狐の休日
投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 5/ 4)
「あー楽し!やっぱり人間ってこういう下らない事にかけてはサイコーね☆」
「そ、そうだね・・・(汗)」
「次はどれに乗ろっか?」
「ちょっと待ってタマモちゃん、アイス買ってくるからここにいててよ」
「わかった」
タッタッタッタッ
今、私は真友くんと一緒にデジャブーランドに遊びに来ているところである。
前にこのデジャブーランドで起きた事件以来、真友くんと遊ぶことが多い。だけど別に付き合っているワケではないし、私は真友くんを大切な友達として見ている。真友くんはどう思っているのか知らないが・・・。それに私は最近好きな人ができた・・・というかその人が好きなことに気がついた。
どんっ
急に後ろから誰かがぶつかってきたため思わず倒れそうになるタマモ
「何すんのよ!気をつけなさいよ」
「す、すいません・・・ってタマモ!?」
「ヨコシマ!?何でこんな所にいるの?」
私が最近好きだと気付いた・・・その男がこの横島である。
「あ〜、実はな「横島ぁぁぁーー!どこじゃーー!余を置いていくとは、それでも我が家臣かぁーー!」
少し遠くの方で少し偉そうに横島を呼ぶ男の子の声が聞こえてくる。
「ったく、小竜姫様の頼みじゃなかったら置いて帰ってる所だぜ」
「小竜姫様?」
「ああ、タマモは会った事なかったっけ。神族の女の人でな、修行してもらったりして色々とお世話になった人なんだ。その人の頼みで龍神王の息子さんが遊園地に行きたいと駄々をこねてたんで頼まれたんだ」
「ふ〜ん、そうだったの」
「それでタマモは何でこんな所にいるんだ?それよりも何で小さくなってんの?」
私は真友くんと遊ぶ時は真友くんに気を使ってか子供に化けて遊んでいた。故に今も子供の状態なのである。
「えっと・・「タマモちゃーん」
説明しようとした時に真友くんがアイスを二つ持って帰ってきた。
「・・・誰?」
「タマモちゃん、この男の人は?」
「この男の子は前にここで除霊の仕事があった時に知り合った真友くん
こっちは前に何回か話したでしょ?除霊事務所のバイトのヨコシマ」
「どーも、あなたが横島さんですかぁ。タマモちゃんから色々と話は聞いています」
「タマモは普段俺の事をどんな風に言ってるか教えてくれないかな?」
「えっと・・・横島さんは海底に沈められても生きて還ってきて、女性とみれば誰にでも声をかけては振られ、ぼったくりの給料で働き続ける馬鹿な男だって」
「ほ〜〜〜〜、タマモ」
横島が静かな口調で私の名前を呼ぶ。
「な、何かしら?」
「お前はそういう目で俺のことを見てたのか?」
「だって全部本当の事でしょ?」
「・・・否定できんのが悲しいな」
「良いところだって言ってるわよ。ね、真友くん」
「えっと・・カップうどんをくれる所だったかな」
「それだけかよ!!」
「まあまあ、いいじゃないの。気にしない気にしない」
私は怒り心頭の横島をなだめる。
「・・・まぁ、いい。それよりも・・・タマモ、ちょっとこっち来い」
横島が真友くんから離れるように私を連れていく。
「・・何よ?」
「お前もなかなかやるな〜」
「は?」
何かいや〜な予感がする。
「あの真友くんっていう子、ズバリお前の彼氏だろ?」
「はぁ?」
「照れるな、照れるな。お前も結構優しいとこあるな、あの子に合わせて子供に化けるなんてさ」
(この男は・・・私の気持ちも知らないで)
キッと横島を睨み付ける。
「そう睨むなよ。ダイジョーブ、事務所のみんなには内緒にしとくからさ」
(ちょっと待って、他の人だったらいくら誤解されても構わない・・けどあんたにだけは誤解されたくないのよ!)
