ザ・グレート・展開予測ショー

鬼門の竜と蝶


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 6/ 5)

注・この話は単独でも読めますが、『前門の狐、後門の狼』と微妙に繋がってますので一部意味がわからない会話が出てきます。ですから『前門の狐、後門の狼』を読んでからこちらを読んで頂けると非常に助かります。






ここは神と人間の一つの接点といわれる妙神山にある修行場である。ここには『ゲーム好きの猿こと猿神』『ベレー帽を被れば鬼軍曹のジーク』『見た目は子供、頭脳も子供、力は超人、弾丸娘パピリオ』そして『美小女揃いでサービス満点が売りの妙神山の管理人、小竜姫』の4人が暮らしていた。
この話は一人の青年がここを訪ねたことによって起こった話である。


ピコピコ ピコピコ
妙神山修行場の一室に鳴り響くゲーム音

「なあ、パピリオ、いったん休憩しねえか?」
この妙神山修行場に訪ねてきた男、日本が世界には決して誇っちゃいけない煩悩小僧こと横島忠夫はパピリオのゲームの相手をしながらこう言った。

「ダメでちゅ!せっかく久しぶりにヨコシマに会えたんでちゅから今日はゲームをしまくるでちゅ」
パピリオはコントローラーをぐっと握りしめながら言い放つ。

「そ、そうか」
そんなパピリオの言葉に力無くうなだれる横島
(しかしこのままゲームに勤しんでいる暇は俺にはない!なぜなら今、小竜姫様が入浴中なのだ!!それに猿は神界、ジークは魔界に帰っている。こんな覗いてくれと言われんばかりの状況を逃すわけにはいかん!)

「ちょっとだけでいいから、な?」
「ダメったらダメでちゅ!今日はずっとヨコシマとゲームするって決めてたんでちゅから」

(もうちょっと我慢するか。小竜姫様もさっき風呂に行ったばかりだし、すぐには出てこないだろう。なんとか隙を見て・・)

〜それから1時間後〜

いらいらいらいらいらいらいら
あれから1時間が経ったが、パピリオは横島を一度も解放せず、横島はかなりいらついていた。唯一の救いは未だ小竜姫が風呂から出てきてないことだろう。

「なあ、パピリオ。小竜姫様、遅くないか?」
「気にしないでゲームを続けるでちゅ」

「しかし、あれから1時間経つぞ。何かあったんじゃ・・」
「ヨコシマはわたちと遊ぶのが嫌なんでちゅか?」
コントローラーを置き、少し悲しげにパピリオが聞く。

「そんな事ないって、今日だってパピリオと遊ぶためにここに来たんだぜ」
「でもさっきから小竜姫のことばかり言ってまちゅ。ベスパちゃんになかなか会えなくて最近寂しかったけど、ヨコシマが今日来るって聞いてすっごく楽しみにしてたんでちゅよ。それなのに・・それなのに・・・」

「・・・パピリオ、・・・・・ゴメンな。俺が悪かったよ」
「じゃあ、小竜姫のことは忘れて今日は徹夜でゲームをしまちょー!!」

「・・・パピリオ、・・・・・ゴメンな」
「だからもういいでちゅよ・・・・へっ!?」

『眠』
ドサッ
「くーーーー、すぴーーー」
眠の文殊によって眠らせたパピリオに毛布を掛ける横島

「すまねえ、パピリオ。『こと』が終わったらいくらでもゲーム付き合ってやるからな。それに男には一生に一度はやらなきゃいけない時ってのがあるんだよ。そしてそれが・・・・・・今なんだぁぁあああーーー!!!」
ドップラー効果を流しながら横島は猛ダッシュで風呂場へと向かっていった。

ダダダダダダダダダダダダダ
ガラガラガラ(風呂場のドアを開けた音)

「小竜姫様!!」
「きゃっ!?」

「あっ、すいません」
「どうしたんです?いきなり」
「いや・・・あんまり小竜姫様が遅いんで様子を見に来たんです。いや、無事だったならいいんです。それじゃあ行きますね」

