ザ・グレート・展開予測ショー

がっこう


投稿者名:ポトフ
投稿日時:(04/ 4/15)











    『がっこう』










1、くうかん





横島は戦っていた。



(くっ!なんなんだ…この空間は…)


(妙神山での修行のときみたいに時間の流れが遅くなってる…)


(このままじゃ危険だ…)


(わかってはいるんだが…体が言うことを効かな…………)



横島の意識が途絶えた。






























「……(ボコッ!)痛ッ!」
「横島、授業中に居眠りとはいい度胸じゃないか!」
「あぁああああ!!!わかってはいたんですが体が言うこと聞かなくて!!!!!」










2、ねごと





「……んん…なんでおキヌちゃんには霊体撃滅波が効かなかったんだ…確かジョーとかいうおっさん曰く……
彼女の必殺技『霊体撃滅波』は一撃で周囲の霊を吹き飛ばす!ただし、そのためには3分間、呪的な踊りをせねばならず、
その間、彼女はまったくの無防備になるのだ!!とかなんとか…まぁ、踊りの時間は妙神山の修行で短縮したみたいだけど……
それはともかく、おキヌちゃんは効果範囲内に確実に入ったことがある思うんだが…」
「霊体撃滅波は敵と味方の区別がつく攻撃なんじゃないの?そうでなきゃゲーム版で霊以外にも
ダメージを与えられたことに説明がつかないし」
「……そうだな…何故おまえがゲーム版を知ってるかは別としてそれで説明がつく……」


………



「……んん…なんで魔族はロボットの攻撃に不慣れなだけで反撃できなかったんだ…確か美神さん曰く……
奴ら、ロボットの攻撃に不慣れなんだわ…!!これなら少しは時間がかせげるかも…!!とかなんとか…
ゴーストスイーパーの多種多様な攻撃には瞬時に対応するのになんで直線的な実弾兵器には不慣れなんだ…」
「実弾兵器の方が早いからじゃないの?」
「……いまいち納得できないがそうかもな…」


………


「……んん…なんで…」
「…馬鹿なこと言ってないで、そろそろ狸寝入りなんてやめたら?先生が見てるわよ?」
「……いや、寝ることに意味があるんじゃない。顔を下げて黒板を見ないことに意味があるんだ!」
「…あ、そ」









3、とら





ある日俺とピートとタイガー、そして愛子の四人は昼休みの屋上にいた。
俺は地べたに座りながらおキヌちゃんの手作り弁当を食べている。
タイガーも最近作ってもらえるようになったらしい手作り弁当を食べながら俺の左に座っている。
ピートは俺の右に座って大量に貰った弁当を黙々と食べている。
手作り弁当を持っているとはいえ、やっぱムカつく。
愛子は机を置いて(って言っても机の方が本体だが)俺の向かい側に座りピートの貰った弁当を食べている。
本来愛子は食事をとらなくても平気なのだが俺とタイガーが手作り弁当を貰うようになってから
ピートは貰った弁当を一人で食べることになってしまい流石に食べきれないので捨てるよりは、
ということで愛子に食べるのを手伝ってもらっていた。
関係ないが愛子のスカートはどんどん短くなっているような気がするのは俺だけだろうか。
それはともかく、食事中にタイガーが唐突に話を始めた。


「わしは最近疑問に思うことがあるんジャー」
「なんだ?『いつまで弁当が貰えるか?』とかだったら返答に困るぞ。一応友達としてきついことは言いたくないからな」
「恋の相談とかだったら青春よね!」
「友達としてはいいかげんな助言をして別れさせたらより青春度がアップする」
「友達のいいかげんな助言で失恋、友達との信頼関係に溝が…凄く青春だわ!」
「どこが青春なんですか…ってか青春度ってなんですか?」
「青春度ってのは俺がいかにいい思いができるか?という単位だ。
この場合タイガーと魔理ちゃんを別れさせて俺が慰めにいく、というシナリオが成立する可能性が生まれるので
青春度60%以上!ちなみに次の国会とかの会議で正式に採用されるとかされないとか」
「素晴らしい単位だわ!日本もまだまだ捨てたものじゃないわね!」
「嘘を教えないで下さい!」
「まぁ、そんな話はともかく、何の話だっけ?」


