ザ・グレート・展開予測ショー

Never End


投稿者名:フォルテッシモ
投稿日時:(04/ 5/ 9)

どんなに楽しい日々もやがては過ぎ去ってしまう・・・



あれから数年後、横島と美神は結婚した。すぐに想いを断ち切ることはできなかったが私もささやかながら自分の幸せを手に入れることができた。

自分の事務所を持つことが出来た。結婚もした。

歳をとった。そして息を引きとった・・・。とても充実した人生だった。最後に美神さん達と会った時約束をした。生まれ変わったらまた会おうと・・・。

美神さんや横島さんもこの世を去り、また転生しているだろう。だけど私は・・・

「なんで幽霊になっちゃったんだろう・・・」

気が付いた時おキヌは空を漂っていた。姿も若かりし時の・・・あの頃の姿になっていた。自分が死んでからどれだけの時間が過ぎたかはわからない。周りの景色にも見覚えがなかった。

寝是自分が幽霊になったのか考えつつしばらく浮遊していたが答えが出ることはなかった。

「はやく成仏して転生しなきゃ」

美神達との約束のことを思い、いつまでも幽霊でいるわけにもいかず成仏を試みた。

「・・・・・・・・」

しかし成仏することができなった。

「うそ・・・・どうして?」

やり方を間違えたのだろうか。そう思い何度も試したがやはり成仏することはできなかった。


幽霊として目覚めて数時間。わかったことは成仏できないこと、それとなぜかこの辺り一帯からそとへは行けないということだった。なぜかは解らないが見えない壁に阻まれているような感覚だった。


数年が過ぎた・・・

成仏することができずに彷徨っていた彼女の耳にどこからか言い争いの声が聞こえてきた。普段なら気にもとめず通り過ぎてしまうのだが、なぜか気になったので声のするほうへ向っった。

言い争っていたのは20歳前後の若い男女だった。野次馬も最初は多かったが皆飽きてしまったのか皆、散って行った。

「あれは・・・」

野次馬が散っていく中、彼女は二人から目が離せなかった。

「あっ・・・ああ・・・・」

いつの間にか泣いていた。

二人から感じるものがあった・・・

どんなに姿がかわろうと・・・

間違えるはずない・・・

あの魂・・・

美神と横島だった・・・

「また、会えた・・・」

震える声で呟き、二人に近づこうとする。

「でも・・・・」

今、二人にこの姿であってどうなるのだろう。私のことを思い出してくれるだろうか?もしかしたら恐がり逃げてしまうのではないだろうか・・・。それに二人は生まれ変わり新しい人生を送っている・・・それなのに私はまだ昔のままでいる・・・やっぱり会えない・・・。

おキヌが考えにふけっているうちに言い争いにも決着がついたようである。女性のKO勝ちのようだ。男のほうは地面に倒れていた。(何度生まれ変わっても同じ道を歩む二人のようだ)女のほうはそのまま去っていった。しばらくして起き上がった男も女の後を追おうとする。

「でも・・・でも・・・やっぱり一人は嫌!!」

限界だったのだろう、おキヌ二人に会うことにした。きっと私のこと思い出してくれる。思い出さないにしろ受け入れてくれる。そう信じて。

おキヌは男の向かう先に先回りし、物陰に身を隠した。あの時と同じように出会ってみよう・・・そう思ったからだ。

そしてタイミングを見計らい・・・

「えいっ!!」

男に勢いよくタックルをかました。

「わっI?」と声をあげ吹っ飛ぶ男。

「大丈夫ですかっ!?おケガはっ!?私ったらドジで・・・」

男に心配そうに涙目で声をかけるおキヌだがその顔は心なしか微笑んでいるようにみえた。

         そしてまた、彼女たちの物語がはじまった・・・

                おわり





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