ガシッ
すぐ風呂場を出ていこうとする横島を小竜姫がいきなり掴む。
「え!?」
「良かったら・・・一緒に入りませんか?」

「えっ!?そんな・・・」
「パピリオと遊んで疲れたでしょう?お背中流しますよ」

「・・・・いえ、やめときます」
「どうしてですか?」

「小竜姫様みたいな綺麗な人とお風呂になんか入ったら俺きっと自分を抑えられません」
「・・・・・・」

「一応俺も男ですから・・・」
「・・・・・・いいですよ」

「えっ!?」
「抑えなくてもいいですよ」

「自分が何を言ってるかわかってるんですか?」
「わかってます。私・・・横島さんだったら構いません」

「いいんですか?俺なんかで」
「横島さんだからです。横島さんにしか・・・こんなこと言いません」

「小竜姫様・・・それじゃあ・・」
「イヤ!・・・・・ここじゃ・・・・・だめ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「なんちて、なんちて、だぁーーはっはっはっはっは!待ってて下さいよ、小竜姫様!もう二人の仲を邪魔する者はどこにもいませんからねーーー!!」

ダダダダダダダダ
ガラガラガラ(風呂場のドアを開けた音)

「小竜姫様!!・・・・・ぶるばぁ!?」
風呂場に入った横島の目に想像とは全く違った驚愕の光景が映る。

「うぅ〜〜ん」
なんとドアを開けてすぐの所にのぼせたのか顔を真っ赤にしてタオル一枚で倒れている小竜姫の姿があったのだ。
小竜姫は仰向けに倒れていてその上にタオルを乗せてあるだけという状態でした。しかもタオルが濡れているため体のラインが完全に浮かび上がっている。

問1・こんな時あなたならどうしますか?

 @唇
 A乳
 B尻
 Cふともも

「う〜む、どうすれば・・・ここは礼儀として唇から、いや待てよ、やはりここは白く柔らかそうなふとももから、いやいや、やはり安産型の尻から攻めるべきか、はたまたタオルに覆われている乳から・・・・・・う〜〜ん、迷う」


◇第1回脳内会議◇【出演・どこかで見たことがあるような神様と悪魔・計5名】


「ちょっと待て!どう考えてもその選択肢はおかしいだろ!!それと何が礼儀なんだ!!」

「まあ、横島さんらしいといえば横島さんらしい選択肢だけどね〜」

「本当に欲望に忠実な男だねぇ」

「そんな呑気な事言ってる場合?このままじゃ私のヨコシマが小竜姫様に襲われちゃうのよ!」

「・・・姉さん、逆だよ。逆」

「いや、その通りだ。このままでは『私の』横島が 「何きやすく人の恋人を『私の』なんて言ってるのよ!!」

「全くちょっと目を離すと『私の』横島を横取りしようとする輩が増えて困るねえ」

「何だとぉ!」
「何ですってぇ!」
「やる気かい?」

「おいおい、どうでもいいけど、どうするんだい?ポチの方は」
「「「決まってる(じゃない)!!!」」」

「それでは皆さん一斉にぃ、せーの」
「「「「「選択肢を変えなさーい!!!!!」」」」」


◆脳内会議終了◆

◎会議の結果・選択肢変更を要求


「はっ!俺は一体何を・・・。倒れている小竜姫様に何をしようとしてたんだ。いや、そんな事よりも早く小竜姫様の意識を回復させないと・・・」

問2・目の前にお風呂でのぼせてしまった美女がいます。あなたが彼女にすべき処置は?

 @人工呼吸
 A心臓マッサージ

「ふむ、この場合どちらが適当だろうか」
(やはりあのつややかで甘そうな唇にブチューっと・・・いや待てよ、あの肉まんのような形の良い胸をむぎゅっと・・・う〜む、迷うなぁ。・・・・・・そうだ!別に選ばなくても両方すればいいじゃないか!)
横島がこれは名案といった感じで手をぽんと叩く。

