首謀者が消えた後で(その5)上
投稿者名:ウェスペル
投稿日時:(04/ 3/25)
カタッ・・・・カタ・・カタ
薄暗い部屋で二十代半ばと思われる男が一人パソコンにむかっている。
「失礼します、所長。」 そこに別の男が入ってくる。
「・・檜山か。用なら手短に話してくれ。」 振り返りもせず所長と呼ばれた男は言う。
「デミアンとベルゼブルが殺られました。」
檜山と呼ばれた男が事務的に―――だが何処か軽いとすら言える口調で答える。
「それで?」 男も明らかにどうでもいいと言わんばかりに返す。
「一応相手方に関する資料を持ってきましたのでここに置いておきます。
では、私は例の実験がありますので・・・」
それだけ言ってパソコンの脇に資料を置くと檜山は部屋を後にした。
「大体誰が来たのか予想はつくな・・・」
檜山が出ていってしばらくしてから男は資料に手を伸ばす。
「美神美智恵・・・自分の弟子が捕まっているんだから当然か・・
美神令子・・・おおかた母親に依頼されたんだろうな・・」
資料に目を通しながらそれぞれに対し思ったことを口に出す。
その口調からは何処か諦めたようなものが色濃く感じられる。
「・・・先の事故のせいで準備不足なのに・・
この人たちと戦うのはいくらなんでもリスクが大きすぎ・・」
その資料をめくる手がある一点を見てとまる。
そこに書いてあったのは
横島忠夫について
「・・・やはり来たか横島忠夫。」
男の言葉に明らかに先ほどよりも感情がこもる。
「姉さんのためにもこいつだけは生きて帰せない・・・!!」
その固く握り締めらた拳は小刻みに震えていた。
『・・では、他は我々が好きにしても構いませんね?』
突然、彼しかいなかったはずの部屋に別の低い声が響く。
「・・ええ、別に構いません。 あなた方にも協力してもらいましたし。」
その声にさして驚きもせず男は答えた。
一同が森を進み始めてから数十分後
「それにしても、どこにも悪霊がいないって言うのはどういうこと?」
あたりの気配を探りながら令子が言う。
「オレが下調べに来たときは腐るほどいたんだがな・・・
おおかた死霊使い相手じゃ・
今までの
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