ者…えっ?
鐘を鳴らしている子供は若君っ!? では、あれが尾張のうつけっ!?)
早馬の後ろをみてみると、ぜぇぜぇ言いながら追いかけてくる若武者の姿
(うむっ、お供の者もいるからには、間違いないっ!
こんな所で出会うとは思わなかったが、このチャンスを逃す手はないっ!)

犬千代が目の前を駆けぬけるのを待ってから、馬に飛び乗る馬喰
「あいや、待たれよっ! そこの若武者っ!」
「えっ? 俺のことっ? うっ! 殺気っ!!」
馬喰の殺気に気付き、身構えた犬千代だが、馬喰に投げつけられた粉袋が
顔面にヒットしてしまう パフッ!

「うっ! 目潰しっ!? やばいっ!」
身の危険を察知し、横に飛び退く犬千代 ゴロゴロゴロッ ズボッ!
でも、飛び退きすぎて街道脇の深田に腰まではまってしまう…
(ちっ、討ち漏らしたのは残念だが、戦力を無力化できたからよかろうっ!
目指すは本丸のみっ!!)
信長を全速力で追いかける馬喰
「との〜〜っ! 曲者だぁ〜〜!!」 大声で叫ぶ犬千代

後ろの異変に気付き、立ち止まる信長
(よしっ! そのままじっとしてろっ! 逃げるんじゃないぞっ! …えっ!?)
馬喰に照準を合わせて火縄銃を構えている信長
(いかん、もう射程距離内だ。 今、止まったとしても狙い撃ちされるっ!
でも一発はずせば、こちらにも勝機は有る。 突っ込むしかないっ!)
「若君〜〜〜〜っ!!」

「えっ?」
ズドンッ! 発射された信長の火縄銃…
「ばっ、馬鹿やろ〜〜!! 竹千代、なんてことしやがるっ!!
てめえが腕を押すから、はずしちまったじゃね〜かぁ〜〜っ!!」
「それよりに〜ちゃん、前向かないと…」
「えっ! わわっ!?」
パフッ! 信長も顔面に目潰しの粉袋を受けてしまう

「ごめんっ!」
目の見えない状態の信長から、竹千代を奪い取った馬喰
「殺すんやないでっ! 岩松っ!」
「はいっ、若君っ! 三河にとっても、尾張のうつけ殿が跡取のままのほうが、
何かと都合がいいかと思われますからっ。
では、三河に戻りましょう、若君っ!」
「うむ。」

家臣岩松の馬に乗って、そのまま全速力で街道を引き返して行く竹千代
「くっ、くそうっ! 三河の松平の手の者だったかっ!!
俺の近くにいる奴っ! 誰でもいいから、水を持って来い〜〜っ!!」
目潰しの粉が目に入ったままで、目が開けられなくてわめき散らす信長…


騒ぎを見ていた旅人たちから水を貰い、ようやく目が見えるようになった信長
そこへ、城下の方から滝川一益が馬に乗って駆けてくる
「若殿、ご無事ですかっ!? 先ほどの銃声は、やはり若殿の…」
「俺は無事だっ! それより竹千代がさらわれたっ!
三河の松平の手のものだ。 今なら、まだ間に合う。 すぐ追うぞっ!」

「えっ!? 竹千代さまがっ!? こちらにも手を伸ばしていたのかっ!」
「どういうことだっ? 追いながら教えろっ!」
逃げた竹千代を馬で追いかけながら話をする信長と一益…

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