ザ・グレート・展開予測ショー

忘れることは怖い事♪


投稿者名:x
投稿日時:(04/ 4/10)






本日は、美神ひのめの7歳の誕生日。

その誕生日を祝うべく事務所では誕生会が行われていた。


       
 










    パンパカパーン



一斉になる多数のクラッカー。ひらひらと舞う花吹雪。

いつもは笑顔の彼女の顔も驚いていた。秘密にされていたのだろう。しかし、その顔もまた可愛い。

「ひのめ、誕生日おめでとう。これはママから、こっちは令子お姉ちゃんからよ」

「大切に使いなさいよ、ひのめ。」

母と姉からのプレゼント。母は満面の笑みを浮かべている。姉は照れているのだろうか、顔を赤くしてそっぽを向いている。


「ひのめちゃん。あたしたちからのプレゼントはこれよ」

「あたしたちっていっても一人はお金出してないんだけどね。」

そう言う彼女の視線の先には、人狼の少女。

苦笑いをしている。

姉の同僚から渡されるプレゼント。3人(実際は2人?)でお金を出し合って買ったものだけに流石に大きい。

「ひのめちゃん。俺からは、これ。」

彼女の初恋の相手、彼の声が聞こえて彼女はとびきりの笑顔をみせる。

なに?なに?なにをくれるの?お兄ちゃん?

待ちきれないのだろう。わくわくした目で彼を見つめている。

「じゃーん!今日発売のモガちゃん人形DX!欲しかったでしょ?この人形。」


えっ・・・


少女の表情が変わった。期待を裏切られたような顔だ。

えっ。もしかして。もう持ってるのか?

彼の顔も変わった。

いい雰囲気だったのに自分がぶち壊してしまった。なんとかしなくては。

そんなことを考えているのだろう。額からは汗がでている。

場の空気も重くなった。誰も何も言えない。


沈黙を破ったのは彼だった。

「じゃあ、お兄ちゃんは違うの買ってくるよ。ひのめちゃんが好きなやつ。なにがいい?ゴールデン・プーピーかい?」

少女は首を振る。そんなのが欲しいんじゃないと言わんばかりに。

「じゃあ、ハイパーリエちゃん人形だね?」

少女は首を振る。

「じゃあ、何がほしいの?」

彼が尋ねる。

「あたしがほしいのは・・・・

















 







           お兄ちゃん♪」



少女は言った。

満面の笑みで。













ガバッ

彼は飛び起きた。そして、あたりをキョロキョロと見回す。


「・・・夢か。なんだろう、凄い夢を見たと思うんだけど・・・。」

彼は忘れていた。夢の内容を。

「あっ、今日はひのめちゃんの誕生日じゃねーか。プレゼント買いにいかねーと。」

彼は部屋から飛び出し走っていく。プレゼントを買うために。


彼は忘れていた。自分が昼間から寝ていた原因を。











その原因が、少女が喜ぶプレゼントを知る為に文珠を使って予知夢をみていたからだということも。












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