ザ・グレート・展開予測ショー

らぶ・サバイバル 〜第8回〜


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 6/ 9)


〜某国「星の町」〜

西条に出場者を増やすよう頼まれたヒャクメはある所と連絡をとるために以前利用した某国「星の町」を訪れていたところだった。

「外貨やぁーーっ!!」
「ハラショーーー!!」

「このお金で交信させてもらうのね〜」
「オーケー、オーケー」
前回と同じように金塊を渡し、二つ返事で交信の了承を得る。

「それじゃあ、早速・・・」


〜月神族の城〜

「神無様、地球から交信が入っていますが」

「地球から?繋いでくれ」
部下の口から出た地球という言葉で少し期待してモニターを覗く神無

そこに映しだされたのは・・・以前月の事件の時に知り合った神族のヒャクメだった。

「ヒャクメ殿ですか・・何の用でしょうか?」
少しがっかりした様子でヒャクメに用件を聞く神無

「そんなにがっかりしないのね〜。多分神無さんが喜ぶ用件よ」

「な、なんですか?」

「横島さんのことなのね〜」

「よ、横島殿のこと!?そ、それで横島殿がどうかしたのですか?」
内心モニターに飛びつきたいくらい喜んでいるのだが、部下の手前その衝動を抑え、表面上冷静を装いつつ尋ねる。

「ウフフ、実はね〜・・・」

〜会話省略〜

「・・・というわけなのね〜」

「そ、そんなことが・・」
(出たい。その前に横島殿に会いたい。しかし、私には月警官の長としての役目が・・・、どうすればいいんだ)

「何迷ってるのよ、神無。私は出るわよ」
不意に後ろから声が聞こえてきた。

「えっ!?お、朧!?いつの間に」
振り向くとそこには迦具夜姫付き官女・朧が立っていた。

「地球から交信が入ったって聞いてちょっと寄ってみたの。思わぬ情報が聞けてラッキーだったわ」

「朧、さっき出場すると言ったが、我々にはそれぞれの役目があるのだぞ。どうするつもりなんだ?」

「どうするつもりって、今から姫にお願いしに行くのよ。大丈夫よ、私達がいなくてもしっかりやってくれるわよ」

「しかし・・・」

「ふ〜ん、神無は横島さんに会いたくないんだぁ。別に私は一人でも行くつもりだけどね」

「会いたくないわけないだろう!」
(横島殿が地球に帰ってしまってからずっと会いたいのを我慢していたんだ)

「だったらこんなチャンス逃す手はないでしょ?上手くいけば横島さんの恋人になれるのよ」

(横島殿の恋人に・・)
「わかった。私も一緒に姫に直訴しにいこう!」

「そうこなくっちゃ!早速行きましょ!」


〜迦具夜の部屋〜

二人で迦具夜の部屋を訪れ、神無が事のいきさつを説明する。
「・・・というワケで身勝手なことだとは承知しておりますが、我々二人に地球へ行く許可を与えて下さい」

「・・・そうですか。横島殿がそのようなことになっているとは・・・わかりました。地球へ行くことを許可しましょう」

「「ホントですか?ありがとうございます」」
月神族の中でも中心となる二人が揃って地球行くという前代未聞の申し出にも関わらず簡単に了承を得ることが出来たことに少し驚きつつも声をあわせ礼を言う神無と朧

「ただし、私も一緒に地球へ行きます」

「「ええっ!?それはいけません!!」」
神無と朧が声を合わせて迦具夜が同行することに猛反対する。

「何故ですか?」
「何故ってあなたは月神族の姫なのですよ」

「そんなことは関係ありません。私達月神族は横島殿に大変お世話になりました。その時のお礼を今こそしなくてはいけません」
「だから我々二人が月神族の代表として責任をもって礼をします」

「いいえ、私は行きます。それに月の石船は私にしか動かすことはできません」
「しかし・・・」

「神無、しょうがないわ。姫と一緒じゃないと、地球に行けないんだから」
「・・・・そうだな。姫、申し訳ないですが、地球へのご同行お願いします」
「わかりました」

「出発は明日ですので今夜は十分にお休み下さい」
「はい」

「「失礼します」」

明日出発する意向を伝え二人は迦具夜の部屋を後にした。

カツカツカツカツ(廊下を歩く音)

「ねえ、神無、どう思う?」
「ん?何がだ?」

「姫って横島さんのことをどう思ってるのかな?」
「はぁ?何を言ってるんだ?」

「だってぇ、あんな頑固な姫ってあんまり見たことないでしょ?もしかしたら姫も横島さんのこと好きなんじゃないのかな?」
「ば、ば、バカな事を言うな!姫が横島殿を好きになるわけないだろ!」

