ザ・グレート・展開予測ショー

オ・ン・ナ・ノ・シュ・ラ・バ♪その5〜修羅場の拡大〜


投稿者名:ノリ
投稿日時:(04/ 3/24)


今日は、仕事がお休みで横島は、学校に行くことになっている。
とは言っても、あんなことがあった次の日……
あの事務所のメンバーが黙って行かせてくれるはずもなかった。
故に、横島が登校する前に一波乱があったのはいはなくともわかるだろう。

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登校途中

「あっ、横島さん!おはようございます。」
「あ? ピートか……おはよ。」

ピートは、横島の元気のなさに驚きつつ他の異変にも気がついた。

「あの、なんか荷物多くないですか?」
「……少し、変わったことがあってな。」

今日の学校の授業内容は、殆んどが副教科の為持ってくるものは殆んど無いのだが。
横島の持っている通学かばんは、全教科の教科書が入っているのでは?というほど膨れ上がっていたのだ。

「そう……ですか。」
「ああ……」

そのあと、タイガーもやってきたのだが……
ピートと同じく驚くばかりであった。

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そして、いつもは大騒ぎのはずの昼食時には……
相変わらず元気がないというべきか……
心ここにあらずの状態がまだ続いていた。

「はぁ……」
「溜息なんかついて……横島さんらしくないですよ?」
「そうそう、横島クンらしくないわ。」

ピートと愛子の励ましに多少ぎこちない笑顔で会釈するが……
弁当を出すべくかばんに手を掛けた所でまた溜息を一つついた。

「横島さん。本当にどうしたんですか?」
「いや、じつは今朝方……」

横島は、淡々と語りだした。
そう、横島は今朝……

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回想

ドンドンドン!
ドアが荒々しく叩かれ、横島は目を覚ました。

「……たく、誰だ?こんな朝早く……」

横島は、凄く不機嫌な顔つきでドアに近付いていった。
下らない用件だったら一発顔面を殴ってやろうという気迫と共に……
しかし、そんな気勢も訪問客を見て尻すぼみになった。

「誰だ!こんな朝……早く……」

目の前にいたのは……
横島がもっとも恐れている人物……
そう、美神がそこにいたのだ。

「あら、ご挨拶ね? 横島君?」
「え……あ、その。」

横島が何とか弁明しようと口をぱくつかせるが何も声となってでてこなかった。
美神は、不適な笑みを浮かべて後ろに隠していた手を動かす。
横島は、条件反射で手で顔をカバーし身をかがめる。
しかし、やってきたのは言葉だった。

「何やってるのよ。」
「へ?」

横島は、顔をカバーしていた手を外して美神を見る。
美神は、笑みを浮かべて小包を横島の眼前に突き出した。

「えっと、これは……」
「あんたの昼ごはんよ。どうせ、食べるものないんでしょ?だから、これあげる。」
「え……あ、ありがとうございます。」
「じゃぁね、横島クン。今日、これたら事務所に顔出しなさいよ。」

横島は、その出来事があって改めて昨日の事が夢でないことを実感した。
横島は、頭のどこかであの出来事が夢であって欲しいと思っていたのだ。

「……飯に困らなくなるのはいいんやけど……どうしたもんかな〜」

横島は、大の字に寝転がり思案していた。
そのあと、おキヌも美神と同じ用件でたずねてきた。
ただ、もってきたのが重箱に近い弁当箱だったのだ……(もはや1人で食べる量を超していた。)
横島は、甘んじてそれも受け取る。
だが、そのあとでおキヌが……

「あとで、味の感想教えてくださいね?また、工夫しますから。」

といったのでさあ大変……
この調子ならば、シロやタマモもやってくるだろう。
そして、美神も含めた全員がどれが美味しかったのかと聞いてくる事は目に見えていた。
だから、急いで身支度を整えさっさと登校したのだが……
シロに捕まりこれまたへビィ〜な弁当を渡されてしまう。
勿論それに引き続きタマモのやって来た。
中身は、殆んど油揚げが使われていた。
御飯は、いなり寿司。おかずは、油揚げの中に肉などの具材を詰め込んだもの
そして、一緒に持ってきたポットには味噌汁が入っていた。
それから、とぼとぼと登校したところピートとあったということだ。

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回想終了

「……なんで、そんなことになっちゃったの?」
「いや、昨日に……」

横島は、少々躊躇ったあと、どうせいつかばれると踏んで真実を告知した。
ピートと愛子の顔に驚愕の表情が浮かぶのは目に見えていたが……
ピートが叫ぶとは思わなかった。

「美神さんたちに、告白された!?」
「え、うそ……」

愛子は、驚きとは他の感情もあるみたいだが……
横島は、俯いてそれに気付かなかった。
そして、タイガーは…

「よ・横島サンが……こ、告白された?」

見事に石化していた。
彼としては、信じていた仲間に急に裏切られたような錯覚に陥ったのだろう。
まぁ、横島が自分と同じでもてない奴と思っていたのでショックも甚大だったようだ。
しかし、それはクラスメイトの男子にも言えることだった。
クラスの大半がピートのセリフを聞き石化してしまったのだ。
女子は、女子で囁きがあったが小さすぎて聞き取れないのでここは、おいておこう。

「大げさだな。」
「まぁ、仕方ないですよ。皆、横島さんのこともてないと思ってたんですからね。」
「お前も思ってたんだろ?」
「ええ、じつは少し。」

横島は、とりあえず弁当を全て出し机上に広げた。
そして、改めてその量を見て溜息をついた。
その溜息に相槌を打つかのように愛子とピートが呟いた。

「……凄い量ね……」
「確かに、溜息も出ますね。」

横島が、弁当箱に手を伸ばした次の瞬間。
クラスメイトの1人(めがねを掛けた男子A)が突然雄叫びを上げた。
石化していなかったクラスメイトは、その叫び声にたじろいだ。

「横島だけに、いい思いさせて溜まるかぁ〜!!!!」

その男子Aの叫び声に共感したのかクラスの男子が次々と再起動し最初の男子に引き続く。
勿論、タイガーも再起動を果した。
そして横島は、その壊れっぷりにいつもどおりのテンションを取り戻す。
いや、取り戻さざるを得なかったのだろう。
幾ら何でも今日の最低栄養摂取量を確保しなくてはいけないのだから。

「これは、俺んや〜!!手ぇ出すな〜!!」

とりあえず、横島は、抵抗をした。
がしかし、狂えるケダモノたちにそんなものが効果を持つはずもなかった。

「寄越せ〜〜!!!!」
「やめろ!くうな!!どっかにいけ〜!!」

必死に抵抗する横島、そして必死に弁当を奪おうとするクラスメイト……
ピートと愛子は、その光景を見て胸をなでおろした。

「いつもどおりになりましたね横島さん。」
「そうね。私も、頑張らなきゃ!これって青春よね〜」
「え?」

横島の抵抗も空しくとりあえず。胃袋に収められるだけ収めるしかなかった。
全体の2/3は、狂えるケダモノたちに食べられてしまった上に
味わう暇もなかったので味の感想もいえるとは思えない……

「お前等! 味わう暇もなかったやないか!」
「うるせぇ! お前ばっかいいめを見させて溜まるか!」

いつもどおりの小競り合い。
いつもどおりのテンション。
いつもどおりの笑い声。
それらがあってこその横島たちのクラスだ。
ただ、横島はこれから自分のみに降りかかる火の粉には気付かなかった。
学校でのこの騒動がどのような結果を招く事になるのかに……

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