すぐにタマモは誤解を解くべく口を開く。
「あのね、ヨコ「横島ぁぁぁぁ!どこにおるんじゃあぁぁ!!あんまり余を困らせると・・・・・な、泣くぞぉぉぉぉーー!!!」
私の言葉を先ほどの男の子の声が遮る。
「・・・ったく、大人になったとか言ってたくせに・・。ほんじゃあな、上手くやれよ」
そう言い残して横島は男の子の声のする方へと走っていってしまった。
「どうしたの?タマモちゃん」
少し気を落としていると真友くんが声をかけてきた。
「ん?ううん、何でもない。さあ、次の乗り物行きましょ!」
(今、気にしてもしょうがないわよね。誤解は後で解けばいいし、今は楽しまなくちゃね)
気を取り直し、私は真友くんと次の乗り物へと向かった。
あれから1時間ちょい経過したが、私の気持ちは沈んだままだった。ちなみに真友くんはジュースを買いに行ってるところだ。
(どうして大好きな遊園地で遊んでるのに楽しくないんだろ?)
理由はわかっていた。横島に誤解されたこともあるが、それに対し横島は全く嫉妬のような反応を示さなかったことが一番の理由である。
(これが美神さんやおキヌちゃんだったら、邪魔したりしたのかな・・。私・・女として見られてないってことよね。どうして?ヨコシマ、何でなの?私そんなに魅力ないの?
それに誤解を解こうと思ってもまともに聞いてくれるかしら?私の弁解なんか無視して色々聞いてくるのかな?好きな人にそんな事聞かれるのって・・なんか・・・・・・やだ・・な)
「タマモちゃん、ジュース買ってきたよ」
不意に後ろから真友くんが声をかけてきたのでジュースを受け取ろうと後ろを振り返る。
「!?」
真友くんが何故かものすごく驚いた顔をしている。
(どうしたのかしら?)
思った言葉を口に出そうとしたその時
「どうしたの?」
反対に聞かれた。
「何が?」
「何がって・・・タマモちゃん、何で泣いてるの?」
「えっ!?」
真友くんに指摘されて初めて自分の目から涙が流れていることに気付いた。
「ご、ゴミが・・目にゴミが入ったみたい」
慌ててゴシゴシと目を擦り、ベタな言い訳をして何とかごまかそうとする。が、
「タマモちゃん、横島さんに会ってから何か変だよ。何かあったの?」
「別に何もないわよ!何であんな奴の話が出てくるのよ!!・・・ご、ごめんなさい、大きな声出して・・」
「ううん、別にいいよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
二人の間に沈黙が流れる。
沈黙を破り、真友くんが何かを決心したように口を開く。
「ねえ、タマモちゃん。タマモちゃんは僕の事どう思ってる?」
「えっ!?どう思ってるって?」
あまりにも真友の唐突な質問に少し戸惑う私
「僕は・・僕は・・・タマモちゃんのことが好きなんだ!」
「え、あの、その・・」
さらに私は動揺する
確かに真友くんが自分に好意を抱いているのはわかっていたが、何故今そんなことを言うのか私には分からなかった。
「僕はタマモちゃんのことが好き。タマモちゃんは僕のこと・・・好き?」
「・・・・・・好きだよ。だけど、それは友達としての好きなの。それに私、好きな人がいるの」
真友くんの告白を受け、私は真剣に答えを返す
確かに真友は普通の人間で最初にタマモと仲良くしてくれた大切な友達
シロが女の一番の友達だとしたら、真友は一番の男友達だろう。しかし、恋人になることはできない。
なぜならタマモには好きな人がいるから・・・。先ほどのことがあったので叶わぬ恋なのかもしれないが、まだ自分の気持ちも伝えないまま諦める気もさらさらない。
ライバルはたくさんいるようだが、横島の鈍感さとライバル達の恋愛下手を考えれば、まだいくらでもチャンスがある。
「・・・・そっか」
「ごめんね」
「ううん、いいよ。それよりタマモちゃんの好きな人ってさ、さっき会った横島さんでしょ?」
「ええぇ!?なんで?なんでわかったの?」
私は全く否定せず、何故わかったのか問いただす。
普段タマモは自分が横島の事を好きというのを悟られないよう事務所では横島や横島の話題にはあまり関わらないようにしている。なので事務所のメンバーは全く気付いてないはずである。
それにも関わらず、今日初めて横島に会ったばかりの真友が何故気付いてのだろうか?
