ザ・グレート・展開予測ショー

らぶ・サバイバル 〜第4回〜


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/ 4/ 7)

〜妙神山〜


小竜姫が神界へと移動し、メドーサと再会してる時、妙神山のワルキューレは引き続き誰と組めばいいかを考えていた。

(どうする・・どうすれば・・誰と組めば優勝できるだろうか・・ヒャクメと・・)

ワルキューレは目の前にいるヒャクメと組もうかと考えたが、ヒャクメは真面目にやるのかわからないし、いつも肝心な所で役に立たない事が多いと考え、とりあえずヒャクメを候補の一人として置いておき、他の女性を考える。

「ねえねえ、ワルキューレは誰と組むつもりなの?」
腕を組んだままずっと考えこんでいるワルキューレにヒャクメが尋ねてきた。

「それがなかなか思いつかなくてな・・」
(このままだと一人で出場するはめになってしまうな・・
ここはヒャクメと組んで情報戦を制しておくか・・・情報!?)

情報という言葉が頭に浮かんだ時、ワルキューレがあることに気づく。

(そうだ!目の前にいるヒャクメの持つ情報網を使えば、小竜姫に対抗出来るような女性を見つける事ができるのではないだろうか)

思い立ったらなんとやらでワルキューレはすぐヒャクメに情報操作を請う。
「ヒャクメ、悪いが横島忠夫と関わりを持っている女性全員を調べてくれるか!」

「全員!?それはちょっと範囲が広すぎて、相当な時間が必要なのね〜」

「それじゃあ、横島と特別な関わりを持った女性を調べてくれないか」

「特別な関わり?仲が良いって事?」

「う〜ん、何と言うか・・その、そうだな・・」
(確かメドーサは横島とキスした事があったな・・
そのくらいの関わりを持った女性でないと対抗できないな)

「それじゃあ、横島と・・・キ・・キスをした事がある女性は?」

「ちょっと待つのね〜。今調べるのね〜」
ヒャクメはケースからノートパソコンを出して調べ始める。

カタカタカタカタカタ・・・1分後

「えっと・・まず当然ルシオラさんでしょ、それとワルキューレも現場を見ていたから知ってると思うけどメドーサ、そしてもう一人は・・・?初めて見る名前なのね〜」

「どれどれ」
ワルキューレがヒャクメのパソコンをのぞき込む。

「ふむふむ、この女も魔族か、ちょうど良い。この女はどこにいるんだ?」
ワルキューレは自分と同じ魔族ということもあって、好都合だと思った。知らない女性ではあるが、魔族同士ならば少しは話しやすいと思ったみたいだ。

「えっと、・・・・・・辺りね」
その女性が今いるであろう場所をワルキューレに伝える。

「大体わかった。ありがとうヒャクメ!今からそこに向かう事にする」
「わかったのね〜。頑張ってなのね〜」
「ああ」

ビュンッ
ヒャクメに情報提供の礼をし、さっそうと飛んでいくワルキューレ

「ワルキューレもかなり本気みたいなのね〜」
飛んでいくワルキューレを見ながらつぶやく。

「さてとルシオラさん達に覗いてたのがばれる前に退散しないと・・」
退散しようとする判断は良かったのだが、少し遅かったようだ・・・

「あれ?小竜姫とワルキューレがいないでちゅよ」
「ホントだ。ワルキューレは魔界に帰ったとして、管理人の小竜姫がいないのは変だねえ」
「ヒャクメ様、小竜姫様達は?」

ギクッ
「ええっと、小竜姫は急用で神界に、ワルキューレは人捜しに行ったのね〜」
(ここは正直に堂々と・・)
「人捜し?そんな任務はなかったはずだけどねえ」

(しまった、正直に言っちゃまずかったみたいなのね〜)

「いや、あの、急な任務が入ったみたいで・・(汗)」

「ふ〜ん、何をそんなに焦ってるんだい?」
明らかに動揺しているヒャクメに対してベスパが少し疑念を抱きながら聞く。

「なななな何も焦ってなんかいないのね〜」
三人のプレッシャーがかかる中、動揺を隠すことが出来ないヒャクメ

「まさか覗き見なんか・・・してないよね?」
ヒャクメの肩を叩き、にこやかな笑顔で聞いてくるルシオラ

「ままま、まさか、私は何も知らないのね〜。横島さんを賭けての勝負なんかも知らないし、それが一週間後に開かれる事なんかも全然、全く、これぽっちも知らないのね〜」
自分が完全に白状していることさえわからなくなるほど、動揺しているヒャクメ
その言葉を聞いた瞬間、三姉妹の霊圧が上がったことにも気づかない様だ。

「そう。全然知らないんだ」
ヒャクメが覗き見をしていて、横島を賭けた勝負のことを聞いたであろう小竜姫・ワルキューレの姿はない・・・これは二人が横島を賭けた勝負に出場する準備のためにどこかに行ったと考えるのが妥当だろう。
ルシオラは前々から二人が横島に気があることに気付いていた。だからこそ今回の件で妹二人を勧誘するにあたって余計な敵を増やさないようにわざわざ奥の部屋に行き、絶対に小竜姫・ワルキューレの二人には知られないように徹底していたというのに、ヒャクメのおかげでルシオラの計画は台無しなってしまったのである。
そう思うとルシオラはだんだんと怒りがこみ上げてきて、そして・・・

