ザ・グレート・展開予測ショー

妙神山の平凡な一日 前編


投稿者名:純米酒
投稿日時:(04/ 6/10)

はじめに・・・
この作品に登場する人物の9割が何処かおかしくなっています ご了承ください
また魔王と戦士〜回想録〜の続きというか補足という形になっております
よろしければそちらから読んでいただけるとより一層この作品の粗がみえてきます
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「パパは今日私と寝るのーーーーーー!あんたなんかに譲るもんですか!」
「ポチの隣はパピリオのものでちゅ!蛍ちゃんはペチャパイ同士、小竜姫の隣にでもいるといいでちゅ!!」

「あぁ・・・また建て直しか・・・姉上・・・助けてください・・・」

爆音がこだまする妙神山に現れた二人は目の前の惨劇に苦笑する

「あいかわらずモテますわねぇ・・・あ・な・た♪」
半眼で睨みながら左手をつねる小竜姫

「娘にモテてなにがわるいんやーー!弟子に好かれてどこがいけないんやーー!」
左手に走る激痛と、自分を見つめる妻の表情に心からの絶叫があがる

「パパ!?」
「ポチ・・・?」

絶叫の発信源に顔をむける喧嘩中の二人、険しい表情がみるみるうちに柔らかくなる

「おかえりなさい、パパーーーーーーーーー!」
「まってたでちゅよーーー、ポチィィ!」

「がはぁっ!」

鈍い音と共にフライングボディーアタックと頭突きぎみのタックルが横島に炸裂する
パピリオはご丁寧にも、隣に居る小竜姫を突き飛ばしておくことを忘れなかった

小竜姫、横島共々元居た位置から軽く10メートルは吹っ飛ばされている

何とか立ち上がった小竜姫は、倒れた横島をはさんで喧嘩を再発させる二人に歩み寄る、手には抜き身の御神刀をたずさえて

「あんたの頭突きがパパの鳩尾に決まったから気絶しちゃったじゃないの!」
「違うでちゅ!蛍ちゃんの体当たりでポチが受け身を取れなくなって後頭部を打ったのが原因でちゅ!」

両方が原因であることは明白だ

「二人とも止めなさい!!!!!!!!!!!」
普段は押さえられている霊力を全力で放出し、刀を構える小竜姫に二人が気が付くと、罵り合いは止まった

恐怖に顔を引きつらせる二人が、油の切れた機械のようにぎこちなく声の主に向き直る
顔には冷や汗が浮かぶ

「あ、あははあはははは・・・おかえりなさいお母様♪」
「えーん怒っちゃいやー♪」

今更かわいこぶっても後の祭りというもの。まさに『逆鱗』に触れ、怒りに身を任せた小竜姫が居た


蛍、パピリオ、そしてなぜかジークも正座して、仁王立ちの小竜姫に説教を受けていた
蛍とパピリオの頭にはおおきなこぶが出来ていた。小竜姫にげんこつをもらったようである

「貴方達ふたりの喧嘩が今に始まった事ではないのは解っています、喧嘩するなとは言いません。
 でも目の前の倒れた『私の横島さん』を放っておいてまた喧嘩を始めるとはどういうことですか!!!
 ・・・それからジークフリードさん・・・・・・何故建物が壊れたかご説明していただけますでしょうか?」

「はっ!蛍、パピリオの両名の霊力が急激に増大したのを受けて、建物全体に結界を張る為に護符を取りに行こうとした所
 護符はすでに斉天大聖老師の部屋およびテレビ、ゲームステーション専用として使われた後であり、建物全体に十分な結界 が張れず・・・」
「はぁ・・・ジークさんもういいです」

