ザ・グレート・展開予測ショー

B&B!!(31)


投稿者名:フル・サークル
投稿日時:(04/ 4/14)



 頭上の空間を歪ませ姿を現わした巨大な物体。黒い、カブト虫そっくりの移動要塞だった。
 辺りに響く轟音の中、パピリオがそいつを見て声を上げた。

  「――――逆天号!!」









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            Bodyguard & Butturfly !!
  
       It was the longestday of Yukinojou Date
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 逆天号。その名前ぐらいは聞いた事があったぜ。アシュタロス軍の戦略兵鬼。それ一隻で、妙神山を含む
全世界108ヶ所の霊的拠点が壊滅させられたと言う―――あれが、そうなのか。

  「黙って借りて悪いなパピリオ!でも、お前の為に使うんだから別に良いだろ?
  ・・・ってこらぁっ!低すぎだ!俺たちまで吹き飛ばすつもりか、このボケ老人っ!!」

  『がははははははっ!!その手もあったな、そうすりゃ借りっぱなしでいられたわ。
  船に衝突しなかっただけでも儲けもんだぞ坊主。』

 通信鬼の向こうからしわがれた哄笑が届く。横島の悪態も全く意に介してねえ。

  『ドクター・カオス 高度変更・スタンバイ・OK 上昇・します』

 逆天号はやたらとフラつきながら上昇して行った。途中で変な音を立ててバックしたりもしながら。

  「おい・・・大丈夫なのか・・・」

  『さすが魔界の最先端技術、なかなか複雑でてこずる。もう少し慣らしたかったがの・・・
  だが、心配要らんぞ坊主。操縦するは、このヨーロッパの魔王ドクター・カオスなのじゃからな!』

  「・・・だから心配なんだよ。」

  『やりがいがあるぞ・・・燃えてきたわい。・・・・おおっと!』

 浮かんだままコマの様にぐるぐるとスピンしだす逆天号。パピリオがたまりかねて怒鳴った。

  「壊す気でちゅかーーっ!?もう見てらんない、私も乗せるでちゅ!一から基本操作を教え直・・・」

 その時、前方の天使の群れの間に光の球がぽつぽつと浮かんだ。それらは重なり合い、
膨れ上がりながらこちらへ―――逆天号へ猛スピードで接近する。

  「伏せろーーーーーっ!!」



   ゴアアアアアアアアッッ・・・!!



 辺り一面が真っ白な閃光に包まれ、今まで見たのとは量も勢いも段違いな
――街一つ、焼き尽くせるほどの――メギドフレイムの波が逆天号を直撃した。
 衝撃波でタンカーも周囲の水面も激しく揺れる。

  「―――マリア!!―――カオス!!」

  「―――逆天号!!」

 しかし俺たちが顔を上げた時、空を覆った炎を突き破る様に傷一つない船体がその中から現れた。

  「そいつにもメギドフレイムが効かねえってのか・・・?」

 こればかりは俺にも説明が付けられねえ。カオスがまるで自分の事のように得意げに答えた。

  『いいや、妙神山で神界用の改造はされとる様じゃが、基本的な属性までは変えとらんからの。
  ・・・単に、向こうの火力が足らんだけだ。
  聖書級崩壊、黙示録、神々の最終戦争を戦い抜くつもりで造られたもんじゃろ?
  あれっぽっちでダメージ受ける装甲じゃ話にならんわい。』

  『ドクター・カオス 照準・スタンバイ・OK エネルギー充填・までは・後・21.03秒』

  『マリア、適当にど真ん中狙いじゃ。見てろ・・・神話の戦で通用する砲撃とは、こう言うもんだ・・・・。』

  『イエス ランダムに・目標群の・中間位置・ロックオン設定 主砲・外装開始』

 カブト虫の頭部が変形し始めた。下のハッチが開き細長い砲身が伸びる。
 その先端に光の粒子が寄り集まって来るのが見えた。

  『エネルギー充填3・・・2・・・1・・・完了 スタンバイ・オールグリーンOK
  主砲・断末魔砲・発射可能状態・です』

  「みんな・・・耳を塞ぐでちゅっ!!」

  『黙示録の収穫者を魔王を名乗る人間が撃つのか・・・長生きはしてみるもんじゃの。』

  『断末魔砲・・・発射!!』






   ギャアアアアアアアアアアアアアーーーーーッ!!!!