「わかるよ。だってタマモちゃん、僕と遊んでるときに話す内容が全部横島さんのことばっかなんだもん」
「えっ?そんなこと・・・」
〜回想中〜
「ヨコシマの馬鹿がね・・・」
「それでね、ヨコシマが・・・」
「ホントおかしな奴なのよ。ヨコシマって・・」
・・etc・・・etc・・・
〜回想終了〜
(ホ、ホントだ・・・私、ヨコシマの話しかしてない)
私は事務所で無理して横島のことをあまり話さないようにしていたため、その分真友くんといる時に話していたようだ。
「前からそうなんじゃないかなって思ってたんだ。横島さんの話をしてる時のタマモちゃんって本当に嬉しそうな顔してるんだもん」
「そうだったの」
(そんなに嬉しそうに話してたのかしら?)
「それで横島さんと何があったの?」
「えっ?ヨコシマと?」
「うん、横島さんと会ってから急に元気がなくなったじゃん。何かあったんでしょ?話してみてよ」
「・・・・・」
「ね?友達として相談に乗りたいんだ」
「友達と・・して?」
「そう、友達として」
「・・・わかった。話すわ」
〜会話省略〜
「なるほど、タマモちゃんのことを女として見ていない。その上、超鈍感・・」
「・・・うん。どうすればいいと思う?」
「とりあえずタマモちゃんはもっと素直にならないといけないと思うな。さっき横島さんと話してた時も感情をあまり出さないようにしてたでしょ?せめて好きな人の前でだけでも素直にならないと」
「好きな人の前だけでも素直に・・」
「そう。横島さんの前でだけでもさ」
「うん。すぐに出来るかわからないけど努力してみるわ」
「ダメだよすぐに出来ないと!横島さんを好きな人いっぱいいるんでしょ?だったらすぐにでも行動に表さないと」
「で・・でも・・・何を話したらいいのか」
タマモが普段は見せないような弱々しい姿を見せる。
(本当に横島さんのことが好きなんだな・・僕がなんとかしてあげなくちゃ。僕は・・・友達なんだから)
「タマモちゃん、あの観覧車に乗りに行かない?」
唐突に真友くんが観覧車の方を指さし私を誘う。
「え?」
何の前触れもなく観覧車に行こうと言う真友くんに少し戸惑う
「せっかく遊園地に来たんだから楽しまないとね。考えるのはあとにしよ」
「う・・うん」
「それじゃあ、タマモちゃんは先に行って並んでてくれる?僕はあとから行くからさ」
「えっ?どこに行くの?」
「ちょっと・・ね。ちゃんと並んでてよ」
そう言い残しどこかに走っていく真友くん
「・・・変な真友くん」
タマモは走り去っていく真友を見送った後、とりあえず言われた通り観覧車へと向かうことにした。
タッタッタッタッ
真友はタマモと別れた後、遊園地内を走り回り誰かを捜していた。
「どこにいるんだろ?タマモちゃんの話だと横島さんはどこにいるかがすぐにわかる人だって言ってたけど、そんな人いるわけが・・」
「お嬢さん、僕と夜明けのコーヒーを飲みませんかーー!」
バキッ!!
「奥さ〜ん、僕と第二の人生を歩みましょーーー!!」
ドゴォ!!
「あなたを愛するために生まれてきましたぁーーー!!!」
バチ〜ン!!