さっきまで好き放題言ってた横島がタイガーに話をふる。


「…まぁ、いいんじゃが…話というのはエミさんのことなんジャー」
「なんだ?『いつまで雇って貰えるか?』とかでも返答に困るぞ。一応友達としてきついことは言いたくないからな」
「バイトの悩みも青春よね!」
「いや、そうじゃなくて…正確にはエミさんの持ってる笛のことなんジャー」
「…笛、舐めるのか?」
「歪んだ青春ね…」
「そうじゃなくて…わしの能力を使うために使ってる笛の疑問なんジャー」
「色気のない疑問だな」
「まぁ、タイガーさんに色気があってもアレですが」
「澄ました顔してキツいこと言うわね…」
「あの笛の効力は知ってるかノー?」
「ああ、そこはかとなく俺らの会話を無視したのは別として、知ってるぞ。
確かあの笛を吹きながら能力を使わないとふだんは理性でおさえている内なる野獣が
めざめて『セクハラの虎』になるんだったな。最近は使わなんでもある程度は平気みたいだが」
「まぁ、それで概ね正解ジャー。しかしあれには恐ろしい副作用があるんジャー」
「副作用って?」
「精神感応の力を笛で無理矢理おさえることで記憶に障害が発生するんジャー」
「よくわからないけど青春よね!」
「愛子、話に入れないからって自分のキャラをアピールしなくてもいいんだぞ…」
「で、記憶に障害って?」
「昨日の食事から学校の授業、重症だと親の顔まで忘れてしまうんジャー」
「記憶ねぇ…」
「よほど笛が強力なんでしょうねぇ…」
「青春よねぇ…」
「…愛子、おまえ飯食ってろ」
「ひどいわ!友達に裏切られるなんて思わなかったわ!!これも一つの青春よね!!!」


わけのわからないことを言って机形態でやけ食いを始める愛子。
みるみるうちにピートの弁当が減っていく。


「まぁ、それはともかく。それがどうしたんだ?重大な後付け設定だが疑問になってないぞ」
「…わしは日本に来る前にエミさんに笛を使われて能力を封じられたときより前の記憶がないんジャー」
「へぇ」
「原作では過去を聞かれることもない超脇役じゃからよかったけど最近魔理さんに昔のことを
聞かれてノー。答えられないのもおかしいじゃろ?」
「あぁ」
「それに過去のことを聞こうとしてもエミさんは何も教えてくれないんジャー」
「ほっほう」
「…気のない返事じゃノー」
「いや、だってな〜」
「超脇役の過去なんて興味ないですもんね〜」
「……まぁ、そこで相談なんじゃが…」
「さ、そろそろ昼休みも終わりだな」
「そうですね」
「んんんんん〜(もう入らない〜)」
「口の中にもの入れたまま喋るな!」
「…なんであからさまに無視してるのかノー」
「先に無視したのはおまえだろ?記憶を戻すのに文珠をくれとかは駄目だぞ。
もったいない。おまえとそこまで親しくしてるつもりはないぞ」
「右に同じです」
「自分で解決しなさい。頭は若いうちに使ったほうがいいわよ」
「ってか俺はこいつの国籍のほうが気になるのだが」
「『タイガー寅吉』って『タイガー』が名字なんですか?ってかこれって本名なんですか?」
「実は妖怪じゃないの?」
「わっしは…わっしは…グワァアアアッ!!」