 耳を塞いでいても鼓膜が破れそうな絶叫が響き渡り、砲身から・・・いや、逆天号全体から高エネルギーの
波動が一直線に天使の群れめがけて放たれた。
 数キロ彼方、真っ直ぐ伸びた光線は天使達の中に吸い込まれて行く。
 ―――次の瞬間、そこに巨大な光球が出現した。



   ドォォォォォォン・・・・・!!



 空気を軋ませ、床を震わせながら爆発音がこちらへ届いた。炎を上げる光球の周りを散り散りに逃げ惑う
天使達。通信鬼ごしのカオスの哄笑も同じ位の大きさで響いている。

  「直撃した奴ら・・・死んだのか?」

  『ふん、奴らにも死など無い。限界までパワーダウンするだろうがな・・・しかし、ほれ。』

  「撤退して、行くのね・・・・。」

 ヒャクメが顔を上げて呟いた。すっかり隊列を崩した天使――真神聖霊十字軍の奴ら――が、
自分の降りて来た天上の光へと我先に引き上げて行く所だった。

  『証拠隠滅の為に来とるんじゃから、本格的な兵鬼と一戦交えるくらいなら、逃げて別のトボけ方を考える
  のが得策じゃろう・・・それに、元からこれに勝てる戦力でもないな・・・。』



  「その通り。・・・これまでじゃの、ラケリエルよ。」



 呆然と逆天号、そして逃げて行く仲間達を見ていたラケリエルはその声で我に返り、辺りの空を見回した。
視線の先に多くの鎧姿の神族――天使ではなく、竜族だった。――が浮かんでいる。
 話に聞いていた竜神王騎兵隊だと俺にはすぐ分かった。
 竜族達の先頭を猿――斉天大聖がゆっくりと降りて来る。

  「ふむ、なかなかどうして頑張れたもんじゃ。良い修行になったろ?」

  「ハード過ぎるぜ・・・一体今までどこで何やってた!?」

  「儂とて忙しい。やる事が山程あってのう・・・。」

 猿はラケリエルの前に立つ。竜神王騎兵が続いて降下し、ラケリエルを包囲した。

  「ラケリエル、お主に命令書が出ておる。メギドフレイムの流出と不正使用、及び人間界への不正干渉に
  ついて査問会を開設する故、その出席と供述を命ずる内容じゃ。儂はそれを届けに来た。」

  「斉天大聖様・・・いくら大聖様とは言え私が父以外の・・・異教の神の命令に従うとでも・・・?」

  「案ずるな、ラケリエル。」

 猿は懐から一枚の書状――普通の紙ではなく霊波を放つ物質――を取り出し、ラケリエルの眼前に
かざした。奴は目を見開いて書面を凝視する。

  「この命令書はキーやんのサイン入りじゃ。つまり、キーやんからお主への命令でもある訳じゃて。」

 端から俺にも少しだけ見えた。その命令書の書面―下に大きく『J.C』のイニシャルが刻まれているのを。

  「相手が相手だけに会うまでの手続きに手間取ったが・・・事情を話したら快く入れてくれたわい。
  査問会の準備ももう出来ておるぞ。」

 なるほど、「霊波の届かない所」・・・そんな場所まで行ってたのか・・・猿は猿の仕事をしてたって訳だ。
俺は命令書に顔を釘付けにしたまま固まっているラケリエルへ声を掛けた。

