ザ・グレート・展開予測ショー

らぶ・サバイバル 〜第5回〜


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 4/24)

〜神界〜


部屋を出て、すぐに妙神山へと移動しようとする小竜姫にメドーサが声をかけてくる。
「なあ、小竜姫。ちょっと妙神山に行く前に横島の奴の顔を見に行きたいんだけど」

「えっ!?どうしてですか?」
メドーサの一言に動揺しながら聞き返す小竜姫

「小竜姫がそこまで惚れるほど成長したあいつに一度会っておきたくてね」
その質問にメドーサが少し意地悪く笑いながら答える。

「・・・わかりました。下界に行きましょう。」
小竜姫も一回横島にメドーサの事を言っておかなくては当日会った時にパニックになるかもしれないと思い、とりあえずメドーサの要望を了承する。

「美神令子の事務所に行けば会えるのかい?」

「ええ、おそらく事務所にいると・・・あれ?ヒャクメ」
歩いている小竜姫達の前方に疲れ果てて座っているヒャクメを発見する。

「どうしたの?ヒャクメ、そんなに疲れ果てて・・・ルシオラさん達は?ワルキューレは?」

「はあはあ、・・・・・さあ」
先ほどの出来事を今言ってしまえば小竜姫の仏罰が下ると思い、とりあえずとぼけるヒャクメ

「さあって・・・まあ、いいです。それより今横島さんがどこにいるのか調べてくれませんか?」

「告白でもするの?」
急に元気になり、目をランランとさせながら詰め寄ってくるヒャクメ

「いえ、まだ・・・じゃなくてメドーサがどれだけ変わったのか見るために一回会ってみたいって言うもんだから・・・」

「ふーん、それじゃあメドーサ一人で会いにいくのね?」

「い、いえ、どうしてメドーサが復活してるのか説明しなくちゃいけないので私も同行します」

「別に説明くらい一人でできるから小竜姫は先に妙神山に帰ってていいよ」

「えぇ!?そんな・・・」

「正直に言ったらどうだい?横島に会いたいって」

「うううぅぅ」

「どうなんだい?会いたいのか?会いたくないのか?正直に言わないとヒャクメは教えてくれないよ」

「そうなのね〜。正直に言わないと教えてあげないのね〜」

「・・・(会いたいです)」
小竜姫が頬を赤らめながらつぶやく。

「聞こえないのね〜」
ヒャクメがもっと大きな声で言うよう意地悪く催促する。

「横島さんに会いたいです!!だから今横島さんがどこにいるのか調べて下さい!」
小竜姫は顔を真っ赤にしながら叫ぶ。

「よくできました♪それじゃあ調べるからちょっと待ってなのね〜」


〜心眼で捜索中〜


(私ったら、あんな大きな声で「横島さんに会いたい」なんて・・・恥ずかしいよ〜)
小竜姫は先ほどの自分の行動を振り返り、恥ずかしさのあまり顔に手をあて、しゃがみ込んでしまった。

「えっと・・・今は事務所の帰り道みたいね〜。事務所から約2qの地点を自宅に向かって歩いてるわ」

「サンキュー。さ〜てと、小竜姫!いつまで恥ずかしがってるんだい。先に行くからね」

シュンッ!

「えっ!?ま、待って!」
慌ててメドーサを追いかける小竜姫

シュッ!

「面白くなって来たのね〜。私も出場したいけど、パートナーがね〜・・・とりあえず西条さんに小竜姫達が出場する事を伝えに行ってあげよっと、暇つぶしにもなるし」

ビュッ!


〜オカルトGメン日本支部〜


オフィス内の一室で何かを考えている男が一人

「ふーむ、今回の勝負で令子ちゃんが負ければ、令子ちゃんが僕と結ばれることになるのは間違いないのだが、優勝してしまう可能性もあるからな。それだけは絶対に阻止しなくては・・・令子ちゃんが優勝する可能性をできるだけ低くする方法を考えなくてはいかんなあ。う〜〜ん、どうすれば・・」
西条が自分に都合よい考え方をしながら美神令子優勝阻止方法を考えていると

ビュッ!

