ザ・グレート・展開予測ショー

横島君の受(女)難    修行編


投稿者名:ほんだら参世
投稿日時:(04/ 5/ 3)

『拝啓 おふくろ様

前回お会いしてよりかなりの時がたちましたが、いかがお過ごしでしょうか。 自分はついこの間、人として超えてはならない一線を越えてしまいました。 自分はその過ちの日から、ある修行場において、人生について考え直す修行の日々を送っております。 近頃、自責と後悔の念を忘れられるくらいにへとへとになるまで動き続けた後に、仰向けになって空を見上げていると、今までの女性に対してがつがつしていた自分がいかに矮小な存在だったのかと感じさせられています。 そう、自分は矮小な存在だったのだ。 だから、あの時、わいは、わいは、あ、あ、あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。 ・・・・・・・・・・・とりあえず、元気です。 それでは、また。

愚息 横島忠夫より』


横島君の受(女)難   

修行編

「ああ、今日も空が青い。」

その日も横島は、へろへろになるまで修行を続けた後に地面にへたり込んでいた。

「大丈夫ですか、横島さん?」

そこへ、氷水の入ったグラスの乗ったお盆を持った小竜姫が近寄ってきた。

「どうぞ。」

「ああ、どうも。」

氷水をぐびぐびと飲んでいた横島を見ていた小竜姫は、ふいに横島に話しかけた。

「・・・横島さん。 この前にも聞きましたけど、今回は何故これほどまでに修行を欲しているのですか? 私には、今のあなたはそれほどまでに力を欲しているようには見えないんですが。」

小竜姫が疑問に思うのも無理は無かった、横島は今回の修行の理由を猿神にしか話していなかったのだから。
その猿神も、その理由を聞いた際に、横島の苦悩を察したのか、もしくはそのあまりな内容に口にするのも情けないと思ったかは定かではないが、口をつぐんでいたので、小竜姫は気になって仕方がなかったのであった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・聞かないでください。」

「横島さん。 何があったのかは知りませんが、今のあなたが何かに苦悩しているということはわかります。 私ではあなたの助けにはなれませんか?」

「そんな大したことじゃありませんよ。 ただ、自分というモノの矮小さってやつに気付いただけですよ。 そう、俺は本当に情けない男だったんですよ、だから俺は、俺は、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああああやめろーーーーーーーーーー
、やめてくれ、タマモーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、わいは、わいは違うんやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! そんな目で見ないでくれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、ごめんなさい、すいません、責任は取ります、ごめんなさい、すいません、責任は取ります(以下エンドレス)」

小竜姫は会話の途中から暴走を始めた横島に最初のうちこそ驚いていたが、しっかりその言葉の中のタマモという人名を聞き取って、何かを考えるかのような表情を浮かべていた。

「わいは、わいは、わいはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」


*  *  *  *  *  *  *


その日の晩。
 

「・・・ヨコシマーーーー!」

風呂に入って、さあ寝るかと思っていた横島の元に、パピリオが突っ込んできた。

「うおっ、なんだよパピリオ。 今日は疲れてるから、ゲームなら明日にしてくれ。」

「そんなことはどうでもいいでちゅ! それより、ついにロリコンに目覚めてくれたってゆうのは本当でちゅか!!」

ザ・ワールド 時よ止まれ

硬直、呆然、疑問、様々な思いが横島の頭を過ぎる。

そして、時は動き出す。

「パパパパパパパパパパ、パピリオ! だ、誰にそんなことを聞いた!!」

「ヒャクメでちゅ。」

「・・・・終わった。」

そう、終わりだった。
ヒャクメがそれを知ったということは、小竜姫にもすぐに伝わることだろう。 
酒に酔った、しかもあのタマモに手を出したとあっては、女の敵として成敗されるのは時間の問題。
事が事だけに、猿神やジークの助けは期待できない。

「即時退去が賢明なとこだな・・・・・・・・・・って、なぜに俺は縛られてるんだ!!?」

思案していたのは、それほど長い時間ではなかった。
しかし、気が付くと自分は縛られて寝ころんでいる体勢だし、それをパピリオが見下ろしているし。

「パ、パピリオ! 何すんだ!!」

「ふ、ふふふふふふ、うふふふふふふふふうふふふふふふ。」

横島の言葉を聞いても、パピリオは何も答えずに不気味に笑っていた。
何やら後ろにオーラのようなものを背負っていた。

「どうやって目覚めさせようかと悩んでいた所でこんな事になるとは、ちょうどよかったでちゅよ。 自分で目覚めさせれなかったのは無念でちゅが、まあささいな事でちゅね。 さあ、ヨコシマ。 私のの愛を受け取るでちゅよーーーーーーーーーーー!!!」