  「―――で?今度はどうするんだ、クソ野郎?まだ汚ねえ手は残ってんのか?俺達や猿をブッ飛ばして
  逃げられりゃ、何とかなるかもしれねえぜ・・・やってみるか?」

  「何を言ってるのだ、お前?」

 ラケリエルは横目で俺に問い返して来た。さっきまでの怒りや狂気の全く見られない平坦な表情で。

  「天の父から私に命令が下ったのだ。今すぐにでも成さねばならぬ。・・・私は怠惰な僕でもなければ、
  まして、反逆者でもないのだよ。・・・異端の竜族ども、私を定められた場所へ案内するが良い。」

  「え・・・てめえこそ、何を・・・言ってるんだ・・・?」

 今度は俺が呆気に取られる番だった。――何かのハッタリなのか?
 竜族に囲まれ歩き出そうとしたラケリエルは足を止め、振り返った。

  「だが・・・忘れるなよ、人間ども?我らの父はいつかきっと我らの為すべき事を分かって下さる。
  その時こそ、貴様ら異端者と魔族どもの最期だ。何百年・・・何千年かかろうともな。貴様らの魂も
  そこの魔物も小竜姫も猿神も・・・その行き着く先は燃え盛る永遠の炉の中だ・・・。」

 ああ、そういうことか―――何となく話が見えた。神界の方針に逆らっていても「天の父」は絶対であり、
その直接の命令には――例え自分に縄を掛けるものでも――従うと言うのが奴の筋って訳だ。

  「待ちなさいラケリエル。私からも聞きたい事があります。」

 今度は小竜姫が奴を呼び止めた。

  「その炉を貴方達は、いや、天使長ミカエル様はどこにお造りになられるおつもりですか?
  流出したメギドフレイムはここで確認された量だけではありませんね。桁が五つばかり違います。
  ・・・それだけの量を一体、今どこに保管しているのですか?
  そして・・・流出したのはエネルギーだけではありません。濃縮精製技術・・・既に再製造が始められて
  いるのではありませんか?かつて『神の軍勢』に配備されていたメギドフレイム精製弾頭が。
  ・・・大掛かりな設備が必要な筈です。一体、どこで・・・!」

 ラケリエルは小竜姫から視線を外し、再び竜族の兵士達と共に歩き始めた。他の竜族達が倒れていた
白鷺野郎も運び出している。同じく査問会とやらに連れて行かれるのだろう。そして、その後は・・・。
 俺は猿に尋ねた。

  「なあ・・・あいつら、この後どうなるんだ?」

  「んん?まあ、その査問会で己の所業全てを供述させられ、罪状検分され・・・大体3〜400年の
  封印拘束処分って所じゃろう。上層部の反デタント勢力からの圧力で実際には半分近く減刑される
  じゃろうが、それでもお主が生きとる間にあやつらとカチ合う事は二度とない筈。」

 奴らの外道なやり口、そこで踊らされた人間と傷付けられた人間の事を考える・・・その数字が妥当なのか
どうかは微妙な所に思えたが、猿の言う通り、二度と会わずに済んで欲しいものだ。

  「随分と緩くなったもんじゃ・・・儂がブッちゃんとケンカした時なんぞ、
  無期限で500年目にようやく出られたと言うのに・・・。」

 パピリオを連れ去った時の様にぼんやりと消えて行く連中を見送りながら、猿が独りごちた。



 + + + + + + +



  「ダメです。船内のどこにもエミさんはいないと・・・Gメン本隊の人達も、ナインテールも・・・。」

  「ま〜くんも〜〜いないの〜〜〜〜。」

  「大変、大変なのねー、今、二隻の小型艇が本隊の包囲網を突破して逃走したらしいのねー。
  どちらも霊能力のある人間が乗り込んでいて近付くと応戦して来るのねーー!」