「お久しぶりなのね〜、西条さん」
西条の目の前にヒャクメが現れた。

「うわっ!?」
ガタンッ!
いきなり自分の眼前に現れたヒャクメに驚き、椅子から落ちる西条

「何もそんなに驚かなくてもいいのに」

「考え事をしている時にいきなり目の前に現れられたら、誰だって驚きますよ!」

「ふ〜ん、考え事って?」

「それは・・・ちょっと言えません」

「もしかして横島さんを賭けての勝負の事?」

「なっ!?何故その事を知っているのですか?まさか僕の心を読んだんじゃ」
疑いの目をヒャクメに向ける西条

「違うのね〜。私は滅多な事がない限り知人の心は読まないのね〜。私が知ってるのは、ルシオラさんが妙神山に来た時に聞いたからなのね〜」
(正確には覗き見&盗み聞きだけどね〜♪)

「そうだったんですか」

「それでね、小竜姫とワルキューレもその大会に出場するみたいなのね〜」

「えぇ!?あの二人がですか?」

「うん、二人とも別々にチームを組んで出場するみたいだけどね。今日はその事を言いに来たのね〜」

(あの二人も横島くんの事が好きだったというわけか。何故こんなにも横島くんはもてるんだろうか?全くわからない。
いや、それよりもあの二人が出場するとなれば、令子ちゃんの優勝の可能性は確実に低くなるな・・・そうか!令子ちゃんの優勝の可能性を低くするには、他に強力なライバルとなる女性を出場させればいいんだ!何でこんな簡単なことに気付かなかったんだろうか)

「こうしちゃいられない!」

「どうしたの?急に大声出して」

「いえ、ちょっと・・。小竜姫様達の件教えて頂いてありがとうございました。これからちょっと色々な人に連絡を取らなくてはいけないので今日はこの辺で・・」

「美神さんが優勝するのを防ぐための出場者を増やす連絡ね」

「!? 僕の心を読んだでしょ!さっき知人の心は読まないって言った所じゃないですか!」

「うん、読まないのね〜。たまたま滅多な事があったみたいだから」

「全く・・・プライバシーの侵害ですよ」

「ごめんなのね〜。お詫びに私も出場者を集めるのを手伝ってあげようか?」

「えっ?ヒャクメ様が?」
(そうだな、ヒャクメ様に手伝ってもらえば様々な女性と連絡をとる事が可能になるし、手伝ってもらうかな)

「わかったのね〜」

「はい?あっ!また心読んだんですか?」

「まあまあ、堅いことは言わないの。それより私がたくさん出場者を集める代わりに条件があるのね〜」

「条件?何ですか?」

「あのね〜、(ぼそぼそぼそぼそ)なのね〜」

「ふむふむ、わかりました。でも、いいんですか?そんな事で・・」
ヒャクメの要求に少し拍子抜けしつつ聞き返す。

「それでいいのね〜、それじゃあ一週間後に」

「はい、ヨロシクお願いします」

ビュッ!

「よし、それじゃあ僕は冥子くんと小鳩くんの所に電話するかな」
(冥子くんは出場するかわからんが、小鳩くんは確実に出場するだろうな)

思わぬヒャクメの協力により西条の計画は、さらに完璧なものへとなっていきつつあった。

「まずは出場確実の小鳩くんからだな・・」

ピッピッ・・・・
トゥルルルルー トゥルルルルー トゥルルルルー トゥルルルルー トゥルルルルー トゥルルルルー

(留守か・・。出場してくれるかはわからないけど、一応冥子くんの所にも電話しておいた方がいいな)

ピッピッ・・・・
トゥルルルルー トゥルルルルー ガチャッ


〜美神除霊事務所〜


西条が自分の恋路の邪魔をしているとは夢にも思っていない美神令子はというと・・・

ドガッ! バキッ! 
「あ〜、いらいらするわ。何よ揃いも揃って私と別がいいなんて言って・・・意地でも優勝してやるんだから!!」
・・荒れていた。

「それには生半可なパートナーじゃルシオラ達には勝てないわね。エミでも誘ってみるかな・・・なんだかんだで恋愛事には強そうだしね」

ピッピッ・・・・
トゥルルルルー トゥルルルルー ガチャッ

「もしもし、エ「エミはただいまピートとデート中で〜す♪デートを邪魔されるのが嫌だからぁ、携帯の電源切ってま〜す。だから携帯に電話しても無駄なわけ。用件がある人は発信音の後に用件を入れるわけ。でも今日はエミ帰してもらえないかも〜☆」

ピーーーーーーーーーー
「・・・・・・・・・死ね!」
ガチャン!!