「・・・いた」
少し離れた所に女性に声をかけては吹っ飛ばされ、すぐに回復しまた次の女性に声をかけている横島の姿があった。
「コラァーー!横島、余をほったらかして何をしとるんじゃあ!!」
「やかましい。もう十分遊んだだろうが!俺だって遊びたいわい」
「貴様、家臣のくせに余に逆らう気か?」
「おおとも!下克上じゃー!!」
「ほ〜お、せっかく褒美として小竜姫とデートできるようにしてやろうと思っておったのに・・残念じゃ」
「殿下、何なりとお申しつけ下さいませ!殿下のためとあらば命も惜しまない所存でございます」
小さい子の言葉に急に態度を変え、片膝をつき忠誠のポーズをとる横島
「な・・なんなんだ?いったい・・ってこうしちゃいられない。横島さ〜ん!!」
タマモは真友に言われた通り観覧車の前で順番待ちをしていた。しかし、もうすぐ順番が来るというのに真友の姿は一向に見えない。
「遅いなぁ、真友くん。もうすぐ順番来ちゃうよ〜」
タマモの前にはもう数人ほどしかいない。あと2分もすれば順番が回ってくるだろう。このままではタマモは一人で観覧車に乗らなくてはいけないはめになる。
「・・まあ、いいか。一人で考えたいこともあるし」
そして真友が来ないままタマモの順番が回ってきた。
「どうぞ」
「どうも」
一人で観覧車に乗るというのは少し恥ずかしいため素早く乗り込む。
「ちょっと待って!ストップ、ストップ」
「ちょっと何なのよ」
「割り込みすんなよ」
「ちょっとお客さん、困りますよ。割り込みされちゃあ」
「いや、あの子の連れなんです」
「ほんとですかぁ?」
「マジ、マジ」
急に後ろが騒がしくなったので気になって後ろを向いてみると、
「ヨコシマ!?」
そこには係員に止められてる横島の姿があった。
「すいませんでした。どうぞ」
タマモの声を聞き、本当に連れだとわかり横島を通す係員
「どうも」
「ヨコシマ、何でここに・・」
「ほれ、いいから早く乗ろうぜ」
横島が私の手を引っぱり観覧車の中へと乗り込む。
私が先に座り、横島が私の対面に座る形となる。
動く密室の中で好きな人と二人きりになれて正直嬉しいのだが、何故真友ではなく横島がここに来たのかが気になったので聞いてみる。
「ヨコシマ、どうしてここに来たの?」
「どうしてって、お前が俺に用事があんだろ?」
「ええっ!?」
「あれ、違うのか?おっかしいな〜、今日会った真友くんだったっけ?あの子が『タマモちゃんが話したいことがあるらしいんで急いで観覧車の所に行って下さい』って言ってたんだけどなぁ」
(真友くんが・・そういえばすぐに行動に表せって言ってたけど、まさかこの場で告白しろとでも言うの!?そんなの無理だよぉ)
真友の行動の意図がわかり、自分はどうすればいいのかわからず苦悩するタマモ
「そういえばいつから真友っていう子と付き合ってるんだ?」
横島が楽しそうに聞いてくる姿にまた胸が苦しくなる。私はとりあえずこの鈍感男に誤解だけは解いておこうと決心し立ち上がる。
「違うの!付き合ってなんかにないの!真友くんは仲の良い友達なの!わかった?」
声を荒げて真剣な表情で横島に訴える。
「わ、わかったよ。そんなにムキにならなくても・・」
「誤解されるのはイヤなの。それに私にはちゃんと好きな人が・・」
思わず自分には好きな人がいると言おうとしていることに気づき、途中で言葉を止めたが少し遅かった。
「誰?」
「えっ?」
「タマモの好きな人?俺の知ってる人か?」
「ええっと〜、私の好きな人は・・」
「好きな人は?」
(・・ヨコシマ)
「って言えるわけないでしょ!」
喉まで出かかった言葉を止め怒り気味に答える。
「まあ、そりゃそうか」
あっけらかんとした感じで引き下がる横島
「全く・・・」
横島の反応に少し不機嫌にないながら私は座ろうとする。
グラッ
タマモが再び座ろうとしたその時、急な強風によりゴンドラが大きく揺れた。
そのせいでタマモはバランスを崩し、横島の方へと倒れこむ。そして倒れてきたタマモをとっさに受け止める横島
タマモの顔が横島の胸の辺りにあり、横島の両手はタマモの背中にある。二人は抱き合うような形になっていた。両者ともぴくりとも動かない。
ドキドキドキドキドキドキドキ
タマモの胸の鼓動の音が大きくそして早くなる。
(わ、私ヨコシマと抱き合ってるの?嬉しいけどヨコシマはどう思ってるのかしら?)