タイガーが屋上で叫ぶ。皆は教室に行こうとする。
が、


「……いいのかノー?」
「「「は?」」」
「横島さんはこないだ女子更衣室に…」
(ビクッ!)
「ピートさんは確か神父の部屋で……」
(ビクビクッ!)
「愛子さんにいたっては横島さんが寝てるときに…」
(ビクビクビクッ!)
「返答はどうかノー?」
「………口封じ〜」
「へ?」
「いくぞ!全員囲め!」


横島の声を合図に展開する三人。ピートと愛子が左右に、横島が屋上の扉の前に立った。


「お、おかしいんじゃないかノー!」
「何が?」
「こういうのは普通脅迫されたらビクつきながら言うこと聞いて
謎を暴いたら下らない話で皆にボコされるとかが王道じゃないかノー!!!」
「知るか!二人とも!やっちまえ!!!」
「「了解!」」


ピートがダンピールフラッシュで、愛子が机の口を開けて襲いかかる。
タイガーは即座に二人に拘束されてしまった。


「戦闘能力のないわしを三人で攻撃するなんて卑怯ジャー!!!」
「知るか!」
「自分でまいた種でしょう」
「ふっふふふふふ…あんたは知ってはいけないことを知ったわ!私の甘酸っぱい青春の一コマをね!!!」
「ってことで…」


横島が『忘』の文珠を投げつける。


「悩みも含めて綺麗さっぱり忘れとけ」










数時間後。
横島とピート、そして机を背負った愛子が
『OGASAWARA GHOST SWEEP OFFICE』の看板の下がった建物の前にいた。


「やっぱ少し気になるよな。国籍とか」
「ええ、本名とか」
「それ以前に人間か、とか」


そんなことを言いながら何故か見つからないようにこっそりと建物に入っていく三人。
『忍』の文珠を使いながら建物の奥まで進む。そしてエミの気配がする部屋の隣まで来た。


「…で、ここまで来たのはいいですがどうやって調べるんですか?」
「お前が色仕掛けで聞き出せ」
「えぇ!じゃあここまで忍び込んだ意味は?」
「お前が後ろから抱き付いてあれこれで聞き出すためのしちゅえーしょん」
「あれこれってなんですか!!!!」


横島とピートが口論をする。愛子が二人の口をふさぐ。


「しっ!電話をしてるみたいよ!」


静かになって耳をそばだてる三人。


『…須狩!おたくのとこで買ったジャングル奥地で製造されたっていう心霊兵器が…』
「「「………」」」
『…完全な自我を持ち始めたワケ!まだかろうじて笛で制御できてるけど…』
「「「……………」」」
『…クローニング技術を使ってるらしいからあるていどは許容範囲に入れてたけど…』
「「「……………………」」」
『…記憶を操作してある心霊兵器に出自を聞かれたときなんてどうすればいいのよ!…』
「「「ま、まさか…」」」
『…もういいわ!昔のよしみで買ってやったけどもう二度とおたくの商品は買わないワケ!…』
(ガチャァン!)


電話が切れる。
怯える三人。
そして三人のいる部屋の扉が開く。


「……おたくの文珠、貸して欲しいワケ」
「「「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!」」」






























「と、言う夢を今朝シロに延々と話して散歩をまぬがれた」
「それはまた随分凄い夢ですね…」
「ってかシロに夢だって言い忘れた」
「………」
「急いで帰っていったから皆に知れ渡るのも時間の問題だな。皆のタイガーを見る目も変わるんじゃないか?」
「わっしは…わっしは…グワァアアアッ!!」
「…青春よね」














あとがき

いつもと違う作品なのにアレな作品ですみません。ポトフです。
え〜と一応学校卒業してるので番外編でも使えない小ネタを使ってみました。
本当は前に後書きで書いた除霊委員の除霊話にしたかったけど実力不足でできませんでした。
だからって別にどうこうすることもないですけど。
誤字脱字があったらすみません。
後、今回も読んでいただきありがとうございます!
では、次回に向かって!オカルトチェンジ!!…あ!今回は違った。

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