「あーもう、あんな色情魔に期待した私がバカだったわ」

(おキヌちゃんは誰と出るつもりなのかしら・・・って人の心配してる場合じゃなかったわね。真剣に考えないとたった一人でルシオラ達と戦うはめになるわ。誰か・・・誰か・・)

プルルルル・・ プルルルル・・
(ん、エミのバカかしら)
ガチャ
「もしもし」
「あ〜、令子ちゃん?」

「冥子?どうしたの?」
「あのね〜、さっき〜西条さんから〜電話があったの〜」

「お兄ちゃんから?何て言ってたの?」
「えっとぉ、横島くんと〜、一緒に暮らすための大会に出場しないかって、私ね〜、その大会に出ようと思うの〜」

「え!?冥子も出るの?」
(ということは冥子も横島くんのことを・・・)

「それでね〜、冥子ね〜、令子ちゃんと一緒のチームで出場しようと思って電話したの〜」
「私と冥子が?えっと・・何で?」

美神が先ほど考えている時に冥子をパートナーにという考えも浮かんだがすぐに却下していた。
確かにこの横島の年上とは思えない愛らしい容姿は、かなりの戦力となるだろう。では、何故冥子をパートナー候補から外したのか?
それは冥子のすぐに式神を暴走させてしまうという点である。勝負の最中にいちいち暴走しないように心配ばかりしていては勝負に集中できないし、もしも暴走してしまえば最悪の場合、自分が重傷を負って勝負せず負けてしまうことも考える。そう思って冥子をパートナー候補から外していたのである。

「あ、あのね冥子、よく考えた方がいいわよ。他にも色んな人がいるんだしさ、ていうか何で私なの?」
冥子をしげきしないように冥子の誘いをやんわりと断ろうとする美神

「だって冥子〜、令子ちゃんと出場したいんですもの〜」

(だからその理由を言えって言ってるのに・・・まあ、いいわ。とにかく断ろう)
「冥子には他に私なんかよりふさわしいパートナーがいるんじゃないかな〜」

「・・・令子ちゃん、冥子と組むのが嫌なのね・・・・グスッ」
受話器を通して冥子の泣きそうな声が聞こえてくる。

「あ!泣いちゃダメよ!冥子」
(よく考えたら電話だったら別に暴走されてもどうって事ないじゃない)
「いえ、冥子、泣きたい時は思いっきり泣いた方がいいわよ」

「う、う・・う、うわ〜〜ん!!」
ボッ! ドゴォォォォン!!!

電話越しから爆発音が聞こえてくる。おそらくいつものように式神たちが暴走しているのだろう。
しかし、その爆発音は電話越しからだけではなかった。なんと事務所の近くからもそれと同じ爆発音が聞こえてきたのである。

「ま・・・まさか(汗)」
自分の思い違いであって欲しいと願いつつ事務所の窓を開けて外の様子を見る。
そこには・・・

「ふえ〜〜〜〜〜ん!!」
ドゴッ! バゴッ!! ズゴゴゴゴゴゴ

一人の泣き叫ぶ女性を中心に暴れ回る12匹の式神の姿があった。

「はあ、携帯電話だったとは・・とにかく早く止めないとここも危なくなるわね」
すぐに事務所を飛び出し、冥子に声をかける。

「冥子、いい加減泣きやみなさい!」

ピタッ
令子の声を聞き、ピタッと泣きやむ冥子

「一緒に〜、出てくれる〜?」

「ええっ!?いや、あの、その・・」

「出て・・・くれないの?」
じわ・・
「あーーー分かった!出る、出るから泣かないでー!!」

「ホント?」
「ホント、ホント」

「だから令子ちゃんって好き〜〜♪」
「ホホホホホホ・・・、はぁー」

こうして半ば強制的に美神令子のパートナーが決定した。


       【つづく】


   《あとがき》
ども、殿下です。短編ばかり書いて第4回からかなり間が空いてしまってスイマセン(ぺこり)。
さて内容の方ですが、第1回以来全く出番がなかった美神令子再登場です。そして西条が出場者集めを開始する様を書きました。
次回は美神と同じく第1回以降出番がなかったおキヌちゃん登場予定です。

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