顔を上げて横島の表情を伺うが、特に変化は見あたらない。
当の横島は今の状況がわからず、ぼーっとしているだけだった。
(な〜んだ。全然表情変わってないじゃない。やっぱり私は女として見られてないのね・・)
がっくりとしながら横島の胸に耳をつけてみると、
ドキドキドキドキドキドキドキ
横島の胸からタマモと同じくらいに大きくそして早く流れる胸の鼓動が聞こえてきた。
(ヨ、ヨコシマから私と同じくらいの胸の高鳴りが聞こえてくる・・・ということはヨコシマも緊張してるの?私と抱き合ってるからよね?私・・・女として見られてるってことよね)
さきほどの不安が一瞬にして吹き飛び、嬉しくなる。
(勇気をださなきゃ!行動に表さなきゃ!)
「ねえ、ヨコシマ」
「な、なんだ?」
「下に着くまでこのままでいてもいい?」
「ええっ!?」
「・・・・・・ダメ?」
「別にいいけど」
「ありがと」
そう言って完全に横島に身を預けるタマモ
「それと頭撫でて欲しいんだけど・・いい?」
「お、おう」
そう言ってヨコシマが私の頭を優しく撫でてくれる。
いつもシロが撫でられて気持ち良さそうにしているのを見てから一度撫でてもらいたかったのだが、照れくさくて今まで言えなかったのだ。
(気持ちいいなぁ。いつもシロが気持ち良さそうにしてたのも頷けるわね。・・・なんか眠くなってき・・た)
しばらくするとタマモはすーすーと可愛らしい寝息を立てていた。
横島はというと
(南無阿弥陀仏・・・・・、相手は少女、相手は少女、でも美少女・・じゃなくて)
心の中でお経を唱えながら自分と闘っていた。
5分後、横島はなんとか己にうち勝ち、無事地上に着くことができた。
「タマモ、タマモ!着いたぞ」
「う゛〜〜〜〜ん」
呼びかけるが全く起きる気配はない。
「しゃーねえな、よいしょっと」
横島はこのままでいるわけにもいかないので仕方なくタマモをおんぶしてゴンドラから降りる。
タマモをおぶったまま観覧車乗り場から出るとすぐに真友が横島に声をかけてきた。
「横島さん!」
「おう、真友くん」
「タマモちゃんと話しました?」
「大事な話か?真友くんとは付き合ってないって話だろ?」
「それだけですか?」
「うん。あとは・・好きな人がいるってことくらいかな」
「・・そうですか」
(いきなり告白は無理だよな。僕もかなり時間かかったし・・・振られちゃったけど)
「どした?」
「いえ、それより横島さん」
「何?」
「タマモちゃんをお願いしますね!」
「お、おう」
「それじゃあ失礼します」
タッタッタッタ
そう言い残し真友は走り去っていった。
「心配しなくてもちゃんと事務所まで送るっつーの」
今の横島では真友の言い残した言葉の真意は理解できないようだ。しかし、いつかこの言葉の真意を知ることになるだろう。
(ありがと・・・真友くん)
タマモは先ほどから起きておりこの二人の会話を聞いていた。
(もう一回勇気出してみるね)
「・・・・・・スキ」
「えっ!?」
タマモの好きという発言に反応し、振り返りタマモを見る横島
「スーーッ、スーーッ」
「なんだ、寝言か・・好きな奴に告白する夢でも見てんのかな」
(・・・今はこれが精一杯)
「さ〜てと・・・日も暮れたし、そろそろ帰るか。・・あれ?なんか忘れてるよ〜な」
ピンポンパンポ〜ン
”迷子のお知らせを致しま「ヨコシマァァァーーーッ!!打ち首じゃぁぁーー!!」”
「・・・・・・・・・あ」
【おしまい】
《あとがき》
ども、殿下です。
横島×タマモ実現に向けての最大の障壁(?)真友くんが出てくる話であります。
原作の『狐の変奏曲』の雰囲気からしてその後真友くんとタマモが仲良くなり一緒にどこかに出掛けるとかいう感じになると思うんですが、おそらくタマモの話題は事務所の話=横島の話になるんじゃないかと思いまして・・。横島の話だったら横島の事を知らない人でも盛り上がりそうだし・・
ほんでその内この話のようになるんじゃないかという自分の勝手な予想と願望を書かせて頂きました。
今までの
コメント:
- やべ、面白い・・・。いままでの殿下さんの作品の中で、一番好きかも。
子供の世話をしてる横島、大好きなんだぁ〜!(そこかよ!)
