ザ・グレート・展開予測ショー

現世覚醒伝ONI(第9章前編)地張りの里


投稿者名:Pr.K
投稿日時:(04/ 5/16)



 風が踊り桜が散る、空は曇り光は見えず

 だがそれでも、希望を捨てぬは人の意地

 炎が待とうが、闇が嘲笑おうが、ただ突き進むのみ




 「やはり行かれるのですね・・・」
 女、桜に寄り添い

 「そりゃあ、ほっといたらお前のこと好きになれないしな」
 戦に向かう兵、その側にあり

 「死ぬかもしれない、魂を食われるかもしれないのですよ?」

 「そりゃ勘弁。でもさー、だからつってお前のことは諦められない!」

 「だから、行って帰ってくるよ」

 「待つのは、嫌です」

 「え?」

 「共に参りましょう、戦場へ」

 女の顔に笑顔が浮かび、男の顔があっけにとられた顔になる


 これは都に起こった小さな話

 でも

 未来へと続くお話




************************************

 また夢か?
 「・・・・なんか最近、気ィ失っては知らんとこで目覚めるばっかだな」
 文珠使って自分も吹っ飛んだのは覚えてんだけどな

 「ちょうど良いタイミングで目ぇさましましたね」
 「アンタ誰?」
 何か知らんやつがまたいるし
 「ひどいっすねーー、手当てしたのボクなのに」
 「男に手当てされてもなあ」
 嬉しくねーな
 「じゃ秋場さんの方が良かったですか?」
 あのオバさんか・・・それよりも
 「17〜28ぐらいのかわいい子がいい!!」
 「アホですかあんたは!」

 「で、誰だよオマエ」
 「ボクっすか?それは後にして、とりあえずクソ爺・・・じゃなくて御館様が呼んでるんで一緒に来てくださいよ」
 障子を開けて、オレに付いて来るように促す
 「めんどくせーな」
 でも聞きたいこととかあるし・・・
 「ま、とりあえず来てくださいよ。話すことがあるって、珍しく真面目な顔してましたし」
 ・・・ほんとタイミングいいな
 無言で立ち上がる
 「そんじゃ行きましょーか」

 といって廊下に出る。
 オレはその後ろを一歩ずつ確かめるように歩く。

 「・・・・・何やってんすか?」
 「落とし穴あったらどーすんだ」
 「こんなとこにあるわけないでしょうが!?アホですかあんたは!」



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――――???――――

 「連れてきたっすよ」
 妙に分厚い木製の扉を開けると、
 「うむ、ご苦労じゃったな」
 人を地下ダンジョンに落としてくれた爺さんがいた。
 「まぁ、2人ともそこに座って楽にしてくれ」
 適当な座布団に座る
 「では横島殿、何を聞きたい?」
 「何をって・・・・・」
 聞くこと多すぎるし
 「ONIのこと?天下五剣のこと?この里のこと?何でもお答えしてしんぜよう」
 「いや、どれから聞きゃいいんスか?」
 「ふむ、やはり選択肢が多すぎるか」

 「では最も重要な問題、ONIとは何か?それからお答えしよう」

 「まずこれを見ていただきたい」
 といって懐からボロイ巻物を取り出す。
 「なんスかそれ?」
 読めんのか?
 「鬼忍降魔禄、第一章」




 「これ、我ら一族に伝わりし説なり」
 古より鬼神の血を受け継ぐものあらば、
その者、魔性の敵と闘う運命にあり、これを倒すたびに出づる。
伝えられしその姿は異様にして恐ろしくまさに鬼なり。

 されどその者こそ、不可思議なる力を奮いて、外道に在りし一切の者共を滅し浄化せし者なり

 正義の鬼神なるが、その異形故に人の目を逃れ、
日光の下にあれば影に潜み、月光の下にあれば暗闇に潜む。

 伝説はこの者を「隠れ忍ぶ者〜隠忍(ONI)〜」と呼ぶものなり


 「と書いてある」
 その文章の横に、絵が書かれている。

 刃の着いた鎧を纏い、顔を仮面で覆った戦士だ
 「これが・・・?」
 「さよう、ONIとは鬼にして隠忍、鬼神の血を引く者にして悪鬼外道の天敵なり」
 「これが現存する書物の中で最も古いものなんです」

 「この世に魔王・絶対神なる者が介入せし時、それを打ち払うもの、それがONIじゃ」
 魔王って・・・じゃあ!
 「何でアシュタロスの時は出てこなかったんだよ!!!こいつが現れてりゃ!!ルシオラは死なずに済んだ!!!!」
 「それは、アンタが覚醒めて無かったからっす」
 「!!!!、何だよ・・・俺のせいなのか!?」
 「誰のせいでもない・・・誰のせいでも、な」
 くそったれ・・・
 「じゃがおぬしがこの時期に覚醒めたのには何か理由がある。今は過去を振り返る時ではない、少しでも前に進むときじゃ」


 「おちついたかのぅ?」
 「ちょっとはな・・・」
 本当は、今すぐにでも自分を責めて後悔していたい。
 なんでオレはこうなのか?いつも一番肝心なところで、一番大切なものを守れない。

 あの時も・・・


 倒れていく女

 絶叫する自分

 放たれる炎


 !?!?!!?なんだコリャ!?
 知らない、オレはこんなの知らない!

 「では次はこの里が、おぬしにとってどのような意味を持つのか」
 !?!!?
 不意に聞こえた声で意識が戻る
 「・・・大丈夫っすか?顔色悪いっすよ?」
 隣のやつが声をかけてくる
 「あ、ああ。まだ大丈夫だって!」
 「なら続きを語ろう。この地張りの里は、簡潔に言うとなぁ」
 「簡潔に言うと?」
 「忍者の里じゃ♪」
 ・・・・いやアイツが手裏剣とかクナイとか煙玉とか使ってた時点でそんな気がしてたけどさ・・・

 「まんまじゃん」
 「ただの里ではない!!!歴代のONIたちの援助を最大限におこなってきた里、それがここじゃ!!」
 「有る意味ONIたちのための里でもあるんっすよ」
 「ONIたちの為の里?」
 どういうこと?
 「歴代のONIが極めし技と、その歴史を納め、さらに修行場までも完備しておるのじゃ」
 「流石にレジャー設備はありあせんケドね」
 んなもんあってどうする



後書き

 緊急入院・葬式・両親の離婚寸前の大喧嘩という不幸のオンパレード(実話)を乗り越え、
ザ・グレート展開予測ショーよ、私は帰ってきた!!!!!!!!!!!!!!

・・・・・・・・流石にへこんだがな

要領不足のため後編に続く

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