「いやーーーーーーー! 誰か助けて、ヘルプミーーーーーーーーーーーーーー!!」

その横島の叫びが届いたのか、ゴスっという音と共に一瞬パピリオが揺れたかと思ったらいきなり目を回してぶっ倒れていた。
その後ろから出てきたのは、

「ふー、間に合いましたね。」

「しょ、小竜姫様!」

微妙にへこんだ金属バットを持った、小竜姫だった。

「すいません、すいません、すいませんーーー。 あの時の自分はどうかしていたんです、正気じゃなかったんです。 責任はきちんと取ります。 だから何卒、命だけは、命だけはーーーーー!」

自分が矮小だったなどと悟っても命は惜しいと思っているらしく、横島は思いっきり土下座をした。

「大丈夫ですよ、横島さん。 あなたを攻めるつもりはありません。 むしろ、あなたを助けてあげようと思っていますよ。」

「小竜姫様。」

その時、横島は小竜姫の後ろから後光が見えた気がして目に涙をためていたが、それが失敗だった。
もし、それを見ていたら、すぐに逃げに入っていただろう。
その、小竜姫の顔に張り付いた、先ほどのパピリオと同種の笑みを見ていたら。

「ええ、責任なんて取る必要は一切ありません。 むしろ、あなたは被害者ですよ、あんな小娘に襲われたせいでロリコン呼ばわりされるんですから。」

「へっ。」

横島は、ここで目の前の小竜姫の異常に気が付いた。

「安心してください、横島さん。 ロリコン呼ばわりなどさせませんから。そのためにはやはり、ロリコンでは無いという証拠を見せることが一番ですよね。 そのためには、やはりちゃんとした女性と付き合うことが必要ですね。」

「・・・・・あの、小竜姫様。」

なにやら、色々考えて身もだえを始めた小竜姫を見て、横島の頭の中では、逃げろ逃げろという声が大合唱していた。
そして、その声に従って逃げようとした時、小竜姫は顔を向けてにこりと笑って言った。

「横島さん、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・子供は何人がいいですか?」

ダッシュ

「なんでこうなるんやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

「ふふふふふふふふ、逃がしませんよ、横島さん。 一緒に幸せな家庭を築きましょうね♪」

逃げる横島、追う小竜姫。
何故か小竜姫は走らずに、歩いて横島を追いかけていた。
横島は必死になって逃げ、なんとか鬼門のところまでたどり着くことができた。
しかし、何故かその門を開けることができなかった

「はあ、はあ、はあ、はあ、き、鬼門。 頼む、今すぐにここを開けてくれ! 早くしねえと追いつかれちまう!!」

「・・・・・すまん、横島。 小竜姫様に、お前を通すなと言われておるのだ。 あきらめてくれ。」

「な、お前ら、俺を見捨てるのか! この前、一緒に酒を飲み明かした仲じゃねえか、頼むから開けてくれ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すまん、小竜姫様の命令は絶対なのだ。」

鬼門達にも葛藤があったらしく、目から滝涙を流してそう言った。
しかし、横島が居るのは門の裏。
その涙が見えることなく、鬼門達の葛藤など梅雨も感じなかった。
目が笑ってない笑顔を顔に浮かべると、手の中に双文珠を作り出した。

「・・・そうか、わかったよ。 お前らがその気なら、仕方がないな。 門ごと吹き飛ばしちゃるわーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

横島はそう言って、双文珠に[爆/裂]の文字を込めて振りかぶった・・・が、振りかぶった瞬間に、何者かにその文珠を取られた。
一度ビクッとふるえた後に振り返ると、そこには、

「駄目ですよ、横島さん。 こんな物騒なモノを投げちゃ。」

満面の笑みを浮かべた小竜姫が居た。

「あ、あわわわわわわわ。」

後ずさりをしたが、直ぐに壁に突き当たる。
絶体絶命の危機、だが横島はあきらめずになんとか逃げようと小竜姫の脇を抜けようとした。
しかし、小竜姫の脇を抜けれたと思った瞬間に体か動かなくなった。

「な、何故に?」

「ふふふ、横島さん。 文珠って本当に便利ですね♪」

そう言う小竜姫の手にあった文珠には[呪/縛]の文字が浮かんでいた。
動けなくなった横島は小竜姫によって、どこかへ連れて行かれた。
ちなみにバックコーラスに、売られていく子牛のテーマ曲が流れていたそうな。


*  *  *  *  *  *  *


次の日、頬がこけ目が虚ろになっていた横島が来たとき、鬼門達は何も言わずに門を開けた。
鬼門達の見送ったその背中には、哀愁の二文字が見えたという。









ども、ほんだら参世です。
大学始まって、執筆時間が減った上に新しいネタがいくつか浮かんで、そっちのほうにかかってたりしてたんでちょっと遅れました。
学園系のどたばたラブコメの連載モノやタマモヒロインの短編、小竜姫がヒロインっぽい再構成系の連載モノ、クロス系のものなど色々な駄作を思いつきましたよ♪
でも、今すぐ書けそうなのは学園系かクロス系の二つだけなんですよね、後のはまだおおざっぱな設定だけだから。
『素晴らしい日々へ』の修正版第一話の方も、さっき【夜華】のほうに送ったんで、よかったら見てやってください。
あんま、変わってないかもしれませんけど(笑)

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