ザ・グレート・展開予測ショー

酒宴の後に 前編


投稿者名:TRY
投稿日時:(04/ 4/ 1)


扉を開けると其処は屍の山だった。



今日は進級祝いのパーティがあるはずだったのだが、何故こんな惨状が広がっているのだろう、
と横島は口元をひきつらせながら見ていた。

今日、横島は美智恵が進級祝いをしてくれると言ったので事務所に顔を出しに来た。
最近バイトで疲れていたのか転寝をしてしまい、指定された時間より二時間遅れてしまったので
ダッシュで来て勢いよく扉を開けるとそこには

酔いつぶれた4人の姿と一人ソファーに座り、グラスに入ったお酒をまわしている美智恵の姿があった。

「あら、遅かったじゃない。先に始めちゃったわよ」

呆然としていた横島はその声に意識が呼び戻された。

「隊長……これはいったい?」

たら〜りと汗を流しながら横島は美智恵に問い掛けた。

「ふふ、少し人生相談のようなものをしてあげただけよ」

艶のある声で美智恵はかえす。その美智恵の前と足元に空き瓶が多数ならんでる。
そりゃ、もう、人生相談中に急性アルコール中毒で人生終わらせる気なのではっていうくらい、
お酒の空き瓶がならんでる。

「…そうですか」

深い脱力感に見舞われながら横島は美智恵のテーブルを挟んで向かいにあるソファーに腰を下ろす。
テーブルを見ると、テーブルにはまだ美味しそうな料理が残っていた(シロは早いうちに潰れたのであろう)。
現状にビビリはしたもののお腹がすいてたので、テーブルの上にあったおキヌちゃんが作ったであろう料理をつまむ。
ちなみにテーブルの上にある物の比率は7(酒類):3(つまみ等)。
横島は、自分のお祝いでもあるのに料理を作ってくれたおキヌちゃんに感謝しながら空腹をみたしていった。

「あぁ、そうそう。横島君」

横島のお腹が満たされた頃合をみはからってか美智恵が話し掛けてきた。

「なんっすか? 隊長」
「はい、これ。進級祝いよ。少ないけど貰って」

そう言うと美知恵は横島に封筒を渡す。

「令子とひのめ、娘二人がお世話になってるから。感謝の気持ち」
「っな。こんなに貰えませんよ」

封筒には横島の一ヵ月分よりも少し多い金額のお札が入っていた。

「いいのよ。どうせあの子、そんなに給料払ってないんでしょ? 生活苦しいんじゃない?」
「う、確かに楽とは言えない。最近、少し時給上がったけど(涙)」
「はぁぁ、ごめんなさいね。Gメンの仕事手伝ってくれたら少しだけどバイト料だすわ、苦しくなったら相談して頂戴」
「すみません、ありがたくもらっておきます」

素直じゃない娘の想い人(本人は認めていないけど)が薄給料で生活苦。しかも雇い主は娘自信。
頭が痛くなった美知恵はこめかみを押さえながら苦笑した。

「さて、横島君はどうする? 時間あるなら少し飲まない?」
「え、えっと」
「大丈夫よ、無茶な飲み方させる気はないから」

顔をひきつらせながら周りを見る横島に美知恵は微笑みながら言うが説得力がない。
というより未成年を酒に誘ってる時点であれなのだが。(笑)
しかし、横島は進級祝いを貰った手前断りづらく了解した。
そうして横島と美知恵はグラスで乾杯すると飲み始める。

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