ザ・グレート・展開予測ショー

現世覚醒伝ONI(第7章後編)叫び


投稿者名:Pr.K
投稿日時:(04/ 4/ 5)



 「何で階段がこんなに離れて設置してあるんだこのビル!
 フツー上がったら次の階段があるという考えを無視して作ってある。
 コンクリの欠片が散乱してるのも相まって、うざってえこと限りない。
 「今何階よ?」
 「確か3階だ!」
 シロの臭いをタマモが嗅ぎながら進むという形で上がってきたが、
 「あーもー!スプレーやらタバコやらの臭いが邪魔!」
 だそうだ。でもこの方法なら確実にシロには合流できる。
 「!、近いわ・・・・・・こっちよ!!」
 どうやらゴールは近いらしい

 キーーン

 今の音は!
 「バカ犬の霊波刀の音かしら?」
 わかんねえ、でも
 「近いって事は確かみたいだな!」
 いざという時のために文珠の文字の「盾」と「凍」を「回」「復」に変える。
 実質残り2個か・・・「剣」は残すとして「縛」をどう使うかだな。


 「ヨコシマ、階段!」
 「あれか!」
 飛ぶように階段を登る。
 「間違いなくこの階にいるわ。違う霊気の臭いがする・・・あっちよ!」
 急がないと!


 廊下を全力で走る
 「そこ左!」
 突き当たりを左に曲がる

 そこには

 シロと雪之丞が、

 見たこともないやつの足元に

 倒れていた。

 雪之丞からは霊波をあまり感じない
 シロは左の頬が腫れ上がっている

 許さない、絶対に。

 怒りが体を支配する。
 霊力が増幅していく
 感覚が鋭敏になる
 悪路王と闘った時のような感覚が湧いてくる

 
 「何してやがる!!!」
 怒りに任せ跳び蹴りを放つ
 すんでのところでかわされる
 そいつは悠然と着地する
 楽しんでやがる!
 「だから、何してやがる!!!」
 

 「横島忠夫・・・文珠使い」
 だからどうした!

 「お前には聞きたいことがある。ご同行願う、どんな形でもな」
 そんなことは知らない
 「後にしろ、こいつら治すから」
 いやな予感がして変えておいた文珠をつかう
  「回」「復」
 シロと雪之丞のダメージが消えていく。命がヤバイとかじゃないようだ。
 ほっとした。

 「がら空きだ」
 オレの背中に蹴りが放たれる。
 だが、
 「誰がだ!」
 向こうを見ずに手で受け流す

 「残念だけど帰らせてもらうぜ、タマモ!」
 追いついてきたタマモに合図を送る
 「狐火!」
 アイツの横から狐火が襲い掛かる。
 だがそれをたやすく回避される。
 こいつの動き・・・鋭さならシロより上だ!

 小刀を逆手に構える
 「帰るのは後にしてもらおう」

 ほざいてろ!
 「美神さんが怒るからな、意地でも帰る!」
  負けじと「剣」を発動・・・できない?
 プスプス、シュ〜〜

 ・・・まじで?
 「期待はずれか、眠ってもらう!」
 やべっ
 「素手かよコンチキショウ!タマモ下がってろ!」
 左から来る小刀を腰を落としかわす。
 その体制のまま右拳をくりだす
 跳んでかわされその勢いで空中からの蹴りがくる。
 顔を動かしてかわす。
 ピッ
 頬の皮1枚もってかれた
 その足をつかみ投げ飛ばす。
 「てりゃ!」
 アイツは壁に向かう。
 「チッ」
 激突するその瞬間空中で身を持ち直し壁を蹴りこっちへ向かってくる!
 そのスピードのまま膝蹴りの体制に入る
 よけらんねえ!そう思った瞬間腕を交差させガードする。
 両手に衝撃が走り体が弓状になる。
 「ころんでもただじゃ起きねえ!」
 その威力を利用、一気に回転してサマーソルトキックを打つ!
 「ゲフッ!」
 決まった!
 オレも受身が取れず大の字に叩きつけられる。顔が痛い。
 「ヨコシマ上!」
 タマモの悲鳴に反応して横に転がる。
 顔の横に小刀が突き刺さる。
 「アブねえ!」
 飛び起きて距離をとる。
 さらに小刀での追撃がオレを襲う!
 右からのを引いてかわし、左からのを背中に回りこむように移動してかわす。
 そして左拳の一撃を放とうとする
 「遅い」
 !、切り返しが速い!!
 駄目だ、射程に近寄れない!
 使える文珠は「縛」だけ。何か、何かないか!
 ん?待てよ「縛」って・・・一撃ならいけるか?
 上からの攻撃を瞬時に腰を落とし懐に入り込んでかわす。今だ!
  「縛」
 ヒュン
 下から上へ、文珠から不可視の霊波糸が放たれる。
 バックステップでかわされる。
 糸は天井に付いた。
 下からの斬撃が迫る。
 それを大きく斜め上に跳んでかわす。文珠は握ったままだ
 オレを逃さないよう追撃してくる!
 
 オレは空中で一瞬動きを止める

 そのまま文珠から出された糸を利用しターザンのように敵に突進する
 「!?」
 アイツもそれに気づく、だが遅い。
 一瞬でトップスピードまで上げたのが災いしたな!