・・・まあ、兎も角。とても綺麗な作品だと思いました。本当に、良く出来てらっしゃる。天竜童子も良いスパイスになってらして・・・、泣くぞぉぉぉって、あんた・・・。
いや、もう、本当に良かったです。数ある横タマものの中でも、珠玉じゃないかと。 (竹)
- ああっ、タマモー萌〜。もう一歩踏み込めないタマモがもう可愛くて可愛くてw
しかし、振られながらタマモのことを第一に考えて行動する真友に漢を見ました。いい男になるでしょうね (R/Y)
- 面白いよぉぉ><
いやほんとに。タマモの心とかなんかこうじんわりくるっていうか。
展開もなかなか面白いし、文章もさいこーです^^
でも俺は、、、俺のプライドが、、!賛成票をあげられないんだ、、、。
なぜなら俺は、、!
タマモ×真友派なんだよぉぉぉぉぉぉっ!!!
ていうか漫画中タマモが横島のことすきになりそうな事件もないし、、、、。
許して。。。。
話としては最高でした。
あぁ、、最初の方はタマモ×横島のお話かと思ってはしゃいだのに、、、、;; (のえる)
- >竹さん、コメントありがとうございます。
おお、これだけ誉められると感謝の言葉に困りますなあ。とりあえずもう一回ありがとうございます(ペコリ)。
天竜童子は自分の中でも結構お気に入りキャラなのでオチという重要なポストを任せました。スパイスとなることができて良かったです。
>R/Yさん、コメントありがとうございます。
自分でも真友くんが結構いい男に書けたんじゃないかなと自画自賛しております。まあ、この話は横タマの話でありながら主役は真友くんみたいな感じで書かせて頂きました。 (殿下)
- >のえるさん、コメントありがとうございます。
いやぁ〜、タマモ×真友派でありながらコメントをして頂けるだけで大感謝です。
確かに原作中タマモが横島を好きになるような話はなかったんですけど、横島はもののけの類には好かれるっていうお約束的なものがありましたので今回の様な展開の話を書きました。
自分の作品は大概横タマなのでのえるさんの好みに反するものですが、退屈しのぎにでも読んでみて下さい。そんでもってコメントだけでも頂ければ本望ですね。 (殿下)
- グフッ!ゴフッ!ゲヘッ!・・・す・・凄い・・・良い・・・
・・横・島君はかなり・・鈍感すぎま・・す・・・タマモ萌・・萌・萌えvv・・v (紅蓮)
- 横島×タマモですので始め見たとき、ああ・・・・真友君の話か・・・・
と思ってたら横島×タマモだったので嬉しいです、たしかに私も真友君は良い友達だったらと考えています、、、、美神が邪魔だけど(笑) (羅綺紫好姫)
- 初めて感情移入できたぞ、真の友と書いてマトモ君(笑)
………………しかし、殿下の方がおいしいなぁw。横島の第二の人生歩みませんか発言を見ると、ナンパのストライクゾーンが広がってるような。 (MAGIふぁ)
- >紅蓮さん、コメントありがとうございます。
横島くんの鈍感さはおそらく死んでも直らないでしょうな。まあ、そのおかげでタマモにもチャンスがあるわけですけどね。
>羅綺紫好姫さん、コメントありがとうございます。
横島×タマモで喜んで頂けて嬉しい限りでございます。やっぱり真友くんは良い友達って感じですよね。これからも横タマを書き続けていくので読んでやって下さいませ (殿下)
