竜の日々 〜悩みごと〜
投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 5/30)
「それじゃあ、行ってきます。小竜姫様」
私の最愛の夫である忠夫様が今日も仕事に出掛けようとします。
「ちょっと待って下さい。忠夫様」
しかし、行かせるわけにはいきません。だってまだいつもの日課が終わってないのですから・・・
「なんですか?小竜姫様」
何の用なのかわかってるくせに忠夫様はいつも聞いてくるんです。
「んーーーーー」
私はいつものように何も言わず目を閉じて口をつぼめます。
そうです、私はいつもの『行ってきますのチュー』を求めているのです。
結婚してからよほどの遅刻でもない限り毎日行われている日課なのですが、忠夫様はいつも照れているのかなかなかしてくれません。
でも・・・
チュッ
「行ってきます」
照れながらも必ず優しく口づけをしてくれるんです。
「行ってらっしゃいませ♪」
バタンッ
忠夫様が行ってしまいました。
いつものことですし、半日ほど会えないだけなのですが、やっぱり寂しいです。出来ることなら一日中べっっっっったりしていたいのですが、そういうわけにもいきません。
ですから私は忠夫様が仕事に行ってる間に家事を済ませておくんです。そうすれば、帰ってきた忠夫様とべったりできる時間が増えますから
それに妻として仕事で疲れて帰ってくる忠夫様が何を望まれてもすぐに対応できる状態にしておかなくてはいけません。
ではまず忠夫様の部屋のお掃除から始めましょう。
お掃除の前に布団を畳まないといけないんですけど・・・・・・・・・・その前に必ずしてしまうことがあるんです。いつも我慢しようとしてるんですけど・・・・
うずうずうずうずうずうず・・・
「えいっ!!」
ぼふっ!
やっぱり我慢できずいつものように忠夫様の布団に飛び込んでしまいました。
だって忠夫様の布団は忠夫様の匂いがするのでまるで忠夫様の胸に飛び込んだような気持ちになるんですもの
ごろごろごろごろごろ・・・
そしていつものように忠夫様の布団の上をごろごろと転がって
それから忠夫様の枕に顔をうずめるんです。そしたらその内うとうとしてきて・・・・・・つい・・・寝てしま・・・・・・くーーーーっ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
はぅっ!また寝てしまいました。えっと・・もうこんな時間!?急いで終わらさないと・・・
フキフキ ゴシゴシ パタパタ ウィーーン
よし、次は押し入れの掃除を
ガラッ ガサゴソガサゴソ
あら、何でしょう?見覚えのない本が何冊も
押し入れの掃除の途中に発見した見覚えのない本の数々
それらを暗い押し入れの中から出し、見てみるとそれは・・・セクシーなお姉さま方が色っぽ〜いポーズをしていらっしゃる本の数々でした。
忠夫様ったら私というものがありながらこのような本を・・・・・昨夜もあんなに愛し合ったというのに・・・
〜回想中〜
しばらくお待ち下さい
〜回想終了〜
・・・はっ!いけない、いけない。私ったらはしたない。・・・とりあえずこれらは処分ですね。
処分するために本をまとめてると、私はある事に気付きました。
気のせいでしょうか?この本に載ってる女性の方々はみんな胸が大きいような・・・・・・忠夫様は私の胸だけでは満足していないのでしょうか?もしかしたら胸の大きな女性と浮気を・・・いいえ、忠夫様はそんな人ではありません。
確かに知り合った頃はいきなり女性に飛びかかったり、女性の服を脱がせようとしたり、美人だったら誰にでも好きだと言うような人でしたけど、結婚してからは私だけを見て下さいますし・・・それに昨夜だってあんなに激しく・・・・・・・
〜回想中〜
しばらくお待ち下さい
〜回想終了〜
・・・はっ!私ったら、またはしたないマネを・・・。とにかくこの本の女性達に負けないくらい私が忠夫様を満足させれば万事解決です!というわけでこの本は忠夫様に内緒で明日の廃品回収に出しておくことにしましょう。
さて次はお風呂を洗って、お湯を沸かしておかないと
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ・・ ザバァァアアーーー
よし、ピッカピカ。スイッチを押して
ピッ
次は一番大事な晩御飯の準備ですね。
今日の献立は、忠夫様の好きなハンバーグとシチューです。
こねこねこねこね・・ ジューッ ジューッ
トントントン グツグツ コトコト
最後にサラダを盛りつけてと・・・・・・完成です。
よし!お風呂も湧かしたし、夕食も出来ました。これで忠夫様を迎える準備は万端です。忠夫様、早く帰って来ないかなぁ・・。
ガチャッ
「ただいまぁ〜」
あっ!忠夫様が帰ってきました。いつものように早速玄関まで出迎えに行きます。そして
「お帰りなさい。今日は先にご飯にします?お風呂にします?」
こうやっていつものようにどちらにするか聞くんです。でも・・・・・・困ったことに忠夫様はいつもどちらも選んでくれないんです。
「それじゃあ、小竜姫様♪」
そう言って私を優しく抱きしめてくるんです。いつも真っ先に私を求めて下さるのはありがたいんですけど、せっかく一生懸命愛情込めて作った温かい料理が冷めてしまいます。お風呂は後でもよろしいですが、ご飯を先に済ませてからにして欲しいです。
だから今夜はなんとしても温かい内に料理を召しがって頂きます!