 そこらですぐに見つかると思っていたのは大間違いだった。ヒャクメの報告から3分後に、教団との繋がりを
追及され先程逮捕されたGS協会役員に雇われていたと称する連中から、六道正樹の身柄と引き換えに
追跡の放棄と六道家との交渉とを要求する無線が入った。逃げ切り、なおかつ新たな雇い主を掴まえようと
言う腹だろう。エミに関する言及はなかったが、答えは明白だ。二隻の舟・・・どちらか一隻に奴がいる。
 俺は呼び止める声も聞かずに駆け出すと、タンカーに寄せて停泊している小型艇の一隻に乗り込んだ。

  「あ、おい、何だ君は!?教団関係者か?」

  「伊達雪之丞だ!逃げた奴らを追う―――この船借りるぞ!!」



  「――――待って下さい!!」

 船がタンカーから離れ始めた時、そう叫びながら数人の男女がばらばらと飛び降りて乗り込んで来た。

  「お前ら・・・・横島の所の・・・!?」

  「所長に言われて来ました。雪之丞さんが向かえば、恐らくあの陰念と言う男が応戦に来る筈だと。
  だから雪之丞さんと奴が戦っている間に俺たちが裏GS連中の確保に向かえと・・・。」

 さすが俺の戦友。何手先までも読んでやがる。
 ・・・だが、こいつらであの黒戦闘服集団が相手・・・大丈夫なのか?

  「私達だって、いつまでも所長におんぶに抱っこでいる訳には行きませんからね。これでも全員、
  資格取得したプロのGSです。こそこそ仕事しているような人達に同じ人数で負けてられません。」

  「おんぶに抱っこって・・・あんたの場合、所長が抱き付いて来てシバき倒してる方が多いじゃん。
  所長は後で美神先生にも制裁されてるってのに・・・(――ベキャッ!!)」

  「セクハラで慰謝料請求しないだけマシだと思いなさい。まあ、お金の事で“あの人”を敵に回したく
  ないからしないんだけど・・・。」

  「イテテ・・・まあ、場数踏まないと所長達へはいつまで経っても辿り着けないですからね。
  腕試しのつもりで行って来いって所長からも言われましたよ。」

 船を発進させた俺はこいつらのやり取りを聞きながら少し、横島をうらやましく思った。俺にはあいつの様に
下の人間に慕われ、発奮させ、見守って行ける自信はない。


  「・・・となると、やっぱり思い出すのはお前なんだよ・・・・。」


 俺は小さな声で呟いた。
 俺が今までで唯一持った弟分・・・そいつは今、この海の向こうで俺を待っている――最後の敵として。



 + + + + + + +



 目の前に併走する二隻の小型艇が見えて来る。
 俺達の舟が接近するとそれぞれの船尾に人の姿が現れた。
 一隻には白いブランド物のコート、もう一隻には黒い革コートの男が。
 白いコートの方は・・・血まみれだった。俺の姿を確認するなり、大声を張り上げる。

  「雪之丞おおっ!・・雪之丞おおおおおおうっ!!」

 片腕にエミを抱え、夕方見た時よりもふらついている――教団やGメンを振り切る時に、
力を使い果たしたのだろう。だが、正直な話、力が限界なのはこっちも同じだ。

  「・・・隊長、うちらとあんたとはこれで終わりですよ。うちらは小笠原エミの確保を手伝った。あんたは
  余計な事を知り過ぎた伊達雪之丞を始末する。これでフィフティだ。うちらは六道家と交渉して再就職、
  あんたはこの女を連れて魔界でもどこでも行けばいいさ・・・」

  「へっ、分かってんよ。もうてめえらに用はねえ。俺は任務を果たした・・・天使どもの計画が潰れたのは
  天使どものヘマでしかねえ。奴らを過少評価し過ぎたのさ・・・兄貴よぉ、てめえの言ってた通りだな。
  敵を甘く見てるとろくな事にならねえってなぁ。
  ・・・だが俺はてめえを倒す!そしてっ・・・もっと、もっと上に行くぜえっ!!」

