ザ・グレート・展開予測ショー

現世覚醒伝ONI(第8章中編)試練其之一


投稿者名:Pr.K
投稿日時:(04/ 4/19)



 カツカツカツカツカツカツカツ

 「よう食いなさるのお・・・」

 モグモグ、ゴックン。

 「いやー食った食った」
 これで3杯目。

 あの後食堂(とはいっても畳に大きめのちゃぶ台があるだけ)に着いて粥を出されたんだけど・・・これがまたうまかった。
 あの秋場とか言うおばさんただモンじゃねえ、まさかここまで美味いとは。

 「私も嬉しいよ、こんなに食ってくれんだからさ。おばちゃんには負けるけどね、はっはっは♪」
 台所から現れたこのおばちゃん、この人が秋場さんだ。
 恰幅は・・・とても健康的だ。

 「それにしてもホントうまかったッスよ」
 「いやはや、起き上がりに3杯も食されるとは、なんとも健康的ですなあ」
 確かに食いすぎたかもしんない。
 でも・・・腹へってたし



 「さて、ここに呼ばれた理由でしたな」
 あ、
 「え、ええそうです。なんでオレがここに?」
 忘れてた。

 「理由ですか・・・・・・そうですなぁ。では、」
 では?
 「腹ごなしが終わったらお教えしましょう」
 「腹ごなし?」
 「ふむ・・・・・ポチっとな」

 ――――ガチャッ――――

 爺さんがちゃぶ台の裏の何かを押したらしい

 オレの座ってる畳がスライドする

 何度も味わったことのある浮遊感

 これが俗にいう落とし穴・・・・って!

 「このクソ爺いぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
 「がんばられよ〜〜〜〜」





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 「あんれま、御館様ったら、最初から手加減抜きですか」
 「そりゃ秋場さん、ここはドカッとやるべきじゃろ」
 今横島殿を落としたのは、この屋敷ではもっとも厳しい試練場。
 「なんにせよ時間は少ないからのぉ、急がねばならん」
 「おんや?御館様のお体はまだ大丈夫なはずじゃ?」
 「そうではない、彼がここに留まれる時間じゃよ」
 そう、今彼はほぼ拉致されたに近い形でここにいる。

 そろそろオカルトジーメンも嗅ぎつけることだろうし、
 問題は美神除霊事務所の面々。

 特に所長の美神令子とか言う女性、目的のためなら何をするか分かったもんじゃないらしい。
 そのような輩を相手にしたらこっちの被害も大きくなる。
 「ま、横島殿が帰ってからの予定も立てねばならんし、そろそろ来るころじゃろうしなぁ」
 「来るって、なにがですか?」

 「御館様、美神美知恵という方から通信が・・・・・」
 不意にワシの後ろから声が響く。
 やはり来たか・・・・
 「分かった、すぐに出よう。秋場さん、衣装はどこだったかな?」
 「いつもの所においてありますよ、とっとと着替えてらっしゃいな」
 さてこの会談でどれだけの時間を得られるか・・・

 「ワシらにとって最初の試練じゃな」


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 ヒュウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ドバーーン!!

 体が水に叩きつけられる。全身の骨が悲鳴をあげた。
 そのまま水中に沈んでいく。このままだと死ぬ!

 全身の力をフルに使い水中から這い出る。
 「プハァ!」
 ああ、空気がうまい。

 「それにしても」
 何処だここは。
 薄暗いし何の気配もしない。
 這い出た先に道が続いているだけだ。
 「文珠は・・・使い切ってたな」
 仕方ないし作るか。

 霊力を手のひらに集め球体をイメージする。
 「文珠・・・」
 キュイン
 「五つか、じゃあまずは」
    「灯」

   パアァ
 文珠を中心に光が広がる。
 文珠を掲げて上を見ると、何も見えない。
 「けっこー落ちたな」
 最近似たシチュエーションがあった気もするが、無視しよう。

 通路を覗いてみる、文珠で照らせる範囲には何も無い。
 「・・・進んでみるか」
 何もやることねーしな

 カッカッカッカッ
 暗いせいかは分からないが足音が響く。
 こんなとこには罠がありがちだが
 「なんもでてこねーなぁ」
 暇だし、こうなったら
 「矢でも鉄砲でも来てみろってんだ〜♪」
 ふざけたセリフを吐いて千鳥足で進む。