「あの、忠夫様?せっかくの料理が冷めてしまう前に召し上がって頂きたいんですけど・・・」
そう言うと忠夫様の顔がキッと真面目なお顔付きに変わってしまうんです。そしてまたいつものあの一言が・・・
「俺は今すぐ小竜姫を食べたいんだ。この世で一番好きな小竜姫を・・」
普段は様づけなのにこういう時に限って呼び捨てで私を呼んで・・・・・・卑怯です。でも、こう言われてしまうと逆らうことが出来なくなっちゃうんです。そして結局
「・・・・・・・・・優しく食べて下さいね」
こう言ってしまうんです。
「よし、それじゃあ寝室へ行こうか。小竜姫」
そして忠夫様は私を優しくお姫様抱っこして寝室へと連れて行ってくれるんです。
こうしてまた一生懸命作った料理が冷めてしまうことになってしまいました。
先に料理を食べてもらうにはどうしたらいいのでしょうか?
【おしまい】
《あとがき》
どうも、殿下でございます。
今作品は以前に書いた『竜の日々 〜呼び捨て〜』の続編なんですけど、横島の性格が変わっております。小竜姫様はさらに性格が変わってしまってます。ぶっちゃけ自分でも誰書いてるかわからなくなりました(笑
ですが、横島と小竜姫様だと思って読んで下さいますと非常に助かります。
今までの
コメント:
- 初めてコメントさせてもらいます。
小竜姫様の暴走(妄想)が個人的にツボで面白く読ませていただきました。
ところで、布団に飛び込むのは某漫画の葵ちゃんからきているのですか? (ユキカズ)
- 殿下さん、お待ちしてました−(> <)
>小竜姫様はさらに性格が変わってしまってます
いえいえ、小竜姫様は惚れた相手にはきっとこんな感じです(多分)
旦那の布団にダイブする姫様の姿が自然に浮かんできちゃいましたー
いきなりメインディッシュから行っちゃうんですね
さすがは忠夫様(笑)
PS『竜の日々 〜呼び捨て〜』はお気に入りに大切に保存させただきました
m(_ _)m 個人的に楽しむだけですので?ご安心くださいませ(笑) (リキ)
- 妄想っ子、小竜姫カワイイ〜vv
横島君は毎日一番美味しいものを食べてるんですね。 (紅蓮)
- う〜ん、主婦する小竜姫が可愛いですねぇ。行ってきますのキスを
照れてためらう横島に、思わず「本物か?」とかおもいましたが
帰ってからの行動は正に横島でしたw
はぁ〜(溜息)、堪能しましたw (R/Y)
- うっわ〜〜ラブラブだ〜〜〜いいなぁ〜〜私も結婚したいよ〜〜
・・・て個人的なことは置いといて好きなカップリングなのでもちろん賛成票♪ (謎の横島ファン)
- >ユキカズさん、はじめまして、コメントありがとうございます。
自分の書く小竜姫様は横島並とはいきませんが、少なからず妄想癖があるという感じになっております。
>布団に飛び込むのは某漫画の葵ちゃんからきているのですか?
