ザ・グレート・展開予測ショー

蛍の日々 〜修羅場?〜


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 5/21)



女子高の更衣室の覗きや内緒にしていたエッチ本などがルシオラにばれた日、俺は一日中愛の説教くらった。その結果覗きを禁止(これは当然だが)、エッチ本を読むことも禁止された。ここまではいい。悪いのは俺なのだから・・・・・・しかぁし!一ケ月間の『おあずけ』というのはいかがなものだろうか!ありえないだろ!新婚だぞ!煩悩のかたまりとまで言われた俺だぞ!・・・・・・とまあ、愚痴はここら辺にしておいてと・・・ふっふっふ、はぁーはっはっはっは、だが俺は耐えた。禁欲一ケ月生活にな!!
あんな可愛い新妻と一緒に生活してるのに一ケ月間の『おあずけ』に耐えた俺。どこぞの番組でやってる伝説に加えて欲しいもんだぜ。
思えば長かったなあ、この一ケ月間は・・・。何度挫けそうになったことか。
事務所のみんなに禁欲生活のことを話した途端、美神さんはやたらとシャワーばっか浴びてるし、おキヌちゃんはスッポンとかマムシとか食わせたりするし、シロは散歩の途中に「道を間違えちゃったでござる。テヘッ」とか言ってホテル街の方に連れてくし、タマモなんか、タマモなんか・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、もう終わったことだ。それよりも今はダッシュで家に帰って速攻で我が妻ルシオラを押し倒す!!
待ってろよぉ〜〜〜!!!!


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


ダダダダダダダダダダダダ キキィィィィーー!!
「はぁ、はぁ、つ・・着いたぜ。いざ!!」

ガチャ ガチャガチャ
「くっ、鍵が掛かってる。えっと・・鍵はどこにやったっけ?ええい、早くせねば」
俺が鍵を必死に探していると
カチャ
ドアの鍵が開き、ドアが開いた。

「たっだいま〜〜〜!!!」
ガバァッ
「きゃっ!?」
ドサッ

俺は有無を言わさずルシオラに飛びつき押し倒した。まさかいきなり押し倒されるとは思ってなかったのだろう。ひどく驚いた声を出していたが、臨戦態勢に入った俺を止めることはできん!

むにゅう むにゅむにゅ

(久しぶりの感触で思わず涙が出そうだ。一ケ月触らない間にルシオラの胸も大きくなったのかな?かなりのボリュームが・・・・・・でも一ケ月くらいでこんなに大きくなるもんだろうか?まあ、いいか、今はこの感触を楽しもっと!)

「・・・・・・ポチ」

(ポチ?久しぶりに聞くなぁ。最初はルシオラもそう読んでたからな・・・でもなんで今さらっていうか、声が違うよ・・う・・・・なぁ!?)

俺の目に衝撃的光景が映る。俺がルシオラだと思って押し倒してたのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ルシオラの妹のベスパだった。

「わわわわわ、すみません!ごめんなさい!許して下さい!!」
俺はすぐにベスパから離れてその場に土下座し謝りたおす。
ベスパは怒っているのか顔を真っ赤にしてうつむいたままだ。

「いや、ルシオラと間違えてさ。ホントごめん!」

「・・・・・・べ、別にいいけど、あんたいつも帰ってくるなり姉さんに襲いかかってるのかい?」

「いや、実は一ケ月間の『おあずけ』をくらってて、それが今日で終了したもんで嬉しくて嬉しくて・・・つい」
俺は何故か申し訳なさそうに話していた。

「なるほどね。それで何が原因で『おあずけ』をくらったんだい?」

「うっ!?そ、それは・・・」

「あんたの事だから覗きをしたとか、エッチな本やビデオ隠してるのがばれたんだろ?」

「なっ!?なんでわかるんだ?」
俺は原因をズバリ当てるベスパにマジで驚いてしまった。

「やっぱりね。確かに覗きは犯罪だから姉さんが怒るのも無理はないと思うけど、本やビデオくらいでそこまで怒らなくてもいいのにねえ」

「だろ?だろ?そうなんだよ。理解のある義妹をもてて嬉しいよ。・・・ところでベスパが何で家にいるんだ?それにいつもはパピリオと一緒に来るじゃないか?大体ルシオラはどこに行ったんだ?」