「でもねえ、私達も姫と同じくらいしか横島さんと関わってないのに好きになっちゃってるでしょ?」
「・・・・・・う、うむ」

「だったら姫が横島さんを好きになってても別に不思議じゃないでしょ?」
「そう言われればそうだが・・・・」

「まあ、あくまでも私の憶測だからね。地球に行って横島さんに会った時の姫の態度を見ればわかるでしょ。それじゃあ、明日も早いから私はもう部屋に戻るわね」
「あ、ああ」
神無を残し、朧は自分の部屋へと戻っていった。残された神無は何かを考えている。

(姫も横島どのを?・・・・・・・まさかな)
そして数分ほど地球の方を見てから自分の部屋へと戻っていった。

こうして月神族の3人による永遠の美女チームの参戦が決定した。



〜厄珍堂〜

「おう、厄珍、頼んでおいた腰痛の薬はあるかの?」
「来てるあるよ。でも今回は特別あるよ。うちは基本的にこういうものは扱ってないあるから」

「そんな事を言うな。お互い色々悪巧みをした仲ではないか」
「だから今回取り寄せてあげたある。次からも欲しかったら条件があるある」

「条件?なんじゃ?その条件ちゅうのは」
「実は・・・」

〜会話省略〜

「ほ〜、あの小僧がの〜、それでそれがわしに何の関係があるんじゃ?」
「わからないあるか?あんたのとこのマリアを大会に出場させないかと言ってるあるよ」

「マリアをか?」
「そうある。そういえば、今日はマリアはどうしたあるか?」

「ああ、マリアなら今日は工事現場のバイトに行っておるところじゃ」
「それじゃあ、返事は今でなくてもいいあるから、今日帰ってからマリアと相談してみるある」

「う、うむ。わかった」
「よく考えるある。ロボットといってもマリアも一人の女ある」

「・・・・・・わかっとるわい」
カオスは少し寂しそうな声で返事をし、店を後にした。



〜カオスの部屋〜

カオスは厄珍の話を聞いてからずっと考え込んでいた。
確かに自分にはマリアが必要である。しかし、このままでいいのだろうか?今まで何人もの人を騙させたり、肉体労働のバイトばかりさせたりしてマリアに頼ってばかりである。主のために造られたのだから主の命令に従うのは当たり前のことといえば当たり前のことなのだが・・・

しばらく考え込んでいるとマリアがバイトから帰ってきた。
「ただいま・帰りました」

「うむ、ご苦労じゃったな。それよりマリア、話があるからそこに座りなさい」

「はい」
すぐにカオスの前へと座るマリア

「実はな、一週間後に横島の小僧と一緒に暮らすことを賭けて勝負が行われるそうじゃ。それに出たいか?」

「ノー・その日は・バイトがあります」

「バイトの事はいい。マリアの気持ちはどうなんじゃ?」

「私は・・・・・・わかりません」

「そうか・・・マリアは小僧と一緒に暮らしたくはないか?」

「イエス・ドクター・カオスと・横島さんと・一緒に暮らしたいです」

「いや、そうじゃない。わしは一緒には暮らせん」

「なぜ・ですか?」

「わしはマリアに幸せになって欲しいんじゃ。前に話したじゃろう?マリアのモデルとなったマリア姫の話を」

「はい」

「思えばマリア姫には非道いことをしてしまった。わしがこんな体なばっかりにマリア姫を幸せにすることができんかった。だからせめてもの罪滅ぼしとしてマリア、お前にマリア姫の分まで幸せになって欲しいのじゃ。それにホームズの時に果たせなかった思いを今こそ果たして欲しい」

「ホームズ?」

「ああ、そうじゃったな。あの後、マリア自身の願いで笑顔のプログラムと一緒にホームズに関するデータを削除したんじゃったな」

「・・・」

「まあ、とにかくわしは一度マリアの初恋・・・とまではいかなくとも初恋になりそうなものを壊してしまった。その償いを今こそ果たしたいんじゃ。
それにわしが今まで生きてきて、あの小僧の様な男は見たことがない。普段はどうしようもない奴じゃが、やる時はやる。それが好きな女の為なら奴は命だって賭ける。そんな男だからこそ今回の大会にマリアを出場させようと思ったんじゃ」