イエス!それをかなり意識して書きました。
>リキさん、コメントありがとうございます。
自分も書いててすぐ小竜姫様が布団にダイブする姿が思い浮かんだ一人です。
>『竜の日々 〜呼び捨て〜』はお気に入りに大切に保存させただきました
お気に入りに加えられるとは・・・・・・光栄であります。大切にしてやって下さい(笑 (殿下)
- >紅蓮さん、コメントありがとうございます。
その通り、横島君は本当に贅沢者ですよ。毎日毎日食前に一番おいしいもの食べて、食後のデザートも一番おいしいデザートを食べて・・・・・・マジで果報者です。
>R/Yさん、コメントありがとうございます。
>行ってきますのキスを照れてためらう横島に、思わず「本物か?」とかおもいました
確かに以前の横島では考えられん行動ですよね。以前なら求めなくても飛びかかってましたもんね
ちょっと短いし、物足りないかなと思ってたのですが、堪能したと聞いて安心しました。 (殿下)
- >謎の横島ファンさん、はじめまして、コメントありがとうございます。
結婚・・・結婚かぁ・・・・。想像したこともないなぁ。こんなラブラブな家庭を築けるならすぐにでも結婚したいっすね〜。
またこのカップリングを書いた時も賛成票貰えるよう頑張らせて頂きます。 (殿下)
- 確かにかけ離れ過ぎてますね、二人とも(汗)。いや、「全く別人だ。」って程ではないのですが・・・。
むしろ、特徴がなさ過ぎるのではないかと。新婚ラブコメの黄金パターンをなぞるに留まってしまっていて、彼と彼女ならではの言動や間の空気の描写が希薄になっている様に思えます。
よって中立で。
「日々」シリーズそのものは結構好きなので次回を楽しみにしています。 (フル・サークル)
- >フル・サークルさん、コメントありがとうございます。
言われてみると確かに普通(?)に結婚生活送ってるだけで二人ならではって感じが出てませんね。
二人のらしさを出すにはどうすれば・・・う〜む・・・・・根本的に様づけで呼んでる小竜姫様じゃらしさは出ないかな?さんづけの方が小竜姫様らしいのかな?でも今さら呼び方変えるのもなぁ。
とにかく次書く時はそこら辺を考慮しつつ、らしさが出せるよう頑張ってみます。 (殿下)
- 初めてここ知りました
小竜姫がとんでもなくかわいいことになってるぞ
いいね (司郎)
- こんばんわ
タイトルに惹かれて読みました
はじめは おキヌちゃんといいなと思ってたてど
連載終わったころから無性に小竜姫さまに
はまりました
少しイメージ違うけどOKでしょう!!
いい話読ませt (はなまる)
- はじめまして
小竜姫がやけにかわいい
俺的には様よりさん付けっぽいけど
殿下さんは殿下さんの道をいってくれ
GOOD JOB!!YEAH (ファントム)
- おぐあ!?
こいつはなんて破壊りょ(以下略)
前回に引きつづき忠夫様と呼ばれててるんですね、横島くん。
うらやましいな〜
>>「よし、それじゃあ寝室へ行こうか。小竜姫」
>>そして忠夫様は私を優しくお姫様抱っこして寝室へと連れて行ってくれるんで す。
横島ああああ!!!!お前!!お前なんてうらやましい!!(笑)
回想がなんだかとってもいい感じでした。殿下さん、投稿お疲れ様です〜
P.S.ご無沙汰してしまい、つけられなかった分はいずれ必ず感想を書きます〜
本当に申し訳ありません・・(泣 (かぜあめ)
- >司郎さん、コメントありがとうございます。
とんでもなく可愛いと言われる小竜姫様を書くことができて良かったっす。
>はなまるさん、はじめまして、コメントありがとうございます。
>タイトルに惹かれて読みました
タイトルを誉められたのは初めてです。なんか結構嬉しいですね。
>少しイメージ違うけど
やっぱりこの話の一番のネックはイメージと違うところですね。また書くことがあったら、その時はどうにかしないといかんね (殿下)
- >ファントムさん、はじめまして、コメントありがとうございます。
皆さんの様々な意見を参考に修正しつつ、自分の道を進むことにします。
>かぜあめさん、コメントありがとうございます。
回想というか妄想というか、自分の書く小竜姫様は何故かトリップする癖があります。理由はないんですが、自分の中ではそういう女性になっちゃってます。
かぜあめさんの新シリーズが始まったみたいですね。すぐ読ませて頂きます。 (殿下)
- 新妻らしい初々しい妄想炸裂している小竜姫様がかわいくてグッドです。
小竜姫様の手料理が毎日食べられる横島君は幸せですね
できることなら変わって欲しいと思う私は変なのかしら?w (綾香)
- >綾香さん、はじめまして、コメントありがとうございます。
いやいや、綾香さんは変じゃありませんよ。こんな生活を送れる横島に変わりたい人間は老若男女問わずたくさんいるはずです。当然自分もその一人であります。 (殿下)
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