 「うおお!!」
 アイツの突進の勢いとオレの突進の勢いを利用し、
 オレは改心の蹴りを決めた。

 ガーーン!!
 アイツの体が壁にめり込む。
 「やった・・・」
 こっちもこれ以上やれといわれたら武器なしじゃつらい
 両腕もまだ痺れを感じる。
 霊力も、使ってないはずなのにヤバイ。
 「横島!大丈夫か?」
 「雪之丞!」
 「それにしても・・・会わないうちにずいぶん差をつけられたな。」
 「ま、色々あってな・・・・・」
 ホント、臨死体験したり変身したり大変だった。
 「そうか・・・横島!」
 「な、なんだよ?」
 えらくマジな目でこっちを見てくる。
 「何があったか知らないし聞かないが、今度は絶対に一人で抱え込むなよ!!!分かったな!!」
 「雪之丞・・・」
 こんなコイツの気遣いが、
 とても頼もしい。
 「ちょっとそこの馬鹿2人、アレが起きない内に逃げるわよ」
 確かに、死んだわけじゃないみたいだ。
 「冗談じゃねえ!!あれだけやられといて逃げられるか!!!」
 「やられたのはあんたとシロだけでしょう!!」
 「なんだと!!」

 「まだやられたりないか」
 なに!?
 壁から抜けた!?いつの間に!
 「まだ動けるのか・・・」
 「いや、そろそろ限界だ」
 「ならオレが引導を渡してやるよ!!」
 おいおい・・・
 「落ち着けよ・・・」
 「うるせえ!!こいつはオレの魔装術で「くくくくく」なに笑ってやがる!!!」
 様子が変だ。

 腰から丸薬を取り出す。
 「魔装術をまだ使えるとでも?」
 「どういうことだ!!」

 それを手でもてあそぶ
 「なら使ってみろ、見ててやる」
 「なめんな!!・・・・これは!?」

 丸薬を飲み込む。
 「貴様は私が何をしたか気づいていないか?言ったではないか。『我彩蔵の名の下にこの結びを断ち切らん』とな」
 「結びを切る?・・・まさか!!」

 「そう言葉通りだ、。魔物と契約しその力をコントロール、そして霊体の鎧を作り出す魔装術」

 「その契約を断ち切ったのだ」

 「これでお前の魔装術は封じた」

 「う、嘘だ」
 「嘘ではない」
 「オレの、オレの魔装術がぁぁぁぁァーーーーー!!!!」
 ひざを突き倒れこむ。
 魔装術を封じたなんて・・・・
 「何モンだお前は!!」
 「それを知ってもらうために来たのだが・・・こんなことになった上無関係な輩が関わりすぎた」
 こんなことだと・・・・無関係だと・・・・
 ふざけやがって!
 「ゆえに始末する」
 な!?
 シュンッ!
 消えた!?

 ドンッ!
 雪之丞が吹っ飛ばされた!
 「雪之丞ーーー!!?」
 まさか、
 「さっきの丸薬?」
 「御名答」
 「なめないでよ!」
 タマモが狐火を放つ。
 が、既にそこにはいない!

 「次は貴様だ」
 背後!?
 延髄に踵が落とされる。
 「グハッ」
 血が咽から出てくる、中身がやられたか・・・
 ドサッ
 前のめりに倒れる。
 「お前はじっとしていろ」

 「手始めにこの妖怪を殺す」
 タマモか!?

 「だいたい貴様はONIなんだろう」

 「なんで人狼はともかくこんな汚れた妖怪とともに有るのだ」
 汚れた妖怪だと・・・
 「い、いや・・・」

 「安心しろ、心の臓を貫く」
 
 「騒がれるとうるさいからな」
  
 ブチッ

 
 もうまともに動けない。

 でも、

 タマモに触れたら

 コロシツクス。

 半身を起こす。

 リーチが少し足りない。

 ならば、

 使うまでだ。

 「来い、聖魔刀鬼丸」

 白に金の細工の小太刀が左手に出現した。


******************************


 さあ、あとはこの小娘を殺すだけか。

 
 「手始めにこの妖怪を殺す」
 どうやら驚いているようだ。

 ナゼだ、ナゼ貴様は・・・
 「だいたい貴様はONIなんだろう」

 ONIのくせに・・・
 「なんで人狼はともかくこんな汚れた妖怪とともに有るのだ」
 
 気に食わない!
 「い、いや・・・」

 怖がらせたか。
 「安心しろ、心の臓を貫く」
 
 「騒がれるとうるさいからな」

 ゾクッ

 この殺気は!?

 「いつの間に・・・」
 左手で鞘をもち、右手で柄を握る。

 飛距離は限界のはずなのに
 「なんだこの威圧感は!」

 「しかもあれは」
 天下五剣・聖魔刀鬼丸

 間違いない、オレがこの妖怪に手を出した瞬間、

 オレは死ぬ。

 ここは気に食わないが、
 「任務を優先するか」
 本人に直接来てもらおう。

 「おい、命拾いしたな妖怪」

 ビクビク震えている。
 気に食わない。妖怪が何で・・・

 まあ、
 「任務完了、全員撤退だな」
 ジーメンの資料はもらっていくが



***********************************


 気がついたら周りには横島はいなかった。
 どこに!どこに行った!

 近くではシロとか言うやつは気絶したままで

 タマモとか言うのは泣きながら震えていた。
 「おい!横島はどうした!!」

 涙声の答えが返ってくる
 「ヨコシマ、連れてかれちゃった・・・」
 それは悪魔の一言だった。

 くそっくそっくそ
 「コンチクショーーーー!!!!!」

 「オレは、オレはダチ1人助けられないほど無力だってのか!!!」

 「くそったれーーーーーー!!!!!!」
 ガラスのない窓から射す光が

 嫌に眩しかった。


後書き

でかくしすぎた・・・・

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