ザ・グレート・展開予測ショー

_______選択


投稿者名:まゆ
投稿日時:(04/ 4/ 7)

アシュタロス事件より月日が流れ、
横島は大人になり、

美神令子は横島令子になり、

子供にも恵まれた。

当初生むかどうかについては苦しい選択をするかに思えた令子だが、あっさりと
「私たちの子よ。」
と言い放った。

もちろん生まれたのは女の子だ。

名は蛍

ルシオラの記憶はない。

そのとき横島は
「これでよかったんだ。」
と呟いたと言う。


             _______選択


to day

「ふぅ、今日は疲れたなぁ。買いすぎだぞ令子。」

両手に幼児用品・・・紙おむつや離乳食を大量に抱えた姿は世界トップクラスのゴーストスイーパーにはとても見えない。

「安かったんだからしょうがないでしょう?潰れる前の最後の大安売りなんて滅多にないんだから。それにこの子も喜んでるし」

その腕に最近ハイハイができた赤ん坊を抱いている女性はゴーストスイーパー界をやめて久しい

「そうか?まあいいや、さっさと風呂に入って疲れを落としたいな。」

「そう、じゃあこの子もお願い。私は夕食の準備をしてくるわ。」

「ああ、行こうか蛍。」

亭主と娘を風呂に入れて自分は食事の用意、昔なら考えられないことね。ふと美神除霊事務所を思い出し笑いがうかぶ。

「どうかしたか?令子。」

いきなり笑った妻に訝しげに問いかける横島

「なんでもないわよあ・な・た」

そういって令子は台所へ向かった。後には分けわからんといった顔の横島と袋の中身を気にしている蛍が残った。





「きれいだな」

「そうね」

夕食が終わり蛍を寝かしつけた二人はベランダに出て星を眺めていた

二人が住んでいるのはマンションの最上階、かなりの高さがあり二人の視界をさえぎるものはない。しいて言えば東京タワーぐらいだ

「ここを選んだ理由のひとつが夜景だものね。」

一面のネオンの畑、ひときわ輝く東京タワー

「ああ」

二人はしばらく眺めていたが

「さむい」

「そうだな」

夜風に負けて部屋へ戻った。





「令子」

「今日は寝るわ、疲れたから」

一言でその意味を察し断りを入れる。ツーカーの仲である。

そういうと令子はわが子が眠る布団へと入っていった。

関係ないがみんな布団で寝ていることを書いておく。


横島は一人リビングで酒を飲んでいた

今の生活は気に入っている、手が届かないと思っていた相手を妻にし、初めて本気で恋した女の生まれ変わりと生活している。

幸せだと思っている。

一人で酒を飲むと昔のことを思い出す。

横島除霊事務所の三人の助手のこと

つるんだ悪友のこと

今まで倒してきた敵のこと

彼女のこと

そこまで考え思考を中断した・・・・・考えても仕方がないから

そう割り切りグラスに酒を注ぎ、飲み干した。



幾分か酔いが回り、明日は仕事があることを思い出した横島は寝床へと着こうと寝室へ向かった。

ん?

布団の中で美神は眠っているが、四つんばいの影が一体、いや一人

「どうした蛍、眠れないのか・・・

そこセリフは最後まで出ることはなかった




目を見てしまった




悲しみに満ちた目

憎しみに満ちた目

嫉妬にあふれた目

絶句した横島に蛍は、いや彼女が語りかける

「何で居るの?」

「・・・え」

横島が返答を返せなかったのはハイハイをしている子が喋ったからか、質問の意味がわからなかったからか、両方だろう。

それと同時にある考えが浮かぶ。そしてその考えを確信に変えるために横島は質問しようとした

「ルシオ・・・

「私が復活したのに何でまだこの女と一緒に居るの?」

この言葉は横島を再び絶句させるのには十分だった

(だってお前を生んだのは令子でお前の母親で俺の妻で・・・

「会えたのはうれしいわ、けど毎日完全に意識を取り戻すまでの間ずっと見てたのよ?あなたたちの私のそばで行われていた行為、用が済んだ後にもするなんてどういうつもり?」

横島の思考も中断された

「でもまあ許してあげるわ、さっさとこの女を追い出して。もしくは早く新居を見つけましょう。」

(追い出して?ルシオラはこんなやつだったか?)

(いや、ルシオラだ。俺が求めていたルシオラだ。守ろうとした女だ。命をかけてくれた女だ。そうだ。)

その時

「う〜〜ん、どうしたの?えっちなんだから、あなたは、」

雰囲気のせいだろうか、令子が起きた   寝ぼけているが

「・・・こいつをどうにかして、殺してもいいわ、やってくれるでしょう?そうして二人で幸せになりましょう。」

(殺す?ミカミサンを殺す。そうすればルシオラと二人で幸せになれる?)

(殺す?ルシオラが殺すって言った俺の妻を殺す?ルシオラが言った?ルシオラ?)

横島はそばにあった椅子を片手でつかみ二人に向かっていく

「何言ってんのよ!いきなり殺せですって!?ふざけんじゃないわよ!」

「人の男を奪っっておいて何を言ってるの」

横島は二人の元に近づいた

「あんたこそ蛍を奪ってるじゃない、蛍を返しなさいよ!」

「元から私のためにあった体よ。」

そして椅子を振り上げ・・・











振り下ろした




               完

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