ザ・グレート・展開予測ショー

先生って呼ぶ理由


投稿者名:TRY
投稿日時:(04/ 4/ 6)


そろそろでござる。

そろそろ先生が事務所に来てくれる時間でござる。

前はよく先生の家まで迎えに行っていたでござるが、
最近は先生が来てくれるまで待っている。
理由は他の皆には内緒でござるが。

先生が来るのを事務所の窓を開けて下の道路を見ながら待っていると
後ろから声をかけられた。

振り向くとタマモが美神殿が読んでいた洋服が載っている本から顔を上げて

「ふと気になったんだけど、あんたが横島の事を先生っていうのなんでだっけ?」

なんて聞いてきた。
タマモから先生の話を振ってくるのは珍しい。

「急になんでござるか?」

「いや、なんとなく」

「ふ〜ん、言った事あるような気もするでござるが……まぁ、いいでござる」

先生が来るまでのちょっとした暇つぶしにはなる。

「拙者は先生と出会った頃はわけあって霊波刀を使いこなしたかったのでござるよ。
 そして、些細な事(空腹のあまり襲い掛かった何て言えないでござる)から
先生の霊波 刀を見る機会がござってな。
その霊波刀の見事さに弟子入りを頼んだのでござるよ」

「ふーん、そうなの。でも、もう霊波刀『だけ』なら良い感じなんだから、弟子から卒業してもいいんじゃない?」

「妙に『だけ』を強調しなかったでござるか?」

自分の顔が引きつってるのが解る。

まぁ、確かに霊波刀だけならもういい。
実際に霊波刀の事で、ちゃんと教わったのは最初の頃だけでござる。

  ……でも

「それだけじゃないから………」


そう、それだけじゃない。
日常のちょっとした所で、美神殿達と除霊中で、仕事の終わったあとで、
先生は色んな事を少しずつ教えてくれる。


この前も大切な事を教えてもらった。


除霊中、前に出すぎた為に拙者は怪我をしたでござる。
屋根裏部屋のベッドの上でしょげていた拙者の所に先生は来てくれて、
頭を撫でてくれた。
先生の手は大きくて硬い手。
父上に似ているけど、撫でられてる時の感じが全然違った。

「…ん」

自分からあんな甘えた声が自然に出たのにはびっくりした。

しばらく、そんな状態が続いたでござる。
そのうち先生はゆっくりと優しい声で

「仕事が終わってからの皆の様子思い出してみろ、
 美神さんは心配から次にはこんな事にならない為に怒っただろ?
 おキヌちゃんは心配しながらヒーリングしてくれたろ?
 タマモは呆れたような態度をとったけど心配からの照れ隠しだと思う。
 そして、俺はお前を守れなかったのが悔しい。
 ……皆がお前を思ってる。
 シロ、お前ならこれからどうすればいいか解るよな?」

きっと先生は拙者にも皆に思われてるくらい、皆を思えと教えてくれたのだ。
違うかも知れない、でもこれは拙者が自分なりの答えを出さなくてはいけない事。
だから

「………はい、先生」

「ん、いい子だ」

くしゃくしゃっと荒っぽく髪を撫でて先生は下へ降りていった。




気が付くとタマモが凄い眼つきでこちらを睨んでいた。

「ちょっと、馬鹿犬聞いてるの?」

「犬じゃないでござる、狼でござる」

この態度から察するに、『何度か話し掛けられたのに気づかなかったのを無視された』とでも思ったのでござろうか?

「で、何が『それだけじゃないから』なのよ?」

タマモの不機嫌さに首をかしげていると不意に『不機嫌の理由』が解った気がした。
これが『女の勘』というやつでござろうか?

「さては、先生を拙者の仲に妬いてるでござるな?」

「なぁ!!!?」

タマモが目を見開きポカーンとした表情をする。

その時、開いていた窓から吹いてきた風。それには色んな匂いと一緒になって微かにしか感じられなかったけど間違うはずがない先生のも混ざっていた。

「わぉぉぉぉん、せんせぇぇぇ」

先生を感じた時、拙者はもう走り出していた。

後ろから叫び声が聞こえたけど無視でござる。

そうだ。

やっぱり、待ってるのは拙者らしくないでござる。

女の子らしく待つのはもう止めた。

明日からは拙者が先生を迎えに行こう。

毎日先生が何処にいても探しだしだして隣を歩こう。

先生に用事がある時は諦めるしかないけど

それ以外の時は一緒にいてもいいでござるかな?

我侭でも何でも一緒にいたいでござるよ……先生。

だから、これは宣戦布告でござる。



「先生、つ〜かまえた♪」













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どうもTRYです〜


シロSS書いてみました。
う〜ん、色々書きたいことがあるはずなのに力不足で上手くまとめきれてない感じが(汗

シロ好きの方に喜んでいただける作品か微妙な所ですねぇ(苦笑
喜んでいただけたら幸いです。

すぐにスキルUP出来ればいいのですが、自分なりにのんびり成長していくつもりなので長い目で見てやってください。
では、この辺で失礼いたします。


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