ザ・グレート・展開予測ショー

現世覚醒伝ONI(第5章)タマモ


投稿者名:Pr.K
投稿日時:(04/ 3/29)


 輝く拳の一撃を受け鬼の巨体が崩壊していく。・・目の前で起こっていることが信じられない

 横島がいきなり死んだと思ったら生きてて、
 そんでもって変身して・・・いつの時代のヒーロー物よ。

 でもこれは現実で、とりあえず生き残れたというのは確かだ。
 何があったか聞かないといけないのに、言葉にならない。

 やっと出た言葉は、
 「横島・・・あんた何モンよ?どうやって帰ってきたの?それにあの姿は」
 私はバカだ。こんなの、拒絶してるみたいじゃない。
 
 でもコイツは、
 「おれは・・・美神さんの丁稚っすよ」
 このバカ、・・・そんなこと言われたら何も聞けないじゃない。


 ・・・あれ、何か忘れてるような。

 「ぅ、ぅぅ」
 側からうめき声が聞こえてくる。横島もきょとんとしている。
 ふと横を見ると・・・

 「せんせぇ・・・」

 ・・・ヤバイ、みんなのこと忘れてた!
 「よ、横島早く文殊出して!」
 「り、了解っす!」
 出された文殊をすばやく奪い念を込める。
 「治」「療」
 フワァ
 シロとタマモとおキヌちゃんの傷が治っていく。
 でもこの文字じゃ確か・・・
 「ねえ、「治」「療」って体力も回復したっけ?」
 「いやあんまり、治るだし傷が消えるだけで・・・やばくありません?」
 「「・・・・・・・・・・」」
 状況がそれほど変わってないっ!
 「は、早く次は回復で!!」
 「霊力もうヤバイんすよ!」
 「今回ばかりはぶっ倒れたら運んであげるからとっとと出しなさい!!!
 「え・・・・」
 固まっている。どうした?
 「あ、あの美神さんが優しい言葉を・・・・」
 とりあえず
 気絶しないていどにハったおしておいた。
 
 ドカッボキベキバシグキャゴリ!  注)地味に残酷な描写のためカット

 「お、俺が死にそうなんスけど・・・」
 「作れたじゃない」
 下の物体は無視して、
 「回」「復」
 血の気が戻っていく、もう大丈夫だ。


****************************



 目覚めた時、アイツの顔が目に入った
 「よ、目ぇ覚めたか?」
 「ヨコシマ・・・なんで生きてるのよ」
 信じられない、確かにコイツの回復力は妖怪並みだが、あんなとこに落ちて無事だなんて。
 本当に人間か?もし実は妖怪だったら・・・
 「タマモ?」
 いけない、私は何を考えているの?妖怪だったら・・・その先を今なんと考えた?
 一緒にいられる?嘘だ、そんなこと、この九尾白面が・・・こんな助平な人間に!
 ・・・でもなんで、なんであの時、こいつが死んだと思った時、
 
 なんで私は怒っていたの・・・・・・
 
 わからない、本当に、

 ジブンガワカラナイ


 「タマモ?」
 「キャッ!?」
 あ、あいつの顔が目の前に・・・
 体中が熱くなる。何でだ、顔が火照る。
 「疲れてんなら寝とけよ、まだみんな起きたわけじゃないし」
 よく見ると疲れたのか美神も寝てる。こんな時に限って・・・
 でも、この状況がとてもうれしい。
 
 だめだ、否定しきれな「せんせーーー!!!」
 「ぐはぁっ!」
 私の思考は、1匹のバカ犬によって中断させられた。


*************************************


 「タマモ?」
 「キャッ!?」
 やっぱり疲れてんのかな。タマモのヤツぼけっとしてふらふらしてるみたいだ
 美神さんも寝ちまったし、セクハラする気力もねーし、しゃーねえか。
 「疲れてんなら寝とけよ、まだみんな起きたわけじゃないし」
 オレも寝てーけどな、転身が解けてから体がダル「せんせーーー!!!」
 何!
 「ぐはぁっ!」
 わ、脇っ腹に・・・
 「せんせえ!無事だったんでござるな!!拙者は、拙者はぁ!」
 か、顔が近いってゆーか、
 「シロ、いつの間に起きたんだ?あとのしかかるな!」
 「今しがたでござる♪」
 後ろの方無視りやがった。
 「クゥゥーーン♪」
 ま、嬉しそうだしいっか。



 「で、いつまでそうしてるんです?」

 「わっ!」「キャンッ!?」
 お、おキヌちゃん。
 「おきたの?」
 「いけません?
 悪くはない、けど、
 「なんかプレッシャーだしてない?」
 「きのせいでしょ♪」
 こわいんですけど
 「と、ところで美神どのは?」
 「あそこで寝てますよ、疲れきってたみたいですね」
 確かに、完全に爆睡してるなありゃ。」
 「・・・ヨコシマも寝たら?」
 へ?
 「疲れてるんでしょ、隈できてるわよ」
 そうだな。
 「じゃあお言葉に甘えて「じゃー拙者が‘ひざまくら’するでござるよ♪」は?」
 「ほら先生♪」
 ほら先生♪じゃなくて・・・・
 なんとなく飛びかかりたくなるが、周囲の目もあるので、
 「い、いやテキトーな壁によりかかって寝るよ」
 「え〜〜」
 「バカ犬」(ポツリ)
 「何でござると!」
 「やるっての?」
 「ふ、二人とも!」

 ・・・今のうちに寝るか。


******************************


 ここは?

 「来たか」

 おまえか!

 「ようやくここに到達したな」

 教えろ、ONIって何だ?オレは何者だ!

 「いずれ分かるさ、嫌でもな」

 お前もONIなのか?

 「さて、な。」

 ・・・

 「これより始まるは新たなる伝説。見える、見えるぞ。お前の周りに輝く宿星が」

 何を言ってる?

 「忘れるな、自らが為すべきサダメを!」

 さだめ?待て!お前はいったい・・・


 急速に、現実がオレを呼んだ。


***************************


 「いてっ!」
 何だ?頭がじんじんする
 「ほら、起きたじゃない」
 「美神さん、その神通鞭はなんです?」
 「起きないアンタが悪い」
 てゆーか今何時だろう。こんなとこにいると時間の感覚が狂ってくる。
 「結局あの穴なんだったんです?」
 「わかんないわ」
 おいおい。
 「いいんすかそれで?」
 「別に、小竜姫からの依頼は霊力の調査、もしくは正常化でしょ?ならもう依頼達成よ」
 そーいや何か気持ち悪くなくなってんな。
 
 「じゃあみんな、帰るわよ!」
 「「「はーーい」」」


 「ところで先生」
 「どうしたシロ?」
 「拙者が気絶してる間に何があったんでござるか?」
 「私も気になるわ、何があったの?」
 「そうですね、何があったんです横島さん?」
 質問責めかい・・・

 「ま、帰ったら話すよ。オレも全部はわかんないし」




 後日談

 帰ってきた次の日、
 訪ねて来た小竜姫さまが美神さんに追加料金を要求され卒倒しそうになったのは、言うまでも無い。
 あとおれの方をチラチラ見てた気がするのはなんでだろう?




         <第1部覚醒編、了>



後書き

次回は追加補足です・・・恥さらしとも言う

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