 カッカチッカッカッカッ

 「・・・ん?」
 カチッ?これは

 ひゅうぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜   ドーーーーン!!
 ガガガガガガガガガガ

 なにやら後ろからヤバイ音が・・・・・

 恐る恐る後ろを向く2つの目のような灯が見える。

 だんだん大きくなるそれはハッキリとした形を持つ。

 串刺しにされそうなほど大きな金属性のトゲを付けた壁が、

 迫ってくる。 


 「ってなにぃ!!!」
 このままだと串刺し、なら!
   「縛」

 ヒュン
 霊波糸で敵をその場に固定・・・・
 ガガガガガ
 できてねえ!?なんで?
 よく見たら霊波糸がトゲに弾かれている
 「ヒイィィィーー!」
 そのまま走って逃げ出す!

 カチッ
 また?

 ヒュンヒュンヒュン!
 前から大量の矢の雨が向かってくる!
 「ワーーー!!」

 よけてるところに両側の壁から槍が!
 「ウオッ!」

 天井から振り子状のギロチン!
 「あぶねっ!」

 床からも剣!
 「死ぬって!!」

 後ろからもしつこく壁が迫ってくる!

 その他トラップのオンパレード!

 「オレは聖櫃を見つけた冒険家じゃねぇーーー!!!」

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 開けたところに出る。
 ガガガガ、ガ、ガ、ガ・・・
 鈍い音を立てて壁が停止する。

 壁が完全に動きを止めたのを確認し大の字になる。 
 「い、生きてる、生きてるよオレ!?」
 き、きつかった。
 炎にはあぶられる、文珠の「爆」も壁には効かなかった。
 残りの二つもついさっき「回」「復」に使っちまったし・・・・
 「生きて出れんのかな、オレ?」
 ゲッソリしてきた。途中上がったり下がったりしたので今どこにいるかまったく分かんないし。
 とりあえず
 「ちょっと休むかぁ・・・」
 霊力が少しは戻るかもしれないしな。


 「何だ、もう来てたのか?
 この声は!!

 「もう少しかかるかのたれ死にするかと踏んでいたが・・・・腐ってもONIか。」
 間違いない、こいつは・・・

 「じゃあ始めるか?やり合わない理由は無いだろ?」
 「彩ぞおぉーーーー!!!」
 何でこんなとこに!?

 いやそんなことはどうでもいい、ただ・・・
 「テメエ!シロタマと雪之丞はどうした!?」
 「は?・・・ああ、あいつらか」
 「どうしたってんだ!!」

 「残念だが・・・」

 「殺し損ねた」

 「もうちょっとで汚れたヤツラを地獄に送れたのにな」

 汚れたヤツラ?

 フザケンナ。

 体が熱くなる、霊力が回復していく。

 後はあれを呼べば準備万端だ。

 左手を突き出し名を叫ぶ。
 「鬼丸!!」

 左手に鬼をかたどった金飾りをつけた小太刀が現れる。飾りの真ん中にある青い石がまぶしい。

 左腰部分のベルトに鞘を固定して右手で逆手に持ち引き抜く。

 キンッ
 刃が鳴る。

 準備は万端!

 「じゃあ・・・リターンマッチだ!!」



後書き

 誰だ、休み明け確認テスト(3日間)なんか企画したヤツは・・・・
 まあ、書き直しは半分ほど終わり。スクライドは作り直し。
 後は・・・塾のテストか。

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