「竹千代」（その１）ジパング：ネタバレ注意
投稿者名：まきしゃ
投稿日時：(00/ 3/26)
行く当ても無いので、日吉の後をついていくことにしたヒナタ
日吉も一人で居るより楽しいので一緒にいたいと思っている。 かわいいし…
そんなある日、街道沿いの農家に針を売りに行く日吉とヒナタ…
「へえ〜、針の行商かい。 こいつは助かるねぇ。
こんな小さな物を買うためだけに、市場にいくのはめんどうだからねぇ。」
「どうもっ！ ２文になりますっ！」
「悪いけど、銭はねえだよ。どうせ、食い物買うための金だろ？米ひとつかみでよかろ？」
「あっ、はい。 ありがとうございますっ！」
何軒もの農家から、銭のかわりに食べ物を手に入れた二人 持ちきれないぐらい…
「ずいぶん、儲かっちゃったわねっ！」
「ああ。市場で買ったとしたら、手に入る食べ物の量は、この半分がせいぜいだもんな。」
「そうよねっ！ あら、きれいな河原だわ。 あそこで食事にしましょうよっ！
おなかに入れてしまえば、荷物も軽くなるわよっ！」
「あははっ。 そうだねっ。」
河原で食事の準備をする二人…
街道を馬で駆けている信長と竹千代
「あれ？ に〜ちゃん、あの河原にいるのって、日吉のに〜ちゃんとちゃうんか？」
「ん？ そうだな。 ちくしょ〜、サルの奴、昼間っからヒナタといちゃつきやがってっ！
こっちはまだ帰蝶と婚約しただけで、なんもしとらんのにっ！
よしっ！ あいつらを、からかいに行くぞっ！！」
河原に駆寄る二人
「こらっ！サルっ！ 昼間っから河原でいちゃつくのは間違ってるぞっ！」
「えっ！ あっ、信長さまっ！」
「いちゃつくんなら、そこの林の中にしろ。 目立つのはいかんっ！」
「あ、あの〜、食事の準備をしてるだけなんですけど…？」
「そんなもん、見ればわかるわっ！ ちっ、からかいがいのねえ奴だなっ！
そういえば腹が減ったな。
ヒナタっ！ 俺たちのぶんも、用意しろっ！ 銭は出すぜっ！」
「はいっ。 日吉さん、よかったですねっ。 また荷物が軽くなりますよっ。」
「うん。 ところで信長さま、お供も連れずに、こんなところで何をされてるんですか？」
「ん？ 供は連れてきてるぞ？ まもなく来るはずだが…」
「あっ！ 犬千代さま…」
徒歩で駆けてきた犬千代が、ようやく信長たちに追いつく…
犬千代の様子を見て、川から水を汲んでくるヒナタ
「ぜぇ〜ぜぇ〜ぜぇ〜」
「犬千代さま、はい、お水…」
「ぜぇ〜ぜぇ〜ぜぇ〜 ごくごくごくっ！ ぷはぁ〜っ！ ぜぇ〜ぜぇ〜ぜぇ〜…」
「ご、ご苦労さまです…」
「に〜ちゃん、こんなに部下をこき使うとると、謀反おこされるんとちゃうんやない？」
「馬鹿やろうっ！ 今の俺の立場じゃ、何もせんでも謀反されるわっ！
だからこうやってこき使って、それでもついて来る奴なら、俺の味方ってことなのさっ！」
「ふ〜ん」
（そ、そうなの？ なんか違うような…）
ほとんどのびてる状態の犬千代を見つめる日吉…
皆で、出来あがった雑炊を食べながら…
「へえ〜、地形を調べてたんですか。」
「ああ。 戦になったら、いい場所占めた方が有利だからなっ！ 例えば、ここだと…」
すっくと立ち上がり、いきなり戦術的な解説を始める信長
一通り話し終えたあと…
「あの、よくわかったんですけど、俺みたいなのに話してよかったんですか？」
「ん？ かまうもんか。戦術的にはウソは言っちゃあいないが、戦略的には、
こんな場所、ほっといてもいいからな。 俺はこんなとこでは戦わん。」
「そ、そうなんですか。」
日吉と一緒に信長の話を聞いていたヒナタ…
街道に目をやると旅の馬喰が一人、城下の方に向かっている
（あの馬喰、ちょっと怪しいわね…） 【馬喰（ばくろう）：牛馬の販売を行う商人】
しばらくして…
「よしっ！ 腹いっぱいになった。 城に帰るぞっ！」
「はひっ。 い、いえ、はいっ。」
「に〜ちゃん、ね〜ちゃん、またね。」
「お気をつけて… 特に、犬千代さん…」
信長たちを見送る日吉とヒナタ
「殿さまも、戦国時代じゃ大変なんだなぁ〜
よしっ、俺たちも商売再開だっ！ 荷物も減ったし、針の在庫もまだあるし…」
「日吉さんっ！ それより、そこの林の中にいきましょうよっ！」
「えっ？ は、林の中っ！？」
いぶかる日吉の手を引いて、どんどん林の中に入っていくヒナタ
「このへんで、いいわねっ！」
そう言うと、荷物を下ろし、帯をとき始めるヒナタ するするするっ！
「えっ！？ えっ！？ ヒナタちゃんっ！？」
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ジパングネタでの初創作ですが、短いし練習作品のつもりで書いたので、
創作文集ではなく、こっちにしました。
なにしろ語尾のチェックがいい加減だし。（苦笑）
この作品は、（たったの）３回に分けて掲載する予定です。
今までの
コメント：
- おお、ついに「ジパングモノ」ですか・・・。
なんか「スゴイ」引きなんですが、この後どうなるんでしょうか？（笑）
・・・・・・それと「ＧＳ美神」の創作も宜しくお願いします。
（創作コーナーでは、エミの話が良かったと思う猫太郎） (にゃごたろう)
- 日吉は呼び捨てにされるはずでなかったですかいのー。 (尉雄)
- ＞・・・・・・それと「ＧＳ美神」の創作も宜しくお願いします。
＞（創作コーナーでは、エミの話が良かったと思う猫太郎）
はい、もうしばらくは書き続ける所存であります。
ただ、さすがにネタ枯れ気味で、自分でも話の作りが粗雑になってきて
しまってるかなぁと感じる、きょうこの頃。
また、エミの話のような作品が書けるといいのですが…。 (まきしゃ)
- ＞日吉は呼び捨てにされるはずでなかったですかいのー。
あああ、すいません、すいません。チェックが出来なくてすいません。
実は私、サンデー立ち読みコミックス派でして、手元にある資料は
新連載開始時のサンデー１冊だけなんです。
無謀とは知りつつ、コミックス発売まで待てませんでした。
そういうわけで、今回ばかりは見逃してください、お代官様っ！
この続きでも、犬千代や一益が信長をどう呼んでたのか確認せずに書いて
ますので、原作と違ってても許してやってくださいぃぃ〜。 (まきしゃ)
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