ザ・グレート・展開予測ショー

Something which vixen wants to do is bad for other <


投稿者名:X
投稿日時:(04/ 5/ 3)






空き地。



普段は子供たちがなんらかの遊びをするであろうその場所に2人の人物が立っていた。
シロとタマモである。
子供たちが遊ぶ中でも2人は無言でいた。








太陽も沈み始め、子供たちは各々の家へ帰った。
それでも2人は動かず、互いを見ていた。

「こんなところに呼び出していったい何の用があるの?行く所があるんだから、早くしてよ」
「横島先生のところでござろう?」
「・・・なんで知ってるの?」

自分がこの後横島の所へ行く事は誰にも言っていない。
しかし、シロは知っていた。どこで情報が漏れたのだろう。

「そんな事はどうでもいい。おまえを行かせはしないでござる。」
「はぁ?」
「おまえが行けば、先生は確実に命を落とす。師の命を守るのも弟子の務め。拙者の命にかけて、ここは通さん!」
「・・・力ずくで通れってことね。やってやろうじゃない!」

一度シロとは全力で戦ってみたかった。ねがってもないチャンスだ。
それに、この勝負に勝てば誇りの高いシロだ、しばらくは頭が上がらなくなるだろう。

シロは霊波刀を構え、タマモは狐火を出現させた。
そして、





2つの霊力がぶつかった。















「美神さーん。俺、今日はもう帰っていいんすか〜?」
「ん?ああ、もう帰っていいわよ。」

仕事は数時間も前に終わり、ソファの上でゴロゴロしていた横島の言葉に美神が答える。
 
「それじゃ、また明日来ます。」

そう言って、横島は帰っていった。

最近給料が上がったので自分の家で食事をとる回数が増え、事務所にいる時間が減ってきたのである。
今、事務所にいるのは美神1人のみ。ふと、時計を見る。
「それじゃ、私は買い物に行ってきますね。」と、おキヌが事務所を出たのは1時間前。
(そろそろ帰ってくるかな)
最近1人でいることがさみしくなってきた美神であった。












「ぐっ」

先に膝をついたのはシロだった。体のあちこちに軽い火傷をしている。

「ばかなっ。拙者とおまえの実力はほぼ互角のはずでは・・・」
「そうね。確かに互角よ。いつもの状態ならね。でもね、今のあたしはいつもの状態じゃないのよ!」

腕を組んで答えるタマモいくらシロでもここからの逆転は不可能だ。
そう判断しての余裕だった。

「覚えておきなさいシロ。煩悩全快の横島やお金のかかった美神さんのように精神状態で霊力は何倍にもなるわ。これからは、きつねうどんを食べた直後のあたしには喧嘩を売らない事ね!」
「・・・・・・・・・無念。先・・生・ふがいない・・・弟子を許して・・くだされ。」

そうつぶやくと頬に涙が流れた。

























シロはもう動かなかった。

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