- >MAGIふぁさん、コメントありがとうございます。
感情移入できる真友くんが書けたみたいで素直に嬉しいですな。私と同じ殿下の名前を持つ天竜童子も主役らを喰う働きができたみたいっすね。
横島くんのストライクゾーンは、ナンパが失敗するにつれて広がっていってると思われます。 (殿下)
- 「青春よ、これこそ青春だわっ!!」某I子さんの声が聞こえてきそうです。
真友くんがかっこいい役回りだねえ。涙は見せないってね。
天ちゃんもいいスパイスになってました。 (林原悠)
- グ〜ッド!(ジョジ○第三部の博打野郎風)
いいですねぇ。林原悠さんの言うように、これぞ「青春」って感じですか。
読んでて思ったのは極めて自然である事と、配置された笑いのセンスが優れている事ですね。
ま、それはともかく良い物読ませてもらいました。
今後もタマモ×横島を書かれるそうで、期待してます。
頑張って下さいね、殿下ぁ〜〜 (脇役好き)
- なぜだ、何故か横島君より真友くんのほうが、大人に見えるぞ〜〜〜
しかし、天竜童子とデジャブーランドに来ていることを某パピリオに知られたら・・・・・荒れるだろうな〜〜
非常に楽しませてもらいました(^^ (黒川)
- >林原悠さん、コメントありがとうございます。
かっこいい役回りと言って頂けると今回横タマ実現のために振られ役に徹した真友くんも浮かばれます。そしてオチ役の天ちゃんですが。自分の中でデジャブーランドというと何故か天竜童子が出てきます。原作では色々あって結局遊べなかったですけどね。
>脇役好きさん、コメントありがとうございます。
自分でもこの話は今まで書いた作品と違って結構自然な感じで書けたんじゃないかなと自己満足しておりましたので自然だと言ってくれるとかなり嬉しいっす。
これからも脇役好きさんの期待を裏切らないよう頑張りますが、一応次に自分の横タマの作品を見た時にがっかりしない程度の期待をしておいて下さい。 (殿下)
- >黒川さん、コメントありがとうございます。
まあ、真友くんも家庭内で色々あったみたいなので見た目よりもずっと精神年齢は高いでしょう。おそらく横島よりも・・
確かにこの事をパピリオが知ったら、すぐに妙神山を飛び出して横島にねだりまくるでしょーな。パピリオ編は今回の作品の天竜童子の部分をパピリオに変えてみたらOKだと思われます。 (殿下)
- 真友くん・・・あなたという人はなんていい少年なんですか・・(泣
竹さんの言う通り、天竜童子さまがいい味出してますね〜
鈍感な横島と必死なタマモがオレの心臓を鷲づかみに!!!!
がっはあああ!!吐血で死にそうです(笑
横島に意識されていないと分かって落ち込むタマモがキュートですね〜
それにしても観覧車とは・・美味しいシチュエーションです〜
大変素敵なお話でした〜ご馳走さまです、殿下さん(笑 (かぜあめ)
- >かぜあめさん、コメントありがとうございます。
私と同じ殿下の名を持つ天竜童子が大人気みたいですな。嬉しい限りでございます。
いつか恋人同士になった横島とタマモが遊園地に遊びに来る話を書きたいっすね。そん時はまた観覧車に乗ってイチャイチャさせたいです。 (殿下)
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