ザ・グレート・展開予測ショー

横島君の受(女)難    酔っ払い編


投稿者名:ほんだら参世
投稿日時:(04/ 3/26)




それが起こるまで、その日は平穏な一日として終わるはずだった。

それは、1本の電話から始まった。

『横島君、シロとタマモに大変な事が起こったの! すぐに来て!!』

その電話を受けて、事務所に駆けつける横島。

到着すると、この場は頼むと言われ、美神とそれに連れられていくおキヌちゃんを見送ることになる。

それを見て眉をひそめるが、気にしている場合ではないとドアを開け、二人の部屋に入った横島の見たものは。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・










「・・・・・・・・・注げ。」

イ〜具合に目が据わったシロと無言で飲みつづけるタマモだった(笑)





横島君の受(女)難   

酔っ払い編





「なあ、人口幽霊一号。」

『なんですか、横島さん。』

「なんでこうなったんだ?」

目の前の酔っ払い二匹を見て、横島はそう尋ねた。

『・・・・美神さんが飲んでいたお酒に、シロさんが興味を持ったのが始まりでした。』

聞けば、シロはかなりいける口だったらしく、そのまま美神さんの晩酌に付き合っていた所にタマモが来て、

「初めて飲むのにそんなに調子に乗ってると、あとでひどいことになるわよ、ばかいぬ。」

「犬じゃないでござる! ・・・ふんっ、飲めない奴になに言われても気にしないでござるよ。 ・・ああ、自分は飲めないのに拙者が飲めるというのが悔しいんでござるな。 それは、悪かったでござるな〜。
飲めない奴の前で楽しんでしまって、拙者が悪かったでござるよ〜。(にやり)」

「ぴくっ   ・・・飲めないわけじゃないわよ、飲まないだけ。 あとで響くのがわかってんのに飲むのはバカのすることよ。」

「あ〜あ〜、そうでござるか。 それはすごいでござるな〜。 拍手でも送ってやるでござるよ〜。 ほれ、 ぱちぱちぱち〜〜。」

「ぴくっぴくっぴくっ  ほー、けんかを売ってんのね。 いいわ、金毛白面九尾の妖狐の実力を見せてあげるわ!」

・・・・・そして、現在に至るという。

「ああああああ、ったく。 わかってるなら挑発に乗るなよな、タマモのヤツ。 美神さんも、こうなる前に止めろよな、ホントに。」

呆れているのか、諦めているのか、よくわからない顔を横島はしていた。
その肩をいきなり後ろから捕まれた。
振り向いてみると、そこには、

「・・・・・・・・・・・・注げ。」

据わった目でコップを突き出すシロが居た。

「・・・シロ、そろそろいい加減にやめい。 明日、絶対につらく「注げ。」・・だから、もうきょ「注げ。」・・いや、だか「注げ。」・・もう「注げ。」・・な「注げ。」・・い「注げ。」・・お「注げ。」・・「注げ!!」ハイ、ワカリマシタ。」

そうやって、横島はシロのコップに酒を注いだ。
彼を責めないでやって欲しい、だって目が本気で怖かったのだから。

「うう〜、だれか助けて。」

そうしていると、今度は服の裾をくいくいっと控えめに引っ張られた。

「(今度はタマモか。 せめてこいつだけでも止めねえとな。 よし。)  タマモ・・・んがあ。」

振り向いた瞬間に、彼は硬直した。
なぜならそこには、・・・・・

ちょこんと両手でコップを持って、小さくなって上目使いをしながらこっちの機嫌をうかがうかの様にして、しかも少し目が潤んでいるタマモがいた。
しかも、微妙にコップで口元を隠すという高等テクニックまで使っていた。

「・・・・注いで、横島。」

「いい、いいいいいいや、タマモ。 後で響くからさ、もうやめた方がいいって。 な、明日も仕事がある「注いでくれないの。(うるうる)」・・・・・・・・・・全力を持って、注がせていただきます。」