「では、失礼して・・・」


◇第2回脳内会議◇【出演・前回と同じ】


「なんで溺れたわけでもないのに人工呼吸や心臓マッサージが必要になるんだ!」

「ほんとね〜、言葉変えただけで大して選択肢の内容は変わってないのね〜」

「キスしたいなら私に言えばいいのにねぇ」

「キスなら私だってしたわよ」

「私の方が先にしてるしねぇ」

「私は何回もしてるの!あなたとは違うわ」

「ふん!あんたがしたのはどうせお子ちゃまのキスだろ?私は大人のディープなキスだったからねぇ」

「ぐっ!?こ、この・・・」

「姉さん落ち着きなよ!」

「そ、そうね・・・・・って何でタオルなんか持ってるのかしら?」

「え!?いや、これは、その・・・・ちょっとお風呂に」

「もしかしてお風呂でのぼせてヨコシマに介抱されようとしてるんじゃないわよね?」

「まままままままままさか、そんな事あるわけないだろ?おかしな事言わないでよ」

「それよりもこのままだと横島さんのキスの相手がまた一人増えてしまうのね〜」

「あっ!そうだった。何とかしないと・・・・・・そうだ!」

「姉さん、どこ行くんだい?」

「私に考えがあるの。待ってて」


◆脳内会議終了◆

◎会議の結果・姉さんに任せて


◇脳内会議番外編inパピリオ◇【出演・三姉妹の長女と三女】


「・・・リオ、・・ピリオ!」
「う〜ん、むにゃむにゃ」

「パピリオ!起きなさい、パピリオ!」
「何でちゅか?せっかく人が気持ちよく寝てるのに・・・」

「いいから早くお風呂に行きなさい。ヨコシマが危ないの!」
「んも〜〜、相変わらずせっかちでペチャパ 『ガンッ!!』


◆脳内会議強制終了◆

◎会議の結果・「その言葉タブーです」


「・・・ふにゃ?何でわたちこんなとこで寝てるでちゅ?なんか頭がズキズキするでちゅ・・・・・・そうだ!ヨコシマが風呂場に・・・」


パピリオが目覚めて驚異的なスピードで風呂場へと向かっている時、横島はというと・・・
小竜姫に人工呼吸と言う名目でキスをするところでした。

「うぅ〜ん」
小竜姫が横島を誘うように甘い声を発して顔を動かします。心なしか横島がキスしやすいように顔が動いています。そしてうっすら目が開いています。しかも顔だけならまだしも耳まで真っ赤になっています。
その事に横島は全く気付いていません。
この反応を見ればわかるように小竜姫は起きています―――――最初から

〜横島が来る数分前の出来事〜

「あ〜あ、何で横島さん来ないのかしら?」
お風呂で水遊びをしながら横島が覗きにくるのを今か今かと待ち望んでいる小竜姫

「私に興味無くなったのかしら?いえ、どうせパピリオが横島さんを離さないんだわ!・・・ったく、せっかく昼間はパピリオに気を使って二人でいさせてあげたんだから夜は私に譲ってくれたっていいのに・・・」

バシャバシャ
小竜姫はやり場のない怒りをお湯にぶつける。

「もう・・・来ないのかな?・・・・・・あがろ」
ザバァ
流石に1時間は待ち疲れたのか横島が来るのをあきらめて風呂をあがり脱衣場に行こうとする小竜姫
その時

ダダダダダダダダダダダ

(あっ!あの足音は・・きっと横島さんだわ。私を覗きに来たのね)
自分を覗きに来た横島に感動する小竜姫

(どうしよう、来てくれたのは嬉しいけど、これ以上湯船に浸かってたらのぼせそうだし・・・・・・のぼせる?・・・・・・そうだ!)

パタッ(倒れた音)
(恥ずかしいからタオルは掛けて・・・・よし、完璧)

ダダダダダダダダ
ガラガラガラ(風呂場のドアを開けた音)

「小竜姫様!!・・・・・ぶるばぁ!?」

〜そして現在に至る〜

横島はゆっくりと慎重に小竜姫様の唇に自分の唇を近づけていきます。
小竜姫も横島が目をつぶっているのをいいことに小竜姫も唇を横島に近づけていきます。


◇第3回脳内会議◇【出演・前回と同じ】


「あれ〜?小竜姫ったら起きてるのね〜」

「「「なにぃ!?」」」

「だって、ほら、横島さんは多少罪悪感があるのか、目を閉じたまま少しためらってるのに、距離が縮まって来てる。小竜姫が起きて自分から唇を近づけてる証拠なのね〜」

「ホントだ!小竜姫のやつ、ポチの良心を利用して」

「良心とは違うと思うのね〜」

「良心というかスケベ心を利用したんだねぇ。小竜姫もやるじゃないか」

「小竜姫のやつ、その手があったか・・・くそっ」

「それよりあんたの姉はどこに行ったのだい?いい考えがあると言ってたけど、このままじゃ間に合わなくなるよ」

「そういえば、姉さんはどこに 「お待たせ」・・・姉さん!」

「もう大丈夫のはずよって、何この状況!?小竜姫様、目が少し開いてるじゃない」

「小竜姫が起きてたんだよ・・・最初からな」

「何ですってぇー!!パピリオ、早く来て!」

「パピリオ!?パピリオを起こしに行ってたのかい?」

「この状況を打破できるのは、パピリオしかいないからね」

「おい、まだ来ないのか?パピリオは!もうキスする寸前だぞ」

「パピリオ、お願い!早く来て」


◆脳内会議終了◆

◎会議の結果・パピリオ、お願い!