「ああ、本当はパピリオと一緒に遊びに来る予定だったんだけど、小竜姫に大量の宿題を出されてた遅くなりそうだったから先に来たんだ。姉さんは今買い物に行ってる。私は留守番だよ」
淡々と俺の質問に答えていくベスパ

「そうだったのか。そうだ!お茶でも入れるから座って待っててくれよ」

「いや、私が入れるよ」

「せっかく来た客人にそんな事させれねえよ」

「いいよ・・・・・・きゃあ!?」
「うわっ!?」
二人が急に立ったため二人の足が絡まって両者ともバランスを崩し倒れ込む。

「いててて、大丈夫か?ベス・・・・パ」
「うん、大丈・・・・!?夫」

目を開けた瞬間、俺の目の前にベスパの顔があったのだ。
しかもかなりの近い距離だ。そう、少し顔を近づければキスができそうな・・・・って違う違う。ベスパは俺の妻であるルシオラの妹だぞ!

俺が離れようとしたその時、何故かベスパがゆっくりと目を閉じてしまった。

「!?」
(何で?何で目閉じんの?閉じる場面じゃないじゃん!俺ら義理とはいえ兄妹なんだぞ!)

「・・・・・・・・・ポチ」
ベスパが目を閉じたまま俺の名をささやく。
そして・・・・
「・・・・・・・・・いいよ」

「□★※△♀◯@♭♯」
思わず言葉にならない声を出してしまった。
(ダメだぞ!誘惑に乗っちゃいかん!一ケ月も我慢した俺だ。今さら誘惑の一つや二つなんざ・・・グハッ!?)

ベスパが目を潤ませて俺を見ていたのだ。

(こ、こんなベスパ初めて見た。新鮮でルシオラとは違った色気が・・・・も、もうあかんかも)
俺の理性が切れ、今まさにベスパに手を出してしまいそうになった瞬間

ガチャッ
「たっだい・・・・・ま!?」
ドサッ
買い物から帰ってきたルシオラが俺達を見て驚きのあまり買い物袋を落とす。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

恐ろしい気配がするのだが、顔を上げないわけにもいかず勇気を振り絞り顔を上げる。
そこにはものすごい光を発して怒りの表情をしているルシオラの姿があった。

「ル、ルシオラ、これは違うんだぞ!いや、違わないけど、ちょっと違う。ベスパと俺がバランス崩しちゃって・・・それで」
「私がポチを誘惑してたんだ」
「そうそう、誘惑されちゃってさ・・・・・・・って、ええっ!?」

「なんですって〜!!!」
ルシオラの怒りが頂点に達する。
久々の最強姉妹喧嘩が今始まろうとしていた。

(もうダメだ。平和な新婚生活も終わりだ。せっかく一ケ月の禁欲生活に耐えたっていうのに・・・)

「ちょっとポチを試しただけだよ」

「「えっ!?」」

「ポチが本当に姉さんにふさわしいのかどうかを確かめるために誘惑したんだけどのってこなかったよ」

(いや、マジで限界でしたよ)