 陰念が口を閉じるより先に、船に飛び移った俺のパンチが奴の鼻先にめり込んだ。
 エミを離した奴が後ろに吹っ飛ぶ暇も与えず同じ場所へ1、2、3・・・

  「だから、敵を目の前にして無駄口ぺらぺらしてんじゃねえよ・・・!」

 のけぞったまま陰念の口元がにやりと歪んだ。直後、ばね仕掛けの様に奴の右足が飛び出す。
 俺は左腕でガード―だが衝撃は全身を揺さぶった。
 二発目の蹴りを躱し、霊撃を奴のボディーへ――その瞬間、視界の全てが影に覆われた。奴が自分の
着ていたコートを俺にかぶせたのだ。身体のあちこちへ激しい衝撃。俺は霊波刀でコートを切り刻み、拳を
振り上げていた陰念に斬りつけた。

  「があっっ!」

 それなりのダメージの手応え―――だが、俺が喰らってたダメージの方が上かもな。

  「高かったんじゃねえのか、このコート?弓の読む雑誌で見たブランド名だったぞ。」

  「裏のGSがどれだけ稼げるかなんて、てめーも知ってんだろ?そんなもんケツが拭けるくらい買えるぜ。
  それに、俺が本当にこだわってるものは、欲しいものは、そんな物じゃなく・・・。」



 強さ―――強さ、強さ、強さ。
 目的を持たない力の為の力、強さの為の強さ、勝利の為の勝利、破壊の為の破壊・・・
 およそ、人間の見る夢じゃねえ。――知ってるのか陰念、あいつの・・・勘九郎の最期を?

 横島のアシスタント達の乗った舟は裏GSチームの乗った舟を引き続き追って行った。
 残された俺達は再び構え、互いに睨み合う。







 東の空が眩く染まってきた。もうすぐ夜明けなんだ―――そう思った時、拳が鼻先を掠め、
陰念に馬乗りになっていた俺はバランスを崩し振り払われた。

 どれだけ打ち合っただろう・・・・・・まだ、勝負は着いていねえ。陰念は何度倒されても、起き上がって来る。
 ―――まるで、修行に明け暮れたあの日の様に。
 お互いにもう霊力はこれっぽちも残ってなくて、僅かな体力と、プラスアルファだった。
 奴の膝が、そして蹴りが俺の腹にめり込む。あのひ弱な結界使いですら倒せなさそうな弱々しい蹴り。
 だけど今の俺には充分効いた。そして俺の拳が奴の顔面を捉える。
 奴は吹き飛んで、倒れる・・・また起き上がる。

  「まだだ・・・まだ・・・だ。来い、雪之丞・・・俺は・・・強くなる・・・お前に・・・勝つ。」

 なあ陰念、・・・・・・それで、良いんじゃねえか?
 強くなるって、そういう事じゃねえのか?

 殴られる、倒れる・・・蹴る、倒す・・・殴る、躱される、引っ繰り返される・・・・起き上がる

 「絶対負けない。」
 お前はそれだけで充分強い筈だ・・・人間やめなくたって、魔族にならなくたって。
 人間のままで・・・人間として・・・充分、強い。

 隙を見せた。その隙に反応して陰念が吼えた。
 誘い込まれる様に、俺に止めを刺そうと狙った拳を繰り出す。奴自身に隙が出来た・・・俺の作った隙が。


  「――――眠れ。」


 奴の勢いをも利用した渾身のボディーブロー。
 数メートル向こうで転がった後、そのまま奴が動き出す気配はなかった。
 俺の意識は、10秒経っても陰念が立ち上がらないのを見届けると急激に薄れて行き、
全てが真っ暗な闇の中へ崩れ落ちて行くのを感じた――――。













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  It was the longestday of Yukinojou Date.
  ――It’s end of the day.

  エピローグへと続く
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