「・・・」

「そういうワケじゃからマリアが小僧と暮らせることになっっても、わしは一緒に暮らすことは出来ん。わしも男女の暮らしを邪魔するほど野暮なことはしたくないしな」

「・・・」

「わかってくれたか?わしはマリアの幸せを壊すようなことは二度としたくないんじゃ」

「・・・・・・イエス!ドクターカオス」

「よし!それでこそわしが造った最高傑作、そしてわしの愛娘じゃ!早速厄珍に連絡するか」



〜厄珍堂〜

プルルル ガチャッ
「こちら何でも売ってる厄珍堂ある。用件は何あるか?」
「わしじゃ」

「おお、早かったあるな。それで返事は?」
「マリアは出場することになった。そこでお主にちと頼みがあるのじゃが・・」

「何あるか?」
「優勝させるためにマリアを今一度改造しようと思うのじゃ。じゃが資金がなくての、援助してもらえんか?」

「オッケーある。多分西条に頼めば出してくれると思うある」
「それじゃあ、明日にでもお主の店に行くからの」

「わかったある」



〜妙神山〜

横島と別れ、小竜姫とメドーサの二人は妙神山へと帰ってきたのだが、そこにはあるはずの門が完全に消滅した修行場の姿があった。

「い、いったい何が・・」

「なんかあそこに転がってるけど、知り合いかい?」
メドーサが黒こげになっている物体を指さして聞く。

「あれは・・・・・・鬼門!?」
変わり果てた姿となった鬼門へと慌てて走り寄る小竜姫

「鬼門!鬼門!どうしたのです?何があったんですか?」
鬼門を抱え、必死に呼びかける小竜姫

「・・・うぅ、小竜姫様」

「良かった。生きてたんですね。いったい、何があったのですか?」

「じ、実は「小竜姫!小竜姫宛てに書き置きがあるよ。なんか横島って文字が書いてあるけど・・」
鬼門が話している途中にいつの間にか中に入っていたメドーサが叫ぶ。

「ホントですか?」
ビュンッ  ガンッ!!
最初の音は小竜姫が横島という言葉に反応してメドーサにダッシュで駆け寄る音、後の音は鬼門の頭を抱えていた小竜姫が急に頭を離したため地面に強打した音である。

「大丈夫か?左の」
「・・・・・・」
「このままでは左のが危ない。何とか最後の力を振り絞って神界に」

シュンッ
こうして鬼門の二人は、なんとか神界へと還ることに成功した。しかし、当分の間二人は光に追われる悪夢にうなされる日々を送ることになったそうだ。


さて一方の小竜姫とメドーサはというと、パピリオの書き置きを読んでいる最中だった。

『   しょうりゅうきへ
しょうりゅうきも知ってると思いまちゅが、わたちはヨコシマをかけた大会にルシオラちゃん達と出場しまちゅ。その大会までみょうじんざんをはなれて別の所でルシオラちゃん達と生活することに決めまちた。文句は言わせまちぇん!かんりにんのしょうりゅうきがみょうじんざんをるすにするのが悪いんでちゅからね。
PS ゆうしょうはわたち達のチームに決まってまちゅので早いとこあきらめて別の男の人を探すことをおすすめしまちゅよ!
近い内にヨコシマの恋人になる良い子でかわいいパピリオより♪』

プルプルプルプル
パピリオの書き置きを読みながら怒りで手が震えている小竜姫

「ふ〜ん、すごい自信だね。どうするんだい?あきらめて別の男でも探すかい?」

「馬鹿なことを言わないで下さい!私が横島さん以外の人を好きになるなんてことは未来永劫ありえません!絶対出場して優勝します。必ず!!!」

「そうこなくっちゃね。さてこれからどうする?」

「そうですねぇ、・・・ん!?」

「どうし・・・た!?な、なんだい?この霊圧は」
突然、妙神山内をただならぬ霊圧が支配する。

「これは・・まさか・・・そんなはずは・・でも・・・」
急に怯え始める小竜姫

「どうした?誰か来たのか?知り合いかい?」
メドーサはわけがわからず、小竜姫に質問攻めする。その時

「小竜姫!!」
何者かが小竜姫の名を叫ぶ。

その声に小竜姫の体がビクッと反応した。恐る恐るその声の方を向き、小竜姫はこう言った。
「あ、姉上!?」

「姉上って・・・・・まさか小竜姫の姉の大竜姫!?」


       【つづく】


   《あとがき》
どうも、殿下でございます。
短編ばっか書いてるせいでまたまた更新遅れました。すいません(ペコリ)
横島の妄想で1コマだけ出てきた大竜姫様を登場させてしまいました(汗
今回はいつも以上に色々強引な部分があると思いますが、どうかご慈悲を
次回はワルキューレが再登場します。あと西条も

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