キィィーン・・
「な、何で霊力を溜めてるの?ルシオラさん」

ヒャクメの問いにルシオラは返事をしない。さらに・・・

ギュィィーン・・ キュィィーン・・
「パピリオ?ベスパさんまで・・」

三姉妹の霊力がもの凄い数値まで上昇している。
(・・・ここにいたら間違いなく殺されるのね〜)

ダダダダダダダッ!!!
三姉妹の無言の圧力&凄まじい霊圧に圧倒され、ダッシュで妙神山の門の方へと逃げ出すヒャクメ

「ベスパ、パピリオ、私に霊力を集めて!」
「「わかった(でちゅ)!」」

ルシオラに二人の霊力が集まってくる。
ヴヴヴヴヴヴヴ バリバリバリバリ!!

「エナルギー充填完了!発射5秒前・・4・・3・・2・・1・・『三姉妹流断末魔砲』「「「発射!!!」」」

ギャアァアーーーーッ!!


〜ボロボロになった修行場の門〜


三姉妹の必殺技が放たれた頃、ヒャクメは出来る限りのスピードで走り、門に到着していた。
「はあはあ、門まで逃げて来たけど、追ってくる気配はないみたいなのね〜」

「ど・・どうしたのですか?ヒャクメ様」
ほっと一安心し、息を整えていると、不意に声がかかってきた・・・顔を上げると、そこには・・えっと、鬼門?という疑問を抱くほどボロボロになった鬼門二人が立っていた。

「あら、二人とも派手にやられたのね〜」
その二人のボロボロの姿を見て率直な感想を言うヒャクメ

「はい、横島の事を少し悪く言ったらこのざまです」

「それが原因だったの・・今度からは注意した方がいいのね〜」

「「はい。以後気をつけます」」

ピクッ!?
その時、ヒャクメの持つ100の感覚器官全てが危険を知らせてきた。

「この霊圧は!?・・・まさか」
ヒャクメが後ろを振り向くと・・・そこには以前妙神山を消滅させたのと同じ光(オリジナルより威力は劣る)がこっちの方へと向かって来ている姿があった。

「どうしました?うおっ!?あの光は以前の・・・ヒャクメ様、どうします?」
「・・・・・」
鬼門はヒャクメに指示を仰ぐがヒャクメを何か考え事をしながら沈黙したままだった。
「「ヒャクメ様!!」」

沈黙していたヒャクメの口が開く。
「・・・小竜姫には、あなた達は最期まで立派だったと伝えておくのね〜。それじゃあ」

ビュッ
「「あ・・・・」」
ヒャクメが神界へテレポートするのを見てボーゼンとする鬼門達

「ど、どうする?右の」
「どうするも何もないだろ。我々もひとまず神界に戻った方が・・」
「しかし門番が逃げるわけには・・・。小竜姫様に何と言い訳をするつもりだ?」
「しかし、このままでは我々が・・・」
緊急事態にも関わらず口論する鬼門の二人

ギャアァアーーーーッ!!
「「・・・・あ」」

グワッ オォオォオオォッ
「「ギャアァアーーーーッ!!」」
妙神山内に鬼門二人の断末魔の叫びが響き渡った。


「やりまちたか?ルシオラちゃん」
「わからない、けど手応えはあったわ」

「小竜姫にワルキューレか・・・余計な敵が増えちまったねえ」
「誰が来ようと私のヨコシマは絶対に渡さないわ!!」
「いずれは私のヨコシマでちゅけどね!!」
「何ですって!」
「何でちゅか!」
またも二人の姉妹喧嘩が始まる。ここでベスパの仲裁が入るはずなのだが、

「・・・・・・私の・・ポチ」
ベスパは姉と妹の『私のヨコシマ』という言葉に対抗するかのように『私のポチ』というフレーズをつぶやき、少し照れながらトリップしていた。

「「ベスパ(ちゃん)!!」」
予想外のベスパの言動に戸惑いつつも声を合わせてベスパの名前を呼ぶ二人

「え?私何か言ってたかい?」
二人の声によって気が付いたが、さっき自分が何を言ってたかは覚えてない様子のベスパ

「ふぅー、もういいわ。とりあえず一週間後までどうしましょーか?」
「姉さん、とりあえず私は魔界に戻って休暇届けを出しておくよ」

「わかったわ。でも、こんな急に休暇なんか取れるものなの?」
「わからない。けど取れなかったその時は辞めるだけだよ」

「そんな事していいの?後悔しない?」
「後悔なんかしないさ。姉さんも言ってただろ?『恋をしたら、ためらったりしない』って・・・だから私もためらわないよ」
ベスパは何かを決心した表情でルシオラの顔をしっかりと見ながら決意の固さを話す。

