ザ・グレート・展開予測ショー

未来掲示・別編(ラプラスの語り33)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(04/ 3/27)

そこは一筋の陽光も蛍光灯もついてない薄ぐらい場所である。ある特殊な牢屋だ。
貴方はどうしてもこの鬱屈として建物の奥にいかねばならなかった。
=その、打ち解けられてもねぇ、どうしょうもないこった=
悪魔ラプラス、確実に未来を映し出す能力を持つ。

待ちなって、未来ってのは無限の可能性が有る。その数と同等の俺がいる訳なんだがな。
それでも聞きたいなら俺の知っている歴史を語ろうじゃないか。そう忠告を一つ。
自分の姿覚えとくこった。

さて、本人は忘れていても嘗て関わった奴が忘れないってのはよくあるこった。
「挑戦状・横島忠夫殿」
と、きたもんだ。
なんでも弓矢を事務所に打ち込んだ奴がいたって訳だ。
「で、最後に「九」の文字なのよ。あんた恨みでも買った?」
「う〜ん。思いあたらないっすね」
とはいえ、無視も出来ないてんで、その挑戦状に書かれた場所に向かったらね。
「良く来てくれたわね、横島さん」
おや、蟹モドキの鎧美女、もとい九ノ市氷牙ちゃんじゃないか。
「・・・誰だっけ?」
忘れるな横島。

「よもや、試験時の恨み忘れたとは言わさないわよ、あなたギブアップ寸前だったじゃないの!」
某番組の敵役よろしく崖から飛び降りてから不意をついた攻撃だ。
「んな事言ってもアンタが忍法で喋れなくしたからじゃねーかよぉ」
逃げ腰で応戦するのが精一杯の横島だ。
この横島はな。確かに神魔に匹敵する能力「文殊」とやらがあるがね。
タイマン勝負は全然出来上がってねぇんだ。
それでも攻撃を避けるのはなれた物、日ごろの訓練・・じゃないな、日常から得た能力ってトコだな。
「横島っ。さっきから逃げてばかりで、どうする気なのだ」
「どうもこうもねぇよぉ」
実際の所反撃出来る隙がねぇんだな。少なくともこの九ノ市実力はあるのよ。
六道のお嬢様方よか一枚上なのさ。
さて、実況に戻ろうか、
上から来た刃を避けるため半身をずらした先に。
「・・・アッ」
ちょうど九ノ市の乳房があってな。それも鷲掴み状態だ。
「す、すまんワザとじゃないんじゃーぎゃぅ」
「こ、この煩悩大魔王!」
脳天直撃、怒りの拳骨がクリーンヒットしてね。
「・・・・キュウ」
我等が横島、おねんねの時間到来って寸法さ。

「ふ、勝った勝ったわ!これが私の実力なのよ!」
高らかに笑う九ノ市氷牙ちゃんだが、
「この男はぁ〜〜」
当初はそのままほっぽらかしにしようと背中を向けたが怒りがこみ上げてきたのかね、
ちょいとにんまり笑って。
「セクハラのお返しに強制ストリーキングでもやってもらおうかしら」
なぞと言って先ずは横島の洋服を破っていざ下半身へ、と思った所だ。
「・・ぬぅ、面白い、面白いのがいるな」
霊能者であればこそ聞こえる声がかかってな。
「何奴!」
振り返れば武者の霊さ、かつてここで朽ち果てた亡霊がよみがえっちまってね。
「我は強者との戦いを求む、いざ尋常に!」
立ち会えってことだな。
まぁ逃げられ無い事もないだろうが、妙に興奮した九ノ市ちゃんだったからね、
だが、これが間違いの元って訳だ。

「うそでしょ・・」
三分後の九ノ市ちゃんの青い顔が全てを物語っているのさ。
こやつ幽霊の癖にべらぼうに強くてな。全身傷だらけ、鎧は綻びて、霊剣ヒトキリマルはボロボロ。
「なんと、見せ掛けなのか、面白くも無い」
余裕綽綽といった武者の霊だ。しかし男ってのは死んでも治らないのかね。
「命まではとらぬが、せめて目の保養でもさせてもらうか・・ぐふふ」
下卑た事をいいながらシャツを一枚。
「いやっ!」
体を腕で隠したその時だ。
霊能力を凝縮した何かが飛んできた。
「文殊、滅」
目を覚ました横島が投げた一投さ。

「・・・嘘」
呆然とする九ノ市ちゃんに近づいた横島。
「・・・嘘ってね。アレが俺の能力だぜ、・・序に」
傷の完治のお手の物だな。文殊なら。
「横島、あんた強いじゃないの。なのに何で」
ワザと負けたのかと聞いてると察知したのかね。
「ふっ、女に刃を向けるのは俺の主義じゃなくてね」
ニヒルに決めてとっとと帰ろうかと背を向けたらね。
「待って」
そこは忍者すばやい動きで横島の前にはだかってね。
「うわっ、抱きつくなよしかも・・」
半裸状態で有るのにも関わらずな。
「あたし、アンタに惚れた」
耳元でささやいてね。
「惚れ、惚れたってさっきなんかしようとしてたのに・・あっ」
「忍法あんたも私に惚れる」
ホントにあんのかそんなの、俺にはキスにしか見えん!

多分様子を見に来た美神令子にもそう見えただろうね。
ま、このラプラスが言うまでもなかろう、美神令子のジェラシーオーラと
次の行動が。
お互い半裸の抱擁、流石に許せなくなったのか、そのまま打ち捨てる形になってね。
「こ、怖かった・・。生きてる横島さん」
この程度で死ぬタマじゃないよな。
本当に忍法が効いたかは知らぬが、結局違う鞘に入った横島だったのさ。
数年後には立派な忍者になったって寸法さ。

=くくくく。忠告したはずだぞ、自分の姿覚えておけと=
貴方は妙な感覚を覚えた。体が崩れていくとしか表現出来ない。
事実足元がどろりとなっていく。
まるで溶け出しているようだ。この牢獄にいる何者かの悪戯か。
どうすればと、助けを求める貴方にラプラスが一言。
=その内、溶けられてもねぇ。どうしょうもないこった=

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