ジークの報告を聞いていて頭痛がしてきた小竜姫であった
先ほどまでの剣幕も影を潜め、ため息をついている

「まぁまぁ・・・たいした怪我じゃなかったし、建物も全壊ってわけじゃぁないんだろ?」
いつの間にか復活した横島が必死に小竜姫をなだめる、相変わらずタフである

「ごめんなさい、パパ・・・」
「パピリオも悪かったでちゅ・・・ついムキになっちゃって・・・」

「いいっていいって気にすんな。ほら小竜姫様も・・・俺がこんな目に会うのはいつもの事だろ?」
「ですけど・・・今週に入ってからこの子達が何回喧嘩したと思ってるんですか?22回もですよ!?
 喧嘩の度にあなたが怪我をしないか心配で・・・」
「まー・・・アレ以上の事は滅多に無いから心配すんなよ。それより腹減ってきたからお説教もこの辺にして飯にしようぜ」
「・・・わかりました。蛍、パピリオ!今日の夕食はおかず無しですからね!あとジークさん、老師の夕食はバナナ一本です と伝えておいてくださいね」
「なぜ僕がそんなことを・・・」
「じゃぁ蛍、お料理手伝って。あなたはパピリオとジークさんと一緒にある程度でいいから片付けをお願いね」
そういって小竜姫と蛍は台所に向う。

二人で台所に立つのは久しぶりだった、蛍がいままで気になっていたことを小竜姫にたずねる
「ねぇ・・・パパとママが結婚したときってどんな感じだったの?」
「うーん・・・蛍ももう子供じゃ無いから話してもいいかな?」
蛍の問いかけにエプロンをつけながら答える小竜姫
そして嬉しそうに片目をつぶると「パパには内緒よ、いい?」と付け加える


小竜姫と横島が接近するきっかけとは・・・当時なにがあったのか
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(言えない、言えないわ・・・私の夢が『妙神山の管理人のお嫁さん』になる事だなんて!
 『管理人のお嫁さん』になりたかったのに『管理人』をやってるのが嫌だなんて言えないわ!」

小竜姫の口からでた言葉に美神除霊事務所の中は戦場と化す

「よ〜こ〜し〜ま〜ク〜ン・・・あんた・・・・・・・小竜姫様になにやったの?」
「俺はまだ何もしてませんよ美神さんっ!!!!!!!!!!」
「『まだ』ってどういうことですか?横島さん?」
「先生と一生添い遂げるのは拙者でござるぅぅぅぅ!!」
「・・・・もうちょっとかな?・・・ああ油揚げのいいニオイ・・・」

神通棍を持ってじりじりと距離つめる美神、いつのまにか台所から持ち出した「シメサバ丸」を手に怪しい笑みを浮かべる
おキヌ、いつもよりも更に高出力の霊波刀を構えるシロ

秘めたる思いをうっかりさらけ出してしまい、赤くなった頬に手をあて恥らう小竜姫とマイペースにカップうどんの蓋をとり割り箸を片手に、一人だけ光悦の表情のタマモをよそに、嫉妬に狂った三人は横島に詰め寄る

「おいっ!人工幽霊一号!!ド、ドアを開けてくれっ、ドアを開けろー!」
「私個人の考えですが、このタイミングでドアを開けるべきではない・・・と思います」
「ナイス判断よ人工幽霊一号!」
「こっ、このままでは死んでしまうー」
「先生、ここは潔く切腹を!拙者が介錯いたします!拙者もすぐに後を追います故、安心してください」
「切腹ってなんじゃい!安心出来るかーー!後を追われても全然うれしくねーぞー!」
「大丈夫ですよ。幽霊になっても働けますから♪」
「これ以上給料が減るのは嫌だぁぁーーー!」
「死んだらお金使わなくてもいいから問題ないじゃない」
「うどん喰いながら冷静に突っ込むな!すげームカつくぞ!」

「「「さぁ・・・覚悟はいい?(ですか?)(でござるか?)」」」

「あ、あぁぁぁ・・・タマモッ、小竜姫さまっ助けっ・・・いやじゃぁーーーーーーー」
神通棍が、シメサバ丸が、霊波刀が横島に迫る

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