(もう少し・・もう少しで横島さんと・・・、でも横島さんがキスだけで我慢できるかしら?きっとあ〜んな事やこ〜んな事までされちゃうんだわ。でも、いいの。もう覚悟は出来てるわ!)
まさか小竜姫がそんな事を考えてるとは夢にも思わない横島
そして、ついに二人の唇が一つに・・・・・・

ドォォオオーーン!!
パピリオがドアを吹っ飛ばして乱入してきた。

「パ、パピリオ!?」
文殊で眠らせたはずのパピリオの登場に驚き、すぐに小竜姫から離れる。

「ヨコシマ、わたちを眠らせておいて小竜姫とイチャイチャしてるなんていい度胸でちゅね」

「ち、違うんだ!小竜姫様がのぼせてたからそれに乗じてキスを・・・いや、意識を取り戻すために人工呼吸を・・・」
「その度胸に免じて一撃で終わらせてあげまちゅ」
横島の必死の言い訳にもパピリオは聞く耳を持たず、右の拳に霊力を溜めていく。

「ま、待て、パピリオ。話せばわかる!!」
「問答無用でちゅ!!」

そしてパピリオの渾身の一撃が――――――――――――――――――――

(・・・・・・あれ?)
パピリオの攻撃が来ないのを不思議の思い、恐る恐る閉じていた目を開くと・・・
先ほどとは微妙にタオルの位置がずれてるような小竜姫とうつ伏せになって倒れているパピリオの姿があった。

「パピリオ!?どうしたんだ?」
予想外の展開に慌ててパピリオに近づく横島

「パピリオ、パピリオ!」
「・・・・・・・」
返事がない。どうやら気絶しているようである。
(いったい俺が目を閉じてる間に何があったんだ?)


いったい横島が目を閉じた数秒間の間に何があったのだろうか?
実は・・・・・・・・

「問答無用でちゅ!!」

(そうはさせません!)
カッ!!
小竜姫が超加速でパピリオの背後に回りこみ
ビシッ!!
延髄に手刀を浴びせ、気絶させ
パタッ
そしてすぐに元の位置に戻った。

以上の様な事が横島が目を閉じている間に起こっていたのだ。


◇第4回脳内会議◇【出演・前回のメンバー+妖狐&人狼・計7名】


「小竜姫ったらなんてことを・・・」

「ホントね。仮にも神様のくせに小さな子を気絶させるなんて」
「まったくでござる。神様の風上にもおけん輩でござるな」

「「「「「うわっ!?」」」」」

「うるさいわね。静かにしてよね」
「大の大人がみっともないでござるよ」

「ちょっと、あなた達どこから出てきたのよ!」

「別に私達がどこに居ようと勝手でしょ」
「そうでござる!拙者達の勝手でござる!」

「まあ、何であなた達がここにいるかは聞かないわ。それよりもこの前あなた達、私の恋人であるヨコシマにちょっかい出してたでしょ!!」

「ヨコシマが私に夜這いしに来た時の話かしら?」
「こら、女狐!どさくさに紛れて何を言ってるでござる。先生は拙者に夜這いしに来たのでござる!」

「寝言を言うな!お前達が勝手に横島の寝込みを襲ったのだろうが!」

「違うわよ。横島が私のベッドに寝てたから一緒に寝ただけよ」
「拙者は添い寝をしただけでござる」

「お前らはいちいち寝る時に上半身裸になるのか!」

「どんな格好で寝ようが私の勝手でしょ」

「とにかく私のヨコシマを犯罪者にするような真似はよしてよね。私がいなかったらヨコシマは今頃犯罪者になってたわ」

「先日はお主が邪魔をしていたのでござるな。どうりで先生が拙者のプリチーな誘惑に乗ってこなかったわけでござる」

「あなた達みたいな子供をヨコシマが相手にするわけないでしょ!」

「(その子供と胸の大きさは大して変わらないくせに)」
「あなた今なんて言った!」
「姉さん落ち着いて、相手は子供だよ」
「ふーむ、妹さんの方が遙かに胸が大きいのでござるな」
ブチッ
「言いたいことは・・・・・・・・・・それだけかぁ!!!」
「姉さん、落ち着いて!ポチが暴走寸前だよ」
「・・・・・・くっ!そうね。この子達の事は後にして・・・・・・う〜ん、また私が行くしかないかしら?」

「ヨコシマが暴走するのを止めればいいんでしょ?簡単よ」
「ホントでござるか?女狐」
「ふっ、任せなさい」


◆脳内会議終了◆

◎会議の結果・妖狐に秘策有り


(なんで来ないの?横島さん。私は覚悟出来てるのに・・・・・こうなったら・・・)
「うぅ〜〜ん」
パサッ
小竜姫は体を横に向けて不自然な感じでタオルを動かし、胸をあらわにさせた。

「たわばっ!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・プチン
それを見た瞬間、横島の中で何かが切れた。そして、猛然と小竜姫に襲いかかる。


◇第5回脳内会議◇【特別出演・念力発火能力少女】


「にぃーに、おいたしちゃ、めーよ!」


◆脳内会議終了◆

結論・おいたしちゃ、めーよ!