まあ、そんなこんなでその後も酒盛りは続き、一時間後。

「・・・タマモ、なにかつまみが欲しいと思わんか。」

「・・・つまみ?」

そのシロの言葉に、タマモはくいっと首を傾げた。
横島のほうは、その瞬間に来たシロからの意味ありげな視線に、いやな予感がバリバリ伝説だった。

「おお、そうでござるよ。 で、ほしいと思わんか?」

「・・・どこにあるの?」

つまみが何なのかはわかっていない様だが、タマモもつまみが欲しいと思ったらしい。

「くっくっくっ、あるではござらんか、そこに。 ・・・・・・・・・・・“横島先生”という最高のつまみが「酒は飲んでも飲まれんな〜〜〜〜〜!!!!」へぶっ!」

その言葉が終わるやいなやという瞬間に、横島は霊波刀で思いっきりシロの頭をぶん殴っていた。

「はーはーはー。 さ、最初からこうしときゃよかったかもな。 こいつには、もう二度と飲ませんようにせんとな。」

そこで安堵していた横島だったが、彼は忘れていた。
今、シロ以上に厄介な酔い方をしている、一匹の妖狐のことを。
彼は気付いていなかった。
その妖狐が、彼の後ろに回っていることを。

「さて、それじゃあ   パクッ   アヒッ!! ・・・・ナ、ナニヲシテイラッシャルンデスカ、タマモサン。」

タマモは、横島の背中に抱きついて、首筋に甘噛みをしていた。
横島の質問を聞くと、口を離してこう言った。

「・・・横島、つまみだから。」

「お酒は二十歳になってから〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」

タマモをそうやって振りほどいた後に、横島はシロと同じくタマモも同じ方法で気絶させようとしたが、それはできなかった。
なぜなら・・・・

(で、できん。 こんな目をしとるやつをぶん殴るなんぞ、俺にはできん。)

そう、彼の目の前でタマモは、

(たたくの、たたくの? ホントに叩くの?)

と、涙を湛えた目で訴えながら、ぷるぷると小動物のごとく震えながら小さくなっていたのだ。

「・・・・・だ、大丈夫だぞ、タマモ。 俺はお前を叩いたりしないからな。」

出していた霊波刀を消して、振り上げていた手を下ろしてそう言うと、タマモはパアッと顔を輝かせて、横島の方に擦り寄ってきた。

「く〜〜〜ん、横島〜〜〜〜。  すりすり   」

「ぐはあ! (俺はロリコンじゃない。 ロリコンじゃない。 ロリコンじゃないんや〜。) た、タマモ。 俺はシロを部屋に連れて行ってから帰るから、お前ももう寝ろ。」

なんとかタマモの肩を掴んで話した後にそう言うと、今度は、

(行っちゃうの?)

と言わんばかりに、顔をくしゃっとして、また目に涙をため始めた。
それを見た横島は、

(・・・・・・・・神よ。 俺になんか恨みでもあんのか、ちきしょーー!)

などと、人生の不条理について真剣に悩み狂っていた。



*  *  *  *  *  *  *



次の日、帰ってきた美神とおキヌちゃんが見たのは、目を回していたシロと、幸せそうな顔でソファーで眠っているタマモ、そして、

[人生について考え直す修行に出てきます。 捜さないで下さい、お願いします。    横島 忠夫]

と、書かれた手紙だった。
そして、人口幽霊一号に事の顛末を聞いた後に居たのは、

・・・・・・背中に黒いオーラを纏った二人の修羅だった。




人生について考えさせられて旅に出た横島。
だが、彼の行き先に待っているのは、今回のことに負けず劣らずの受(女)難の日々である。
負けるな横島、がんばれ横島。
いつかはきっといい事あるさ、・・・・・・・・・・・多分だけど。









まいど、ほんだら参世です。
とりあえず、酔っ払いネタで、と考えて思いついたものです。
「こんな日常」の一本にするには長いと思って、改良して一本の短編にしました。
酔っ払ったからってシロとタマモがこうなるのかよ、という突っ込みは勘弁してください。
勢いのままに書き上げたネタですんで。
タマモと横島は何やったんだ〜と吼えた方、それはご想像にお任せしましょう。

前回のあれは、なぜか黒キヌが人気でしたね。
あれって、ちょっと短いかな、と思っておまけで考えたネタだったのに(笑)
いんた〜みっしょんもなんか良かったと言ってくれる人がいるようだし、次の「こんな日常」もこの二つのネタを入れようかな。
でも、こんなネタを、と最初から考えるとなかなか出てくれないんだよな〜、ネタって奴は。
期待しないで待ってやってください。

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