ザ・グレート・展開予測ショー

カオスの下町人情話(後編)


投稿者名:マリエンバート
投稿日時:(97/11/15)

 つづきです。ものすごいスピード展開ですけど。


 希が倒れたのは案の定恵子の夫の両親がやとった呪術師「大笠原クミ」(むちゃくちゃ適当 ^^;)の呪いによるものだった。彼らの狙いは、希の倒れたことを恵子のせいにして親権を奪い返すこと。しかし連中の汚いやり口にひさびさに熱くなったカオスは、かならず希を助けることを恵子に誓う。そしてマリアの霊体感応で消えた希の魂を追跡した結果、大笠原と正面対決することになる。大笠原の操るゴーレムの前に苦戦するカオスとマリア。だが、追いつめられたと思った次の瞬間、どこからともなく飛んできた霊体ボーガンの矢がゴーレムの目に命中、一瞬のスキを作る。そこを見逃さず、マリアのガトリング・ガンが火を吹き、見事ゴーレムを破壊。逆に大笠原を追いつめて、希の呪いを解かせることに成功する。一方、影からひそかに見守っていた美神さんは「じいさんが世話やかすんじゃないわよ」とかなんとか言いながらそっとその場を後にする。うーん青春だわ(愛子談)。

 そしてイブの夜。ささやかなパーティのあと、カオスは希がぐっすりと眠ったのを確認してからそっと枕元にプレゼントを置く。一方、恵子はその横で一つの決心を固めていた。マリアも眠った後で、カオスを夜の散歩に誘う恵子。そして二人が初めて出会った場所で恵子はカオスにプロポーズする。恵子の真剣な様子に一瞬心が動くも、彼女の幸せを思い、きっぱり辞退するカオス。だがそれでもあきらめない恵子にカオスは「たとえ一緒に暮らせなくともわしはいつでもおまえさんたちを家族だと思っている」と話す。何も言えずに泣き出す恵子。二人は街灯の下でいつまでも寄り添うように立っていた。

 結局恵子の実家が二人を引き取ると言いだし、恵子と希は年が明けるのを待たずに幸福荘(カオスのアパートの名前です。念のため)を出ることになる。(ちなみに夫の両親に関しては、カオスが大笠原クミに呪いをかけさせ二度と二人に手出しをしないように誓わせたのでもう安心である。念のため)そして別れの日。駅まで見送りに来たカオスとマリアに、もう一度今までの礼をいう恵子。カオスは電車の中で食べるようにと作ってきた握り飯を渡しながら、「向こうでも元気で頑張るんだぞ」と二人を励ます。やがて別れの時が来て、いつまでも別れを惜しむ母娘を乗せて電車は走り去っていった。自分たちの他に誰もいなくなったホームでカオスはそっとマリアに話しかける。

「これで・・・良かったのかな・・・?」
「イエス。恵子さん・最後に・言ってました。ドクター・カオスが・生きる勇気を・くれたって」
「・・・そうか」
「きっと・幸せに・なれます。マリア・そう信じてる」
「ああ、そうじゃ・・・きっとそうじゃな」
「・・・ドクター・カオス。そろそろ・仕事へ行く時間です」
「おっと、もうそんな時間か。いかんいかん。来年こそ貧乏暮らしから脱出せねばな」

 カオスはもう一度電車の去っていった方を振り返ると、マリアに気づかれないようにそっと涙をぬぐった。ふと、こぼれ落ちた雫が鼻の中に飛び込んできてカオスは思わず大きなくしゃみをした。

   (完)


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