「・・・わかったわ。私はアジトだった別荘に行っとくから」
「わかった。それじゃあ、また」

シュンッ

「あーあ、ベスパったら、ついさっきまでは、まだ好きってわけじゃないとか言ってたくせに・・・」
「自分の気持ちに気付いたってことでちゅよ。ルシオラちゃんもまだまだ恋する乙女の気持ちが理解できないようでちゅね」
指をチッチッチとしながら容姿に似合わない言葉を口にするパピリオ

「何ませたこと言ってるのよ。それじゃあ、私も行くからね」
「ちょっと待ってくだちゃい!パピリオを置いていくつもりでちゅか?」

「パピリオは小竜姫様が帰ってきた後に外出の許可をもらってからじゃないと・・」
「嫌でちゅ!一人でこんなとこにいるなんて退屈で死んでしまいまちゅ。だから一緒に行きまちゅ」

「でも・・・」
「いいんでちゅよ。小竜姫がいないのが悪いんでちゅ」

「・・・わかったわ。その代わりちゃんと小竜姫様に書き置きをしておきなさい」
「わかったでちゅ」

カキカキカキ

「よし、できたでちゅ」
「それじゃ、行きましょーか」

「久しぶりでちゅね〜。あそこに行くのも」
「そうね、とりあえず着いたら掃除しなくちゃね」

ビュンッ ビュンッ

ルシオラ達が飛んで行った後の妙神山には二つの物体が・・・
「・・・・・・・・」
返事がない。ただの屍のようだ。


〜神界〜


一つの部屋でかつてライバルだった二人の女性が向かい合っている。
「それで、今日は何の用なんだい?」
「あなたに頼みがあって・・」
「あんたが私に頼みねえ・・・何だい?」
「実は・・・」

〜会話省略〜

「要するに横島忠夫を好きな奴同士でバトルロイヤルするって事だね?」

「バトルなんて、そんな物騒なもんじゃありません!横島さんと一緒に仕事や生活するのに相応しい女性を決めるだけですよ」

「この際、細かい事はどうでもいいよ。一緒に出場してやろーじゃないか」

「ホント?メドーサ」
意外と簡単に了承してくれた事に少し驚きつつ、彼女のことだから冗談だと言う可能性もあるため、再度確認をする。

「ああ、正直ここの事務仕事に嫌気がさしてた所だし、それに面白そうだからね」

「アリガトー♪メドーサ」
強力な助っ人を手に入れ、上機嫌になる小竜姫

「えらく機嫌が良いけど、もし優勝したら妙神山の管理人はどうするつもりなんだい?」

「・・・辞めます!」

「そんなに簡単なものじゃないだろう?人間の男と一緒に暮らすためなんて理由で辞めれるわけないし」

「たとえ神族から追放されたとしても、私は横島さんの側にいられるならそれでも構いません!」
メドーサを真っ直ぐに見据え、自分の決意を口にする小竜姫

「・・・いい決心だけど、ここ(神界)で言うセリフじゃあないね」

「あ!そうだった・・・」
ハッと気が付き周りを見渡す小竜姫

「幸い今この部屋一帯には私達以外は誰もいないけどね。さっきの部下も休憩を取らせてる所だしね」

「そうですか。よかったぁ」
メドーサの周りには誰もいないという言葉を聞き、ほっと胸を撫で下ろす小竜姫

「それにしてもそこまでの決心とは思わなかったよ。あんたが横島にそこまで惚れる理由は何だい?」

「理由・・・ですか?う〜ん、何て言うか、理由はよくわからないです。最初は横島さんのことは出来の悪い弟って感じで見てたんです。横島さんは私の予想を上回るスピードでどんどんと成長していって最終的には世界を救うほどにまでなっていていました。そしてそれほどまでに強くなった理由が好きな人を守るためっていう理由で・・・私もそんな横島さんに好きになってもらいたいなって、そう思ったんです」
小竜姫が顔をほんのり赤らめながらも堂々と答える。

「横島の強さと優しさに惚れたって事かな。まぁ、横島の優しさってのは私にはわからないけど、強さに惚れたっていう気持ちはわからないでもないかな」

「もへっ!?」
小竜姫が少し間の抜けた声をあげる。

「なんせこの私を二回も倒した男だからね。興味はあるよ」

「そ、そんな・・」
(メドーサは横島さんに絶対好意を持ってないと思ってたのに・・でも興味があるだけだし、ダイジョーブよね)

「それより勝負は一週間後なんだろ?それまで何をするんだ?」

「えっと、とりあえず妙神山に一緒に来てくれませんか?ライバル達の動きも見ておかないと」

「それじゃあ、行こうか」
メドーサは小竜姫の言葉をあっさりと承諾し、すぐに行動に移そうとする。

「えっ?上に報告しとかなくていいの?」

「いいんだよ。相変わらず堅い女だな。そんなんじゃ横島に嫌われるぞ」

「・・・!わかりました。それじゃあ、行きましょう」

「ちょっと待ちな、一応部下には書き置きをしておくよ」

サラサラサラ

「オーケー、行こうか」

二人が出ていった部屋の机の書き置きにはこう書いてあった。

『ファーストキスの相手に会ってくる。一週間ほど留守にするから上には適当に言っておいてね♪』


       【つづく】

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