「・・・・・・・・・・・・はっ!危ない危ない」
(とりあえずパピリオを起こして、小竜姫様を起こしてもらうか)
小竜姫のはだけた胸にタオルを掛け、パピリオを起こす。

「パピリオ、起きろ」
頬をぺちぺちと叩き、パピリオを起こす。

「うにゃぁ、何でちゅか?」
「小竜姫様を起こして欲しいんだ。俺が起こしたら色々大変だろ?その後ゲーム付き合うからさ」

「・・・・・・・・・・・・・わかったでちゅ。小竜姫を起こせばいいんでちゅね」
「おう、じゃあゲームの部屋に戻っとくからな」
そう言い残し、横島は風呂場を出ていった。その瞬間、風呂場が殺気に満ち溢れる。

「・・・・小竜姫、起きてるのはわかってまちゅよ。さっきはよくもやってくれたでちゅね」
ギクッ
「あ、あれは違うのよ。ちょっと魔がさしちゃって・・」
パピリオの言葉を聞いて立ち上がり懸命にパピリオをなだめる。

「覚悟は出来てまちゅね?」
「くっ・・」
慌てて臨戦態勢をとる小竜姫

「・・・・ていうのは冗談でちゅ」
「へっ?」

「早く着替えるでちゅ。わたちは早くヨコシマとゲームがしたいんでちゅから」
「え?あ?はい、ちょっと待っててね」
パピリオの意外な態度に少し戸惑いつつも、いそいそと着替え始める小竜姫

そして下着をつけた後、服をとろうと後ろを向いた瞬間
「油断して背中をみせまちたね。小竜姫、覚悟ーーー!!」
パピリオが小竜姫の背中にパンチをくらわせた・・・・・・・のだが、そのパンチは不幸にも逆鱗にヒットしてしまったのだ。

ボッ
当然のごとく小竜姫は竜に変身してしまった。

「しょ、小竜姫・・・・」
「グォアアァァアアーーッ」

「わーーーー!?ヨコシマァー」
小竜姫の真の姿にビビリまくり弾丸のごとく横島の元へ逃げ出すパピリオ


「ん?なんか騒がしいな」

「ヨコシマ、ヨコシマ、ヨコシマ、ヨコシマ、ヨコシマ、ヨコシマ、ヨコシマ、ヨコシマ、ヨコシマ!!」
気が動転してるのか何度も何度も横島を呼ぶパピリオ

「ど、どうしたんだ?」
尋常でないパピリオの態度に驚く横島

「じ、実は・・・」
「ふんふん、小竜姫様の・・背中にある・・・・鱗に・・・・・触ったぁぁーー!?」
コクリ
「どうちよー、ヨコシマ」
「やむおえん・・・・・・逃げるぞ」
横島はパピリオを抱えてダッシュで門の方へと逃げていった。


「んっ?どうした?横島」
「どこへ行くつもりだ?」

「・・・・・・・・・・短い付き合いだったな」
そう言い残し横島はパピリオを抱えたまま妙神山を降りていった。

「何じゃ?あいつは」
「おい!?左の」
「何じゃ、右の・・・おあ!?」
鬼門二人の眼前に竜と化した小竜姫が迫って来ていた。

「グォアアァァアアーーッ」
ごぉぉぉおおお
「「ぎゃぁぁああああーー!!」」



数日後横島がパピリオと一緒に修行場が在った場所に行くと、暴れ疲れた小竜姫の姿と二つの大きな炭のかたまりがあったそうだ。


       【おしまい】


   《あとがき》
どうも、殿下でございます。
前作の『前門の狐、後門の狼』に出てきた脳内会議が結構好評だったので調子に乗って書かせて頂きました。書いてる内にかなり長くなってしまいました。飽きずにここまで読んで下さった方、ありがとうございます。
『らぶ・サバイバル』の更新はもう少し待って下さいませ

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