ザ・グレート・展開予測ショー

Something which vixen wants to do is bad for other 後編


投稿者名:x
投稿日時:(04/ 5/ 3)









シロとの戦いの後タマモは商店街を歩いていた。
自分が負ける幻術を見せたのだ。
しばらくは、幻術の通り動かないが死にはしないだろう。
そして、なじみのうどん屋へ行き、きつねうどんを食べた。

(やっぱりあの店のうどんは最高ね〜値段がちょっと高いけど、油揚げのおかわりが自由なんだもん♪
今日2杯目なのに食べ過ぎちゃった♪)

などと、考えていると前方から顔見知りの人物がやってきた。
おキヌである。
両手にぶら下げている物から見て、買い物帰りだろう。
彼女もこっちに気付いたようだ。

「タマモちゃん、シロちゃん見なかった?散歩に行くって出てったんだけど・・・」

「シロなら見たもなにもさっきまでそこで、戦ってたわよ。」
などと、言えるわけがない。言えば自分の責任が問われる。

「さぁ〜見てないわね。」
「そう・・・ところで、タマモちゃんまさか、横島さんの家に行くの?」
「えっ!」

シロにひきつづきおキヌにまで言い当てられてしまった。
(まさか、おキヌちゃんまで止めないわよね・・・)

「あの、タマモちゃん。横島さんの家に行くのは、また今度にしたら?」

彼女の希望は無常にも裏切られた。

(しかたないわね。相手がおキヌちゃんだから手荒な真似はできないけど、ここも力ずくか・・・)

















家に帰った横島は横になっていた。
もうすぐ夕飯の時間だから、用意をしなければいけない。
わかってはいるのだが、強烈な睡魔が襲ってくる。
結局、睡魔には勝てず眠りに落ちた。







眠っていた横島を起こしたのは、ノックの音だった。
最近は自炊をするようになったので、おキヌが来てくれるのは部屋の掃除に来てくれるのみ。
それも昼過ぎ。
時計を見てみると、昼とはいえない時間を指していた。

(いったい誰だろう?)

疑問を胸に抱きながらもドアを開けると、タマモが立っていた。

「タマモ?なんでここに?」

彼女がいる理由が分からない。
いつもならこの時間、事務所では夕食のはずだ。

「理由なんてどーでもいいでしょう。ちょっとあがるわよ。」

そう言ってタマモは入って来た。
・・・スーパーの袋を抱えて。

























気が付くと、横島は机の前に座っていた。
キッチンの方からはタマモの鼻歌が聞こえる。

「ま、まさかタマモが料理を・・・」



彼が怯えるのには理由があった。
それは・・・


























        タマモは料理がとてつもなく下手だからである。


(まずい、まずいぞ。前回初めてタマモの料理を一口食べただけで、目がさめたら病院のベッドの上だったからな。このままいくとフルコースだぞ。生きてられるか?俺!というか、タマモは見た目は大きくても、まだ復活してから1年も経ってないんだぞ。それなのに料理を作らせちゃダメだろおキヌちゃん!あ〜誰か助けてーー「はい、ごはんできたよ♪」
「へっ?」

周りを見るとタマモの自信作がずらりと並んでいる。
5品はあるだろう。

「・・なぁタマモ、質問していいかい?」
「いいけど、なに?」
「・・・このお茶が黒いのは「お湯の代わりにコーラを使ったの。」じゃ、じゃあこの赤い味噌汁は?「味噌の代わりにミキサーにかけたマグロの刺身と唐辛子で、作ってみました♪」そ、それなら最後に
この料理は何?」

横島が指差した先にあるのは油揚げに包まれた何か。

「それ?それは結構前に昼のドラマで奥さんが夫に作ってあげた料理を、あたし風にアレンジしたものよ。」
「その料理って?」
「確か・・・





























            た○しコロッケ、だったかな?」












「た、たわ○コロッケ?」

なろほどあらためて料理をじっくり見てみると、油揚げに隠されたそのフォルムは、○わしに間違いなかった。

「たしか、テレビでは夫が食べなかったんだけど・・・横島なら食べれるよね♪」

(「食べれるよね♪」って俺を何だと思っているんだ。こいつ・・・これは掃除に使うものであって食べるものじゃないはずだ。俺の常識が正しければ絶対にそうだ。美神さんは、人間社会での常識を教える為にこいつを連れてきたんだよな・・・ぜんぜん、みについてないとぼくはおもいます。)

「早く食べてよ〜。今日ここに来るまで色々大変だったんだから。」

タマモの言葉で現実に引き戻されてしまった横島。
そんな横島をじ〜っと見つめるタマモ。

「大変って?何かあったの?」

タマモの話に合わせれば、誰かが来て助けてくれるかもしれない。
事務所のメンバーは、あの事件以来タマモが料理を作ることや1人で横島の家に行く事を禁じたはずだ
時間をかせげば夕食に現れないタマモを不審に思って、きっと来るだろう。

「シロとおキヌちゃんが、邪魔をしたのよ。ま、いまごろは2人とも幻術にかかってるから誰も来ないはずよ。味わって食べてね。」









希望の光が消えた。

(シロ、おキヌちゃん。ありがとう2人の思いは無駄にしないよ。そうだ。あの2人にお礼を言う為にも、ここは自分の力で切り抜けるんだ。た○しがなんぼのもんじゃい!俺の本気を見せてやるぜ!)

そして。












横島はまず味噌汁?を口に入れた。

























「ただいま〜。」

事務所に帰ってきたタマモは何事もなかったようにふるまった。
シロとおキヌは何も言ってこない。幻術を本当だと思っているのだろう。
美神が横島の所に行ったのか?と疑ったが証拠は残していない。
ばれるはずがない。


「次はいつ行こうかな〜。」

タマモの頭の中は新メニュー開発に忙しいのである。






























翌日から、横島は入院した。
症状は、手足の痺れと幻が見える等。
医者の診断は、毒物の大量摂取。







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