「そうだったの。全く人の夫を勝手に試さないでよね」
ルシオラもベスパの言葉で怒りがおさまったらしく普通に会話をしている。

「ふふ、ごめんよ」

(助かったぁーーーっ)
なんとか夫婦存続の危機を回避する事ができ一安心する。

「それじゃあ、今日はもう帰るよ」

「えっ、夕食食べていかないの?」

「うん、早く『おあずけ』から解放してあげなよ」

「ヨコシマったら、そんな事ベスパに話したの?」

「いや、ちょっとそういう流れになってしまいまして・・」

「どんな流れになったらそんなこと話すのよ!」

「もういいじゃないか姉さん。夫婦喧嘩は犬も食わないよって言うだろ?」

◆      ◇      ◆      ◇

「へっくちゅんっ!!」

「ちょっとシロ、食事中に変なくしゃみしないでよね」

「うう、すまんでござる。風邪でござろうか」

◇      ◆      ◇      ◆

「お二人さん、夫婦喧嘩もほどほどにして幸せにね」
そう言い残してベスパは出ていってしまった。


しばらくぼーっとベスパが出ていったドアを見ていたルシオラはこちらを振り返り
「ごめんね、ヨコシマ。疑ったりして」

「いいんだよ。わかってくれれば・・・・はは、ははははは」
少し心を痛めつつ乾いた笑いで返す。
(しかしそれはそれだ。今俺にはすべき事がある。『おあずけ』から解放されることや。いっくで〜!!)

「ポチィ〜〜〜〜!!!」
ドアが開きそこから元気にパピリオが俺に向かって突っ込んできた。
どーーーーーーんっ!!
「ぐはっ!?」
相変わらずの容姿に似合わない力だな

「宿題を終わらせて遊びにきたでちゅよ。今日は泊まって思いっきりゲームをするでちゅ」

(なにぃ!?それでは今日もまた『おあずけ』になってしまうではないか・・・・・・きっとベスパに手を出そうとしたバチがあたったんだな。仕方ない・・・今日はあきらめるか)

「いい「ダメーーーーーーっ!!!!」・・・え!?」
俺がいいよと言おうとする途中にルシオラが拒否の声をあげる。

「なんででちゅか!」
少し怒り気味にルシオラに詰め寄るパピリオ

「何でもいいから今日はダメなの!夕食食べたら帰りなさい。わかった?」

「嫌でちゅ!」

「・・・・・・わかった?」
恐ろしく静かで冷たい口調でパピリオにもう一度聞くルシオラ

こくこくこくこくこく
なんとなくこれ以上はやばいと判断したのだろう。無言で何度も頷く。

「いい子ね。それじゃあ、夕食にしましょ♪」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


パピリオも帰り、いよいよその時なのだが、何故ルシオラがパピリオをあんな邪険にしたのかが気になったので聞いてみた。

「なあルシオラ、どうしてパピリオを無理矢理帰したんだ。俺の『おあずけ』に気を使わなくても良かったんだぜ」

「・・・・・・」
無言でルシオラが俺に抱きついてくる。

「どうしたんだ?」

「私だって我慢してたんだからね」

「えっ?」

「ヨコシマにとっての『おあずけ』は私にとっても『おあずけ』なんだからね」

(そ、それは・・・・まさか)

「それって・・・ルシオラもしたかった・・・・・・てこと?」
俺がそういうとルシオラの顔が赤くなっていき、耳まで真っ赤になってしまった。

「・・・もうっ、知らない!」
プイッと顔を背けるルシオラ

(そっか・・俺は自分の事ばっかり考えてて全然ルシオラの事考えてなかったんだな。)

俺はルシオラをそっと抱きしめて、優しくキスをした。

「ごめんな」

「ううん、いいの。それよりも・・・・・今日は寝かさないわよ♪」

「・・・・・・お手柔らかにお願いします」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「ベスパちゃん、ポチがルシオラちゃんにふさわしいか確かめるためにポチを誘惑したってホントでちゅか?」

「本当だよ」

「・・・ホントに確かめるためだけだったんでちゅか?」

「ふふ、・・・・・・さてね」


       【おしまい】


   《あとがき》
どーも、殿下でございます。
この話は前作の『蛍の日々 〜手料理〜』のように甘く書くつもりだったのですが、全然甘く書けませんでした。前作のように甘いのを期待してた人はスイマセン(ペコリ)。

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